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2021年4月22日号

2021.04.22 発行

HEADLINE

 

◆ウイルス対策:凸版印刷が抗ウイルス・抗菌クリアシートを開発、販売を開始(4月16日)

◆新エネルギー:エア・ウォーターグループの日本海水が福岡県で木質バイオマス発電所を着工(4月16日)

◆CO2分離:東レが多孔質炭素繊維を用いた革新CO2分離膜を創出(4月15日)

◆機能性材料:石原産業が機能性材料製造プラントの増強工事を完工(4月14日)

◆リサイクル:東洋エンジニアリングがごみ由来のエタノールを原料としたエチレン試験製造設備建設プロジェクトを受注(4月13日)

◆リサイクル:帝人フロンティアがリサイクルポリエステル使用のナノファイバー量産化技術を開発(4月12日)

◆バイオマス:理化学研究所、横浜ゴム、日本ゼオンがバイオマスからブタジエンを生成する世界初の新技術を開発(4月13日)

◆価格改定

・東海カーボンがカーボンブラックを5月1日納入分より値上げ

・DICがウレタン樹脂及び着色剤製品を5月6日出荷分より値上げ

・積水化学工業が塩化ビニル関連製品、ポリエチレン関連製品、塩化ビニル

ライニング鋼管を5月21日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆ウイルス対策:凸版印刷が抗ウイルス・抗菌クリアシートを開発、販売を開始(4月16日)

凸版印刷は、表面に付着した特定のウイルスや菌の増殖を抑え減少させることが可能な、再剥離性透明粘着シート「トッパン抗ウイルス・抗菌クリアシート」を開発し、4月19日より建築物の管理・運営や施工を行う様々な事業者に向けて販売を開始することを発表した。

これまで既存建物への抗ウイルス・抗菌加工は塗装など大掛かりな工事が必要であった。今回開発したシートは、既存のテーブルやカウンター、手摺、スイッチ、タッチパネルなど接触が気になる部分に手軽に貼り付けることが可能である。シートタイプとロールタイプをラインアップしており、住宅をはじめ商業施設や医療施設、公共施設など、様々な建築物における家具・什器・機器に使用できる。

凸版印刷では、国内のみならず海外市場へも積極的に拡販を進め、2022年度に関連受注も含め約700億円の売上を目指すとしている。

 

◆新エネルギー:エア・ウォーターグループの日本海水が福岡県で木質バイオマス発電所を着工(4月16日)

エア・ウォーターグループの日本海水は、福岡県苅田町における木質バイオマス発電所の建設工事に着手したと発表した。

製塩会社である日本海水は、製塩工程で大量の電力を使用するために赤穂工場に発電設備(バイオマス発電所と天然ガスボイラ)を保有している。

今回、着工した木質バイオマス発電所の発電形式は、5万kW規模のバイオマス発電ボイラであり、PKS(パームヤシの殻の部分)や国内材(建設廃材や樹皮など)を燃焼しやすいトラベリングストーカ方式を採用し、燃料の多様性に対応可能なものである。営業運転開始は2023年10月の予定としている。

 

◆CO2分離:東レが多孔質炭素繊維を用いた革新CO2分離膜を創出(4月15日)

東レは、中空糸状の多孔質炭素繊維を支持体とし、その表面に薄い炭素膜の分離機能層を有するオールカーボンの2層構造を持つ革新二酸化炭素(CO2)分離膜を創出したと発表した。

同社は、2019年に連続する空隙構造を持つ多孔質炭素繊維を創出している。この多孔質炭素繊維は、中空糸状にすることでガス透過性と耐薬品性や耐熱性などに優れたガス分離膜用の支持体として使用することができる。今回、直径300μm未満の細い中空糸状の多孔質炭素繊維を支持体とし、その表面に数μmの非常に薄い炭素膜の分離機能層を均一に形成した、オールカーボンの革新CO2分離膜を創出した。

本分離膜は、優れたCO2の分離性能と高耐久性を兼ね備え、従来の無機系分離膜と比較して設備の小型化が可能になるとしている

 

◆機能性材料:石原産業が機能性材料製造プラントの増強工事を完工(4月14日)

石原産業は、2019年1月に着工した四日市工場機能性材料製造プラントの増強工事が完工したことを発表した。この増強により、導電性材料及び高純度酸化チタンの生産能力が、従来比2倍の年産計2,000トンとなる。

同社の高純度酸化チタンは、電子部品材料であるチタン酸バリウムの原料として用いられており、コロナ禍に伴う電子機器の需要増や5Gの拡がり、自動車電装化の進展などにより好調に推移している。特に、ダウンサイジングへのニーズの高まりに応じ、同社独自の微粒子製品に対し旺盛な引き合いを受けている。また、導電性材料は、自動車バンパーの静電塗装用プライマー塗料や各種フィルムの帯電防止用途などに広く利用されており、自動車ボディーの軽量化ニーズの高まりにより需要は順調に伸長している。

既に一部銘柄の試作を開始しており、半年程度を目処にすべての対象銘柄について試作・品質確認など経た上で、2021年度下期には本格稼働と供給を開始する計画としている。

 

◆リサイクル:東洋エンジニアリングがごみ由来のエタノールを原料としたエチレン試験製造設備建設プロジェクトを受注(4月13日)

東洋エンジニアリングは、住友化学が千葉工場で計画する、ごみ由来のエタノールを原料とするエチレン試験製造設備の建設プロジェクトを受注したと発表した。

住友化学は、積水化学工業と、ごみを原料としてポリオレフィンを製造する技術の社会実装に向けて協力関係を構築している。2022年度から、積水化学工業によるごみ由来のエタノールを使用し、ポリオレフィン原料である高純度のエチレンの試験的生産を開始する予定である。

東洋エンジニアリングは、当設備の基本設計を住友化学と協働で実施し、現在、詳細設計/機器資材調達/建設工事業務を一括請負で実施中であり、短期間での実証運転開始を目指す。当設備の完成予定は2022年としている。

 

◆リサイクル:帝人フロンティアがリサイクルポリエステル使用のナノファイバー量産化技術を開発(4月12日)

帝人フロンティアは、リサイクルポリエステル原料を使用した超極細ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」の量産化技術を開発したと発表した。

近年、リサイクル原料を使用した素材へのニーズも急速に高まっているが、リサイクルポリエステル原料を使用した超極細繊維の生産は、ポリマーコントロールや紡糸技術の難度が非常に高いため、量産化が実現していなかった。

今回、同社は、「ナノフロント」の生産方法である海島複合紡糸において、新たなポリマーコントロールおよび紡糸技術を開発し、石油由来の原料を使用した従来品と同等の品質と機能を持つ、リサイクルポリエステル原料使用の長繊維による超極細ポリエステルナノファイバーの量産化に世界で初めて成功した。リサイクルポリエステル原料を使用した「ナノフロント」は、優れた吸水性や高いろ過性と捕集性といった、石油由来の原料を使用した従来品と同等の機能を有している。

帝人フロンティアは、原糸およびテキスタイルをスポーツ・機能性衣料や産業資材用途などへ幅広く展開し、2021年度に3億円、2025年度に8億円の売上を目指すとしている。

 

◆バイオマス:理化学研究所、横浜ゴム、日本ゼオンがバイオマスからブタジエンを生成する世界初の新技術を開発(4月13日)

理化学研究所、横浜ゴム、日本ゼオンの3社は、共同設置の「バイオモノマー生産研究チーム」の共同研究により、バイオマス(生物資源)から効率的にブタジエンを生成できる世界初の新技術を開発したことを発表した。

ブタジエンは自動車タイヤなどの原料として使われる合成ゴムの主原料で、ナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されている。

今回、チームは新しい人工経路と酵素で優れたブタジエン生成能を持つ細胞の創製に成功し、これにより、これまでの代謝経路に比べ、より安価な中間体を経ることが可能になった。これまで開発してきた酵素の知見を取り入れることでブタジエンの発酵生産でのコストを大幅に削減することが期待できる。また、本技術によって世界初の発酵生産により生成したブタジエンを用いてブタジエンゴムを得ることにも成功した。

同研究チームは同じく合成ゴムの主原料であるイソプレンについても、2018年に世界初となる新しい人工経路の構築と高活性酵素の作成により優れたイソプレン生成能を持つ細胞を創製に成功している。今後、さらに高生産酵素と効率的な精製技術確立に向けて3社の知見・技術を有機的に融合して研究を進めていくとしている。

 

◆価格改定

・東海カーボンがカーボンブラックを5月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、26.8円/kg

・DICがウレタン樹脂及び着色剤製品を5月6日出荷分より値上げ

値上げ幅は、ウレタン樹脂製品:7%~20%以上

着色剤関連製品:5%~10%以上

・積水化学工業が塩化ビニル関連製品、ポリエチレン関連製品、塩化ビニル

ライニング鋼管を5月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、塩化ビニル管全般:15%以上

塩ビ継手および塩ビマス:10%以上

その他塩化ビニル関連製品:10%以上

ポリエチレン管および継手・その他関連製品:15%以上

水道用塩ビライニング鋼管(LP-VA・VB):15%以上

排水用塩ビライニング鋼管(DVLP):8%以上

給湯用塩ビライニング鋼管(HTLP・WHTLP):5%以上

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