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2021年4月30日号

2021.04.30 発行

HEADLINE

 

◆樹脂関連:ENEOSが新構造脂環式エポキシモノマーの販売を開始(4月23日)

◆ウイルス対策:日本触媒がウィルス効果のある化粧品素材を開発(4月23日)

◆電子材料:東邦チタニウムがニッケル粉新工場の竣工を発表(4月21日)

◆光増感剤:川崎化成工業がキノン機能材製造設備の稼働を開始(4月21日)

◆ウレタン原料:三井化学の韓国の関連会社がMDI生産設備を増強(4月21日)

◆電子材料:日本化学工業が高純度赤燐の新生産棟を竣工(4月21日)

◆リサイクル:帝人、伊藤忠商事、日揮ホールディングスがポリエステルのケミカルリサイクル技術に関するライセンスに向けた共同協議書を締結(4月21日)

◆価格改定

・東亞合成がアクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸イソブチルを5月 1日出荷分より値上げ

・日本触媒が酸化エチレン(EO)およびEO誘導品を5月1日出荷分より値上げ

・積水化学工業が塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂およびCPVCコンパウンド製品を5月1日より値上げ

・DICが塗料用樹脂全般を5月6日納入分より値上げ

・DICがグラビア・フレキソインキ製品、接着剤、塗料製品を5月10日出荷分より値上げ

・東洋紡が包装用フィルム製品を5月21日出荷分より値上げ

・堺化学工業が酸化チタンを6月1日納入分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆樹脂関連:ENEOSが新構造脂環式エポキシモノマーの販売を開始(4月23日)

ENEOSは、電子機器周辺材料で代表的なエポキシ樹脂の原料となる脂環式エポキシモノマー「EPOCHALIC(エポカリック)」について、新たな分子構造の商品を世界で初めて商用化し、販売を開始したことを発表した。

新構造の脂環式エポキシモノマー「EPOCHALIC」は、同社が独自の技術により世界トップクラスのシェアを誇る、自動車部材向け合成ゴム添加剤用途のENB(エチリデン・ノルボルネン)事業で培ったノウハウを活用した分子設計をエポキシ樹脂の製造に用いることで、高い耐熱性と強度をもたらすことが可能となる。また、流動性に優れる「DE-102」および耐熱性の向上効果が大きい「DE-103」の2種類のラインナップにより、幅広い顧客ニーズに対応することができるとしている。

 

◆ウイルス対策:日本触媒がウィルス効果のある化粧品素材を開発(4月23日)

日本触媒は、化粧品素材として開発した機能性ポリマーに新型コロナウイルスの不活化効果があることを確認したと発表した。

日本触媒が開発した機能性ポリマーは親水性モノマーと疎水性モノマーで構成され、水分保持機能と被膜形成能を両立している。これまでに細菌への抗菌作用やインフルエンザウイルスに対する不活化効果を確認していたが、抗菌・抗ウイルス機能をさらに検証するため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすSARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する効能評価を行った。その結果、ポリマー濃度0.1%において、60分以上の接触により十分な効果(ウイルスの不活化効果が99%)を発揮できることが分かった。

日本触媒では、この機能性ポリマーは、お肌や毛髪を潤すととともに菌やウイルスから守ることを目的とした商品への応用が期待できるとしている。

 

◆電子材料:東邦チタニウムがニッケル粉新工場の竣工を発表(4月21日)

東邦チタニウムは、若松工場(福岡県北九州市)内に建設を進めていたニッケル粉新工場(第4工場)が竣工したことを発表した。設備投資額は約75億円である。

ニッケル粉は、積層セラミックコンデンサ(MLCC; Multilayer Ceramic Capacitor)の内部電極材料として使用され、電子機器の高機能化、IoT、自動車電装化の進展等によるMLCCの需要拡大に伴いニッケル粉の需要も増加している。

今後は、新工場の早期・円滑な生産立上げを図り、ニッケル粉の安定供給体制確立に努める。

また、川崎化成工業は電子材料分野を中核とする機能化学品事業の強化を目的に2021年10月1日、新会社を設立し、同社のケミカルカンパニー電材開発事業部を移管、あわせて、川崎化成工業と大東化学の新会社へ統合する予定としている。

 

◆光増感剤:川崎化成工業がキノン機能材製造設備の稼働を開始(4月21日)

川崎化成工業は、川崎工場内に「機能材製造設備」を新たに設置、稼働を開始したと発表した。

川崎化成工業では、ナフタレンの酸化反応により生成されるナフトキノンを原料として、キノン誘導品の製造・開発を行っている。新設した製造設備では、電子基板、ディスプレイ、3Dプリンターなどエレクロニクス分野向けに光増感剤としての需要が拡大している「アントラキュアー」シリーズを中心に、各種機能材製品の製造を行うとともに、次世代製品の開発にも活用していく。

なお、川崎化成工業は電子材料分野を中核とする機能化学品事業の強化を目的に2021年10月1日、新会社を設立し、同社のケミカルカンパニー電材開発事業部を移管、あわせて、川崎化成工業と大東化学の新会社への統合を予定している。

 

◆ウレタン原料:三井化学の韓国の関連会社がMDI生産設備を増強(4月21日)

三井化学は、関係会社である錦湖三井化学(韓国)のMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)生産設備を増強すると発表した。

MDIは、自動車部品、自動車及び家具のシートクッション材、住宅や冷蔵庫の断熱材フォーム、弾性 繊維や各種接着用原料など、多くの分野で使用される代表的なポリウレタン主原料である。MDIの需要は、各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上の政策効果や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率6%の増加が見込まれている。

今回の増強は、断熱材等の需要伸長に加え、EV自動車を中心としたNVH(ノイズ・振動・ハーシュネス)制御に使用される高機能MDI需要の更なる拡大に対応するためのものである。設備増強に併せて、生産工程で発生する副生物を原材料として再利用するリサイクル設備も導入する。これにより、原材料自給率の向上と、工場からの排水量やサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減を目指す。

設備増強による増強能力は20万トン/年で、投資額は400億円。2021年4月に着工し、23年9月に完工、24年1月に営業運転開始予定としている。

 

◆電子材料:日本化学工業が高純度赤燐の新生産棟を竣工(4月21日)

日本化学工業は、昨年より福島第二工場において建設を進めてきた高純度赤燐の新生産棟が完成し、竣工式を行ったと発表した。新生産棟の投資額は約3億円である。

同社の高純度赤燐は、半導体ドーパント材料や、光通信向けとしてインジウムリンInP系の化合物半導体材料として採用されている。半導体市場は継続的な成長が期待されおり、また光通信向けの受発光素子材料は、インターネット通信の高速化・大容量化に貢献するものとして世界的に需要の増大が見込まれている。

新生産棟の竣工により顧客の要望・期待に安定的に答えることができる供給体制を一層強化することが可能になったとしている。

 

◆リサイクル:帝人、伊藤忠商事、日揮ホールディングスがポリエステルのケミカルリサイクル技術に関するライセンスに向けた共同協議書を締結(4月21日)

帝人、伊藤忠商事、日揮ホールディングスは、廃棄されるポリエステル繊維製品からポリエステルをケミカルリサイクルする技術のライセンス事業に向けた共同協議書を締結したと発表した。

近年、持続可能な社会の実現に向けてさまざまな取り組みが始まっており、繊維産業においても衣料品の大量廃棄問題や製造工程におけるCO2排出量などのサステナビリティ課題の解決が急務となっている。

今回の協議書締結においては、帝人の持つポリエステルのケミカルリサイクル技術と、グローバルにエンジニアリング事業を展開する日揮の知見、伊藤忠商事の持つ繊維業界の幅広いネットワークを活用し、廃棄されるポリエステル繊維製品を原料としたポリエステルのケミカルリサイクル技術の国内外へのライセンス展開や、コスト効率に優れたケミカルリサイクルシステムの構築を検討する。これにより、繊維製品の大量廃棄問題に対する有効な解決手段の更なる拡大を目指すとしている。

 

◆価格改定

・東亞合成がアクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸イソブチルを5月 1日出荷分より値上げ

値上幅は、16円/㎏以上

・日本触媒が酸化エチレン(EO)およびEO誘導品を5月1日出荷分より値上げ値上げ幅は、酸化エチレン(EO):15円/kg以上

エチレングリコール、エタノールアミン、その他EO誘導品:25円/kg以上

・積水化学工業が塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂およびCPVCコンパウンド製品を5月1日より値上げ

値上げ幅は、海外輸出向け:3%以上、国内販売向け:10円/kg

・DICが塗料用樹脂全般を5月6日納入分より値上げ

値上げ幅は、おおよそ40円以上/kg

・DICがグラビア・フレキソインキ製品、接着剤、塗料製品を5月10日出荷分より値上げ

値上げ幅は、白インキ:40円/kg、色インキ:60円/kg

メジュームおよびOPニス:50円/kg、接着剤:50円/kg

硬化剤:50~150円/kg、クリヤー:30円/kg

ホワイトコーチング:40円/kg、金属インキ:50円/kg

・東洋紡が包装用フィルム製品を5月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP):200円/連(20μm換算)

無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP):200円/連(20μm換算)

リニアローデンシティ・ポリエチレンフィルム(LLDPE)200円/連(20μm換算)

(連=500㎡)

・堺化学工業が酸化チタンを6月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、40円/kg

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