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2021年2月12日号

2021.02.12 発行

HEADLINE

 

◆包装材料:大日本印刷が長期保存も可能な紙製一次包材を開発(2月5日)

◆CO2利用:千代田化工建設が三菱商事とBlue Planet Systems Corporationと炭素循環社会実現に向けて協業契約を締結(2月5日)

◆バイオマス:日本製紙が木質バイオマスを高配合した新しい樹脂複合材料を開発(2月4日)

◆フィルム:凸版印刷がリチウムイオン電池用の消火フィルムを開発(2月3日)

◆新エネルギー:ENEOSが排熱を利用した熱電発電システムを共同開発(2月2日)

◆複合材料:帝人が豪AEV社と次世代モビリティ向けパーツを共同開発(2月2日)

◆リサイクル:東洋紡がOPPバリアフィルムの新製品を開発(2月1日)

◆価格改定

・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定

・クラレがポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂を2月4日出荷分より値上げ

・住友化学が熱可塑性エラストマー(TPE)を2月15日出荷分より値上げ

・デンカがABS樹脂、デンカIP、透明樹脂、クリアレンを2月15日出荷分より値上げ

・東洋紡が自動車エアバッグ用のナイロン原糸・基布を2月21日出荷分より値上げ

・クラレがEVOH製品(エチレン・ビニルアルコール共重合体)を2月22日出荷分より値上げ

・住友化学がポリエチレン、ポリプロピレンを2月22日納入分より値上げ

・カネカが加工油脂製品を3月1日出荷分より値上げ

・カネカが塩化ビニル樹脂を3月1日出荷分より値上げ

・信越ポリマーがポリカ波板関連製品を4月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆包装材料:大日本印刷が長期保存も可能な紙製一次包材を開発(2月5日)

大日本印刷(以下:DNP)は、フィルムパッケージと同等レベルのバリア性がある紙製のパッケージ「DNPスーパーハイバリア紙包材」を開発したことを発表した。

本製品は、独自のコンバーティング技術により、バリア性を有しながらも、再生可能資源である紙を使用することでプラスチック使用量を削減する環境に配慮した製品である。また、パッケージにおける紙の重量比が50%を超えているため、容器包装リサイクル法で「紙製容器包装」に分類される。食品などの内容物を直接包装する一次包材としての使用も想定している。

DNPは今後も、紙などの再生可能資源を使用するなど環境に配慮するとともに、使いやすさや機能なども兼ね備えた製品の開発を進めていくとしている。

 

◆CO2利用:千代田化工建設が三菱商事とBlue Planet Systems Corporationと炭素循環社会実現に向けて協業契約を締結(2月5日)

千代田化工建設は、コンクリート原料である骨材製造にCO2を原料として利用する技術の開発と事業化に向け、技術を保有する米国Blue Planet Systems Corporation(以下、BP)及び三菱商事の3社で協業契約を締結したと発表した。

BPは、排気ガス等に含まれるCO2を炭酸カルシウムとして固定化し、コンクリート原料である骨材を製造する技術の開発と事業化に取り組んでいる。

世界ではCO2を資源として回収する「カーボンリサイクル技術」の開発が求められている中で、本協業では、千代田化工建設はシリコンバレー地区で計画されている実証事業に参加し、エンジニアリングや化学工学の知見を活かし、技術の確立と事業化を推進するとしている。

 

◆バイオマス:日本製紙が木質バイオマスを高配合した新しい樹脂複合材料を開発(2月4日)

日本製紙は、日本製鋼所と共同で、木材を原料とする木質バイオマスを高配合した樹脂複合材料(トレファイドバイオコンポジット)を開発したことを発表した。

木粉やパルプといった木質バイオマスと樹脂との複合材料において、従来の製品は耐熱性や成形性に課題があった。開発品は、新規バイオマス固形燃料のトレファクション技術を活用し、木質バイオマスに耐熱性、粉砕性、疎水性を付与することに特徴がある。この木質バイオマス材料を、日本製鋼所製の二軸押出機の混練技術を用いて樹脂に高配合することで、従来よりも耐熱性や成形性に優れた新しいトレファイドバイオコンポジットを生み出した。この新規複合材料はプラスチック使用量を5割以上削減することができる。

今後は、建材、食品容器・器具、家電製品、園芸など、様々な分野での用途開発により商品化を進めるとしている。

 

◆フィルム:凸版印刷がリチウムイオン電池用の消火フィルムを開発(2月3日)

凸版印刷は、火災発生時の熱に反応して消火効果のあるエアロゾルを放出する「消火フィルム」を開発したと発表した。

今回凸版印刷が開発した「消火フィルム」は、ヤマトプロテックの高い消火能力を持つ消火剤を使用し、凸版印刷の持つ透明蒸着バリアフィルムと高い塗工技術を組み合わせることにより、耐久性・施工性の課題を解決し、発火の可能性がある場所に手軽に貼り、消火能力を発揮する。

「消火フィルム」は、軽量であり、コンパクトなため、リチウムイオン二次電池のケース内や、配電盤・分電盤設備の内部、公共施設のゴミ箱など、密閉空間で発火リスクのあるさまざまな箇所に貼ることが可能である。火災発生時の熱に即座に反応して消火能力を発揮し、延焼を抑える。

凸版印刷は、本製品を電池メーカーや電機メーカーなどに拡販し、2021年度までに関連事業含めて約20億円の売上を目指すとしている。

 

◆新エネルギー:ENEOSが排熱を利用した熱電発電システムを共同開発(2月2日)

ENEOSは、排熱を利用した熱電発電システムの開発に向けて、同社が資本参画するEサーモジェンティック(以下、Eサーモ)とJX石油開発と3社間で共同開発に関する契約を締結したと発表した。

当開発では、工場などで発生する排熱を電力に変換し、自家消費することで購買電力を削減できる熱電発電システム技術の確立および活用に取り組む。

熱電発電はモジュールの形状から、平面上へのモジュールの設置が一般的だったが、本開発では、配管など熱源の形状が曲面を有する場合でも密着して装着できる湾曲可能なモジュールを採用している。また、夜や冬など外気温が低い時間帯・季節により多く発電出来ることが特徴である。

熱電発電システムは屋外環境下での使用事例が乏しく、対候性や配管振動に対する耐久性において更なる検証や、電池・モニタリングシステム選定のための実使用環境でのデータの蓄積が必要である。本開発では、同社グループのJX石油開発 中条油業所において、配管の表面の熱を利用した実証を行う。

実証を通じて、2023年を目途に最適な装置構成、システム等の設計・構築を行い、高効率・低コストな熱電発電技術の提供を目指すとしている。

 

◆複合材料:帝人が豪AEV社と次世代モビリティ向けパーツを共同開発(2月2日)

帝人は、LS-EV(低速EV)の軽量化に向けた開発パートナーであるApplied EV社(オーストラリア、以下、AEV社)と共同で、自動運転への対応が可能な多目的プラットフォーム「Blanc Robot」を開発したと発表した。

今回開発した「Blanc Robot」は、AEV社が培ってきたセンシング、コネクテッド(通信)などにおける最先端技術を最適なレベルで組み込み、コンパクトに集約した多目的LS-EV向けのプラットフォームである。このプラットフォームには、バッテリー、モーター、ブレーキや、走行を管理する電子制御ユニットなどの機能が内蔵されており、用途に合わせた車体を搭載して自動走行することが可能である。Blanc Robotのトップカバーには帝人グループのCSP社の軽量・高強度・高剛性なGF-SMC(熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させシート状にした成形材料)を用いており、これまでAEV社が開発してきた多目的LS-EV向けプラットフォームのアルミ製トップカバーに比べ、約20%程度の軽量かつ約4㎡の広面積を実現している。

帝人およびAEV社は、2022年後半にも「Blanc Robot」を使用したEVの実用化を目指し、運送・工業・医療・一般交通など幅広い用途での活用を想定し、「Blanc Robot」および車体設計や走行技術の向上を図っていくとしている。

 

◆リサイクル:東洋紡がOPPバリアフィルムの新製品を開発(2月1日)

東洋紡は、モノマテリアル(単一素材)の包装材を実現する、高いバリア性を持つ二軸延伸ポリプロピレン(以下、OPP)フィルムの新製品「DP065」を開発したことを発表した。

同品は、単一素材で構成しながらも、高いバリア性や優れた加工適性、国際的な基準に適合する安全性など、包装材に求められる機能を併せ持つOPPフィルムでモノマテリアルの包材設計が可能となるため、プラスチックの再生利用が容易になる。さらに、非塩素系の材料を使用しており、リサイクルや焼却時に有害な塩素系ガスが発生しないという特長を持つ。

東洋紡は「DP065」について3月中旬よりサンプル出荷を開始し、4月下旬の販売開始を目指すとしている。

 

◆価格改定

・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定

2月契約価格は、660$/t(前月比+25$/t)、国内価格換算想定値は74.4円/kg

・クラレがポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂を2月4日出荷分より値上げ

値上げ幅は、日本:25円/kg以上、ヨーロッパ:0.2ユーロ/kg以上、アジアパシフィック、北南米、中東、アフリカ:0.25US$/kg以上

・住友化学が熱可塑性エラストマー(TPE)を2月15日出荷分より値上げ

値上げ幅は、30円/kg

・デンカがABS樹脂、デンカIP、透明樹脂、クリアレンを2月15日出荷分より値上げ

値上げ幅は、25円/kg

・東洋紡が自動車エアバッグ用のナイロン原糸・基布を2月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、50円/kg (原糸重量換算)

・クラレがEVOH製品(エチレン・ビニルアルコール共重合体)を2月22日出荷分より値上げ

値上げ幅は、日本:20円/kg、アジアパシフィック:0.20US$/㎏

・住友化学がポリエチレン、ポリプロピレンを2月22日納入分より値上げ

値上げ幅は、10円/kg以上

・カネカが加工油脂製品を3月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、ショートニング製品:28円/kg以上、マーガリン製品:25円/kg以上、ファットスプレッド・バタークリーム製品:19円/kg以上

・カネカが塩化ビニル樹脂を3月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、15円/kg以上

・信越ポリマーがポリカ波板関連製品を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、15%以上

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