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2021年2月18日号

2021.02.18 発行

HEADLINE

 

◆コンパウンド:住友化学がポーランドにポリプロピレンコンパウンド生産拠点を新設(2月10日)

◆石油製品:ENEOSが知多製造所の製造設備を出光興産へ譲渡(2月10日)

◆化粧品原料:大日精化工業が化粧品用セルロース系ビーズを開発(2月10日)

◆日揮ホールディングスがカザフスタンでガス分離プラントの基本設計役務を受注(2月10日)

◆抗菌製品:大日本印刷が抗菌・抗ウイルス性「デスクトップシート」を開発(2月10日)

◆エンジニアリング:千代田化工建設がカタールのLNG輸出基地・新規プラントのEPC業務を受注(2月9日)

◆電子材料:住友化学が大阪工場での最先端プロセス向け半導体フォトレジストの生産能力を増強(2月8日)

◆価格改定

・東亞合成がアクリル酸、アクリル酸エステル、特殊アクリル酸エステルを2月15日出荷分より値上げ

・大洋塩ビが塩化ビニル樹脂を3月1日納入分より値上げ

・東ソーがペースト塩ビ樹脂を3月1日納入分より値上げ

・DICがポリスチレン製品およびスチレン系製品を3月1日納入分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆コンパウンド:住友化学がポーランドにポリプロピレンコンパウンド生産拠点を新設(2月10日)

住友化学は、ポリプロピレン(PP)コンパウンド事業を強化するため、ポーランドに新たな生産拠点「住化ポリマーコンパウンドポーランド(以下、「SPCP」)」を設立することを発表した。

ポーランドや隣接するドイツ東部、チェコには多くの自動車・家電メーカーが生産拠点を構えており、環境規制の強化による電気自動車(EV)の普及もあって、引き続きPPコンパウンドは堅調な需要伸長が見込まれる。そのため、住友化学の子会社である住化ポリマーコンパウンドヨーロッパの100%子会社としてSPCPを新設し、より迅速に顧客にアクセスできる体制を構築することとした。

さらに、欧州連合(EU)のサーキュラー・エコノミー(循環経済)政策により、リサイクル品のニーズが一段と高まっているため、リサイクルPPを60~100%含有するGFPPについても、イギリスやフランスの拠点に続き、SPCPでも生産を開始することでシェアを高めていく考えである。

SPCP のPPコンパウンドの生産能力は約30,000トン/年であり、2022年春に商業運転を開始する予定としている。

 

◆石油製品:ENEOSが知多製造所の製造設備を出光興産へ譲渡(2月10日)

ENEOSは、2021年10月を目途に知多製造所の製造機能を停止することを決定しており、今回、出光興産と知多製造所の設備譲渡に関する基本契約を締結したと発表した。

知多製造所の装置構成は、接触改質装置(23,500バレル/日)、芳香族回収装置(21,000バレル/日)、パラキシレン製造装置(400,000トン/年)、トルエン不均化装置(8,800バレル/日)、シクロヘキサン製造装置(220,000トン/年)となっている。

今後は、2022年9月末までの設備譲渡に向けて、製造機能停止から設備譲渡までの工程および譲渡にかかる詳細条件を協議するとしている。

 

◆化粧品原料:大日精化工業が化粧品用セルロース系ビーズを開発(2月10日)

大日精化工業は、化粧品用セルロース系ビーズ「KCX-1500」(以下、本製品)を開発し、サンプル出荷を開始したことを発表した。

本製品は、バイオマス素材であるセルロースアセトプロピオネート(CAP)を原料に、真球状で平滑な表面を持つ、微粒子パウダーであることが最大の特徴となっている。この特徴により、ファンデーションなどに使用した場合、滑らかでしっとりとした感触を付与することができる。加えて、セミナチュラルであることから、これまでの合成樹脂ビーズに近い性能を有している。

欧州、日本、アメリカをはじめ、世界の化粧品・OEM メーカーに提案を行っていくとともに、順次ラインナップ拡充を進めていく予定としている。

 

◆日揮ホールディングスがカザフスタンでガス分離プラントの基本設計役務を受注(2月10日)

日揮ホールディングスは、海外EPC事業会社である日揮グローバルが、2020年12月にカザフスタンにおいて同国営石油会社であるカズムナイガス社と傘下のKLPE社が計画しているガス分離プラント建設プロジェクトの基本設計役務を受注したと発表した。

同プロジェクトは、KLPE社がテンギス油田のエクソンモービル、シェブロン、カズムナイガス等による合弁である開発会社テンギスシェブルオイル社が運営するプラントの隣接地にガス分離プラントを建設する計画である。分離したエタンは別途計画されているポリエチレン製造プラントに原料として供給される予定としている。

 

◆抗菌製品:大日本印刷が抗菌・抗ウイルス性「デスクトップシート」を開発(2月10日)

大日本印刷は、低コストで簡単に今ある空間の抗菌・抗ウイルスの機能を高めたい、日常の除菌作業の負荷を軽減したいといったニーズに応えるため、抗菌・抗ウイルス性に優れた「デスクトップシート」を開発したと発表した。

当製品はデザイン性にも優れ、フローリング用EBオレフィンシートなどで培った耐摩耗性などの耐久性にも優れたさまざまな機能を併せ持っている。

今後もさらに、建具・床・壁・天井・家具・什器など、空間全体の表面材に展開できる抗菌・抗ウイルス製品のラインアップを拡充し、住宅・オフィス・商業施設・医療施設・公共施設等で、新築だけでなく既築の物件にも提供していく。また、海外市場にも展開し、抗菌・抗ウイルスの建材製品全体で、2025年度に年間800億円の売上を目指すとしている。

 

◆エンジニアリング:千代田化工建設がカタールのLNG輸出基地・新規プラントのEPC業務を受注(2月9日)

千代田化工建設は、仏国Technip Energies社と共同で、カタール国営石油会社であるカタールペトロリアム社(QP社)が同国で計画するNFE液化天然ガス(LNG)輸出基地・新規液化天然ガスプラントに関する設計、調達、建設及び試運転業務を受注したと発表した。

本案件は、世界最大の単一ガス田であるカタールノースフィールドガス田の東部から新たに生産される日量約60億立方フィートの天然ガスを液化処理するために、年産3,200万トン(800万トン×4系列)のLNGプラントおよび付帯設備のEPC業務を行うものである。また、温室効果ガスを既存LNGプラント比25%以上削減する二酸化炭素回収・貯留設備も含まれている。

本案件の遂行によりカタールは、LNG生産量が現在の年産7,700万トンから年産1億1,000万トンに増産可能になるとしている。

 

◆電子材料:住友化学が大阪工場での最先端プロセス向け半導体フォトレジストの生産能力を増強(2月8日)

住友化学は、液浸ArF(フッ化アルゴン)、EUV(極端紫外線)などの最先端プロセス向け半導体フォトレジストについて、大阪工場の製造ラインを増設し、生産能力を引き上げることを発表した。

フォトレジストは、半導体製造工程におけるパターン形成に使用される感光性樹脂であり、特に、微細化工程で主として使用される液浸ArF露光用レジストについて、同社は性能優位性と品質安定性により世界的に高いシェアを占めている。EUV露光用レジストについても、採用が決定している有力顧客の量産化スケジュールに応じて出荷の増加を見込むとともに、着実な新規受注獲得に向けてさらなる微細化ニーズに沿った開発を進めている。

半導体デバイス市場の需要増加を背景に液浸ArFをはじめとする先端フォトレジストの需要は今後も年率6%の拡大が見込まれていることから、今回2019年度に設置した先端フォトレジストプラントに新たな製造ラインを増設し、同プラントの生産能力を約4倍に引き上げる決定をした。

新製造ラインの稼働開始は2022年度上期の予定としている。

 

◆価格改定

・東亞合成がアクリル酸、アクリル酸エステル、特殊アクリル酸エステルを2月15日出荷分より値上げ

値上げ幅は、各製品とも10円/㎏以上

・大洋塩ビが塩化ビニル樹脂を3月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、12円/kg以上

・東ソーがペースト塩ビ樹脂を3月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、12円/kg以上

・DICがポリスチレン製品およびスチレン系製品を3月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、17円/kg以上

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