メールマガジン

2021年2月4日号

2021.02.04 発行

HEADLINE

 

◆フィルム:日本ゼオンの中国法人が深圳に分公司を設立(1月29日)

◆自動車部品:豊田合成が宮城県に内外装部品の新工場を設立 (1月29日)

◆燃料電池関連:東洋紡フイルムソリューションがPENフィルムを使用した燃料電池セル用シール材を開発(1月29日)

◆フィルム:DICがJindal Poly Filmsとインドでの機能性CPPフィルム事業の協業に合意(1月28日)

◆包装材料:DNPが抗菌・抗ウイルス性能を持つラミネートチューブを開発(1月28日)

◆樹脂:信越化学工業が米国子会社の生産能力を増設(1月27日)

◆エネルギー:三井化学が大阪工場で高効率ガスタービン発電システムの営業運転を開始(1月27日)

◆樹脂:三菱ケミカルが中国・双欣社との合弁会社におけるPVOH樹脂のグローバル販売を開始(1月26日)

◆3Dプリンタ:DICが抗ウイルス・抗菌機能を有した3Dプリンタ向け熱可塑性プラスチック材料を開発(1月25日)

◆価格改定

・BASFがプラスチック添加剤を1月28日より世界的に値上げ

・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを2月22日納入分より値上げ

・信越化学工業が塩化ビニル樹脂を3月1日納入分より値上げ

・住友ベークライトが半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を3月納入分より値上げ

・住友ベークライトが銅張積層板を3月1日出荷分より値上げ

・東ソーが塩素化パラフィンを4月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆フィルム:日本ゼオンの中国法人が深圳に分公司を設立(1月29日)

日本ゼオンは、グループ企業で合成ゴム・合成樹脂など各種商品の仕入販売を行なう瑞翁貿易(上海)が深圳市に分公司を設立、営業を開始したことを発表した。

ディスプレイ産業が集積する華南地区に分公司を設けることで、中国国内おける光学フィルムの更なる拡販を図るとしている。

 

◆自動車部品:豊田合成が宮城県に内外装部品の新工場を設立(1月29日)

豊田合成は、東北地域での自動車部品の生産体制を強化するため、トヨタ自動車東日本が所在する宮城県大衡村に新工場を設立することを発表した。

新工場は豊田合成の生産子会社である豊田合成東日本の分工場として設立し、2021年4月に着工、2022年夏頃からラジエータグリルなど大型の樹脂塗装製品の生産開始を予定している。

新工場の面積は土地約34,000m2、建屋約8,300m2、稼働開始時の従業員数は約40名。なお豊田合成グループで国内15番目となる同工場は、最新の塗装設備や協働ロボットなどの導入による効率的なモノづくりを追求すると共に、再生可能エネルギーの活用など環境にも配慮した最先端工場として設立するとしている。

 

◆燃料電池関連:東洋紡フイルムソリューションがPENフィルムを使用した燃料電池セル用シール材を開発(1月29日)

東洋紡フイルムソリューションは、燃料電池自動車(FCV)に搭載する燃料電池セルの封止に用いるシール材を開発し、トヨタ自動車のFCVの新型「MIRAI」に採用されたことを発表した。

今回、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム「テオネックス」に独自の接着剤を塗工して、精密加工を施したシール材を開発した。燃料電池セルを生産する際に、セルの構成部材を接合する用途に加えて、発電面の保護、絶縁、ガス導出入形状の維持など、さまざまな機能を提供する。

「テオネックス」を使用した本シール材は、過酷な環境下でも高い耐久性を実現する。また、新規に開発した接着剤などの効果により、部材の高速接合が可能となり、1セルあたりの生産時間が大幅に短縮されるとしている。

 

◆フィルム:DICがJindal Poly Filmsとインドでの機能性CPPフィルム事業の協業に合意(1月28日)

DICは、世界最大級のBOPPフィルムメーカーであるJindal Poly Films(Jindal社)とインド国内における機能性CPPフィルムの市場開拓を目的とした協業の可能性について検討を進めており、今回、Jindal社と協業実施に合意したことを発表した。

インド国内では、使い捨てプラスチックの使用の規制強化など環境対応や衛生管理面での機能ニーズが高まっており、なかでもフィルムの軽量化、モノマテリアル化などに適した機能性の高いCPPフィルムの需要が今後伸びることが見込まれている。

今回合意した協業内容は、技術ライセンス契約を締結し、同社の生産パッケージング技術をJindal社に供与、Jindal社のインド国内工場にて、同社の技術を用いた機能性CPPフィルムを開発・量産化、合弁会社の設立を視野に、Jindal社が生産した機能性CPPフィルムをインド国内において共同販売することを検討している。早ければ2021年度中に具体的な活動を開始する予定としてる。

 

◆包装材料:DNPが抗菌・抗ウイルス性能を持つラミネートチューブを開発(1月28日)

大日本印刷(DNP)は、印刷で培った独自のコーティング技術を活かし、チューブ容器の胴部分の表面に抗菌・抗ウイルスの性能を持たせたラミネートチューブを開発したと発表した。

新製品は抗菌および抗ウイルスの性能を持つ材料を表面に塗工したラミネートチューブである。ラミネートチューブとして必要な意匠性や機能性(耐光性・耐摩擦性など)については、従来品と同等の性能を有している。同製品は歯磨き製品やハンドクリーム、日焼け止めなど、日常的に使われる生活用品での使用が想定されている。

DNPは同新製品で2023年度までの累計で10億円の売上を目指している。また、紙器やパウチなどの抗菌・抗ウイルス性能を持つパッケージのラインアップを拡充していく予定としている。

 

◆樹脂:信越化学工業が米国子会社の生産能力を増設(1月27日)

信越化学工業は、米国子会社であるシンテック社の生産能力をさらに増強することを決定したと発表した。

増加する生産能力は、塩ビモノマー(VCM)580千トン/年、塩ビ樹脂(PVC)380千トン/年、か性ソーダ390千トン/年。完成時のシンテック社の総能力(公称)は、PVC3,620千トン/年、VCM2,950千トン/年、か性ソーダ1,950千トン/年となる。投資金額は、12.5億ドルを見込む。2023年末の完工を予定し、当増強分の稼働はPVCとか性ソーダの国際的な需給を踏まえ柔軟に実施する。

世界のPVC需要は、今年の見込みを含む直近10年間で、年平均1,000千トン/年強(中国市場を除いても、年平均200千トン/年強)増えている。PVCは、温室効果ガスの低減と社会・生活インフラの拡充との両立に大いに資する素材として、さらなる需要増加が見込まれるとしている。

 

◆エネルギー:三井化学が大阪工場で高効率ガスタービン発電システムの営業運転を開始(1月27日)

三井化学は、同社大阪工場内に高効率ガスタービン発電システムを設置し、2020年12月より営業運転を開始したと発表した。

本システムの稼働により、同社大阪工場の自家発電比率が向上するとともに、ガスタービン発電設備から発生する高温排ガスをエチレンプラントのナフサ分解炉の燃焼用空気として利用することで、分解炉の使用燃料を削減する。これにより、大阪工場から排出されるCO2が年間で約7万トン削減できるとしている。

 

◆樹脂:三菱ケミカルが中国・双欣社との合弁会社におけるPVOH樹脂のグローバル販売を開始(1月26日)

三菱ケミカルは、内蒙古双欣環保材料(以下、双欣)と、2018年に汎用PVOH樹脂「ゴーセノール」について事業提携し、合弁会社として高先雙欣有限公司を設立していたが、今回合弁会社を通して双欣製造のゴーセノールのグローバル販売を本格的に開始したことを発表した。

PVOH 樹脂は、水溶性、接着性、造膜性、生分解性を利用し、接着剤やフィルム等の工業原料に幅広く利用されており、今後も需要の拡大が見込まれている。

今回双欣による高品質なゴーセノールの安定生産体制を確立し、合弁会社を通してグローバル販売を本格的に開始した。なお、双欣が製造するゴーセノールの日本向け販売は三菱ケミカルのグループ会社である大成化薬が代理店として販売を担うとしている。

 

◆3Dプリンタ:DICが抗ウイルス・抗菌機能を有した3Dプリンタ向け熱可塑性プラスチック材料を開発(1月25日)

DICは、抗ウイルス・抗菌機能を有した3Dプリンタ向け熱可塑性プラスチック材料(以下、「フィラメント」)を開発したと発表した。

今回開発した3Dプリンタ向けフィラメントは、抗ウイルス・抗菌機能を有した熱可塑性ポリウレタン樹脂(以下、「TPU樹脂」)を採用している。TPU樹脂は柔軟性や耐摩耗性を有することから、フェイスシールドやマスクなど医療や衛生用途での活用が期待できる。それ以外にもウイルス感染対策が求められカスタマイズが必要な造形品への展開が可能である。

開発品は国際標準化機構(ISO)が規格する抗ウイルス性および抗菌性の国際標準に準じた試験において効果が確認されている。

今後は、電子・電気、スポーツ、日用品、住宅・建材、自動車など幅広い業界への展開を視野に入れ、2021年度中の販売を目指すとしている。

 

◆価格改定

・BASFがプラスチック添加剤を1月28日より世界的に値上げ

値上げ幅は、最大10%

但し、有効な契約がある場合はその内容が優先される

・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを2月22日納入分より値上げ

値上げ幅は、10円/kg以上

・信越化学工業が塩化ビニル樹脂を3月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、10円/kg以上

・住友ベークライトが半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を3月納入分より値上げ

値上げ幅は、10~20%

・住友ベークライトが銅張積層板を3月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10%

・東ソーが塩素化パラフィンを4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、A40系グレードが120円/kg以上

150系グレードが90円/kg以上

関連記事

 

素材・工業材料

TOPへ戻る