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2020年7月2日号

2020.07.02 発行

HEADLINE

 

◆炭素繊維:テイジン・カーボン・ヨーロッパ社が炭素繊維ショートファイバーの生産を増強(6月26日)

◆炭素:クラレの米国子会社が活性炭生産設備を増設(6月25日)

◆潤滑油添加剤:三洋化成工業が最新の高性能エンジンオイル用潤滑油添加剤の販売を本格化(6月25日)

◆ウイルス対策:クラボウが「アイソレーションガウン」の国内生産、販売を開始(6月25日)

◆ウイルス対策:帝人フロンティアが高機能繊維を使用した接触冷感マスクを販売開始(6月25日)

◆自動車部材:住友ベークライトが車載用光学関連製品のラインナップを拡充(6月23日)

◆ウイルス対策:カネカが新型コロナウイルス感染症に対する治療薬開発を加速(6月22日)

◆価格改定

・JSRが合成ゴム・エマルジョン製品を7月1日納入分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆炭素繊維:テイジン・カーボン・ヨーロッパ社が炭素繊維ショートファイバーの生産を増強(6月26日)

帝人グループは欧州における炭素繊維事業会社であるテイジン・カーボン・ヨーロッパ社(以下:TCE)が、欧州市場の需要拡大に対応するため、炭素繊維「テナックス」ショートファイバーの生産能力を40%増強したことを発表した。

欧州では電子機器、医療機器市場において、軽量化や耐衝撃性の向上を目的に炭素繊維を使用したコンパウンド製品へのニーズが高く、中でも新型コロナウイルス感染症拡大の影響からレントゲン機器や人工呼吸器などの用途で需要が高まっている。

帝人グループは、今後、炭素繊維製品の開発をさらに強化し、革新的な高性能材料とソリューションを提供するとしている。

 

◆炭素:クラレの米国子会社が活性炭生産設備を増設(6月25日)

クラレの米国子会社Calgon Carbon Corporation(カルゴン・カーボン社)は、米国ミシシッピ州パールリバー工場において活性炭の生産設備を増設すると発表した。

活性炭は、瀝青炭やヤシ殻などを原材料として加工した、表面に微細孔を持つ炭素材料で、微細孔の大きさや形状によって、様々な用途に使用されている。近年、水・大気の浄化など環境関連用途で広く使用されており、特に米国では水質汚染物質の除去など飲料水分野における活性炭の需要が拡大している。今回、パールリバー工場において活性炭生産設備を増設することで、グローバルに安定した活性炭の供給体制を拡充する。

増設の生産能力は、瀝青炭ベース活性炭で年産25,000トン、投資金額は約185百万ドル、稼働時期は2022年末の予定としている。

 

◆潤滑油添加剤:三洋化成工業が最新の高性能エンジンオイル用潤滑油添加剤の販売を本格化(6月25日)

三洋化成工業は、最新のエンジンオイル規格ILSAC GF-6に対応した高性能なエンジンオイル向けに、より省燃費性能に優れる潤滑油添加剤『アクルーブ V-6000』シリーズの販売を本格化すると発表した。

エンジンオイルの性能規格は、2020年5月に最新のILSAC GF-6が施行され、同規格では省燃費性などの要求性能が総合的に向上したことが特徴である。さらに近年のエンジンの小型高出力化にも対応できるよう、新しい試験項目も追加された。この規格をクリアするためには高性能なエンジンオイルが必要で、それに伴い粘度指数向上剤にもこれまで以上に高い性能が求められている。

粘度指数向上剤『アクルーブ V-6000』シリーズはGF-6規格に対応した最新の高性能エンジンオイルへの採用が増加している。また、自動変速機用潤滑油(ATF)向けや無段変速機用潤滑油(CVTF)向けでも需要が拡大している。今後グローバルな需要拡大を見据えて販売を本格化するとしている。

 

◆ウイルス対策:クラボウが「アイソレーションガウン」の国内生産、販売を開始(6月25日)

クラボウ化成品事業部は、医療機関などで活用できる「アイソレーションガウン(医療用ガウン)」の国内生産を開始したことを発表した。

新型コロナウイルスの感染拡大により、個人防護具の機能として、液体などの浸透を防ぐバリア性が求められている。クラボウは、熱融着フィルムと不織布を組み合わせるフィルム押出ラミネート技術を活用することで不織布のバリア性を高められることから、「アイソレーションガウン」用の基材開発に取り組み、ガウン用基材(フィルムラミネート不織布)とそれを使用した製品の販売を行うこととなった。

販売開始は7月1日の予定としている。

 

◆ウイルス対策:帝人フロンティアが高機能繊維を使用した接触冷感マスクを販売開始(6月25日)

帝人フロンティアは、接触冷感性能を持つ高機能ポリエステル繊維「クールセンサー」を使用した夏用マスク「洗える!冷感マスク」の販売を開始すると発表した。

同製品は生地から縫製まで、日本国内での生産にこだわったものであり、特殊セラミックを含む繊維を使用した接触冷感素材「クールセンサー」を採用することにより、暑い季節でひんやりとしたつけ心地(接触冷感値 Q-max 0.3 以上)を実現した。この性能は、繰り返し洗濯しても持続する。

希望小売価格は800円(税抜)で、7月上旬より販売を開始するとしている。

 

◆自動車部材:住友ベークライトが車載用光学関連製品のラインナップを拡充(6月23日)

住友ベークライトは、成長市場である車載用光学関連製品について、新たにセンシングカメラ向け偏光フィルターを開発し、一部車種にて採用が決定したと発表した。また、ドライバーモニタリングシステム(DMS)及びLiDAR向け波長選択フィルターの開発等ラインナップを拡充することを併せて発表した。

近年の自動車関連業界では、運転補助技術や自動運転へのニーズが増大しており、各種映像装置、カメラ、センサーの多様化や高度化、複合化が求められ、光学材料の樹脂化や樹脂材料への要求機能も高まっている。

同社は、これまで蓄積してきた樹脂の光学特性や表面機能コートに加え、各種建築材料向け製品で培ってきた耐候、耐光性設計と評価技術を組み合わせて車載用光学関連製品の開発を進めている。

自動車メーカー及び大手部品メーカーとの協業により、ヘッドアップディスプレー用光学カバーはすでに実績化され、センシングカメラは今年新たに採用が決定した。今後、2023年に向け市場が形成が見込まれるLiDAR向け製品の開発も加え、2025年に30億円の販売を目指すとしている。

 

◆ウイルス対策:カネカが新型コロナウイルス感染症に対する治療薬開発を加速(6月22日)

カネカと国立感染症研究所は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療用ウイルス中和抗体の開発」を共同で進めてきたが、今回、日本医療研究開発機構(AMED)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発」の採択を受け、今後開発を加速していく方針であることを発表した。

現在、世界中でCOVID-19に対する医薬品として、治療薬やワクチンの開発が急速に進められている。カネカでは、アビガン錠の原薬生産、またカネカユーロジェンテック社(ベルギー)ではPCR検査試薬の製造供給を強化している。さらにワクチンとして早期実用化が期待されているmRNAやプラスミドDNAの製造体制を既に整えている。

今回、カネカは、東京理科大学と共同で開発した体外免疫法を用いることによって、新型コロナウイルス及びその変異型に対する抗体医薬品を開発する計画である。今後も引き続き、製薬企業と共同で2021年度中に臨床試験の開始を目指し、革新技術を駆使して感染症に対抗するための多面的なソリューションを提供していくとしている。

 

◆価格改定

・JSRが合成ゴム・エマルジョン製品を7月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、20円/kg以上

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