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2023年5月18日号

2023.05.18 発行

HEADLINE

◆バイオマス:王子ホールディングスが木質由来エタノール・糖液のパイロット設備を導入(5月12日)
◆ガラス:AGCが関西工場高砂事業所における液晶用ガラス基板製品の生産終了を決定(5月12日)
◆再エネ:JNCが水力発電所の営業運転を開始(5月12日)
◆電子材料:富士フイルムが米国の半導体材料メーカーEntegris社の半導体用プロセスケミカル事業を買収(5月10日)
◆医薬品製造:日揮がバイオ医薬品の製造データ管理システム「HistoHub」の提供を開始(5月9日)
◆電子材料:三菱ガス化学が電子材料海外生産子会社の生産能力増強を発表(5月8日)
◆鋼材:JFEスチールがグリーン鋼材「JGreeX」の供給開始を発表(5月8日)
◆価格改定
・レゾナックが塩素化ポリエチレンを6月1日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがプラスチックジッパー「サンジップテープ」を6月12日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆バイオマス:王子ホールディングスが木質由来エタノール・糖液のパイロット設備を導入(5月12日)
 王子ホールディングスは、王子製紙米子工場への、木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備の導入を決定したと発表した。
 同社は、木質由来エタノールについて、2018年までNEDOプロジェクトに採択を受け、製造技術を磨いてきた。また、糖液についても、糖化酵素の回収を含む独自技術の開発に成功し、現在、サンプルワークを行っている。
今回、パイロット製造設備を導入し、実用化を見据えたユーザーに対して、大量のエタノール・糖液提供を実施するとともに、継続した技術改良を行い、将来の事業化(2030年時目標:エタノールとして10万kL供給)に向けた取り組みを加速させる。
 パイロット設備の能力は、木質由来エタノールが最大1,000kL/年(重量換算820t/年)、木質由来糖液が最大3,000t/年糖の乾燥重量として)、原料使用量は木材チップとして約6,000t/年、木材パルプとして約3,000t/年、稼働時期は2024年度後半の予定としている。

◆ガラス:AGCが関西工場高砂事業所における液晶用ガラス基板製品の生産終了を決定(5月12日)
 AGCは、2023年末までに関西工場高砂事業所(兵庫県)における液晶用ガラス基板製品の生産を終了することを決定したと発表した。
 コロナ禍における巣ごもり需要の反動によるTV販売の低迷や、原燃材料騰、アジア通貨高による製造コストの上昇を受け、2022年より同社の液晶用ガラス基板事業の収益は悪化している。
 同社では同事業の収益改善策として、低収益サイズのガラス基板からの撤退や生産ラインの統廃合などの抜本的構造改革施策に取り組んでおり、その具体的施策の一環として今回の決定に至った。なお、同事業所で行っている他製品の生産については今後も継続するとしている。

◆再エネ:JNCが水力発電所の営業運転を開始(5月12日)
 JNCは、熊本県八代市に保有する水力発電所の改修工事を完成させ、営業運転を開始したと発表した。
 同社が、2013年より進めている水力発電所の大規模改修工事において、内谷第一発電所、及び内谷第二発電所が営業運転を開始した。水車・発電機を高効率の機器へ更新することで、認可取水量を変えずに出力をそれぞれ100kw(約1%)増強し、内谷第一発電所の最大出力は16,600kw、内谷第二発電所の最大出力は8,300kwとなった。同社の水力発電所は全て「流れ込み式」を採用しており、大規模なダムを必要としないため環境負荷が低く、二酸化炭素排出量が少ない、貴重な純国産のエネルギーである。
 同社は、これまで培ってきた発電技術を生かし、周辺環境に配慮しながら、将来にわたり安定したエネルギーの供給で持続可能な社会に貢献するとしている。

◆電子材料:富士フイルムが米国の半導体材料メーカーEntegris社の半導体用プロセスケミカル事業を買収(5月10日)
 富士フイルムは、Entegris社のグループ会社で半導体用プロセスケミカル事業をグローバルに展開するCMC Materials KMG(米国)の発行済全株式を取得する株式売買契約を締結したと発表した。なお、本買収に要する資金総額は約7億米ドルとなっている。
 半導体用プロセスケミカルの使用頻度は加速度的に増え、その市場は年率11%で成長しており、半導体用プロセスケミカルの性能もppbレベルからさらに1ランク高いpptレベルの高純度化が求められている。
 KMG社は、現在、米国・フランス・イタリア・シンガポールなどに全7か所の製造拠点を持ち、米国・欧州・東南アジアで大手半導体メーカーなどの顧客基盤を構築し、グローバルに製品を供給している。本買収を通じて、製品ラインアップ拡充による顧客提案力の強化や、より強固なグローバル製造体制の構築などを図るとしている。

◆医薬品製造:日揮がバイオ医薬品の製造データ管理システム「HistoHub」の提供を開始(5月9日)
 日揮は、バイオ医薬品製造の最適化を実現する製造データ管理システム「HistoHub」の販売を開始したことを発表した。
 バイオ医薬品製造プラントの製造工程では、バッグ、フィルター、コネクター、センサーなどにおいて、製造毎の洗浄が不要となる単回使用のシングルユース機器が多く用いられている。しかし、複数のサプライヤのシングルユース機器で構成される設備では、サプライヤ各社の通信規格・仕様が異なるため、製造設備全体の製造データの一元管理が難しく、これまで機器単位での管理が一般的であった。一方、医薬品製造管理及び品質管理基準であるGMPでは、製造者に製造記録の保存が求められているが、現状は主に紙ベースで機器毎に製造データの管理・保管が行われているため、GMPの要件に効率的に対応することが難しいのが実態である。
 開発品は、様々な通信規格に対応することでシングルユース設備の製造データの一元管理を可能とするデータ管理システムである。これまで紙ベースで行われてきた製造データ管理の電子化に加え、稼働状況の監視や、監査証跡レビューなど製造現場管理の効率化を可能とする機能を備えているとしている。

◆電子材料:三菱ガス化学が電子材料海外生産子会社の生産能力増強を発表(5月8日)
 三菱ガス化学は、BT積層材料の生産子会社であるMGCエレクトロテクノ(以下、ET)の子会社であるMGC ELECTROTECHNO(THAILAND)(以下、ETT)における半導体パッケージ用BT積層材料の生産能力増強を決定したことを発表した。
 これまで、ETは、マザー工場として新製品の量産化、先端・高性能・少量多品種の生産を担当し、ETTは主に大量少品種の生産を担当し、グループ一体となって2013年から2拠点体制にてBT積層材料のグローバルな供給体制を構築してきた。
 今回は、ETTに建屋を新設し、第1期工事と同水準の設備を導入することでETTの能力を現有能力の約2倍とする。着工は2024年4月、営業運転開始は2025年10月の予定としている。

◆鋼材:JFEスチールがグリーン鋼材「JGreeX」の供給開始を発表(5月8日)
 JFEスチールは、同社が供給する鉄鋼製品である「JGreeX(ジェイグリークス)」を2023年度上期より供給開始することを発表した。
 同製品は、同社のCO2排出削減技術により創出した削減量を、マスバランス方式を適用して特定の鋼材に割り当てることで、鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出量を大幅に削減した鉄鋼製品である。なお、マスバランス方式とは、製品製造プロセス全体のCO2排出量の削減における環境価値を一部の鉄鋼製品に集約し、CO2排出原単位の低い鉄鋼製品とみなすことである。また、CO2排出削減量については、認証機関である日本海事協会から第三者認証を取得する予定である
 JGreeXの供給可能数量は20万t程度(認証取得予定の22年度のCO2排出削減量から鋼材のCO2排出原単位をゼロとして試算。鋼材のCO2排出原単位に応じて変動)としている。

◆価格改定
・レゾナックが塩素化ポリエチレンを6月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、粉末:50円/kg以上、シート:65円/kg以上
・タキロンシーアイがプラスチックジッパー「サンジップテープ」を6月12日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、5%以上
 

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