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2023年4月13日号

2023.04.13 発行

HEADLINE

◆機能素材:東洋紡と三菱商事の機能素材分野における合弁会社「東洋紡エムシー」が事業開始(4月6日)
◆セラミック:京セラが長崎県諫早市の新用地取得に関する立地協定を締結(4月5日)
◆電子材料:レゾナックが半導体パッケージ用接着フィルムの生産能力を約1.6 倍に増強(4日4月)
◆精密機器:大日本印刷とSCIVAXがナノインプリント製品を量産するファウンドリー事業で資本業務提携(4月3日)
◆バイオマス:JSRがバイオマス原料の開発の着手およびバッカス・バイオイノベーションとの共同開発契約の締結を発表
 (4月3日)
◆非鉄金属:住友金属鉱山および住友商事がテック・リソーシズとチリの銅鉱山の開発プロジェクトを開始(4月3日)
◆非鉄金属:住友金属鉱山が2023年度の地金生産計画を発表(4月3日)
◆非鉄金属:三井金属が2023年度上期の地金生産計画を発表(4月3日)
◆非鉄金属:三菱マテリアルが2023年度上期の地金生産計画を発表(4月3日)
◆非鉄金属:パンパシフィック・カッパーが2023年度上期における金属製品等の委託生産予定を発表(4月3日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
・中国塗料が塗料、シンナー類、運賃を4月以降、随時値上げ
・サカタインクスがパッケージ印刷用インキを4月17日出荷分より値上げ
・富士フイルムが偏光板保護フィルムを5月1日より値上げ
・カネカがモダクリル繊維を5月1日出荷分より値上げ
・大日精化が有機・無機顔料及びその加工品を5月1日出荷分より値上げ
・ニチアスがロックウール製品を7月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆機能素材:東洋紡と三菱商事の機能素材分野における合弁会社「東洋紡エムシー」が事業開始(4月6日)
 東洋紡と三菱商事は、機能素材の企画、開発、製造および販売を行う新たな合弁会社として東洋紡エムシー株式会社(以下、新会社)を設立し、2023年4月1日より事業を開始したことを発表した。
 新会社は、成長分野と位置付ける「環境ソリューション」「モビリティ・電子材料」において、積極的な成長施策を展開を目指す。「環境ソリューション」分野では、リチウムイオン電池のセパレーター製造工程で排出されるVOC(揮発性有機化合物)等を高効率かつ高純度に回収できる環境ソリューション装置、淡水化用途等の水処理に貢献するアクア膜、世界最高レベルの強度を有する超高強度(スーパー)繊維等、環境負荷軽減に資する東洋紡の製品について、三菱商事が持つ顧客・パートナーとのコネクションを活用し、グローバルな事業展開を推進する。また、「モビリティ・電子材料」分野では、自動車の軽量化や電装化に求められる東洋紡の高機能樹脂(エンジニアリングプラスチック)や接着剤・塗料原料を、三菱商事が有する自動車OEM等のエンドユーザーとの接点や業界知見を活用しながら事業拡大を目指す。
 新会社はポートフォリオマネジメントや経営基盤強化にも取り組むことで、2025年度に売上高1,450億円、2030年度に売上高2,500億円の達成を目標としている。

◆セラミック:京セラが長崎県諫早市の新用地取得に関する立地協定を締結(4月5日)
 京セラは、長崎県諫早市の南諫早産業団地における新工場用地の取得に関連して、長崎県ならびに諫早市と立地協定を締結したと発表した。
 京セラでは、国内外の既存工場での増産投資を進める一方で、既存工場のみでは更なる成長発展が困難であるとの判断から、新工場を設立する方針を決定し、2022年12月に南諫早産業団地内の用地2区画を取得する申し入れを行った。今回、土地の造成が完了している1区画について協定を締結し、2023年10月に用地を取得し、工場の建設を開始する。なお、残りの1区画については、2024年に用地を獲得する予定である。
 新工場では、半導体関連に幅広く使用されるファインセラミック部品や半導体パッケージの生産を予定している。新工場への投資金額は2028年度までに約620億円を計画しており、2026年度に生産を開始し、2028年度で250億円/年の生産計画を立てているとしている。

◆電子材料:レゾナックが半導体パッケージ用接着フィルムの生産能力を約1.6倍に増強(4日4月)
 レゾナックは、五井事業所(鹿島)において、半導体のパッケージング工程で使用する接着フィルムである、「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」の生産能力を増強すると発表した。
 主にメモリ半導体向けに使われる同製品の生産は、堅調な成長が見込まれており、需要拡大に対応するため、52億円を投じてグループ全体の生産能力を従来の約1.6倍に増す。
 ダイボンディングフィルムは、積層化が進む半導体チップの接着に不可欠な超薄型フィルム状接着剤である。「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」は、ウエハから半導体チップを切り出す際に使用するダイシングテープの機能を併せ持つ一体型フィルムで、ウエハ裏面へのフィルムの貼付けを一度に行うため、製造工程の短縮に貢献している。一体型フィルムへのニーズは強く、ダイボンディングフィルムの市場も成長していることから、同社は同製品の能力増強を決定した。稼働開始は2026年の予定としている。

◆精密機器:大日本印刷とSCIVAXがナノインプリント製品を量産するファウンドリー事業で資本業務提携(4月3日)
 大日本印刷(以下、DNP)とSCIVAXは、ナノインプリント製品の量産を行う製造受託(ファウンドリー)事業に関する資本業務提携を行い、本事業の生産管理を担う合弁会社「ナノインプリントソリューションズ」を4月3日に設立したと発表した。
 今回の提携において、DNPの最先端ナノインプリント用原版製造技術と量産・品質管理ノウハウ、SCIVAXの高精度なナノインプリントが可能な量産製造設備と装置設計技術、プロセスノウハウを組み合わせ、さらに両社のバリューチェーンを統合していく。両社は、各社が受注した製品をナノソルの生産管理のもと、DNPおよびSCIVAXの工場で製造する。
 両社は、新設した合弁会社を通じて、スマートフォンやXR等向けの3Dセンサー、ディスプレイ等のモバイル関連、DNAの塩基配列を高速で読み取る次世代DNAシーケンサー等のバイオデバイス関連など、多様な用途でナノインプリント製品の大量生産ニーズに対応する方針であり、両社あわせ2026年に年間約100億円の売上を目指すとしている。

◆バイオマス:JSRがバイオマス原料の開発の着手およびバッカス・バイオイノベーションとの共同開発契約の締結を発表(4月3日)
 JSRは、日本初の統合型バイオファウンドリであるバッカス・バイオイノベーションと同社重要製品原料のバイオマス(生物資源)による生産を目的とした共同開発契約ならびに出資に関する契約を締結したと発表した。 
 バッカス・バイオイノベーションは神戸大学発で「デジタル×バイオ」 時代に新たな産業の創造を目指すベンチャー企業であり、微生物等による有用物質生産や代謝解析を可能とする基盤要素技術やノウハウを保持している。
 同社は今後、バッカス・バイオイノベーションとの共同開発を通して、合成生物学を活用したバイオマスによる同社重要製品原料の開発・生産を行っていくとしている。

◆非鉄金属:住友金属鉱山および住友商事がテック・リソーシズとチリの銅鉱山の開発プロジェクトを開始(4月3日)
 住友金属鉱山および住友商事は、カナダの資源メジャー企業テック・リソーシズとチリ共和国においてケブラダ・ブランカ銅鉱山の開発プロジェクトを推進しており、主要設備への鉱石投入、および銅バルク精鉱の生産立ち上げを開始したと発表した。
 今後、副産物の分離などを通じて銅の純度を高めた製品規格の銅精鉱生産、港の出荷設備など残る設備の建設や試運転、フル生産に向けた設備のランプアップ(生産量を徐々に増やす過程)を進め、20年以上にわたり長期安定的な生産を続ける計画である。
 ケブラダ・ブランカ銅鉱山の平均年間生産量(含有金属量)は、銅24万トン、その他モリブデン、銀としている。

◆非鉄金属:住友金属鉱山が2023年度の地金生産計画を発表(4月3日)
 住友金属鉱山が2023年度の地金生産計画を発表した。
 2023年度の電気銅の通期計画値は399,500tであり、上期は188,800t(前年度上期:223,240t)。電気ニッケルの通期計画値は60,200tであり、上期は30,000t(前年度上期:25,383t)。フェロニッケルの通期計画値は7,000tであり、上期は3,400t(前年度上期:3,968t)。金の通期計画値は18,800kgであり、上期は9,400kg(前年度上期:8,554kg)。銀の通期計画値は215,000kgであり、上期は107,500kg(前年度上期:112,752kg)の計画としている。
 なお、東予工場(電気銅、金、銀)は、9月~11月にかけて約2か月間、主要設備の大型補修を実施予定。ニッケル工場(電気ニッケル)は5月と12月にそれぞれ約1週間の定期補修を実施予定。日向製錬所(フェロニッケル)は販売条件等を総合的に勘案し、生産調整を実施する予定としている。

◆非鉄金属:三井金属が2023年度上期の地金生産計画を発表(4月3日)
 三井金属は、2023年度上期における地金生産計画を発表した。
 2023年度上期の生産計画としては、亜鉛は107.0千t/期(前年同期:112.3千t/期)、鉛は34.2千t/期(前年同期:35.2千t/期)、金は2.5t/期(前年同期:2.9t/期)、銀は58.8t/期(前年同期:67.0t/期)の生産予定としている。
 前年同期実績との比較については、金および銀は原料品位の差によるものとしている。

◆非鉄金属:三菱マテリアルが2023年度上期の地金生産計画を発表(4月3日)
 三菱マテリアルは2023年上期における地金生産計画を発表した。
 2023年度上期の生産計画としては、銅は35,533t/月(前年同期:30,330t/月)、鉛は2,387t/月(前年同期:2,245t/月)、金は2,717kg/月(3,749kg/月)、銀は27,667kg/月(前年同期:34,255kg/月)の生産を計画している。
 前年同期実績との比較では、銅については、直島製錬所においては前年同期並み、小名浜製錬所は2023年4月からの完全子会社化に伴い約47%増、全体では約17%増となる計画である。金および銀の生産減については主に受入量減によるものとしている。

◆非鉄金属:パンパシフィック・カッパーが2023年度上期における金属製品等の委託生産予定を発表(4月3日)
 パンパシフィック・カッパーは、2023年度上期における金属製品等の委託生産予定を発表した。
 2023年度上期の委託生産予定としては、銅は309,000t/期(前年同期:309,100t/期)、うちJX金属製錬へ210,200t/期、日比共同製錬へ98,800t/期を委託する。硫酸は925,300t/期(前年同期:801,600t/期)であり、うちJX金属製錬へ675,400 t/期、日比共同製錬へ249,900t/期を委託する、金は16,700Kg/期(前年同期:19,100kg/期)、銀は143,800Kg/期(前年同期:155,300kg/期)を生産委託する予定としている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
 4月契約価格は、975$/t(前月比+25$/t)
 国内価格換算想定値は135.9円/kg
・中国塗料が塗料、シンナー類、運賃を4月以降、随時値上げ
 値上げ幅は、塗料全般:10~25%程度、シンナー類:5~20%程度
 ※製品ごとの価格は担当営業より個別に案内
 運賃:担当より個別に案内
・サカタインクスがパッケージ印刷用インキを4月17日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、パッケージ印刷用グラビア・フレキソインキ:45~65円/㎏
 パッケージ印刷インキ用添加剤・硬化剤:50円/㎏
・富士フイルムが偏光板保護フィルムを5月1日より値上げ
 値上げ幅は、約20%~30%
・カネカがモダクリル繊維を5月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、50円/kg
・大日精化が有機・無機顔料及びその加工品を5月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15~20%(一部改定幅が異なる製品あり)
・ニチアスがロックウール製品を7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、産業用ロックウール:20%
 耐火被覆用ロックウール:30%

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