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2023年4月6日号

2023.04.06 発行

HEADLINE

◆電子材料:三井化学が旭化成のフォトマスク用ペリクル事業を承継(3月31日)
◆航空燃料:日揮と東洋エンジニアリングが国内SAF製造プラントに関するアライアンス契約を締結(3月31日)
◆水素関連:千代田化工建設がSamsung C&Tと韓国でのSPERA水素の協業検討に関する覚書を締結(3月31日)
◆農業資材:三菱ケミカルグループが保有する三菱ケミカルアグリドリームの全株式を住化積水フィルムへ譲渡
 (3月31日)
◆再生医療:バンドー化学が吸収性骨再生用材料を販売開始(3月30日)
◆電子材料:JX金属が台湾拠点における半導体用スパッタリングターゲットの生産能力の増強を発表(3月29日)
◆ウレタン原料:三井化学がトルエンジイソシアネート(TDI)の生産能力を最適化(3月28日)
◆再生医療:帝人、TFBS Bioscience(台湾)、メディリッジが再生医療等製品の開発・製造に用いる原材料供給に
 関する業務提携に合意(3月28日)
◆太陽電池:積水化学工業がJERAとペロブスカイト太陽電池の共同実証実験を開始(3月27日)
◆水素関連:日本ガイシが水素燃焼の焼成炉の実用化に向けた量産実証用の焼成炉を設置(3月28日)
◆非鉄金属:三菱マテリアルがカナダ銅鉱山プロジェクトへ資本参画を発表(3月27日)
◆価格改定
・住友化学がエチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョンを3月31日納入分より値上げ
・日本触媒がアクリル酸、アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシモノマーを4月1日出荷分より値上げ
・JSPがスチレンペーパーを4月1日出荷分より値上げ
・東レが合繊糸・綿(わた)・不織布を4月出荷分より値上げ
・東海カーボンが摩擦材(二輪用焼結パッド)を4月納入分より値上げ
・東洋インキがグラビア・フレキソインキおよびラミネート接着剤を4月7日出荷分より値上げ
・住友化学がポリエチレン、ポリプロピレンを4月14日納入分より値上げ
・アイカ工業がフェノール樹脂製品を4月21日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆電子材料:三井化学が旭化成のフォトマスク用ペリクル事業を承継(3月31日)
 三井化学は、旭化成が営むフォトマスク用ペリクル製品の製造、開発、販売に関する事業およびその製造を請け負う同社の連結子会社である旭化成EMSの全株式を2023年7月1日(予定)を効力発生日として、旭化成から承継すること等を内容とする吸収分割契約を締結したと発表した。
 旭化成は、FPDペリクルにおいて市場を牽引してきたが、同市場における競争力強化およびLSIペリクル市場における高精細化や品質保証水準の高度化への対応に一層の技術開発・追加投資等が継続的に必要なこと等から、パートナーとの協業・事業統合を模索しており、ペリクル事業を運営する三井化学との間で、両社のペリクル事業の今後の在り方について議論してきた。
両社の議論の結果、ペリクル事業を三井化学が旭化成から譲受し、FPDペリクルおよびLSIペリクル事業を三井化学のもとで運営していくことが最善との結論に至った。
 今後、三井化学は同社の岩国大竹工場、現旭化成EMSの延岡事業所を最大限活用して、事業拡大およびBCP対応強化を図り、ペリクル事業の新製品の開発や最先端の技術の向上を達成すべく努めていくとしている。

◆航空燃料:日揮と東洋エンジニアリングが国内SAF製造プラントに関するアライアンス契約を締結(3月31日)
 日揮と東洋エンジニアリングは、国内のSAF(持続可能な航空燃料)製造プラントのFEED(基本設計)及びEPC(設計・調達・建設)プロジェクト受注・遂行に関するアライアンスを締結したことを発表した。
 航空業界においては、国際航空分野のCO2の排出を2050年までに実質ゼロにする長期目標をはじめとして各種目標が設定されている。また、SAF需要は、2025年の約30万キロリットルから2030年には約171万キロリットルに拡大することが見込まれている。プラント建設計画の多くは、グリーンイノベーション基金の期間設定から2024年から2027年に集中して実現していくことが想定され、全体で数千億円規模の大規模投資となることが見込まれている。
 SAF製造に関連して、TOYOグループはエタノールや木質バイオマスなどを原料とした合成ガス由来のSAF製造に関する知見と技術を有し、一方、日揮グループは事業者としての製造・供給計画に関する様々な知見を有している。また両社は国内、海外における大規模な石油精製、石油化学・化学プラントの豊富な建設実績も有している。両社が保有する優位性を統合し、より高い提案力や競争力、総合的なプラント建設力が発揮できるとしている。

◆水素関連:千代田化工建設がSamsung C&Tと韓国でのSPERA水素の協業検討に関する覚書を締結(3月31日)
 千代田化工建設は、SamsungC&T(以下、SCT)と韓国におけるSPERA水素の協業検討に関する覚書を締結したと発表した。
 SPERA水素は、同社が開発したメチルシクロヘキサン(MCH)を用いた水素の輸送を商業的に実現する技術である。同覚書では、韓国の大手総合商社兼建設会社であるSCTと共同で、韓国内での水素運搬/貯蔵関連新技術であるSPERA水素技術の関連事業機会を模索すること、及び、その他の地域での脱炭素分野における協業の可能性を追求することを定めている。
 今後、SCTのサポートを得ながら韓国市場でのSPERA水素技術の販路展開を促進させることで韓国の掲げる2050年のカーボンニュートラルの実現へ寄与すると共に、世界各国のカーボンニュートラル社会への貢献を加速させていくとしている。

◆農業資材:三菱ケミカルグループが保有する三菱ケミカルアグリドリームの全株式を住化積水フィルムへ譲渡(3月31日)
 三菱ケミカルグループは、2023年9月を目途に、住化積水フィルムへ、グループが保有する三菱ケミカルアグリドリーム(以下、MCAD)の全株式を譲渡することで合意したと発表した。
 MCADは、農業用フィルムの製造・販売および灌水資材・ベタがけ資材等の農業資材・施設資材販売を手掛けており、同社が培ってきたフィルム配合およびコーティング技術に基づいたアグリビジネスは今後も一定の需要伸長が期待されている。
 三菱ケミカルグループは、ポリオレフィンフィルムおよび関連製品の開発・製造・販売を行う住化積水フィルムの下で、MCADが持続的に発展し、事業を成長させていくことが最善であると考え、今回の株式譲渡を決定したとしている。

◆再生医療:バンドー化学が吸収性骨再生用材料を販売開始(3月30日)
 バンドー化学は、連結子会社であるAimedic MMTが吸収性骨再生用材料「e=Bone」を、2023年4月から販売を開始すると発表した。
 現在、日本の骨欠損部に対する療法として、自家骨移植、人工骨移植、または自家骨と人工骨を併用した骨移植術が一般的に行われているが、自家骨移植では、高齢者にとって、良質な骨を採取することが困難であることや、採取できる骨量に制限があり肉体的および精神的な負担の増加することなどが課題である。また、人工骨移植の場合、量の制限はないものの、既存の人工骨は骨形成を促進する作用を有さないため、患者の骨と一体化する「骨癒合」に時間を要すことが課題である。
 Aimedic MMTは、大阪大学大学院の研究グループと共同研究として、プラズマ処理により人工骨の表面を修飾することで人工骨に骨形成活性能力を付与させる人工骨開発の研究プロジェクトを実施し、本製品の製品化に至った。
 本製品は、早い段階でのリハビリの開始、歩行能力の早期回復の確保によるADLの改善やQOLの向上、就労復帰までの期間の短縮に貢献できるとしている。

◆電子材料:JX金属が台湾拠点における半導体用スパッタリングターゲットの生産能力の増強を発表(3月29日)
 JX金属の子会社である台湾日鉱金属は、半導体用スパッタリングターゲットの加工設備の増強を行い、同拠点における生産能力を現行から約80%引き上げることを発表した。
 同社グループの半導体用スパッタリングターゲットはロジックやメモリをはじめ各種半導体デバイスの製造に用いられており、業界トップのシェアを有している。また、世界的なデジタル化進展に伴って半導体産業の拡大が進み、長期的な観点で需要増が見込まれることから、現在同社では国内外で同製品の生産能力の増強を行っている。
 この一環として、最先端半導体の生産拠点である台湾においても、従来比2倍の能力とするための設備投資を今年度に完了したが、同地域の将来的な需要増を見据え、これにさらに上積みして生産能力増強を行うことを決定した。今後、新規ラインの設計・建設・立上げを行い、2024年度下期以降より随時稼働する予定としている。

◆ウレタン原料:三井化学がトルエンジイソシアネート(TDI)の生産能力を最適化(3月28日)
 三井化学は、大牟田工場のポリウレタン原料となるトルエンジイソシアネート(以下、TDI)プラントの生産能力を最適化すると発表した。
 同社は、大牟田工場イソシアネートチェーンの基盤製品としてTDIを製造販売している(生産能力12万トン/年)が、国内外の需給動向に合わせ、5万トン/年程度に縮小することが最適であると判断した。
 今後、大牟田工場ではTDIの国内需要に応じた安定供給体制を維持すると共に、メガネレンズ材料や農業化学品等、高機能製品群の主力製造拠点として競争力を強化する。同工場の最適化は2025年7月の予定としている。

◆再生医療:帝人、TFBS Bioscience(台湾)、メディリッジが再生医療等製品の開発・製造に用いる原材料供給に関する業務提携に合意(3月28日)
 帝人、TFBS Bioscience(台湾)、メディリッジは、遺伝子導入を伴う再生医療等製品の製造および開発に用いるウイルスベクターならびにプラスミドの供給に関する業務提携の合意書を締結したと発表した。
 同業務提携により、帝人は再生医療CDMO事業において、メディリッジからプラスミド供給を、TFBSからウイルスベクターの供給をそれぞれ受けることが可能になる。これにより、現状、日本国内におけるウイルスベクターのサプライヤーが限られている中で、企業や学術機関などの顧客に対し、再生医療等製品の研究開発の早期から商用生産までの各段階において、安定的な原材料供給が可能になる。
 今後、3社は協働し、事業計画策定から、ウイルスベクターを利用した再生医療等製品の設計開発、治験薬および商用製品の製造までを、顧客の希望に応じてワンストップで実現するサービスを提供するとしている。

◆太陽電池:積水化学工業がJERAとペロブスカイト太陽電池の共同実証実験を開始(3月27日)
 積水化学工業は、JERAと、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を火力発電所に設置するための共同実証実験を3月から開始したことを発表した。
 フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟という特長により、従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった場所への設置が可能となり、再生可能エネルギーの導入量を拡大できる有力な選択肢として期待されている。
 同社は、独自技術を活かし、フィルム型ペロブスカイト太陽電池開発の屋外耐久性において10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築した。JERAは全国26か所の火力発電所を保有しており、積水化学工業はそのアセットを活用することで脱炭素化の課題を解決できると考え、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置に向けた共同実証実験に取り組むことになった。
 今後は発電所建屋の軽量屋根や壁面などへの設置方法の検証と各種法規制への対応を進め、小面積での設置・課題検証を経て、2025年以降に横須賀火力発電所への大規模設置を目指すとしている。

◆水素関連:日本ガイシが水素燃焼の焼成炉の実用化に向けた量産実証用の焼成炉を設置(3月28日)
 日本ガイシは、水素を燃料とする焼成炉の実用化に向け、量産実証用の自社開発の焼成炉を設置したことを発表した。
 セラミックス向けの水素燃焼の焼成炉は、これまでに実用化されておらず、同社は高温かつ均熱性に優れた焼成炉の開発に向け、小型炉で水素火炎の評価試験を行ってきた。今回、東邦ガスの技術研究所(東海市)内の水素燃焼試験フィールドに自社開発の新たな焼成炉(幅7m×奥行き2m×高さ4m)を設置し、量産設備用水素リジェネレイティブバーナーの開発を進める。水素燃焼試験フィールドを利用することで、セラミックスの焼成のなかでも高温である1,400~1,600℃の温度下でのバーナー耐久試験や、長時間の焼成による高機能なセラミック製品の評価・検証が可能となる。
 2023年6月から実証試験を開始し、2025年までに量産向けの水素燃焼技術を確立することで、2030年から国内外の製造拠点の量産設備への適用を目指すとしている。

◆非鉄金属:三菱マテリアルがカナダ銅鉱山プロジェクトへ資本参画を発表(3月27日)
 三菱マテリアルは、Western Copper and Gold Corporation社(以下WRN社)の株式約5%を第三者割当増資引受けにより、約21百万カナダドルで取得することについてWRN社と合意し、株式引受契約を締結したことを発表した。
 WRN社は、カナダ北西部に位置するCasino銅鉱山プロジェクトを100%保有しており、2013年のFeasibility Study(以下FS)および2021年のPreliminary Economic Assessmentを経て、2022年6月に新たなFSを公表した。
 本プロジェクトは、2030年の生産開始を目指しており、資源量は豊富で、銅に加えて含まれる金品位が高いため、高い経済性を有している。また、生産される銅精鉱は、不純物が少ないクリーン鉱と見込まれ、2057年までの長期にわたる銅資源の安定供給が期待されている。同社はWRN社との技術委員会を設立し、今後の進捗を確認しつつ、さらなるプロジェクト推進に努めるとしている。

◆価格改定
・住友化学がエチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョンを3月31日納入分より値上げ
 値上げ幅は、12円/kg
・日本触媒がアクリル酸、アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシモノマーを4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸メチル:15円/kg以上
 アクリル酸2-ヒドロキシエチル(BHEA)、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル
 (HEMA):30円/kg以上
 アクリル酸2-ヒドロキシプロピル(HPA)、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル(HPMA):20円/kg以上
・JSPがスチレンペーパーを4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15 円/㎏
・東レが合繊糸・綿(わた)・不織布を4月出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30円~50円/kg
 (過去の未転嫁遡及分、加工委託先でのコスト上昇分については個別に対応)
・東海カーボンが摩擦材(二輪用焼結パッド)を4月納入分より値上げ
 値上げ幅は、10%
・東洋インキがグラビア・フレキソインキおよびラミネート接着剤を4月7日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、グラビア・フレキソインキ:40~60円/㎏
 ラミネート接着剤(主剤):40~100円/㎏
 ラミネート接着剤(硬化剤):40~80円/㎏
・住友化学がポリエチレン、ポリプロピレンを4月14日納入分より値上げ
 値上げ幅は、ポリエチレン(気相法):8円/kg
 ポリエチレン(高圧法):15円/kg
 ポリプロピレン(気相法):8円/kg
・アイカ工業がフェノール樹脂製品を4月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、固形分26円/kg以上
 ※液状製品は固形分26円/kg相当に換算して値上げ

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