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2022年1月20日号

2022.01.20 発行

HEADLINE

◆電子材料:積水化学工業が真空成形可能な高性能帯電防止プレートを発売(1月14日)
◆繊維:東レが植物から生まれた新たなナイロン繊維の開発、販売を開始(1月14日)
◆エネルギー:日本板硝子がポーランドで再生可能エネルギーによる電力購入契約(PPA)を締結(1月14日)
◆リサイクル:日本ゼオンが独自のシクロオレフィンポリマーリサイクル技術を確立(1月11日)
◆リサイクル:デンカが使用済みポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルプラント建設を決定(1月11日)
◆接着剤: DICの子会社がイタリアの接着剤・ポリマメーカーSAPICI社およびその持株会社を買収(1月11日)
◆セラミック:日揮HDの子会社の日本ファインセラミックスが昭和電工マテリアルズのセラミック事業を譲受(1月11日)
◆蓄熱材:カネカが潜熱蓄熱材による-60℃以下の定温輸送を実現(1月6日)
◆価格改定
・三洋化成工業がポリプロピレングリコール(PPG)とポリマーポリオール(POP)を1月5日出荷分より値上げ
・東ソーがポリカーボネートジオール(PCD)を1月24日出荷分より値上げ
・東ソーが熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)を1月24日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがインフラマテリアル製品を2月1日出荷分より値上げ
・ADEKAが油脂加工製品を2月14日出荷分より値上げ
・住友大阪セメントが建材製品を4月1日より値上げ
・ブリヂストンが国内市販用タイヤのメーカー出荷価格を4月1日より値上げ
・横浜ゴムが国内市販用タイヤのメーカー出荷価格を夏用タイヤ、オールシーズンタイヤ、チューブ・フラップは4月1日、冬用タイヤは7月1日より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆電子材料:積水化学工業が真空成形可能な高性能帯電防止プレートを発売(1月14日)
積水化学工業は、真空成形可能な高性能帯電防止プレート「エスロン サーモフォームDCプレート」を発売することを発表した。
同社は、1983年に世界で初めての高性能帯電防止透明PVCプレート「エスロン DCプレート」を開発し、半導体分野での装置等に幅広く採用されている。従来の「エスロンDCプレート」では、延伸による帯電防止性能の低下と透明性の悪化が生じるため、大きな変形を伴う真空成形に対応することが難しかった。
今回開発した「エスロン サーモフォームDCプレート」は、真空成形後も優れた帯電防止性能を保持し、かつ高い透明性を維持できる高性能帯電防止プレートである。同社独自開発の導電材料および基材設計により、真空成形加工が可能となり、これまでは困難であった三次元形状の成型品にも対応ができるようになるとしている。

◆繊維:東レが植物から生まれた新たなナイロン繊維の開発、販売を開始(1月14日)
東レは、原料のポリマーをすべて植物由来にしたナイロン510(N510)繊維を新たに開発し、事業化をスタートしたと発表した。
バイオマス由来ポリマー素材・製品の統合ブランドである「エコディア」の新たなラインナップの一つとして「エコディアN510」の販売を開始する。
「エコディア N510」は、現行の石油由来ナイロンを使用した商品と同様のスペックでありながらサステナブル商品の企画が可能である。用途展開として、テキスタイルではスポーツ・アウトドア用途向けを中心とし、ファイバーではスポーツ・アウトドアからインナーレース・資材用途まで幅広く揃え、国内外のハイエンドゾーンに向けて提案する。
テキスタイルは、2023年秋冬シーズン向けからの販売を予定し、2025年度に60万mの販売が目標。ファイバーは、2024年秋冬シーズン向けからの販売を予定し、2023年度に3.0t/月の販売を目標としている。

◆エネルギー:日本板硝子がポーランドで再生可能エネルギーによる電力購入契約(PPA)を締結(1月14日)
日本板硝子(NSG)は、温室効果ガス排出削減策の一環として、ポーランドにある風力発電所によって生成される再生可能電力の購入契約(PPA:Power Purchase Agreement)を締結したと発表した。
本PPA契約は、ポーランドで事業を行うガラスメーカーとしては初めてであり、NSGグループにおいても全世界で初めての取り組みである。本契約はNSGグループの子会社であるNSG UK Enterprises社と、世界第4位の再生可能エネルギー供給者であるEDP Renewables社(EDPR)との間での仮想PPAとして締結された。NSGは、風力発電所の発電能力70メガワット(MW)のうち、51%分(35.7MW)を2022年1月から10年間にわたって購入する。
NSGグループのポーランド国内での年間電力需要のうち、約100ギガワット時(GWh)分を今回のPPAによる固定価格で購入することで、現在見られるような不安定な電力価格への影響を軽減し、長期的に予測可能なコストで再生可能電力を確保するのに役立つとしている。

◆リサイクル:日本ゼオンが独自のシクロオレフィンポリマーリサイクル技術を確立(1月11日)
日本ゼオンは、シクロオレフィンポリマーのリサイクル技術を独自に開発したことを発表した。
シクロオレフィンポリマー(製品名:ZEONEX、ZEONOR)は、優れた光学的・化学的特性を持ち、光学レンズや光学フィルム、医療・バイオテクノロジーの分野に至るまで幅広く利用される樹脂である。また同社独自で開発した溶融押出法により製造される光学フィルム(製品名:Zeonor Film)は、ディスプレイの大型化に伴う市場拡大に合わせ、堅調な需要が継続している。
今回新たに開発したリサイクル技術は、光学フィルム製造時に排出される廃棄樹脂を再生するものである。透明性や純度等の品質面においてバージン樹脂と同等のレベルであることが確認されており、リサイクル樹脂はバージン樹脂に比べ、製造時のCO2発生量を約12,000トン削減することにつながる。
リサイクル樹脂は、光学フィルムの製造に再利用される計画であり、2022年10月より富山県・高岡工場内に年産能力6,000トンのリサイクルプラントを建設着工し、2024年8月の稼働予定としている。

◆リサイクル:デンカが使用済みポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルプラント建設を決定(1月11日)
デンカと関連会社の東洋スチレンは、使用済みポリスチレン(PS)樹脂のケミカルリサイクルプラント建設を決定したと発表した。
東洋スチレンでは今後、世界で初めて使用済みポリスチレンからスチレンモノマーに変換するケミカルリサイクルプラントを事業化したAgilyx社(米国)との技術ライセンス契約に基づき、ケミカルリサイクルプラントを建設し、ユーザーからのポストインダストリアル材の回収事業を開始する。
リサイクルプラントの年間処理能力は約3,000t、投資金額は約38億円を見込んでいる。同社千葉工場敷地内に建設し、2023 年度下期の稼働開始の予定としている。

◆接着剤: DICの子会社がイタリアの接着剤・ポリマメーカーSAPICI社およびその持株会社を買収(1月11日)
DICの100%子会社であるSun Chemical Group (以下サンケミカル)は、イタリアの接着剤・ポリマメーカーであるSAPICI社およびその持株会社であるFINAPE社を2021年11月12日付で買収したと発表した。
成長が続く接着剤市場のうち、全体の5割を占める欧州および米州においては、環境・安心への関心を背景に環境対応製品のニーズが高まっている。DICは、これまで欧米に接着剤の開発・生産拠点を有していなかったため、現地ニーズに即した市場展開の機会が限定されていた。
今回買収したSAPICI社は、サンケミカルの接着剤の生産委託先であり、高い品質管理能力と技術力を有している。また、有害物質を極限まで抑えた接着剤「低フリーモノマーイソシアネート」(ULM)を世界で初めて商業化に成功した企業でもあり、その生産技術を獲得することで、ULMのニーズが高い欧州市場における優位性を確保することができる。本買収によって2030年度にグループの接着剤売上高の倍増を目指すとしている。

◆セラミック:日揮HDの子会社の日本ファインセラミックスが昭和電工マテリアルズのセラミック事業を譲受(1月11日)
日揮HDは、連結子会社で機能材製造事業会社の日本ファインセラミックスが、昭和電工マテリアルズのセラミックス事業譲受に関して、2021年12月28日付で契約を締結したと発表した。
日本ファインセラミックスは、一般産業機械、半導体・液晶製造装置用のセラミックスおよび金属複合材料(MMC)に加え、高速通信用薄膜回路基板を主力製品として製造・販売し、パワー半導体用高熱伝導窒化ケイ素基板事業の拡大にも取り組んでいる。
一方、昭和電工マテリアルズの本事業は、自動車、半導体および産業機械などの用途向けに、高密度炭化ケイ素(SiC)セラミックス、アルミナセラミックスおよびジルコニア強化アルミナセラミックスを提供している。
日本ファインセラミックスは、同社の非酸化物系セラミックスの材料・加工技術に、昭和電工マテリアルズの量産技術・材料技術を融合させることにより、半導体や次世代自動車等の成長分野における新製品開発の実現性が高まると判断し、事業の譲受に関する契約締結を決定したとしている。

◆蓄熱材:カネカが潜熱蓄熱材による-60℃以下の定温輸送を実現(1月6日)
カネカは、融点-70℃の潜熱蓄熱材「カネカ潜熱蓄熱材 PATTHERMO CV-70」と、高い断熱性能を持つ「定温輸送パッケージTACPack Premium」を組み合わせることで、ドライアイス代替製品による-60℃以下の定温輸送を可能にしたと発表した。
-60℃以下の輸送ではドライアイスを用いることが主流であるが、物流業界においてはカーボンニュートラルの観点から代替製品のニーズが高まっている。
今回、新たに開発したPATTHERMO CV-70は、無機化合物の組み合わせを工夫することで-70℃の融点を実現した潜熱蓄熱材である。今後、ドライアイスの代替製品として提案を強化し、温度管理ソリューションの提供を通じ、医療や生活の質の向上、カーボンニュートラル社会の構築に貢献するとしている。

◆価格改定
・三洋化成工業がポリプロピレングリコール(PPG)とポリマーポリオール(POP)を1月5日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30円~100円/kg
・東ソーがポリカーボネートジオール(PCD)を1月24日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、200円/kg以上
・東ソーが熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)を1月24日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、エーテル系製品:150円/kg以上、エステル系製品:60円/kg以上
・タキロンシーアイがインフラマテリアル製品を2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ビノン止水板及び関連製品、各種遮水シート:30%以上、水膨張性止水材及び関連製品、
 接着剤など関連商品:20%以上
・ADEKAが油脂加工製品を2月14日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ショートニング:50円/kg以上、マーガリン:40円/kg以上、ファットスプレッド:30円/kg以上、
 ハードバター:50円/kg以上、ホイップクリーム・練り込み用クリーム:30円/kg以上、
 フィリングクリーム:20円/kg以上、マヨネーズ類:40円/kg以上
・住友大阪セメントが建材製品を4月1日より値上げ
 値上げ幅は、平均20%程度
・ブリヂストンが国内市販用タイヤのメーカー出荷価格を4月1日より値上げ
 値上げ幅は、乗用車・バン用タイヤ(夏/冬):7%、小型トラック・バス用タイヤ(夏/冬):7%、
 トラック・バス用タイヤ(夏/冬):8%、鉱山・建設車両用タイヤ(夏/冬):10%、
 産業車両用タイヤ(夏/冬):8%、農業機械用タイヤ(夏/冬):8%、二輪自動車用タイヤ:7%、チューブ、フラップ:8%
・横浜ゴムが国内市販用タイヤのメーカー出荷価格を夏用タイヤ、オールシーズンタイヤ、チューブ・フラップは4月1日、冬用タイヤは7月1日より値上げ
 値上げ幅は、最大9%

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