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2021年3月11日号

2021.03.11 発行

HEADLINE

 

◆ヘルスケア:DIC子会社のSun Chemicalが欧米でヘルスケア食品およびニュートリションビジネスのグローバル展開を加速(3月5日)

◆断熱材:デンカがCO2削減に貢献する高断熱ボード・成形体を開発(3月4日)

◆樹脂関連:三洋化成工業がABS樹脂の耐薬品性を向上させる樹脂添加剤を開発(3月3日)

◆メディカル:AGCがミラノ拠点の遺伝子・細胞治療向けの培養能力を増強(3月3日)

◆不織布:三井化学が中国衛材用不織布製造・販売会社の持分を譲渡(3月2日)

◆樹脂:クラレが延伸性、収縮性を高めたガスバリア樹脂の新規グレードを開発(3月1日)

◆価格改定

・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定

・日本ポリエチレンがポリエチレンを3月15日納入分より値上げ

・クラレがメタクリル樹脂成形材料を3月15日出荷分より値上げ

・日本ポリプロがポリプロピレンを3月15日納入分より値上げ

・DICが共押出多層フィルムを3月25日納入分より値上げ

・DICがポリスチレン製品およびスチレン系製品を4月1日納入分より値上げ

・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを4月1日納入分より値上げ

・石原産業が酸化チタンのアジアパシフィック地域向け輸出価格を4月1日出荷分より値上げ

・日本ゼオンが石油樹脂クイントン及び熱可塑性エラストマーSISクインタックを4月1日納入分より値上げ

・ユニチカが包装用2軸延伸ナイロンフィルム及びポリエステルフィルムを4月1日出荷分より値上げ

・ユニチカが衣料用ポリビニルアルコール(PVA)系繊維を4月1日出荷分より値上げ

・信越化学工業がシリコーンを4月出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆ヘルスケア:DIC子会社のSun Chemicalが欧米でヘルスケア食品およびニュートリションビジネスのグローバル展開を加速(3月5日)

DICの100%子会社であるSun Chemicalは、ヘルスケア食品およびニュートリションビジネスのグローバル展開を加速させるため、新組織『Food and Nutrition Group』を発足したと発表した。

Food and Nutrition Groupは、Sun Chemicalの研究技術やカラーリングの専門知識を活用し、天然および合成食品着色料の新製品開発を強化する。Sun Chemicalは、Food and Nutrition Groupの発足に伴い、DICの子会社であるアースライズ・ニュートリショナルズの販売およびマーケティング機能を同グループの組織に統合した。

DICおよびSun Chemicalでは、着色や藻類培養ビジネスに関わる分野をグローバルで強化し、食品や飲料、栄養補助食品業界へ製品やソリューションを提供するとしている。

 

◆断熱材:デンカがCO2削減に貢献する高断熱ボード・成形体を開発(3月4日)

デンカは、CO2削減に貢献する高断熱ボード・成形体を開発したと発表した。

本開発品はデンカアルセン(アルミナ、シリカを主成分とする結晶質アルミナ短繊維)に、無機材料設計の基盤技術を応用し自社開発した高耐熱・多孔質セラミック材料CA6(カルシウムヘキサアルミネート)を複合させることで、固体・気体熱伝導を低減し、特に1,400℃領域高温化における良好な断熱性能を発揮する構造を実現した。

これまで技術的に困難とされていた1,000℃以上の高温下での良好な断熱性により、従来耐火材と比較して、約60%のCO2削減効果が見込まれる。また、CA6を有効に適用したことで酸化鉄による耐浸食性も改善されることから、鉄鋼業向けへの採用も期待できる環境貢献製品と位置付けている。

本開発品は高温環境下で長期間使用可能な高断熱素材として、2021年度上期より試験販売を開始するとしている。

 

◆樹脂関連:三洋化成工業がABS樹脂の耐薬品性を向上させる樹脂添加剤を開発(3月3日)

三洋化成工業は少量添加するだけでABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂に耐薬品性を付与することができる樹脂添加剤『ファンクティブ』を開発したと発表した。

ABS樹脂は、耐衝撃性と剛性のバランスに優れる樹脂であるが、非晶性樹脂であり、PPやPE、ナイロンなどの結晶性樹脂に比べると耐薬品性が劣るという課題がある。

ABS樹脂は溶剤などの薬品に接触すると、外観が劣化し、クラックが発生するが、『ファンクティブ』をABS樹脂に少量添加するだけで、ABS樹脂の耐薬品性を向上させることができる。また、2~5重量%という少ない添加量で効果を発揮できるため、機械物性にはほとんど影響を与えない。

『ファンクティブ』は、汎用グレードのABS樹脂だけでなく、難燃ABSやガラス繊維・炭素繊維強化ABS、ポリカーボネート(PC)とABSの複合樹脂であるPC/ABSなど、高機能グレードのABS樹脂に対しても耐薬品性を改善することができるとしている。

 

◆メディカル:AGCがミラノ拠点の遺伝子・細胞治療向けの培養能力を増強(3月3日)

AGCは、バイオ医薬品CDMO(製造および製造方法の開発を受託・代行)事業を行う子会社、AGC Biologics(本社:イタリア)の遺伝子・細胞治療向け製造能力を増強することを決定したと発表した。

遺伝子・細胞治療は、遺伝子または遺伝子を導入したヒト細胞等を人体に投与する治療法で、現在注目されている最先端医療のひとつである。現在世界中で進行中の治験数は約1,000件を超え、年間約30%以上の成長が見込まれている。

AGCが2020年7月に買収した同子会社は、細胞加工・ウィルスベクター製造等のプラットフォーム技術を有し、様々な顧客に遺伝子・細胞治療CDMOサービスを提供している。今回、想定以上に引き合いが強く、同子会社のブレッソ工場において、ウィルスベクターの大量生産に適した浮遊培養設備を導入し、分析・開発設備の増強も実施する。

新設備は2022年第1四半期に稼働開始の予定としている。

 

◆不織布:三井化学が中国衛材用不織布製造・販売会社の持分を譲渡(3月2日)

三井化学は、中国における衛材用不織布の製造・販売会社である三井化学不織布(天津)有限会社(MCNT)の100%持分をFoshan Nanhai Beautiful Nonwoven(BTF社)へ譲渡する契約を締結したと発表した。

今回の持分譲渡先であるBTF社は、中国を主に、米国にも製造拠点を有するメディカル用・衛材用不織布の代表的なメーカーである。

三井化学グループは本持分譲渡により日本・タイ2拠点に資源を集中することで、日本及びASEANにおける衛材不織布市場の更なるプレゼンス強化を図っていく方針としている。

 

◆樹脂:クラレが延伸性、収縮性を高めたガスバリア樹脂の新規グレードを開発(3月1日)

クラレは、ガスバリア性樹脂エバールの延伸性・収縮性を向上させた新たなグレードであるSC銘柄を開発したことを発表した。

SC銘柄は、EVOH銘柄と同等以上のガスバリア性を維持しながら、延伸性・収縮性を高めたグレードであり、ポリエチレンなどのオレフィン系素材と積層し、多層構造とすることで、シュリンクバッグ、スキンパックなどの食品包装に使用される二軸延伸多層フィルムへなどの展開が可能となる。

近年、プラスチックごみ問題やフードロス削減のためのバリアパッケージへの関心が高まる中、より環境に配慮した素材開発が求められている。同グレードは新たな食品包装材の設計をサポートし、包装材の減量による環境負荷低減に寄与する。

今後は食肉包装材として使用されているポリ塩化ビニリデン(PVDC)の代替など、用途開発やマーケット開拓を加速させていくとしている。

 

◆価格改定

・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定

3月契約価格は、855$/t(前月比+195$/t)、国内価格換算想定値は96.6円/kg

・日本ポリエチレンがポリエチレンを3月15日納入分より値上げ

値上げ幅は、15円/kg以上

・クラレがメタクリル樹脂成形材料を3月15日出荷分より値上げ

値上げ幅は、国内:50円/kg、輸出:0.5US$/kg

・日本ポリプロがポリプロピレンを3月15日納入分より値上げ

値上げ幅は、10円/kg以上

・DICが共押出多層フィルムを3月25日納入分より値上げ

値上げ幅は、1連(500㎡)当り300円(厚み20μm換算)

・DICがポリスチレン製品およびスチレン系製品を4月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、6円/kg以上

・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを4月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、15円/kg以上

・石原産業が酸化チタンのアジアパシフィック地域向け輸出価格を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、US$200/トン

・日本ゼオンが石油樹脂クイントン及び熱可塑性エラストマーSISクインタックを4月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、50円/kg

・ユニチカが包装用2軸延伸ナイロンフィルム及びポリエステルフィルムを4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、以下の通り

ナイロンフィルム:600円/連(15μm換算)

複層ナイロンバリアフィルム:600円/連(15μm換算)

ナイロンバリアフィルム:600円/連(15μm換算)

ポリエステルフィルム:300円/連(12μm換算)

ポリエステルバリアフィルム:300円/連(12μm換算)

バリアOPPフィルム:300円/連(20μm換算)  ※連=500㎡

・ユニチカが衣料用ポリビニルアルコール(PVA)系繊維を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10~25%

・信越化学工業がシリコーンを4月出荷分より値上げ

値上げ幅は、10~20%

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