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2020年12月24日号

2020.12.24 発行

HEADLINE

 

◆リサイクル:古河電気工業がリサイクル困難なプラスチックごみを身近な製品に再生(12月18日)

◆ウイルス対策:富士フイルムが銀増幅イムノクロマト法を用いた「新型コロナウイルス抗原検査キット」製造販売承認を申請(12月17日)

◆ディスプレイ:大日本印刷が手をかざすだけで操作できるタッチレスAR透明浮遊ディスプレイを提供(12月16日)

◆リサイクル:東洋インキSCホールディングスが複層フィルム包材におけるマテリアルリサイクル技術の協業で伊藤忠商事と合意(12月16日)

◆複合材料:帝人グループが米国に先端技術の開発拠点を開設(12月14日)

◆ガラス:AGCが透明で電磁波を遮蔽・吸収するガラスを開発(12月14日)

◆樹脂添加剤:ADEKAが樹脂添加剤の新ブランドの展開を開始(12月14日)

◆化粧品原料:日本触媒と住商コスメティクスが化粧品素材分野における次世代商品の開発検討について覚書を締結(12月10日)

◆電子材料:DICが特殊形状フィラーの板状アルミナを開発(12月10日)

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆リサイクル:古河電気工業がリサイクル困難なプラスチックごみを身近な製品に再生(12月18日)

古河電気工業は、食品や洗剤包装などに使われているリサイクルが困難な積層フィルムを強化プラスチック材料に再生する技術を開発したことを発表した。

今回、日本テトラパック、ゼブラと協力して、古河電工の半導体製造用テープの製造ロスと、日本テトラパックのアルミ付き飲料パックの製造ロスだけを使用してボールペンのボディ部を製造した。このボールペンは、古河電工、日本テトラパック両社にて社内用として使用を開始している。

今後は、文具・家具・電化製品・自動車部品など用途を拡大して、プラスチックごみ問題解決に貢献するとしている。

 

◆ウイルス対策:富士フイルムが銀増幅イムノクロマト法を用いた「新型コロナウイルス抗原検査キット」製造販売承認を申請(12月17日)

富士フイルムは、写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅反応による高感度検出技術を応用した「銀増幅イムノクロマト法」により、迅速かつ簡便に検査が可能な新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キットについて、体外診断用医薬品として製造販売承認申請を医薬品医療機器総合機構に行ったことを発表した。また、本検査キットの生産体制を構築するため、診断薬の製造を担う、FUJIFILM YUWA(本社ベトナム)に設備投資を行うことを併せて発表した。

本検査キットは、同社神奈川工場足柄サイトでの生産を予定しているが、今後グローバルに展開することを踏まえ、ベトナムのFUJIFILM YUWAにて来年度から順次設備を増強し、本検査キットの安定的な生産体制を構築するとしている。

 

◆ディスプレイ:大日本印刷が手をかざすだけで操作できるタッチレスAR透明浮遊ディスプレイを提供(12月16日)

大日本印刷(DNP)は、かざした手の動きをモーションセンサーで認識し、手を触れることなくカーソルを操作でき、液晶調光フィルムを透明スクリーンに貼りあわせたタッチレスディスプレイを提供することを発表した。

新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、抗菌・抗ウイルス機能や、「タッチレス」(非接触)に対するニーズが高まっている。また、近年では現実世界の情報に別で作り上げられた情報を加えることにより、人々の行動をサポートするAR(拡張現実)技術に対する注目も高まっている。

DNPは、人の動きを感知する「モーションセンサー」とクリアな映像を演出する液晶調光フィルム、またAR効果を演出する透明スクリーンを組み合わせることにより、拡張現実された空間をタッチレスで操作することが可能なディスプレイシステムを提供する。

今後、各種自動販売機や券売機、ホテルや企業の受付など、さまざまな場面での活用を想定し、液晶調光フィルムや透明スクリーンをはじめとする製品をさらに開発、提供していくとしている。

 

◆リサイクル:東洋インキSCホールディングスが複層フィルム包材におけるマテリアルリサイクル技術の協業で伊藤忠商事と合意(12月16日)

東洋インキSCホールディングスと伊藤忠商事は、複層フィルム包材のマテリアルリサイクル技術の協業展開について合意したことを発表した。

東洋インキグループは昨年、総合環境サービス企業と提携し、複層フィルム及び包材を構成するインキや粘接着剤等を脱離する技術を開発した。2021年中に実証パイロットプラントを建設し、2022年のポストインダストリアルリサイクル事業開始を目指す。また、2025年を目途に商業プラントでのポストインダストリアルおよびポストコンシューマーリサイクル事業を開始する予定である。

伊藤忠商事は本技術に関連する一部製品材料における国内での独占マーケティング権及びアジア・欧州での優先交渉権を取得するともに、本技術を用いたマテリアルリサイクルの仕組みの構築、幅広い環境ソリューションの提供を行う。

両社の技術とネットワークを活かして、2022年までに世界初となる高品質マテリアルリサイクル実用化を目指すとしている。

 

◆複合材料:帝人グループが米国に先端技術の開発拠点を開設(12月14日)

帝人グループは軽量複合材料製品の生産・販売・技術開発を手がける米国子会社コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)がマルチマテリアルでの提案力強化を目指し、米国に「アドバンスド・テクノロジー・センター」(ATC)を開設したと発表した。

また、CSP社では、ATCの開設前から画期的な軽量ハニカムパネルの開発を進めてきたが、今回、その開発に成功したことを併せて発表した。このパネルは、軽量なハニカムコア材料を、繊維にポリウレタン樹脂を含浸させた外板で覆ったサンドイッチ構造をしており、超軽量で強度に優れ、深絞り、鋭角といった複雑な形状の成形が可能である。

帝人グループは、マルチマテリアルでのTier 1サプライヤーとして、使用材料の拡充から部品設計にまで踏み込んでのソリューション提案力の強化や、グローバルでの安定供給体制の確立を進めるとしている。

 

◆ガラス:AGCが透明で電磁波を遮蔽・吸収するガラスを開発(12月14日)

AGCは、従来ではなかった透明で電磁波を遮蔽・吸収するガラス「WAVETRAP」を開発したと発表した。

Iotの普及が進む中で、通信量が増大し、ネットワークの混線や通信の誤認識、機器の誤作動や故障などが発生するリスクがある。これらのリスクを軽減するために、電磁波遮蔽性を持つパネルやフィルムを用いることで電磁波の影響をコントロールすることが可能であるが、発泡樹脂のような従来の製品では、高い透視性を確保することが困難であった。

AGCはこの課題を解決するため、独自のガラス複合化技術と電磁波制御技術を用いて、ガラスの高い透視性を活かしつつ、電磁波を遮蔽・吸収できるガラス「WAVETRAP」を開発した。また、高い耐候性・耐水性・耐熱性を併せ持ち、高さ:3.6m、横幅1.2mまでの大型サイズへの対応も可能である。AGCでは2021年中に本製品の販売開始を目指すとしている。

 

◆樹脂添加剤:ADEKAが樹脂添加剤の新ブランドの展開を開始(12月14日)

ADEKAは、環境対応型の樹脂添加剤ブランド「アデカシクロエイド」を新たに展開することを発表した。

同ブランドでリサイクル樹脂向けワンパック添加剤とバイオ由来原料塩ビ用可塑剤等を開発し、サンプル提供を開始した。

ADEKAの「樹脂添加剤」は、プラスチックに添加するだけで、熱や光による劣化防止、 強靭性、透明性、難燃性など様々な機能性を付与する。一方、プラスチックごみによる環境汚染が社会問題となっており、循環型社会の実現に向けてさらなる機能性向上が求められている。

今回、環境対応型プラスチックに従来のプラスチックと同等もしくはそれ以上の機能を付与する「アデカシクロエイド」ブランド製品を開発した。今後、「アデカシクロエイド」の製品ラインナップ拡充とグローバル規模の販売拡大を目指すとしている。

 

◆化粧品原料:日本触媒と住商コスメティクスが化粧品素材分野における次世代商品の開発検討について覚書を締結(12月10日)

日本触媒と住商コスメティクスは、化粧品素材分野における次世代商品の共同開発および販売を目的とした覚書を締結し、協業を開始することを発表した。

近年、グローバル化粧品市場において求められる機能は、地域やトレンドによって多様化している。また効能だけでなく素材への関心も高まっており最近では、ウイルスやPM2.5、花粉などが付着するのを防ぐ素材や抗菌性のある素材の需要が急増するなど、新素材の開発が求められている。

多様化する消費者のニーズに応えるため、両社はバイオポリマーやアクリル系ポリマーなどの皮膜形成剤や増粘剤、その他分野での共同開発と販売について検討を進める。両社は今後、住住商コスメティクスの持つグローバルな顧客網を活かして市場や顧客のニーズをくみ上げ、日本触媒が、触媒技術をベースとした合成技術ならびに重合技術など独自技術を活用した研究・開発を行うことで、多様なニーズに応える新素材を開発し、海外化粧品メーカーへの販売を推進するとしている。

 

◆電子材料:DICが特殊形状フィラーの板状アルミナを開発(12月10日)

DICは、電子機器等の放熱用途で用いられるアルミナフィラー(充填材)の板状アルミナ『CeramNex(セラネクス)TMAP10』を開発したことを発表した。

アルミナフィラーは熱的安定性が高く、自動車や電子機器の部材の放熱用途などの充填材として使用されている。今回開発したアルミナフィラーは、粒状や不定形な形状の一般的なアルミナフィラーと異なり、高い結晶性を有し、アスペクト比が高い板状であることが最大の特長である。そのため、少量の添加で高強度化が望めるため、軽量化に貢献する。

本製品は、2021年1月より長瀬産業を総代理店として販売開始する。今後は品番ラインナップを拡充し、日本、中国、韓国、台湾、欧米地域の自動車部品および電子部品関連メーカーへの販売を視野に入れ、2025年までに売上高8億円を目指すとしている。

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