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2020年8月20日号

2020.08.20 発行

HEADLINE

 

◆プラントエンジ:日揮がイラクの製油所近代化プロジェクトを受注(8月12日)

◆プラントエンジ:千代田化工建設が米国キャメロンLNGプロジェクト第3系列の商業運転開始を発表(8月11日)

◆ウイルス対策:デンカが新型コロナウイルス抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を取得(8月11日)

◆金属:JX金属がロータス金属の実用化に向けロータス・サーマル・ソリューショと協業(8月7日)

◆ウイルス対策:東ソーが新型コロナウイルス検査試薬を体外診断用医薬品として販売開始(8月7日)

◆成型加工:DIC化工がSMCおよび成形加工事業の譲渡契約を締結(8月6日)

◆フィルム:バンドー化学が建装材用薄膜ポリエチレンフイルムの販売を開始(8月5日)

◆メディカル:旭化成が新規医薬品添加剤「ヒアルロン酸ナノゲル」サンプル提供を開始(8月5日)

◆潤滑油材料:三洋化成工業が潤滑性に優れる水溶性金属加工油用の合成基剤を開発(8月4日)

◆無機:日本曹達がカセイカリおよび周辺事業の構造改革を実施(8月4日)

◆ウイルス対策:カネカのグループ会社が新型コロナウイルスに対するDNAワクチン製造体制に参画(8月4日)

◆樹脂関連:日本ポリプロがタイにおける合弁会社の運営を開始(8月3日)

◆メディカル:王子ホールディングスが木質由来の医薬品開発を目的とする新会社を設立(8月3日)

◆リサイクル:宇部興産の「複合プラスチックの高度分離技術開発」がNEDOの先導研究委託事業として採択(8月3日)

◆ウイルス対策:東洋インキがUV硬化型抗菌ニスを開発(8月3日)

◆生分解性樹脂:ダイセルと三和商会が生分解性成型材料を共同開発(8月3日)

◆価格改定

・日本ゼオンが合成ゴムを8月17日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆プラントエンジ:日揮がイラクの製油所近代化プロジェクトを受注(8月12日)

日揮ホールディングスは、海外EPC事業会社である日揮グローバルが、イラク石油省傘下の国営石油精製会社向けバスラ製油所近代化プロジェクトの発注内示書を受領したことを発表した。

本案件では、既存のバスラ製油所の隣接地に、流動接触分解装置、減圧蒸留装置、軽油脱硫装置などを新設する。この設備新設により、1.9万バレル/日のガソリン、3.6万バレル/日の軽油が増産され、石油製品の需給ギャップを減少させることが可能になる。

本案件の受注金額は約4,000億円、完成予定は2025年としている。

 

◆プラントエンジ:千代田化工建設が米国キャメロンLNGプロジェクト第3系列の商業運転開始を発表(8月11日)

千代田化工建設は、グループ会社である千代田インターナショナルが米国McDermott社とジョイントベンチャーを設立し遂行中の米国ルイジアナ州Cameron LNGプロジェクトにおいて、第3系列の商業運転が開始されたことを発表した。

第1系列は2019年8月、第2系列は2020年2月にそれぞれ商業運転を開始している。第3系列の商業運転開始に至り、LNGの年間輸出量が1,200万トン超となる世界最大級のLNG生産設備が完成したとしている。

 

◆ウイルス対策:デンカが新型コロナウイルス抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を取得(8月11日)

デンカは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を取得したことを発表した。

体外診断用医薬品「クイックナビ-COVID19 Ag」として、同社五泉事業所で最大1日10万検査分の量産体制のもと、8月13日から順次医療機関へ販売する。また、販売提携先の大塚製薬は9月1日から販売する。

「クイックナビ-COVID19 Ag」は特別な検査機器を必要とせず、鼻咽頭ぬぐい液中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原の有無を約15分で診断する。一般の医療機関でも迅速かつ簡便に検査が行うことができる。また同社はインフルエンザの流行に備え一度の検体採取で新型コロナウイルスとインフルエンザのウイルス抗原を診断できるよう準備を進めており、判定時間のさらなる短縮や検体種の適用拡大などにも積極的に取り組んでいくとしている。

 

◆金属:JX金属がロータス金属の実用化に向けロータス・サーマル・ソリューショと協業(8月7日)

JX金属は、放熱部材向け多孔質金属材料であるロータス型ポーラス金属(ロータス金属」)の実用化に向け、大阪大学発のスタートアップ企業であるロータス・サーマル・ソリューション(LTS)と協業すると発表した。

自動車の電装化や電子機器内のデータ処理量の上昇などに伴い機器の発熱量の増大が進んでおり、より高い放熱性能や冷却性能を持つ部材への需要が高まることが見込まれている。

LTSが開発したロータス金属は、一方向に連続して伸びた細孔を持つ金属材料であり、比表面積が大きく冷却性や放熱性に優れていることから、ヒートシンクの部材などへの応用が期待されており、従来の部材を使用した場合と比較して、放熱性能を4~5倍向上させることができる。

JX金属では、LTSによって開発された優れた性能を持つ材料の実用化を図り、大型サーバーに用いられる高性能CPU・EV(電気自動車)向けバッテリー・電子機器の冷却器などへ採用を目指すとしている。

 

◆ウイルス対策:東ソーが新型コロナウイルス検査試薬を体外診断用医薬品として販売開始(8月7日)

東ソーは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査試薬「TRCReady SARS-CoV-2」を体外診断用医薬品として販売を開始したと発表した。

本製品は、東ソーの自動遺伝子検査装置 TRCReady-80の専用試薬であり、生体試料を検体として 新型コロナウイルスを高感度かつ簡便な操作で、約40分程度で検出することができる。

東ソーでは、本製品により、検査作業の効率化、医療・検査従事者の作業負担を大幅に軽減でき、感染拡大防止や検査体制の拡充にも貢献できるとしている。

 

◆成型加工:DIC化工がSMCおよび成形加工事業の譲渡契約を締結(8月6日)

DICの100%子会社であるDIC化工は、SMC(Sheet Molding Compound)ならびにSMCを用いた成形加工品の製造および販売に関する事業を、新設するDIC化工100%出資の子会社に承継させ、該社の全株式を三井化学グループのジャパンコンポジットに譲渡することで合意し、譲渡契約を締結したことを発表した。

SMCは、樹脂・強化繊維・充填材等を組み合わせたシート状の複合材料で、強度が高く、耐熱水・耐薬品や電気特性に優れることから浴室(浴槽・床・壁)・浄化槽・自動車・電気部品など様々な用途で使用されている。

不飽和ポリエステル樹脂の製造および販売に関する事業に経営資源を集中することを目指す同社グループと、成形材料事業の強化とサプライチェーン再構築を目指す三井化学グループの経営戦略が合致したことにより合意に至った。譲渡日は2020年12月1日の予定としている。

 

◆フィルム:バンドー化学が建装材用薄膜ポリエチレンフイルムの販売を開始(8月5日)

バンドー化学は、環境対応製品として製造から廃棄までのライフサイクルのCO2排出量と廃棄物量を削減した建装材用薄膜ポリエチレンフイルム「テクリアEGS-T」を開発し、販売を開始したことを発表した。

近年、建装材用フイルムでも環境保全へのニーズが高まっている。このニーズに応えるため、高度なカレンダー加工技術や機能微粒子を高充填できる材料設計技術を活用することで、建装材用フイルムとして求められる表面の滑らかさや下地を見えなくする隠蔽性を保持しつつ、従来品と比べて約20%薄い55μm(業界最薄)の厚みを実現した。また、材料の設計を見直すことなどにより、従来品と比べて材料の使用量を約20%減らし、製造から廃棄までのライフサイクルで、CO2排出量を13.5%削減、廃棄物量を10%削減することに成功したとしている。

 

◆メディカル:旭化成が新規医薬品添加剤「ヒアルロン酸ナノゲル」サンプル提供を開始(8月5日)

旭化成は、添加剤事業の強化拡大を図るため、新規医薬品添加剤「ヒアルロン酸ナノゲル」の事業化検討を行っており、その工業的製造技術を確立し、性能評価のためのサンプルを提供できる体制を整えたと発表した。

旭化成の添加剤事業部では、医薬品等で主に錠剤の賦形剤として用いられる結晶セルロースを国内外で販売しているが、今後、注射剤用途に適したドラッグデリバリーシステム(DDS)基剤「ヒアルロン酸ナノゲル」を新たに製品ラインナップに加える。

「ヒアルロン酸ナノゲル」は、難溶性薬物の低毒性での可溶化や、タンパク質やペプチドといったバイオ医薬の凝集、変性を抑制することによる製剤化の実現、また頻回投与が必要な注射剤の投与回数削減など、患者のQOL(Quality of Life)向上が期待できる。

旭化成は、現時点では「ヒアルロン酸ナノゲル」の事業化を正式に決定していないが、今度のサンプル提供を通し、「ヒアルロン酸ナノゲル」が客額の製剤開発における問題解決に貢献できることを確認した後に、正式に事業化を目指すとしている。

 

◆潤滑油材料:三洋化成工業が潤滑性に優れる水溶性金属加工油用の合成基剤を開発(8月4日)

三洋化成工業は、低泡性であり、潤滑性に優れる水溶性工作油(金属加工油)用の合成基剤『ユーティリオール GA-15P(開発品)』を開発したと発表した。

『ユーティリオール GA-15P』は低粘度で曇点が高く、消防法の危険物に非該当のため、保管・取り扱いがしやすい水溶性のポリエーテル基剤である。『ユーティリオールGA-15P』を用いた潤滑油は、難加工材においても耐焼付き性に優れるだけでなく、泡立ちにくいといった特長もある。水溶性工作油に用いた場合、高速加工による生産性向上、工具寿命の延長、被加工物の精度維持、歩留まり向上などに貢献する。また、透明な工作油が得られるため、加工部の確認がしやすく、精密な加工に適している。

今後、『ユーティリオール GA-15P』の優れた性能を活かし、加工油用への適応拡大を進めるとともに、幅広い難削材に適応できる可能性があるため、適応金属についても検討を進めるとしている。

 

◆無機:日本曹達がカセイカリおよび周辺事業の構造改革を実施(8月4日)

日本曹達は、カセイカリおよび周辺事業の抜本的な構造改革の実施を決定したと発表した。

同社のカセイカリ事業は、二本木工場(新潟県)において電解設備の稼働により生産を開始して以来、周辺事業を強化しながら90年以上にわたって製品を供給してきた。しかし、今後の需要見通しや設備の維持更新に必要なコスト等を検討した結果、更なる合理化を行っても中長期的に収益を確保することは難しいと判断し、生産停止を含めた抜本的な事業構造改革の実施を決定した。

今後、高付加価値事業の拡大に向けたリソース投入を強化し、高効率な事業構造への変革を積極的に進めていくとしている。

 

◆ウイルス対策:カネカのグループ会社が新型コロナウイルスに対するDNAワクチン製造体制に参画(8月4日)

カネカは、グループ会社のKaneka Eurogentec社が、アンジェス社や大阪大学などが開発を進めている新型コロナウイルスに対するDNAワクチン(以下、本ワクチン)の大量生産に向け、タカラバイオを中心とする製造体制に参画すると発表した。

本ワクチンは、大阪大学およびアンジェスが有するプラスミドDNAの医薬品開発実績をもとに開発され、今年6月から臨床試験を開始し、実用化に向けて開発が加速している。Kaneka Eurogentec社は、プラスミドDNAの世界トップクラスの技術を保有していることから、本ワクチン中間体製造を受託することとなった。

カネカは、最先端の高度技術を活用したワクチンの受託製造や抗ウイルス薬の開発、医療器を用いたソリューション提供などにより新型コロナウイルス問題の課題解決に貢献していくとしている。

 

◆樹脂関連:日本ポリプロがタイにおける合弁会社の運営を開始(8月3日)

日本ポリプロとタイのIRPC Public Company Limited(以下「IRPC」)は、両社のASEAN地域における自動車関連向けポリプロピレンコンパウンド事業を合弁形態で運営することを発表していたが、関係各国における競争法の手続が完了し、2020年8月より合弁会社の運営を開始すると発表した。

日本ポリプロとIRPCは、当該合弁会社の運営において、インラインコンパウンド設備や、両社の製造及び知的財産を含む技術資源等の強みを活用することで、技術力、マーケティング及びコスト競争力の強化を進め、ASEAN地域の自動車関連市場へのさらなる拡販を図っていくとしている。

 

◆メディカル:王子ホールディングスが木質由来の医薬品開発を目的とする新会社を設立(8月3日)

王子ホールディングスは、医薬品の開発および製造販売を目的とする新会社『王子ファーマ』を設立、方針の策定を行ったと発表した。

王子ファーマは、木質主要成分の1つ「ヘミセルロース」を原料とした有効成分「硫酸化ヘミセルロース(PPS)を医薬品として製品化することを目指す。

PPSは王子ホールディングスが保有する、木質材料中の各種成分を高純度に抽出・分離・精製する技術をもとに、広葉樹から生産される高分子硫酸化多糖である。大学や製薬企業との共同研究開発により、血液凝固阻止作用、抗炎症作用及び保湿作用などの新たな知見を得たことから、これらの特徴を発揮できる疾患領域にターゲットを絞り、研究開発を加速させていく。

特に、血液凝固阻止の医薬品開発に関しては、木質由来であることから「ウイルス感染リスクの低減」や「宗教的な使用制限に対する配慮」が可能となり、現在の主流である豚由来の血液凝固阻止剤「ヘパリン」の代替としての展開が期待されるとしている。

 

◆リサイクル:宇部興産の「複合プラスチックの高度分離技術開発」がNEDOの先導研究委託事業として採択(8月3日)

宇部興産と名古屋大学は、共同で新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」における「廃プラスチックを効率的に化学品原料として活用するためのケミカルリサイクル技術の開発」委託事業の公募に対し「複合プラスチックの高度分離技術開発」を提案し、採択されたことを発表した。

採択された技術は、包装用多層フィルム等に代表される複合プラスチック製品を成分別に分離するもので、本技術により複合プラスチック廃棄物から単一のプラスチックを得て再生するマテリアルリサイクル技術の開発を目指す。本事業の委託期間は2020年度末までである。

同社は今回の事業採択を受け、新規分離技術の開発を産学の協働により加速し、社会実装を見据え対象となる廃棄物の調査と処理プロセス適用時のLCA評価を行っていくとしている。

 

◆ウイルス対策:東洋インキがUV硬化型抗菌ニスを開発(8月3日)

東洋インキは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、新たにUV硬化型抗菌ニス「FLASH DRY AMBシリーズ」を開発したことを発表した。

同社が開発したUV硬化型抗菌ニスはUVオフセット・UVラベル印刷に使用できる、抗菌性を付与したコーターニス、OPニスである。

同社は、今回確立した抗菌性処方化技術を応用展開することでUV硬化型抗菌ニスラインナップを拡充し、抗菌性付与に留まらず、抗ウイルス性も視野に入れた開発に注力していくとしている。

 

◆生分解性樹脂:ダイセルと三和商会が生分解性成型材料を共同開発(8月3日)

ダイセルと三和商会は、ダイセルの生分解性バイオマスプラスチック「酢酸セルロース」をベースとした成型材料「NEQAS OCEAN」を開発したと発表した。

「NEQAS OCEAN」は、ダイセルの酢酸セルロースをベースに、三和商会のコンパウンド技術「SANTECH-BIO」を採用して加工しており、耐熱性、耐溶出性、耐臭性などの特性を有している。「SANTECH-BIO」は樹脂中に様々なバイオマス素材を均一に分散させる技術であり、この技術を利用することで、「NEQAS OCEAN」は酢酸セルロース100%のグレードのほか、酢酸セルロースにバイオマス由来の添加剤を組み合わせた複合材料の製造が可能である。

射出、押出、シートの各成型に対応できるよう開発を進めており、食品容器および包装資材向けを中心に用途の開拓を進めていくとしている。

 

◆価格改定

・日本ゼオンが合成ゴムを8月17日出荷分より値上げ

値上げ幅は、11~22円/kg

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