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2024年4月25日

2024.04.25 発行

HEADLINE

◆リサイクル:BASFが電池リサイクル用の金属精錬プロトタイプ工場の稼働を開始(4月18日)
◆塗料:BASFがアジア太平洋地域で自動車補修用新世代のクリヤーコートとアンダーコートを発売(4月18日)
◆水素関連:日本ガイシと三菱重工がアンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムを共同開発(4月18日)
◆塗料:関西ペイントが工業用主力製品「マジクロンLTC」を新発売(4月17日)
◆樹脂成型品:大日本印刷がプラスチック部分を100%リサイクル材にしたICカードの提供を開始(4月17日)
◆建材:大日本印刷が表面コーティング層のコート剤に植物由来原料を一部使用した化粧シートを開発(4月16日)
◆電子材料:住友化学が中国ディスプレイ用プロセスケミカル事業会社2社を譲渡(4月16日)
◆CO2対策:三洋化成がエコニック社とCO2ポリオールの製造事業開発に関する覚書を締結。(4月15日)
◆建材:積水樹脂プラメタルがサトウキビ由来原料と再生材を使用した環境に優しいパネル資材を新発売(4月15日)
◆価格改定
・大日精化がグラビアインキ、水性フレキソインキ、硬化剤・添加剤等を5月1日出荷分より値上げ
・プライムポリマーがポリエチレン、ポリプロピレンを5月7日納入分より値上げ
・大日精化が有機・無機顔料及びその加工品を5月10日出荷分より値上げ
・大日本塗料が塗料およびシンナーを6月3日受注分より値上げ
・コニシがボンド製品全般を6月3日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS 

◆リサイクル:BASFが電池リサイクル用の金属精錬プロトタイプ工場の稼働を開始(4月18日)
 BASFは、電池リサイクル用の金属精錬プロトタイプ工場の稼働を開始したと発表した。
 この工場では、ドイツのシュヴァルツハイデで、使用済みリチウムイオン電池と電池製造時に工場で発生するスクラップを処理する。これにより、スケールアップの際に、貴重な金属の最適な回収が容易にできるようになる。この工場は、BASFの既存の正極材工場と、今年後半に稼働予定のブラックマス生産用の電池リサイクル工場を補完するものである。
 同社は、欧州での自給率を高め、欧州バッテリー規則を遵守するために、高価な金属の回収に取り組んでいる。また、リサイクルされた金属のカーボンフットプリントは大幅に低くなるため、電池のリサイクルによって電気自動車のサステナビリティが向上する。
 同社は今後数年のうちに欧州で商業規模の精錬工場を設立することを目標に、金属精錬技術のさらなる開発と規模の拡大に取り組んでいくとしている。

◆塗料:BASFがアジア太平洋地域で自動車補修用新世代のクリヤーコートとアンダーコートを発売(4月18日)
 BASFのコーティングス事業部は、環境配慮型のクリヤーコートとアンダーコートの新製品を発表した。
 これらの新製品は主要な完成車(OEM)メーカーから承認を得ており、その持続可能性と技術的品質を実証している。
 BASFは、2020年に欧州を中心に自動車補修用塗料のプレミアムブランドGlasurit(グラスリット、日本では非取扱ブランド)と同R-Mにおいて、VOC(揮発性有機化合物)の含有量が1リットルあたり250g以下のベースコートを発売しているが、最新の製品ラインナップにより、自動車補修業界における環境配慮型製品の選択肢を広げる。例えば、UVA(紫外線A波)による速乾性や自然乾燥、鋼板への直接塗装を可能にし、時間とコストの節約に貢献する。
 同製品のラインナップは、2024年にアジア太平洋地域で、Glasurit 「AraClass」(日本では非売品)と、R-M 「パイオニアシリーズ」として順次導入される予定である。同時に、合理性と効率化を重視したクリヤーコートとアンダーコートを提供するGlasurit「ProClass」とR-M「アドバンスシリーズ」の導入も計画するとしている。

◆水素関連:日本ガイシと三菱重工がアンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムを共同開発(4月18日)
 日本ガイシと三菱重工業は、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムの共同開発を行うことを発表した。
 アンモニアは日本の「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトをはじめ、欧州などの国内外においてサプライチェーン構築が計画されており、今後の市場の伸長が期待されている。
 本共同開発では、アンモニアを分解する際に生成される水素と窒素の混合ガスから、膜分離方式によって、水素を精製する最適なシステムの構築を目指している。三菱重工は、アンモニア製造プラントをはじめとした、アンモニアおよび水素のハンドリング技術に関する深い知見、日本ガイシは分離精度と耐久性に優れた世界最大級のセラミック膜に関する深い知見を生かし、本システムの早期実用化を目指して共同で開発を推進するとしている。

◆塗料:関西ペイントが工業用主力製品「マジクロンLTC」を新発売(4月17日)
 関西ペイントと、関西ペイント販売は、工業用塗料分野の主力製品であるマジクロンシリーズの低温焼付タイプ「マジクロンLTC」を新たに発売することを発表した。
 同社グループは、現在、気候変動を解決すべき重要課題のひとつとして捉え、CO2削減や使用エネルギーの効率化に取り組んでいる。中でも、工業塗装においては、焼付工程がCO2排出量およびエネルギー消費量の大きい生産工程として挙がっており、塗料の低温焼付タイプによる焼付温度の低減が求められている。
 関西ペイントの「マジクロン」シリーズは、金属製品や電気機器、鋼製家具、建材内外装部品など多岐にわたる用途で使用されており、従来の標準焼付温度を160℃としていた同シリーズについて、今回、140℃の低温化を実現させた。これにより、工業塗装現場で多く使用されているアルキドメラミン塗料(130~140℃)と同時焼付が可能になるとともに、クライアントの省エネルギー対策およびカーボンニュートラルの推進に貢献するとしている。

◆樹脂成型品:大日本印刷がプラスチック部分を100%リサイクル材にしたICカードの提供を開始(4月17日)
 大日本印刷は、循環型社会の実現に向けて、非接触対応ICクレジットカードのプラスチック部分全体をリサイクルPVC(ポリ塩化ビニル)で製造することを発表した。
 DNPは、国内製造シェアでトップを獲得しているICカードについて、環境に配慮した原材料の使用などを進めており、その一環で2021年に、リサイクルPVCを一部に使用した非接触対応ICクレジットカードの製造を開始している。DNPは本製品の提供により、プラスチックの一層のリサイクル推進やCO2排出量の削減を実現し、環境負荷の低減につなげていく。
 今後、環境負荷の低減や循環型社会の実現に取り組む金融機関のほか、電子マネーカードやポイントカード、会員証等を発行する事業者などに同製品を提供していく。DNPは、環境配慮型のICカード関連で、2028年度までに累計約400億円の売上を目指すとしている。

◆建材:大日本印刷が表面コーティング層のコート剤に植物由来原料を一部使用した化粧シートを開発(4月16日)
 大日本印刷は、マンションや各種施設等の室内ドアや収納・内装向けの化粧シート「DNP EBオレフィンシート サフマーレ」の表面コーティング層のコート剤に植物由来(バイオマス)原料を一部使用した「(同)サフマーレ」バイオマス仕様を開発したことを発表した。
 今回、同社はEBコーティング技術を応用・発展させることで、化粧シートの表面コート剤に植物由来のバイオマス原料を用いながら、従来の製品と同等の性能を実現した。植物由来のバイオマス原料は、環境負荷の低減につながるとともに、EBコーティングによって従来品と変わらない機能を実現することで長期間の使用に対応ができる。
 同社は今後、表面コーティング層のコート剤だけではなく、化粧シートを構成する他の層でも、石化製品由来の原料からバイオマス由来のものに順次切り替えていく予定である。直近では、化粧シートのバイオマス度をさらに向上させた「DNP EBオレフィンシート サフマーレ」バイオマス仕様を製品化し、2024年度中の発売を目指すとしている。

◆電子材料:住友化学が中国ディスプレイ用プロセスケミカル事業会社2社を譲渡(4月16日)
 住友化学は、同社グループが保有する中国におけるフラットパネルディスプレイ(FPD)用プロセスケミカル事業会社2社の全持分を、鎮江潤晶高純化工科技(以下、ルンジンテック)に譲渡することとし、同社グループとルンジンテックの間で持分譲渡契約を締結したと発表した。
 同社が2009年から中国において手掛けてきたFPD用プロセスケミカル事業は順調に運営してきた。しかし、昨今の原料価格高騰などの事業環境の変化を踏まえ、現地石化コングロマリットである山東海科(以下、ハイクホールディング)傘下の企業で、原料競争力や顧客対応力などに強みを持つルンジンテックをベストオーナーとして競争力を強化させていくことが最善であると考え本事業の再編を決定した。
 譲渡の実施時期は2024年5月31日の予定としている。

◆CO2対策:三洋化成がエコニック社とCO2ポリオールの製造事業開発に関する覚書を締結。(4月15日)
 三洋化成工業は、再生可能炭素に特化した英国のディープテクノロジー企業であるエコニック社と覚書を締結したことを発表した。
 本締結に伴い、同社は、持続可能で高機能なポリウレタンに使用すべく、エコニック社のCO2ポリオールの製造技術を評価していく。
 両社はポリオールの製品開発やエコニックのCO2 利用技術の活用を進めることで、バリューチェーンの脱石化を図り、三洋化成の重点分野であるカーボンニュートラルの向上を目指す。
 エコニック社は、CO2をポリオールの骨格に組み込む独自の触媒とプロセス技術を有し、その技術の活用で、カーボンフットプリントを最大30%削減することが期待できる。さら同技術は、既存の生産工場を活用し、製造プロセスの低コスト化が実現でき、性能とコストを犠牲にすることなく実用化できる。
 同社は、エコニック社の技術を今後数年以内に事業化すべく評価を進める。さらに、本ポリオール技術をポリウレタン以外にも活用し、新たな持続可能な取り組みへの起点としていくとしている。

◆建材:積水樹脂プラメタルがサトウキビ由来原料と再生材を使用した環境に優しいパネル資材を新発売(4月15日)
 積水樹脂の子会社である積水樹脂プラメタルは、原材料調達~生産時、製品使用後の廃棄においてCO2排出量の削減ができる環境に優しい「プラメタルスマート アートパネル」を発売すると発表した。
 同社の看板・サイン用パネル「アートパネル」は、アルミと樹脂をサンドイッチ構造にして、金属の使用量を極力少なくすることによって、アルミや他の金属板と同等の剛性を保ったまま軽量化できる製品である。「アートパネル」は看板・サインなどの用途で多くの場所で採用されている。
 今回、同社はサトウキビ由来の環境配慮発泡樹脂芯材と環境配慮型アルミ材を採用し、同社従来品(アートパネル)と比べてCO2排出量を削減した環境に優しいパネル資材「プラメタルスマート アートパネル」を開発した。
 また同社は広域認定制度の認定を取得しており、この制度に基づくリサイクルシステムを構築し、使用後廃棄処理される製品を再度、原料として活用することで使用済み製品廃棄物の削減・資源循環に貢献するとしている。

◆価格改定
・大日精化がグラビアインキ、水性フレキソインキ、硬化剤・添加剤等を5月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、グラビアインキ(白インキ):50~80円/kg
 グラビアインキ(色インキ):70~550円/㎏
 グラビアインキ(メヂウム・コート剤):40~70円/kg
 水性フレキソインキ(全色):50円/㎏以上
 硬化剤・添加剤等:30~50円/㎏
・プライムポリマーがポリエチレン、ポリプロピレンを5月7日納入分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg以上
・大日精化が有機・無機顔料及びその加工品を5月10日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上(一部改定幅が異なる製品あり)
・大日本塗料が塗料およびシンナーを6月3日受注分より値上げ
 値上げ幅は、5~20%
・コニシがボンド製品全般を6月3日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上

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