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2024年1月25日

2024.01.25 発行

HEADLINE

◆ウレタン:BASFが中国のフェアブント拠点におけるTPU工場の竣工を発表(1月18日)
◆生分解性:日本触媒がNEDO事業で新規海洋生分解性プラスチックを開発(1月18日)
◆医薬品:千代田化工建設がAGC向け国内バイオ医薬品原薬製造設備のEPC業務を受注(1月18日)
◆非鉄金属:住友金属鉱山の子会社がFPXニッケル社(カナダ)の株式を取得(1月17日)
◆リサイクル:三菱マテリアルが国内初のリサイクル金属ブランドの立ち上げを発表(1月16日)
◆電子材料:日揮が宮城県でパワー半導体向け高熱伝導窒化ケイ素基板の増産に向けた新工場の地鎮祭を実施(1月16日)
◆バイオ関連:千代田化工建設がタバコ葉で生産した遺伝子組換えタンパク質の凍結融解処理によるシンプルな分離精製法を
 開発(1月16日)
◆電子材料:富士フイルムが熊本拠点に約60億円を投資し先端半導体材料の生産設備を導入(1月15日)
◆電子材料:住友金属鉱山が大電流・大面積仕様に応用可能なプリンテッドエレクトロニクス用の厚膜導電性インクの共同開発
 を発表(1月15日)
◆価格改定
・ユニチカがスパンレース不織布を2月1日出荷分より値上げ
・ユニチカがスパンボンド不織布を2月1日出荷分より値上げ
・JSPがスチレンペーパーを2月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆ウレタン:BASFが中国のフェアブント拠点におけるTPU工場の竣工を発表(1月18日)
 BASFは、中国・湛江フェアブント拠点における熱可塑性ポリウレタン(TPU)工場を竣工すると発表した。
 新工場は、BASFにとって世界最大のTPU単一生産ラインとなる。また、スマートファクトリーとして、自動誘導車両や高度な制御システムなどの先進技術を備え、効率性の高い設計が特徴である。また、2025年までに湛江フェアブント拠点全体を100%再生可能エネルギーで稼働させる計画である。
 今回のフェアブント拠点への投資は、完成時には約100億ユーロとなり、BASF最大規模のものになる見込みである。本拠点は、ルートヴィッヒスハーフェン(ドイツ)、アントワープ(ベルギー)に次ぐ、同社にとって世界第3位のフェアブント拠点になるとしている。

◆生分解性:日本触媒がNEDO事業で新規海洋生分解性プラスチックを開発(1月18日)
 日本触媒と理化学研究所環境資源科学研究センターバイオプラスチック研究チーム(以下、理研)は、2021年度から参画しているNEDOの委託事業「海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業」において、新規海洋生分解性プラスチックの開発に成功したことを発表した。
 プラスチックは化学的安定性の高さから自然環境下では分解しにくく、海洋に流出したプラスチックによる海洋汚染が深刻化している。
 今回、日本触媒と理研は、PES骨格に長鎖ジカルボン酸ユニットを導入したポリマーが、海洋で容易に生分解されるセルロースと同等の海洋生分解性を発現することを見出した。
 今後、スケールアップ検討によって量産体制の確立を進めるとともに、その用途開発を加速するとしている。また、PESを基本骨格とするポリマーに天然アミノ酸ユニットを組み込んだ海洋生分解性エステルアミドポリマーについても同事業内で開発しており、同開発についても高機能な海洋生分解性プラスチックとしての展開を検討するとしている。

◆医薬品:千代田化工建設がAGC向け国内バイオ医薬品原薬製造設備のEPC業務を受注(1月18日)
 千代田化工建設は、AGCよりAGC横浜テクニカルセンター敷地内におけるバイオ医薬品原薬製造設備の設計、調達、建設(EPC)業務を受注したと発表した。
 AGCは、横浜拠点におけるバイオ医薬品CDMOの開発・製造能力の拡大を決定し、千代田化工建設は同生産設備を構築するパートナーとして、同プロジェクトを遂行することが決定した。また、同件は経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されており、平時はバイオ医薬品製造、パンデミック発生時にはワクチン製造に切り替え可能なデュアルユース仕様の設備である。
 同設備は、国内CDMOとして最大級の動物細胞培養槽に加え、最先端の医薬品であるmRNA医薬品や遺伝子・細胞治療薬の開発・製造設備を導入するとしている。

◆非鉄金属:住友金属鉱山の子会社がFPXニッケル社(カナダ)の株式を取得(1月17日)
 住友金属鉱山の100%子会社であるSumitomo Metal Mining Canada(以下、SMCL)は、カナダの探鉱会社FPX Nickel(以下、FPXニッケル社)の第三者割当増資を引き受け、同社の株式を取得することに合意したと発表した。株式取得の対価は約1,440 万カナダドル(約16億円)で、SMCLの持分比率は9.9%となる。
 FPXニッケル社は「アワルワ鉱」を主要鉱物とするBaptiste Nickel Project(バプティストプロジェクト)の開発を、カナダのデカールニッケル開発地区で進めている。アワルワ鉱はニッケルと鉄の合金鉱物であり、既存のニッケル原料である酸化鉱や硫化鉱と比べてニッケル回収過程の二酸化炭素排出量が少なく、新たな低炭素ニッケル資源として期待されている。
 バプティストプロジェクトは、マインライフ29年で、生産物に含まれるニッケル量で年間平均5.9万tの採掘を行うプロジェクトである。住友金属鉱山は本出資を通じて、ニッケル量で累計6万トン相当の優先売買交渉権を獲得するとしている。

◆リサイクル:三菱マテリアルが国内初のリサイクル金属ブランドの立ち上げを発表(1月16日)
 三菱マテリアルは、非鉄金属製品におけるリサイクル材料の含有率を明示た、国内初となるリサイクル金属ブランド「REMINE」を立ち上げ、第一弾として、「電気錫」および「電気鉛」を販売することを発表した。
 サステナブルな社会の実現に向け、資源循環・環境負荷低減の観点から、サプライチェーンにおける製品中の原材料などの情報の透明性ならびにトレーサビリティを確保することは、ステークホルダーへの責任であるとともに、製品が環境に与えるインパクトを数値化することが、より一層求められている。
 REMINEシリーズは、このような社会的ニーズに対して、国際規格ISO14021(JIS Q14021)に準拠してリサイクル材料含有率を算出し、第三者機関による検証を受けた、より高い信頼性を確保した非鉄金属製品である。
 最初の製品は、リサイクル材料含有率100%の「電気錫」と99.6%以上の「電気鉛」としている。

◆電子材料:日揮が宮城県でパワー半導体向け高熱伝導窒化ケイ素基板の増産に向けた新工場の地鎮祭を実施(1月16日)
 日揮グループの機能材製造事業会社である日本ファインセラミックス(以下、JFC)が、宮城県富谷市において、パワー半導体向け高熱伝導窒化ケイ素基板の増産に向けた新工場の地鎮祭を実施したことを発表した。
 JFCが生産するパワー半導体向け絶縁放熱基板は、高い熱伝導率に加えて、優れた機械的性質や絶縁性を有しており、2020年から量産化を開始し、2023年10月に追加増産のための工場がJFC富谷事業所で稼働を開始している。
 新工場の総投資額は100億円、2025年度内に本格的に操業を開始する予定である。また、今後さらに拡大していく製品需要および製品の性能向上に応えていくために、さらなる増産に向けた設備投資・製品開発計画の策定を進め実行していく予定である。日揮グループは、今後も高熱伝導窒化ケイ素基板を含めた高機能材製造事業の拡大に向けて積極的に取り組んでいくとしている。

◆バイオ関連:千代田化工建設がタバコ葉で生産した遺伝子組換えタンパク質の凍結融解処理によるシンプルな分離精製法を開発(1月16日)
 千代田化工建設は、タバコ葉で生産した遺伝子組換えタンパク質の凍結融解処理によるシンプルな分離精製法を開発したことを発表した。
 同社は2022年にNEDO助成事業に採択され、遺伝子組換え技術を用いた植物による物質生産の中で、これまでの遺伝子組換え植物で事業化されてこなかった、高度に修飾が必要なタンパク質まで実用化範囲を拡大させる大量生産技術の開発に取り組んできた。
 今回の研究では、タバコ葉に発現させた各種組換えタンパク質と、タバコ葉にもともと含まれるルビスコなどの夾雑タンパク質の分離精製を目的とした、凍結融解処理による非常にシンプルな分離精製法の開発に成功した。本技術の活用により、これまで生産コストの多くを占めていた精製工程の簡略化による精製時間の短縮やコスト低減などが期待できる。
 同社は、2025年より自社設備を活用し、植物利用物質生産技術の商用化の基盤となる植物バイオファウンドリを構築し、国内外の植物物質生産産業の発展に貢献する仕組みづくりを目指すとしている。

◆電子材料:富士フイルムが熊本拠点に約60億円を投資し先端半導体材料の生産設備を導入(1月15日)
 富士フイルムは、電子材料事業をさらに拡大するため、熊本拠点に約60億円の設備投資を行うと発表した。
 今回、電子材料事業の中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズが、熊本県に立地する生産子会社の富士フイルムマテリアルマニュファクチャリングに、イメージセンサー用カラーフィルター材料の生産設備を導入する。本設備は、2025年春の稼働を予定している。
 富士フイルムは、イメージセンサー用カラーフィルター材料を静岡、台湾で生産しており、韓国でも同製品の工場の建設を進めるなど、生産拠点を拡充している。さらに、可視光領域にとどまらず、広範囲な波長領域をターゲットとした製品の開発と市場導入を促進し、Wave Control Mosaic(以下、WCM)として製品展開を図り、ビジネス拡大を進めている。
 今後、富士フイルムは、イメージセンサー用カラーフィルター材料において世界4拠点の生産体制の下、高い品質基準で生産・提供し、顧客ニーズにあった新規製品の市場導入を加速させることで、WCMの売上拡大を目指すとしている。

◆電子材料:住友金属鉱山が大電流・大面積仕様に応用可能なプリンテッドエレクトロニクス用の厚膜導電性インクの共同開発を発表(1月15日)
 住友金属鉱山と物質・材料研究機構(NIMS)、NIMS発ベンチャー企業のプリムウェイズ、エヌ・イーケムキャットは、フィルムなどの基材の上に印刷技術で電子回路やセンサーを形成する「プリンテッドエレクトロニクス」用の厚膜導電性インクを共同開発することを発表した。
 今回の厚膜導電性インクは、NIMSとプリウェイズが開発した金属錯体インクを元に、住友金属鉱山が持つ金属粉末の合成技術やペースト技術を生かして開発された。本インクは、プリンテッドエレクトロニクスで要求される膜厚制御と低温焼結性を実現するために住友金属鉱山が開発した微粒銅粉も添加されている。これによって、耐熱性樹脂フィルムにも応用可能な200℃前後での厚膜の配線形成が可能となる。さらに、一般的な導電性インクと比較して、安価かつ酸化しにくいため、印刷時のインクの膜厚を3倍以上とすることができ、大電流・大面積が必要な製品ニーズにも対応している。
 現在、エヌ・イー ケムキャットの技術を活用し、工程の最適化や量産化技術の確立に向けた開発を進めている。今後、顧客との対話を通じた用途開拓や性能向上を行っていくとしている。

◆価格改定
・ユニチカがスパンレース不織布を2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10~15%
・ユニチカがスパンボンド不織布を2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10~15%
・JSPがスチレンペーパーを2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15円/㎏以上

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