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2023年8月31日

2023.08.31 発行

HEADLINE

◆食品原料:オリエンタル酵母工業が埼玉工場を閉鎖し、フラワーペースト生産をびわ工場に集約(8月24日)
◆温室効果ガス:日本触媒がカーボンフットプリントをより適正・効率的に算定するために新システムを構築(8月24日)
◆樹脂:クレハがフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の生産設備の増強を決定(8月22日)
◆バイオマス:東レが非可食バイオマスからの繊維・樹脂・フィルム原料供給に向けて本格始動することを発表(8月22日)
◆水素関連:日本触媒と三菱重工が水素利用拡大に向けアンモニア分解システムの共同開発契約を締結(8月21日)
◆電子材料:旭化成の米国子会社が4インチ窒化アルミニウム単結晶基板の製造に成功したことを発表(8月21日)
◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを9月1日納入分より値上げ
・日本ポリプロがポリプロピレンを9月1日納入分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆食品原料:オリエンタル酵母工業が埼玉工場を閉鎖し、フラワーペースト生産をびわ工場に集約(8月24日)
 オリエンタル酵母工業は、本年12月末に埼玉工場を閉鎖することを決定したと発表した。
 同社のフラワーペースト事業は、埼玉工場、びわ工場の2工場体制で生産しているが、埼玉工場では老朽化や、立地環境の変化等の課題を抱えている。最適な生産体制を検討した結果、埼玉工場で生産しているフラワーペーストを、びわ工場に移管し、工場を集約することにより、さらなる生産効率の改善と、コスト競争力の強化を図るとしている。

◆温室効果ガス:日本触媒がカーボンフットプリントをより適正・効率的に算定するために新システムを構築(8月24日)
 日本触媒は、製品カーボンフットプリント(以下、CFP)を算定するシステムを新たに構築したことを発表した。
 カーボンニュートラルを実現するためには、個々の企業の取り組みのみならず、サプライチェーン全体での温室効果ガス(以下、GHG)の排出削減を進めていく必要がある。そのためには、サプライチェーン上の各企業が製品単位のGHG排出量であるCFPを算定・共有することが不可欠である。
 今回構築した新システムは、従来のライフサイクルアセスメントやISO規格、GHGプロトコル製品基準に加えて、国内外で新たに公表されているCFP算定・報告に関するガイドラインなどにも準拠している。また、住友化学から提供されている製品カーボンフットプリント算定ツールを活用し、算定ルールも整理したことにより、CFPを適正かつ効率的に算定することができるようになった。
 同社は、姫路製造所及び川崎製造所で生産する製品について、要望があった顧客に対し、順次、新システムを用いて算定したCFPを提供するとしている。

◆樹脂:クレハがフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の生産設備の増強を決定(8月22日)
 クレハは、同社いわき事業所において、フッ化ビニリデン樹脂(以下、PVDF)の生産設備の増強を決定したことを発表した。
 PVDF はリチウムイオン二次電池(以下、LiB)用バインダーおよび一般産業用エンジニアリング・プラスチックとして使用されているが、近年では各国の環境保護意識の高まりなどにより、車載用 LiB 向け需要の拡大が続いている。
 現在同社グループでは、いわき事業所に年産6,000トンと中国子会社に年産5,000トンの生産設備を有しているが、PVDF 事業のさらなる拡大を図るため、環境負荷低減技術も含めた、過去最大の投資規模となる生産設備の増強を行う。完工予定は2026年3月、増強規模は年産8,000トン、投資総額は約700億円を予定している。
 新規生産設備稼働までの間は、既存生産設備の生産能力拡大、新グレードの開発、グローバルでの最適な供給体制構築の検討などにより、収益向上策を実施していくとしている。

◆バイオマス:東レが非可食バイオマスからの繊維・樹脂・フィルム原料供給に向けて本格始動することを発表(8月22日)
 東レは、非可食バイオマスからの繊維・樹脂・フィルム原料供給に向けて本格始動することを発表した。
 本格始動するにあたって同社は、2017年にDM三井製糖と膜利用糖化プロセスの技術実証を行う目的で設立した、Cellulosic Biomass Technology社(本社:タイ、以下、CBT社)に対して、12億円の増資を引き受けて出資比率を引き上げた。今回の増資により、非可食バイオマス由来の基幹ポリマー原料の早期事業化を目指す。
 今回の増資を契機に、既存のサトウキビの搾りかすであるバガスを原料とした非可食糖を製造する設備に加えて、キャッサバパルプを原料とした非可食糖の製造設備を新たにCBT社に導入し、キャッサバパルプ由来の非可食糖の製造能力を5t/日に拡充する。また、バイオマス燃料が利用可能なボイラーの導入などを行い、非可食糖製造における用役費のコストダウンを図る。
 今後、CBT社で製造する非可食糖を、各種化学品原料の非可食原料化に向けて、アジピン酸等の自社での原料開発に加えて、すでに可食糖から化学品を製造している化学企業への非可食糖の有償提供を行う。さらに、2030年までに10万t/年規模の非可食糖製造技術を確立し、非可食糖を原料としたポリマー原料のサプライチェーンを構築するとしている。

◆水素関連:日本触媒と三菱重工が水素利用拡大に向けアンモニア分解システムの共同開発契約を締結(8月21日)
 日本触媒と三菱重工業は、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解システムの共同開発契約を締結したと発表した。
 アンモニアは、燃焼してもCO2を排出しないゼロエミッション燃料である水素を、安全かつ大量に長距離輸送・貯蔵することが可能な水素キャリアの1つとして注目されている。アンモニア分解技術はアンモニアから水素を取り出すために不可欠であり、サプライチェーン構築の実現において重要な役割を担う。
 本分解システムから取り出された水素は、クリーンな原料・燃料として使用することが可能であり、早期実用化を目指し開発を推進していくとしている。

◆電子材料:旭化成の米国子会社が4インチ窒化アルミニウム単結晶基板の製造に成功したことを発表(8月21日)
 旭化成の子会社のCrystal IS(本社:米国)は、世界で初めて4インチの窒化アルミニウム単結晶基板(以下、AlN基板)の製造に成功したことを発表した。
 Crystal IS社は、2インチ基板を用いて殺菌用途向けや、分析用途向けのUV-C (深紫外線) LED製品を製造している。同社のAlN基板の特徴である、欠陥密度が低く、紫外線透過性が高く、不純物濃度が低いという点を活かし、自社で殺菌用途を中心としたUV-CLEDの製造・販売を行ってきた。また、AINは、電力損失が小さく、耐圧が高いため、エネルギー効率に優れ、次世代のパワーデバイスへの適用やRF(高周波)アプリケーションへの展開も期待される。
 AlN基板の製造では、昇華炉内部の精緻な温度コントロールが必要な点が、基板の大口径化において最も難しい課題であった。Crystal IS社は大口径化の実績があり、現在は年間数千枚の2インチ基板を製造しているが、4インチ基板の商業化が実現すれば、生産能力・効率が大幅に向上し、今後広がるAlN基板の需要に応えることができる。Crystal IS社は今後、次世代パワーデバイス等への展開を見据え、AlN基板の外部販売に向けた活動を強化するとしている。

◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを9月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、20円/kg以上
・日本ポリプロがポリプロピレンを9月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、20円/kg以上

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