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2023年3月16日号

2023.03.16 発行

HEADLINE

◆ライフサイエンス:JSRグループのCrown Bioscienceがシンガポールに新研究所の開設とコマーシャルパートナーを設立
 (3月10日)
◆CO2利用:千代田化工建設、富山大学、ハイケムがCO2を原料とするパラキシレンの製造、単離に成功(3月10日)
◆バイオマス:DICと出光興産がバイオマスポリスチレンの製造に向けた検討開始に合意(3月9日)
◆脱炭素:千代田化工建設がプルタミナ社とインドネシアにおける炭素循環技術の共同検討業務契約を締結(3月8日)
◆バイオ医薬:長瀬産業がHALIX社とバイオ医薬品・原薬等の開発・製造受託サービスを開始(3月7日)
◆水素:千代田化工建設がタイEGAT、泰国三菱商事、商船三井とクリーン水素・アンモニア バリューチェーンの検討に関する
 覚書を締結(3月6日)
◆ポリマー:三菱ガス化学が子会社を介して、ポリプラスチックスが計画する中国ポリアセタール製造会社設立の資金調達を
 実施(3月6日)
◆価格改定
・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを4月1日納入分より値上げ
・クラレがMMAモノマー(メタクリル酸メチル)およびMAA(メタクリル酸)を4月1日出荷分より値上げ
・カネカが樹脂改質剤を4月1日出荷分より値上げ
・サカタインクスがオフセット印刷用インキを4月1日出荷分より値上げ
・コニシがボンド製品を4月20日より値上げ
・ニッタが空気清浄用エアフィルタを5月1日受注分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆ライフサイエンス:JSRグループのCrown Bioscienceがシンガポールに新研究所の開設とコマーシャルパートナーを設立(3月10日)
 JSRは、ライフサイエンス事業のグループ会社企業であるCrown Bioscienceが、前臨床およびトランスレーショナルながん領域の創薬・開発に取り組む国内外のバイオテクノロジー企業や製薬企業をより一層支援するため、シンガポールに新拠点を設立したと発表した。
 また、同社は、シンガポール国内のバイオテクノロジー業界に焦点を当て、シンガポールのライフサイエンス・エコシステム内で独自のコンタクトを持つ専門の商業パートナーであるBiosys Corporationと販売契約を締結した。
 今回シンガポールに設立した新拠点では、需要の高い細胞株由来の異種移植(CDX)および同種移植モデルに加え、フローサイトメトリーや病理学的サービスを含む分析バイオマーカーを支援する予定としている。

◆CO2利用:千代田化工建設、富山大学、ハイケムがCO2を原料とするパラキシレンの製造、単離に成功(3月10日)
 千代田化工建設、富山大学、ハイケムは、CO2を原料としたパラキシレンの製造ならびにその単離に成功したと発表した。
 CO2を原料としたパラキシレンの製造については、NEDOの「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発/化学品へのCO2利用技術開発」事業に、千代田化工建設、富山大学、ハイケム等が共同で採択され研究を進めている。
 CO2由来パラキシレンは、従来のパラキシレンと同様に高純度テレフタル酸を経由して各種樹脂原料として使用することが可能である。
 同社らは今後も円滑な事業化とCO2排出削減の可視化、その価値の確実な市場への提供を目的とし、CO2由来パラキシレンを既存パラキシレンのサプライチェーンへ組み込むことが可能であるマスバランスアプローチを含めて検討を進めていくとしている。

◆バイオマス:DICと出光興産がバイオマスポリスチレンの製造に向けた検討開始に合意(3月9日)
 DICと出光興産は、新たなバイオマスプラスチックのサプライチェーンを構築し、バイオマスポリスチレン(以下「バイオマスPS」)の製造に向けた検討開始に合意したと発表した。
 バイオマスナフサは、植物を由来とする原材料などから製造されることから、石油由来のナフサと比べてCO2排出量を抑制することが可能である。出光興産が製造するバイオマスナフサ由来のスチレンモノマー(以下「バイオマスSM」)は、持続可能な製品であることを証明する国際認証「ISCC PLUS認証」を取得しており、同認証に基づくマスバランス方式を採用した製品を供給する。DICは、2023年後半までに「ISCC PLUS認証」を取得予定であり、バイオマスSMを原料としたポリスチレンを製造する予定である。
 バイオマスPSの製造は、DIC四日市工場において2023年後半までに開始する予定としている。

◆脱炭素:千代田化工建設がプルタミナ社とインドネシアにおける炭素循環技術の共同検討業務契約を締結(3月8日)
 千代田化工建設は、インドネシアにおける炭素循環技術の共同検討について、インドネシア国営石油会社のプルタミナ社と共同検討業務契約を締結したと発表した。
 同共同検討では、プルタミナ社保有のCO2含有量の多いガス田からのガスを原料として付加価値製品を生産することを目的としたCCUソリューションの提案、および千代田化工建設のCO2 Reforming技術の適用可能性について検討を行う。
 両社は、2022年1月に脱炭素分野での共同技術開発・応用に関する覚書を締結している。同共同検討はそこからの具体的な展開であり、両社はインドネシアの掲げる「2060年カーボンネットゼロ実現」に向けて同事業の実現に貢献するとしている。

◆バイオ医薬:長瀬産業がHALIX社とバイオ医薬品・原薬等の開発・製造受託サービスを開始(3月7日)
 長瀬産業は、ウイルスベクターや組み換えタンパク質をはじめとするバイオ医薬品・原薬等の開発・製造技術を有するHALIX(オランダ)と国内の開発製造受託サービスの提供に関する基本合意書(MOU)を締結したことを発表した。
 近年、創薬業界では、従来の創薬の主流である低分子医薬品から、新しい創薬モダリティを用いた医薬品開発が増えてきている。これに伴い、新たな創薬モダリティに対応する開発・製造技術へのニーズが高まっている。
 HALIXは、ウイルスやワクチン等のバイオ医薬品における原薬のプロセス開発から治験薬製造、スケールアップ、GMP製造による最終製剤(無菌充填や凍結乾燥等)までを一貫して行う開発・製造受託サービスを提供する。長瀬産業は、すでに中分子医薬品(ペプチド・核酸)の取り扱い実績を有しているが、今後は同契約を通じて、HALIXの強みであるバイオ製法による高分子医薬品分野にも事業を拡大させていく。
 長瀬産業は、製薬会社向けに本開発・製造受託サービスを展開していくとともに、バイオ医薬品市場の新たなニーズの探索を進めていく予定としている。

◆水素:千代田化工建設がタイEGAT、泰国三菱商事、商船三井とクリーン水素・アンモニア バリューチェーンの検討に関する覚書を締結(3月6日)
 千代田化工建設は、タイ王国発電公社(以下、EGAT)、泰国三菱商事(以下、タイ三菱商事)、商船三井との間でクリーン水素・アンモニア バリューチェーンの共同検討に関する覚書を締結したことを発表した。
 同覚書では、タイにおける脱炭素目標の達成に向け、タイを代表する国営発電公社であるEGATに対し、同社、タイ三菱商事、商船三井が協力して脱炭素事業に取り組むことを定めている。共同検討を通して、タイ南部における再生可能エネルギー由来のクリーンな水素・アンモニアの製造、貯蔵、輸送と利用、そしてタイ国内外へ供給するための一連のバリューチェーンを構築することを目指している。
 同社は本検討業務を進めることで、タイにおけるクリーンエネルギー分野の発展、また世界各国のカーボンニュートラルに向けた取り組みに寄与していくとしている。

◆ポリマー:三菱ガス化学が子会社を介して、ポリプラスチックスが計画する中国ポリアセタール製造会社設立の資金調達を実施(3月6日)
 三菱ガス化学は、同社の100%子会社であるグローバルポリアセタールを介して、ポリプラスチックスが計画する、年間15万トンの中国ポリアセタール製造会社を新たに設立するプロジェクトで、資金調達を実施したと発表した。
 同プロジェクトの資金調達に関し、環境問題の解決に貢献する事業「グリーンプロジェクト」を対象とした融資である旨の認証を取得し、日系企業として中国オンショア市場第一号となるシンジケートローン形式のグリーンローンによる資金調達を行った。グリーンローンとは、企業等が環境問題の解決に貢献する事業に要する資金を調達する際に用いられる融資である。
 同社は、生産能力の大幅な増強により、世界的に旺盛なPOM需要を持つ中国市場の需要に応え、中国経済の更なる発展にも貢献するとしている。

◆価格改定
・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを4月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、6円/kg以上
 ※加工費、副資材コストも上昇している為、一部製品では追加の価格改定を実施
・クラレがMMAモノマー(メタクリル酸メチル)およびMAA(メタクリル酸)を4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、25円/kg
・カネカが樹脂改質剤を4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、カネエースB、カネエースM:45円/kg、カネエースFM:25円/kg
 カネエースPA:25円/kg、カネカテルアロイ:45円kg/kg
・サカタインクスがオフセット印刷用インキを4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、オフ輪インキ:100円/㎏以上、枚葉インキ:150円/㎏以上
 UVインキ/コーティング剤:200円/㎏以上、新聞インキ:100円/㎏以上
 ※中間色/特色インキおよびその他製品については個別に案内
・コニシがボンド製品を4月20日より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・ニッタが空気清浄用エアフィルタを5月1日受注分より値上げ
 値上げ幅は、10%

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