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2023年3月2日号

2023.03.02 発行

HEADLINE

◆研究開発:ADEKAが韓国で最先端の半導体成膜材料の評価・分析プロセス体制を構築(2月24日)
◆バイオ燃料:商船三井とエア・ウォーターが船舶燃料としての液化バイオメタン利用に係る共同検討を開始(2月22日)
◆電池材料:三洋化成工業、ソフトバンクらの『有機正極二次電池の充放電機構の解明と高エネルギー密度化の研究』が新規
 研究課題に採択(2月22日)
◆バイオマス:アイカ工業がメラミン化粧板でバイオマス度75%を実現(2月22日)
◆研究開発:東レが名古屋事業場に新研究棟の設置を決定(2月21日)
◆リサイクル:三菱ケミカルが東京海上日動およびABTと連携して国内初のアクリル樹脂回収スキームを構築(2月20日)
◆医薬:帝人とアクセリードが創薬研究に関する合弁会社設立の基本合意書を締結(2月20日)
◆価格改定
・日本触媒がアクリル酸2-メトキシエチル(AME)、アクリル酸イソノニル(AIN)を3月1日出荷分より値上げ
・DICグラフィックスがグラビア・フレキソインキや食品用金属容器などに使用される塗料・インキ製品の白インキを3月1日
 出荷分より値上げ
・DICグラフィックスが商業オフ輪インキ、油性枚葉インキ、UVインキ、新聞インキを4月 1日出荷分より値上げ
・デンカがスチレンモノマーを4月1日納入分より値上げ
・東洋紡が高機能ファイバー製品を4月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆研究開発:ADEKAが韓国で最先端の半導体成膜材料の評価・分析プロセス体制を構築(2月24日)
 ADEKAは、情報・電子化学品事業の研究開発機能を大幅に拡充するため、アデカコリア研究開発センターを華城へ移転すると発表した。
 同社は、新研究開発センターとして、京畿道華城市に延床面積7倍、クリーンルームは2倍となる施設を取得し、移転することで、クライアントへの提案力や市場ニーズへの対応力を強化していく。移転先では、ALD成膜・評価装置を増設できるクリーンルームスペースを確保し、2030年までに成膜・評価装置と人員を倍増させる計画である。
 投資金額は総額約13億円で、開設は2023年8月の予定としている。

◆バイオ燃料:商船三井とエア・ウォーターが船舶燃料としての液化バイオメタン利用に係る共同検討を開始(2月22日)
 商船三井とエア・ウォーターは、家畜糞尿由来の液化バイオメタン(以下、LBM)のLNG燃料船での試験利用に向けた共同検討に関する覚書を締結したと発表した。
 本共同検討では、エア・ウォーターが環境省に採択され推進するLBMの技術開発・実証事業の下、北海道十勝地方で家畜糞尿から製造するLBMを、商船三井グループの内航LNG燃料船で2023年度前半に使用することを目指し、両社で船陸双方の既存設備で問題なく輸送・供給・使用できることを確認する。
 LNG燃料は、従来の燃料油に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を約25%削減する効果が見込めるが、LBMを一部使用する事で更なるCO2削減効果が望める。
 今後、商船三井とエア・ウォーターは、LBMの船舶燃料利用に向け、互いの知見を生かし、海上輸送の低・脱炭素化に貢献するとしている。

◆電池材料:三洋化成工業、ソフトバンクらの『有機正極二次電池の充放電機構の解明と高エネルギー密度化の研究』が新規研究課題に採択(2月22日)
 三洋化成工業、ソフトバンク、ORLIB、日本ケミコンおよび産総研は、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に係る新規採択研究課題の公募で、研究課題「有機正極二次電池の充放電機構の解明と高エネルギー密度化の研究」が採択されたことを発表した。
 ドローンなどの次世代デバイスへの期待が高まる中で、重量エネルギー密度が高く、軽量で安全な次世代電池の開発が求められている。同研究では、現行のリチウムイオン電池より大幅に軽量化が可能な有機正極二次電池に着目して高サイクル特性と高重量エネルギー密度の両立に取り組む。また、レアメタルの資源不足や価格高騰の影響を受けにくい次世代電池の実現を目指す。
 三洋化成工業では、本研究の遂行を通して充放電機構を解明し、重量エネルギー密度500Wh/kgを超える長寿命有機正極二次電池の開発および有機正極二次電池の早期実用化を目指としている。

◆バイオマス:アイカ工業がメラミン化粧板でバイオマス度75%を実現(2月22日)
 アイカ工業は、とうもろこしの芯由来の非可食性バイオマス原料であるフラン樹脂を使用したバイオマス度75%のメラミン化粧板を開発したと発表した。
 同社の主力製品であるメラミン化粧板は、家具・什器・パーティションの表面材として使用されている建築素材である。原材料の50%程度が紙であることから、バイオマスマークを2013年に取得している。2022年には、植物由来の未活用資源であるリグニンとフェノール樹脂を組み合わせた「リグニンフェノール樹脂」を原料の一部に使用した、バイオマス度60%のメラミン化粧板を開発した。
 同社では、バイオマス度のさらなる向上に向けて開発を進める中、コア層(強度保持層)の原料として使用するフェノール樹脂を、バイオマス原料であるフラン樹脂に置き換える技術を確立した。今後、量産化に向けたスケールアップを行う予定としている。

◆研究開発:東レが名古屋事業場に新研究棟の設置を決定(2月21日)
 東レは、名古屋事業場にグリーントランスフォーメーション(GX)への対応加速および多様な次世代モビリティ向け材料のR&D拠点として新研究棟を設置すると発表した。
 新研究棟では、ポリマー、ケミカル、炭素繊維複合材料の研究者に加えて、DX人材や化学工学知見を有する開発者が集結し、MIや計算化学を取り入れたポリマー設計、ナノ構造制御、複合材料設計などの「ナノテクノロジー」を高度化し、リサイクルやバイオ原料化などの「グリーンテクノロジー」を融合させると共に、プロセス観点からの環境負荷低減に取り組むことで、持続型社会の実現に貢献する素材開発の強化を図る。加えて、モビリティ関連の開発・評価機能を有する「環境・モビリティ開発センター」ならびに「アドバンスドコンポジットセンター」の隣接地に新研究棟を設置することでシナジーを図り、一体となった研究・技術開発、デジタルソリューション提案を推進する。
 同研究棟には、基礎研究から応用研究まで幅広く対応する化学実験室、技術実証のための試作・加工エリア、オープンラボを配備する。竣工は2026年度第一四半期の予定としている。

◆リサイクル:三菱ケミカルが東京海上日動およびABTと連携して国内初のアクリル樹脂回収スキームを構築(2月20日)
 三菱ケミカルグループは、東京海上日動火災保険およびABTと共同で、使用済自動車からアクリル樹脂を回収するためのスキームについて実証実験を開始することを発表した。
 東京海上日動およびABTが持つ使用済自動車処理のネットワークを活用し、テールランプ等のアクリル樹脂を回収するスキーム構築を目指す。まずは、2023年3月から関東地区において、1000台ほどの使用済自動車からアクリル樹脂を回収する実証実験を開始し、2024年度にも全国ネットワークでの取り組みに拡大していくことを目指す。
 三菱ケミカルグループでは、マイクロ波を使ってアクリル樹脂をリサイクルする実証実験を行っており、2024年度のリサイクルプラント稼働開始を視野に、アクリル樹脂ケミカルリサイクルの事業化を目指している。リサイクル技術の確立と並行して、多方面の市場から回収するスキームの検討を行っていくことで、アクリル樹脂リサイクルシステムの社会実装に向けた準備を進めるとしている。

◆医薬:帝人とアクセリードが創薬研究に関する合弁会社設立の基本合意書を締結(2月20日)
 帝人とアクセリードは、帝人の連結子会社である帝人ファーマの創薬研究機能を中核的な経営資源とした新たな合弁会社について、両社出資で設立する資本・業務提携の基本合意書を締結したことを発表した。
 今回の基本合意書は、海外が先行する非臨床研究の水平分業化と新たな委託研究形態の潮流を背景に、アクセリードが推進する創薬プラットフォーム共創の構想の中で、帝人ファーマの創薬研究の知見と創薬技術、施設・設備などの経営資源を中核とする合弁会社設立の協議を進めるためのものである。
 今後、両社は具体的な内容について協議を進め、2023年度中の最終契約の締結し、その後の合弁会社設立を目指すとしている。

◆価格改定
・日本触媒がアクリル酸2-メトキシエチル(AME)、アクリル酸イソノニル(AIN)を3月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、60円/kg以上
・DICグラフィックスがグラビア・フレキソインキや食品用金属容器などに使用される塗料・インキ製品の白インキを3月1日
 出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30~50円/kg
・DICグラフィックスが商業オフ輪インキ、油性枚葉インキ、UVインキ、新聞インキを4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、商業オフ輪インキ、新聞インキ:20%
 油性枚葉インキ、UVインキ:10%
 ※金銀インキ・特別対応品・特殊品(特殊容器を含む)などの一部製品については上記改定率と異なる
・デンカがスチレンモノマーを4月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、10円/kg
・東洋紡が高機能ファイバー製品を4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、超高強力ポリエチレン繊維「イザナス」:15~20%
 PBO繊維「ザイロン」:20%

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