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2023年1月26日号

2023.01.26 発行

HEADLINE

◆脱炭素:千代田化工建設がタイ BLCPパワー社、三菱商事と脱炭素技術の検討に関する覚書を締結(1月20日)
◆メディカル:カネカがベルギーグループ会社におけるmRNAのGMP製造能力を増強(1月19日)
◆シート:住友ベークライトがポリカーボネートシートの熱線反射グレードを発売(1月19日)
◆包材:王子ホールディングスが紫外線レーザーマーキングに対応した紙製包材を開発(1月19日)
◆顔料:稲畑産業が高輝度低価格の新蓄光顔料を販売(1月18日)
◆海外展開:UBEが米国における新会社設立およびグループ会社の再編を発表(1月18日)
◆放熱材料:積水化学工業がアメリカにおける放熱材料事業を拡大(1月16日)
◆電子材料:レゾナックがパワーモジュールの材料を革新させる評価・開発拠点の本格始動を発表(1月17日)
◆電子材料:レゾナックが6G向け半導体の新材料開発を新設オープンイノベーション拠点で始動(1月17日)
◆感光材:東洋合成が千葉工場の第4感光材工場の製造設備増設内容を発表(1月16日)
◆メディカル:ライオンがベトナムのメラップ社の株式を取得(1月16日)
◆バイオ関連:長瀬産業が子会社の林原とナガセケムテックスの生化学品事業の統合を発表(1月16日)
◆価格改定
・ADEKAが油脂加工製品を2月13日出荷分より値上げ
・クラレが耐熱性ポリアミド樹脂を2月1日出荷分より値上げ
・ブリヂストンが国内市販用夏タイヤを4月1日より、国内市販用冬タイヤを7月1日より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆脱炭素:千代田化工建設がタイ BLCPパワー社、三菱商事と脱炭素技術の検討に関する覚書を締結(1月20日)
 千代田化工建設は、タイBLCP Power(以下、BLCPパワー社)と三菱商事と脱炭素分野での共同技術検討に関する覚書を締結したことを発表した。
 本覚書を通じて、タイの独立発電事業者(IPP)であるBLCPパワー社の運営する石炭火力発電所におけるCCUS(CO2の分離・回収・有効利用・貯蔵)を始めとしたCO2排出量削減に向けた技術検討・経済性評価を実施する。
 同社は、業界のトッププレイヤーであるBLCP パワー社、また各地に豊富なネットワークを有する三菱商事とともに本検討業務を進めることで、タイにおけるCCUS実装、また世界各国のカーボンニュートラルに向けた取り組みに寄与するとしている。

◆メディカル:カネカがベルギーグループ会社におけるmRNAのGMP製造能力を増強(1月19日)
 カネカは、グループ会社のKaneka Eurogentec社(ベルギー)においてmRNAのGMP製造能力を大幅増強すると発表した。
 Kaneka Eurogentec社は、プラスミドDNA(環状DNA分子の総称。タンパク質などのバイオ医薬品の生産プロセスに利用)の生産技術を有し、バイオ医薬品の原薬となるプラスミドDNAやタンパク質、オリゴ核酸などを提供している。mRNAのGMP製造サービスについては、2020年から開始している。
 新型コロナワクチンとして社会実装が急速に進んだmRNAは、他の感染症ワクチンのみならず遺伝子疾患やがんなどに対する治療薬への応用が期待されている。
 今回の設備投資額は約20億円、生産能力は現状の約5倍となり、2023年末から順次稼働の予定としている。

◆シート:住友ベークライトがポリカーボネートシートの熱線反射グレードを発売(1月19日)
 住友ベークライトは、ポリカーボネートシート「ポリカエース」の熱線反射グレードをラインナップに追加したことを発表した。
 ポリカエースは優れた樹脂特性(耐衝撃性、透明性、加工性、燃焼性等)を活かし建築用途から産業用途まで多岐にわたる採用実績を有している。
 今回、新たに追加の熱線反射グレードは、特殊な熱線反射フィラーをポリカーボネート層に練り込むことにより従来の熱線吸収グレードよりも更に高い熱線カット効果を実現している。プレート下部への熱低減が省エネ・快適性に資するほか、パネルは光沢のあるシルバー色調で幅広い用途に使用できる特徴を有する。表層には耐候層を設け、屋外使用において長期にわたる耐久性を実現する。また、一般ポリカエースと同様に切断、穴あけ等の加工が可能としている。

◆包材:王子ホールディングスが紫外線レーザーマーキングに対応した紙製包材を開発(1月19日)
 王子ホールディングスは、紫外線レーザーマーキングに対応した紙製包材の開発に成功したと発表した。
 商品の安全性やトレーサビリティの観点から、消費期限、ロット番号をはじめとした可変情報をパッケージに表示する重要性が高まっている。
紫外線レーザーマーキングは、光でパッケージに直接印字するため、従来のインク、リボン、ラベルなどの消耗品が不要となる。また印字した文字が消えにくい特徴があり、長期間の情報表示が可能となっている。
 現在、紫外線レーザーマーキングに対応した包装には、主にプラスティックフィルムが使用されているが、同社は、昨今の世界のプラスチック使用量削減の動向を受け、紫外線レーザーマーキングに対応した包装用紙を開発し、各種紙製パッケージの提案を開始したとしている。

◆顔料:稲畑産業が高輝度低価格の新蓄光顔料を販売(1月18日)
 稲畑産業は、蓄光顔料・製品メーカーのエルティーアイ(以下、LTI)の高輝度かつ低価格な蓄光顔料の新製品を12月より国内外向けに販売開始したと発表した。
 蓄光顔料は、太陽光などの光を蓄え発光するため電源不要で環境負荷が少ないという特長があり、LTI社の従来品、高輝度・耐水蓄光顔料の「α-Vega」はこれまで官公庁や消防署などにも採用されている。
 今回販売する新製品「ILシリーズ」は、既存の蓄光顔料α-Vegaの新シリーズで、従来品と同様高輝度ながら、価格は12,000円/kgと他社同等品に比べ低価格で販売する。また従来品と同様、人体や環境に優しい酸化物系高輝度PLC(蓄光)顔料である。
 今後、同社は玩具や釣り具向けに加え、国内外グループ拠点と連携し、スポーツアパレルのシューズやテキスタイル向けの販売に注力するとしている。

◆海外展開:UBEが米国における新会社設立およびグループ会社の再編を発表(1月18日)
 UBEは、新会社UBE Corporation Americaを米国で1月に設立し、米国内の化学事業関連会社を再編することを発表した。
 UBEは、スペシャリティ化学を中心とするグローバルな利益成長の追求を掲げており、欧州、アジアに加え、米国における事業強化を進めている。
 米国ではUBE America(以下、UAI)とナイロンコンパウンド製造・販売及びプラスチックコンパウンド受託加工を行うUBE Engineered Composites(以下、UECI)が事業活動を行っており、DMC・EMCプラント建設に向けた基本設計も進んでいる。
 今回、UAIおよびUECIを新たに設立した統括会社の100%子会社とし、米国における化学事業の地域統括機能と経営効率を高めるとともに、C1ケミカルチェーンなどのスペシャリティ事業の成長の推進体制を強化するとしている。

◆放熱材料:積水化学工業がアメリカにおける放熱材料事業を拡大(1月16日)
 積水化学工業は、連結子会社である積水ポリマテックのEV等環境対応車向け放熱材料の生産拠点をアメリカに新設することを決定した。
 近年、各国・各地域においてガソリン車から電気自動車へのシフトが加速している。特にアメリカでは電気自動車の普及が推進されており、アメリカ市場の2025年度電気自動車生産台数は2022年度同生産台数の約3倍となる360万台になると予測されている。これに伴い、リチウムイオンバッテリー(以下、LiB)・電装品メーカーからの放熱ニーズが急速に拡大している。
 現状、積水ポリマテックの放熱材料は、日本・タイ・中国・欧州の4拠点で生産を行っているが、今回、新たにアメリカに生産拠点を建設することとした。
 今回の新工場では、LiB向けのグリス状放熱材料を主力商品として生産する予定である。建設着工は2023年1月、生産稼働開始は2023年8月の予定としている。

◆電子材料:レゾナックがパワーモジュールの材料を革新させる評価・開発拠点の本格始動を発表(1月17日)
 レゾナックは、自動車の電動化に欠かせないパワー半導体とこれをパッケージしたパワーモジュールの材料開発を強化するため、パワーモジュールインテグレーションセンター(以下、PMiC、小山事業所内)を本格始動させると発表した。
 パワーモジュールやそれを構成するパワー半導体は、EVなどの自動車電動化に欠かせない部材として注目されているが、モーター駆動の際、電気的損失に伴い大量の熱を発生させるという課題がある。このような背景を受け、同社は2021年にPMiCを立ち上げ、自社の幅広い材料を使ってパワーモジュールを試作し、顧客メーカーの設定条件に近い条件で評価して、その結果を材料開発にフィードバックし、適切な材料提案をスピーディに行う態勢を構築した。
 2022年には顧客側の試作評価回数を従来の2分の1に減らすことができた事例も出てきたとしており、2025年にはさらなる開発期間短縮への貢献を目指すとしている。

◆電子材料:レゾナックが6G向け半導体の新材料開発を新設オープンイノベーション拠点で始動(1月17日)
 レゾナックは、次世代通信規格6G向け半導体の新材料開発を分子設計レベルから進めるプロジェクトを立ち上げると発表した。
 同社は、横浜市にオープンしたR&Dの中核拠点で、ベンチャー企業や大学と協業して取り組み、テラヘルツ帯を活用した高周波対応材料の開発を進めている。
 6Gの新材料開発では、伝送損失を大幅に削減する新しい半導体材料が求められており、同社は、この課題に対し複合材料用の樹脂、フィラー向けのセラミックス・界面制御技術など、素材合成の段階からゼロベースで開発に取り組んでいく。新材料の開発で必要となる特性を出すためにどの材料をどう組み合わせるかは、分子設計の段階からシミュレーションやAIを活用して探索する。
 新設オープンイノベーション拠点では中長期の社会課題の解決をテーマとして扱い、自治体や生活者などのステークホルダーとの対話や共創を通じて、課題の解決を目指すとしている。

◆感光材:東洋合成が千葉工場の第4感光材工場の製造設備増設内容を発表(1月16日)
 東洋合成は、2022年8月に千葉工場内の第4感光材工場の製造設備増設を公表していたが、設備投資概要の詳細が決定したことを発表した。
 半導体分野では今後10年で2倍以上の市場成長が予測され、世界各国ではすでに戦略的投資競争が加速し、より高性能な電子デバイスの実現に向け多くの機能性材料の供給拡大が望まれている。こうした背景のもと、同増設設備では、先端半導体に対応した感光材、ポリマー製品を主な生産品目として、急増する需要と顧客品質を満たす安定供給体制の強化を図る。
 今回の投資金額は約120億円、千葉工場の先端半導体向け材料の生産能力は2022年3月期比で最大1.8倍の規模になる。工期は2023年4月~2024年7月の予定としている。

◆メディカル:ライオンがベトナムのメラップ社の株式を取得(1月16日)
 ライオンは、取締役会において、ベトナムで事業を展開するMERAP HOLDING社(以下、メラップ社)の株式36%を取得する決議をしたことを発表した。
 ベトナム市場において、これまでライオンは、主に海外関係会社を通じて一部商品の輸出を行ってきたが、持続的成長が見込まれる当該市場での事業拡大を企図し、現地で事業を展開するメラップ社の株式を取得することとした。
 メラップ社は、一般用医薬品を中心としたヘルスケア領域で有力なブランドを有するとともに、ベトナム全土の病院・クリニック・薬局をカバーする流通網と販売力を備えている。この事業基盤に、今後ライオングループの保有する製品開発・生産技術力を融合させ、ベトナム市場における事業拡大を図る。
 株式譲渡実行日は2023年3月上旬(予定)であり、メラップ社の株式取得に伴い、同社を持分法適用関連会社とする予定としている。

◆バイオ関連:長瀬産業が子会社の林原とナガセケムテックスの生化学品事業の統合を発表(1月16日)
 長瀬産業は、子会社である林原とナガセケムテックスの生化学品事業を4月1日に統合することを発表した。
 本統合は、ナガセケムテックスが福知山事業所(京都府)を拠点に展開する生化学品事業を林原が承継するものである。これによりグループのバイオ技術を結集させ、バイオ関連事業を、長期的にグループの中核事業に成長させるとしている。

◆価格改定
・ADEKAが油脂加工製品を2月13日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、45円/kg以上
・クラレが耐熱性ポリアミド樹脂を2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、フィラー強化銘柄:(国内)60 円/kg、(海外)0.50 US$/kg
 ガラス繊維強化ハロゲン難燃銘柄:(国内)150 円/kg、(海外)1.20 US$/kg
 ガラス繊維強化ノンハロゲン難燃銘柄:(国内)60 円/kg、(海外)0.50 US$/kg
 LED銘柄:(国内)300円/kg、(海外)2.30 US$/kg
・ブリヂストンが国内市販用夏タイヤを4月1日より、国内市販用冬タイヤを7月1日より値上げ
 値上げ幅は、6~8%(各商品グループ平均、商品により改定率が異なる)

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