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2023年1月19日号

2023.01.19 発行

HEADLINE

◆研究開発:東洋紡が総合研究所を大規模リニューアル(1月13日)
◆人工皮革:東レがスエード調人工皮革の生産設備増設を決定(1月12日)
◆電子材料:レゾナックがパワー半導体向けSiC材料についてInfineon Technologiesとの提携関係を強化(1月12日)
◆電子材料:信越化学がマイクロLEDディスプレイ向けの新規プロセス技術と移送部品などを開発(1月11日)
◆医薬関連:デンカが高分子ヒアルロン酸製剤の受託製造を終了(1月11日)
◆電子材料:三井金属がSiCウェハ用研磨材の生産能力を増強(1月10日)
◆電子材料:三井金属が銅箔事業部上尾事業所に開発試験用処理機の導入を発表(1月10日)
◆抗菌材料:綜研化学が植物由来の抗菌・抗ウイルス材料を開発(1月10日)
◆エンジニアリング:日揮がINPEXの実施するブルー水素・アンモニア製造実証試験の地上設備を受注(1月10日)
◆エンジニアリング:日揮がマレーシアでニアショアFLNGプラント建設プロジェクトを受注(1月6日)
◆価格改定
・東亞合成が液体塩素、気化塩素を2月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆研究開発:東洋紡が総合研究所を大規模リニューアル(1月13日)
 東洋紡は、研究開発機能の強化を図るため総合研究所の大規模リニューアルを実施し、第1期工事として「パイロットプラント棟」が完成したと発表した。
 東洋紡は、4つのコア技術(高分子、環境、快適性設計、バイオ・メディカル)を活用・融合しながら、イノベーションの創出を加速するため、総合研究所のリニューアルを実施している。約20億円を投資して新設したパイロットプラント棟は、高機能フィルムを中心とした新たな製品・技術の実用化に向け、試作品の開発や実験などを行う施設で、2023年4月から運用予定となっている。
 今後、社内外の多様なパートナーとの連携・協業を通じてオープンイノベーションを促進するための研究棟や、新たなソリューションを提案するため研究開発設備の配置自由度を高める大空間構造の施設などを順次新設する予定としている。

◆人工皮革:東レがスエード調人工皮革の生産設備増設を決定(1月12日)
 東レは、日本で生産するスエード調人工皮革Ultrasuedeの生産設備増設を決定したと発表した。
 Ultrasuedeは、1970年に滋賀事業場で生産を開始し、直近では2019年に約1.6倍の年産約1,000万㎡に生産能力を増強し、現在フル稼働を続けている。近年、自動車内装用途で採用が広がっており、特に電気自動車の内装用途においては、環境配慮(ヴィーガン)の観点から天然皮革の代替商品として、また従来の自動車と比べシンプルかつデザイン性が高まった内装との相性がよく、採用部位も従来のシート材に加え、天井材やドアトリム、インパネなどに広がり、急速に需要が拡大している。
 生産設備の増設は、滋賀事業所および岐阜工場で実施し、生産能力は現在の年産約1,000万㎡から年産約1,500万㎡に高める計画である。稼働開始は2024年後半を予定しており、設備投資額は約100億円としている。

◆電子材料:レゾナックがパワー半導体向けSiC材料についてInfineon Technologiesとの提携関係を強化(1月12日)
 レゾナックは、パワー半導体分野におけるグローバル企業であるInfineon Technologiesとの間で、SiCパワー半導体に使用されるSiC材料について、新たな複数年の供給・協力契約を締結し、2021年に締結した販売および共同開発契約を補完・拡大することで提携関係を強化することを発表した。
 本提携によりレゾナックは、インフィニオンの有する幅広いパワー半導体製品への採用拡大が期待でき、150mm(6インチ)の供給に加え、200mm(8インチ)の製品供給を計画する。また、インフィニオン社との開発活動を拡充することでSiCエピウエハーの技術改善、品質向上を加速するとしている。

◆電子材料:信越化学がマイクロLEDディスプレイ向けの新規プロセス技術と移送部品などを開発(1月11日)
 信越化学工業は、マイクロLEDディスプレイの製造に適用可能な新規プロセス技術を開発したと発表した。
 新たに開発したプロセス技術は、デクセリアルズと共同開発したもので、「Φ80μm以下に個片化した異方性導電膜(ACF)をレーザーで狙った場所に転写する画期的な技術」を導入した。この技術により、指定された電極だけに個片化したACFを飛ばし、LEDチップを搭載することが可能となるため、マイクロLEDディスプレイ製造時のリペアープロセスが容易となる。
 また、信越エンジニアリング、信越ポリマーと共同で、移送部品および移送装置を開発し、製品ラインアップを拡充した。
 今後同社は、マイクロLEDの製造における「ワンストップ ソリューション プロバイダー」としてマイクロLEDディスプレイの普及と市場の拡大に取り組んでいくとしている。

◆医薬関連:デンカが高分子ヒアルロン酸製剤の受託製造を終了 (1月11日)
 デンカは、2023年1月末に高分子ヒアルロン酸製剤の受託製造を終了すると発表した。
 同社は、2000年より、関節機能改善向け高分子ヒアルロン酸製剤受託製造を開始していたが、製造設備の老朽化等の理由から安定的な受託製造の継続は困難と判断し、2023年3月末に高分子ヒアルロン酸製剤の出荷を終了する予定である。なお、グループ会社であるデンカコスメティクスが行っている基礎化粧品「uruoi」は引き続き事業を継続するとしている。

◆電子材料:三井金属がSiCウェハ用研磨材の生産能力を増強(1月10日)
 三井金属は、同社の機能性粉体事業部が生産しているSiCウェハ用研磨材「NANOBIX」の生産能力の増強を決定したと発表した。
 パワーデバイス用材料として使用されているSiCウェハは非常に硬く、この表面を原子レベルまで平滑にするには優れた研磨技術と長時間の研磨が必要である。「NANOBIX」は、SiCウェハ表面の結晶へのダメージなく、短時間で極めて平滑に加工できる研磨材料として使用されている。
 近年、SiCパワーデバイスは電気自動車などへの本格的な採用により、高性能のSiCウェハの需要が高まっており、加えてSiCウェハの加工面積の増加に伴い、効率の良い研磨プロセスが求められている。
 現在NANOBIXの需要が急速に増加しているため、2023年度内に生産能力を50トン/年以上への増強を決定した。三井金属は今後も同品の市場成長が見込めることから、生産能力増強および安定供給を継続するとしている。

◆電子材料:三井金属が銅箔事業部上尾事業所に開発試験用処理機の導入を発表(1月10日)
 三井金属は、銅箔事業部上尾事業所(埼玉県)に新たに開発試験用処理機の導入を決定したことを発表した。
 今回導入する開発試験用処理機は、試験の自由度を大幅に高められる設計にしており、量産設備では対応できない多岐にわたる試験ができることから、新たな機能を持たせた MicroThinを含むハイエンド銅箔の開発が可能になる。また、同処理機では、顧客の量産設備で評価可能なサイズの銅箔をいち早く提供でき、顧客における評価のスピードアップも期待できる。
 同処理機の完成は2023年度末を予定している。また、同処理機を活用することで、半導体パッケージ基板用、高周波高速基板用、モジュール基板用などの回路材料分野だけではなく、それ以外の分野においても、環境に配慮した新たな製品を提供するとしている。

◆抗菌材料:綜研化学が植物由来の抗菌・抗ウイルス材料を開発(1月10日)
 綜研化学は、物質・材料研究機構(NIMS)との連携により、植物由来のポリフェノールを原料とした抗菌・抗ウイルス材料を開発したことを発表した。
 本開発品は、ポリフェノールが持つ抗菌性・抗酸化性・防錆性などを備えつつ、従来の植物由来品の課題であった水への溶出性や揮発性がなく、幅広い用途での活用が期待できる。また、細菌とウイルスを共に99.9%以上減少させており、抗菌・抗ウイルス性の両立が出来る。
 本開発品は、環境適合型の高機能製品への応用が期待され、既に数gスケールからkgスケールまで生産性を引き上げる基礎技術も確立しており、コーティング剤や素材への練りこみ用途でサンプル供給を始めている。今後は、ケミカルズ事業で長年培った量産技術による工業化を目指すとしている。

◆エンジニアリング:日揮がINPEXの実施するブルー水素・アンモニア製造実証試験の地上設備を受注(1月10日)
 日揮は、INPEXが新潟県で実施する「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験」に係る地上設備の建設工事を受注したと発表した。
 本実証試験は、NEDOの助成事業の一環として実施され、INPEXが所有する新潟県のガス田平井地区に新たに施設を建設し、同県内で生産される天然ガスを原料に年間700トンの水素を製造し、製造された水素の一部をアンモニア製造に、残りを水素発電に使用する予定である。また、水素及びアンモニア製造の際に副次的に発生するCO2は、既にガス生産を終了した同地区の貯留層へ圧入(CCUS)される。
 日揮は、この実証試験に係る設備のうち、アンモニア製造設備以外の天然ガス前処理設備、水素製造設備、CO2分離回収・圧入設備、アンモニア貯蔵・出荷設備、発電設備、ユーティリティー設備、および平井採収所エリアの坑井(観測井、生産井、CO2 圧入井)への接続設備の設計・調達・建設・試運転を担当する。設備の納期は2025年8月の予定としている。

◆エンジニアリング:日揮がマレーシアでニアショアFLNGプラント建設プロジェクトを受注(1月6日)
 日揮ホールディングスは、海外EPC事業会社である日揮グローバルが韓国サムスン重工業と共同で、マレーシア国営石油会社のペトロナス社が同国サバ州沖ガス田向けに計画している同国初となるニアショアFLNGプラント建設プロジェクトを受注したことを発表した。
 本FLNGプラントは、同ガス田から集積・前処理されたガスを利用し、産業パーク沿岸で年産200万トン以上のLNGを生産する予定である。
 本プロジェクトは、日揮グローバルが主にFLNGトップサイド(LNG生産プラント)の設計・調達・試運転、陸上付帯設備のEPCCおよびプロジェクト全体の管理を担当し、サムスン重工は主にFLNG船体のEPCおよびトップサイドのファブリケーションを担当する。納期は2027年の予定としている。

◆価格改定
・東亞合成が液体塩素、気化塩素を2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg以上

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