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2022年6月16日号

2022.06.16 発行

HEADLINE

◆エンジニアリング:東洋エンジニアリングがブラジル関連会社と協同でディーゼル脱硫・水素回収施設を受注(6月10日)
◆樹脂添加剤:BASFがシンガポールでIrganox1010の生産能力を拡大(6月9日)
◆リサイクル:JX金属の関連会社がドイツ国内のLiBリサイクル技術開発コンソーシアムに参画(6月8日)
◆電子材料:巴川製紙所が放熱性を維持しながらミリ波帯域のノイズ吸収特性を有するグリースを改良(6月8日)
◆フィルム:住友ベークライトがバイオマス原料使用の医薬品包装用フィルムを開発(6月7日)
◆水素関連:ENEOSと三井物産がアブダビ国営石油会社とクリーン水素サプライチェーン構築に向けた共同事業化検討契約を締結(6月7日)
◆水素関連:コスモ石油がアブダビ国営石油会社とブルーアンモニアの売買契約を締結(6月6日)
◆包装材料:日本製紙が飲料・食品容器用のカップ原紙の供給体制を強化(6月6日)
◆医薬関連:日華化学がアミノ酸由来人工核酸モノマーの製造・販売を開始(6月6日)
◆価格改定
・積水フーラーが接着剤製品を6月8日出荷分より値上げ
・クレハが次亜塩素酸ソーダを6月20日出荷分より値上げ
・東ソーがクロロプレンゴムを6月21日納入分より値上げ
・カネカが発泡性ポリスチレン樹脂を6月20日出荷分より値上げ
・JSPがスチレンペーパーを7月1日出荷分より値上げ
・デンカが電子包材用シートを7月1日出荷分より値上げ
・積水化学工業が建築設備配管関連製品を8月1日出荷分より値上げ
・日本製紙が印刷・情報用紙を8月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆エンジニアリング:東洋エンジニアリングがブラジル関連会社と協同でディーゼル脱硫・水素回収施設を受注(6月10日)
 東洋エンジニアリングは、ブラジル関連会社のトーヨー・セタール・エンプレエンジメントス(TSE)と共に、ブラジル石油公社(PETROBRAS)がヘプラン製油所(REPLAN)にて計画している軽油水素化精装置および水素回収装置の増・新設プロジェクトを受注したことを発表した。
 本プロジェクトはPETROBRASの2022-2026年戦略計画の一環であり、S-10ディーゼル油(超低硫黄軽油)の生産量は63,000bpd増強され、同製油所で生産されるディーゼル油は全量低硫黄化される。
 東洋エンジニアリングとTSEのコンソーシアムは、詳細設計、機器資材調達、建設工事、試運転までのEPC業務を一括で請け負い、2025年に完成予定としている。なお、PETROBRASは製油所の能力増強および温室効果ガス排出量の低減に向け、今後5年間で61億米ドルの投資を計画しており、東洋エンジニリングは後続案件のさらなる受注を目指すとしている。

◆樹脂添加剤:BASFがシンガポールでIrganox1010の生産能力を拡大(6月9日)
 BASFは、シンガポールのジュロン島にある拠点で、既存の生産施設に設備を追加することにより、酸化防止剤Irganox(イルガノックス)1010の生産能力を2倍に拡大したと発表した。
 Irganox1010は、ヒンダードフェノール系の一次酸化防止剤である。熱酸化分解からプラスチックを保護し、主にポリオレフィンに使用されるが、ポリアセタールやポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、PVC(ポリ塩化ビニル)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、さらにはブチルゴムや合成ゴムなどのエラストマーにも推奨される製品である。
 今回の増設に伴う能力拡大分は、主に急成長するアジア太平洋および中東の市場に供給される予定としている。

◆リサイクル:JX金属の関連会社がドイツ国内のLiBリサイクル技術開発コンソーシアムに参画(6月8日)
 JX金属は、関連会社のTANIOBIS社(本社:ドイツ)が車載用リチウムイオン電池(LiB)に使用される材料の回収および再利用に関する共同研究開発を目的としたコンソーシアム”HVBatCycle”への参画を発表した。
 本コンソーシアムでは、電池を構成する正極材、電解液、グラファイトのクローズドループ・リサイクルに関する手法を研究・開発する。これまでフォルクスワーゲングループの主導の下、ドイツ国内の産業界およびアーヘン工科大学、フラウンホーファー研究機構などの学術機関が共同で、本プロセスに関する調査や研究を行っていた。今回、これを発展させ、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)の支援の下で、本コンソーシアムが結成された。
 本コンソーシアムにおいては、TANIOBIS社の主要拠点に、JX金属グループで培った技術をベースとした湿式プロセスの研究開発設備を新設し、フォルクスワーゲン社から提供される電池粉を用いて、プロジェクトパートナーとともに、高品質な電池原料を高収率で回収すべく、プロセスの最適化に取り組むとしている。

◆電子材料:巴川製紙所が放熱性を維持しながらミリ波帯域のノイズ吸収特性を有するグリースを改良(6月8日)
 巴川製紙所は、放熱性を維持しながらミリ波帯域(20~110GHz)のノイズ吸収特性を有するグリースを改良し、一液タイプを開発したと発表した。
 近年、自動車分野や情報通信分野で用いられる電子機器は小型化と高出力化が進んでおり、 その性能を発揮するためには、電磁波ノイズや熱に対するソリューションが課題となっている。この課題に対して、巴川製紙所が培ってきた処方設計技術を活かし、ミリ波帯域の電磁波吸収と高熱伝導の両性能を持たせた一液タイプのグリースを開発した。
 本グリースを電子デバイスと筐体・冷却部材の間に充填することにより、電磁波と熱の問題を同時に解決する事が可能となる。また、従来の二液タイプに加え一液タイプをラインナップしたことにより、顧客の生産設備に合わせて提供でき、生産工程を短縮化することができるとしている。

◆フィルム:住友ベークライトがバイオマス原料使用の医薬品包装用フィルムを開発(6月7日)
 住友ベークライトは、バイオマス原料を用いた構成で環境に配慮した包装フィルム『スミライトNSバイオマスシリーズ』を開発したと発表した。
 同製品は原料の50%以上にバイオマス原料を配合し、日本バイオプラスチック協会が定める「バイオマスプラ」の認証マークを取得している。また、植物由来のバイオマス原料を使用することで環境負荷の低減に貢献する一方、従来の「スミライトNSシリーズ」より高防湿性と良好な成形性の両立を実現している。
 同社では今後、2025年度に1億円/年の売上を目指すとしている。

◆水素関連:ENEOSと三井物産がアブダビ国営石油会社とクリーン水素サプライチェーン構築に向けた共同事業化検討契約を締結(6月7日)
 ENEOSと三井物産は、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の国営石油会社(以下、ADNOC))と共同事業化検討契約書を締結し、UAEと日本間のクリーン水素サプライチェーン構築に向けた協業検討を開始すると発表した。
 本検討は、アブダビのルワイス工業地域内に所在するADNOCの製油所・石油化学工場由来の副生水素、および天然ガスから生産されるブルー水素を、効率的な水素の輸送形態であるメチルシクロヘキサン(MCH)に変換し、日本に輸出することを目的としている。3社は、年間5万トン規模の水素生産設備の技術実証と、商用段階を想定した年間20万トン規模への拡張可能性に関するフィージビリティスタディーを実施する。
 本検討では、ADNOCが水素製造部分の検討を担当し、ENEOSがUAEにおけるMCH製造および出荷設備の検討を行う。また、三井物産はプロジェクトの全体管理を担当するとしている。

◆水素関連:コスモ石油がアブダビ国営石油会社とブルーアンモニアの売買契約を締結(6月6日)
 コスモ石油は、ブルーアンモニアのサプライチェーン構築に向けた知見の蓄積を目的に、アブダビ首長国で製造されたブルーアンモニアについて、アブダビ国営石油会社(以下「ADNOC」)と売買契約を締結したと発表した。
 アンモニアは水素の輸送・貯蔵手段(媒体)として有望な候補であり、また次世代エネルギーとして発電や船舶燃料などで活用されることが期待されている。
 今回の売買契約締結により、Fertiglobe社(ADNOCとオランダOCI社の合弁会社)が既存のアンモニア製造設備において、製造時に排出されるCO2を分離・回収して地層に貯留することでブルーアンモニアとして試験的に出荷する製品を、同社が購入する。コスモ石油はブルーアンモニアをISOコンテナで日本に輸送し、自社事業所で使用する予定としている。

◆包装材料:日本製紙が飲料・食品容器用のカップ原紙の供給体制を強化(6月6日)
 日本製紙は、カップ原紙事業強化を図るため、クレシア興陽工場において、現在高級白板紙などを生産している2号抄紙機(1966年稼働)を2022年11月末に停機し、2023年度後半を目処に同マシンをカップ原紙の塗工専用設備に改造することを発表した
 飲料・食品容器を主用途とするカップ原紙の市況は、環境意識の高まりにより「プラスチックから紙へ」の動きが一層活発化している。そのため、カップ原紙の需要の高まりに応じて、カップ原紙の塗工専用の設備を増強することで、より幅広い製品群の生産に取組み、拡大する脱プラ、減プラの紙化需要に対応するとしている。

◆医薬関連:日華化学がアミノ酸由来人工核酸モノマーの製造・販売を開始(6月6日)
 日華化学は、アミノ酸由来の人工核酸モノマー(iL-aTNAシリーズ、SNAシリーズ)の工業生産プロセスを確立し、核酸医薬等の試験研究用途向けに製造・販売を開始したことを発表した。
 名古屋大学によって開発された「アミノ酸由来人工核酸モノマー」は、生体内で分解されにくく、安全性の高い化学修飾型人工核酸である。本モノマーを組み込んで合成される核酸医薬は、従来の医薬では治療できなかった癌、代謝性疾患、神経・筋疾患や遺伝性疾患に対する革新的医薬としての発展が期待されている。更に、投与量の制御が容易でありコストパフォーマンスに優れる核酸医薬や、細胞内で発現している微量な変異遺伝子を高感度に直接検出できる試薬などへの応用可能性が考えられている。
 同社は今後、更に新たな機能性人工核酸モノマーの製品ラインナップ拡充とそれらを応用した遺伝子検査試薬の事業化に向けた取組みを加速させていくとしている。

◆価格改定
・積水フーラーが接着剤製品を6月8日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・クレハが次亜塩素酸ソーダを6月20日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10円/kg以上
・東ソーがクロロプレンゴムを6月21日納入分より値上げ
 値上げ幅は、100円/kg
・カネカが発泡性ポリスチレン樹脂を6月20日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、50円/kg
・JSPがスチレンペーパーを7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、48円/㎏以上
・デンカが電子包材用シートを7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、46円/kg
・積水化学工業が建築設備配管関連製品を8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・日本製紙が印刷・情報用紙を8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上

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