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2022年5月12日号

2022.05.12 発行

HEADLINE

◆クロールアルカリ:AGCがタイでクロール・アルカリ事業の能力を増強(5月6日)
◆樹脂成型:住友ベークライトが熱硬化性成形材料で国内初の大型射出部品成形を実現(4月28日)
◆フィルム:ダイセルがグンゼから電子部品事業部フィルム部門を譲受(4月27日)
◆電池材料:日本ゼオンがタイでリチウムイオン2次電池材料の生産能力増強を決定(4月27日)
◆エンジニアリング:日揮ホールディングスと東洋エンジニアリングが燃料アンモニアプラントのEPC事業に関するアライアンス契約を締結(4月27日)
◆電子材料:太陽ホールディングスが電子機器用部材事業向けに研究開発棟建設を決定(4月26日)
◆エンジニアリング:INPEXと日揮ホールディングスがタイにおけるCCSプロジェクト開発に向けた協業覚書をPTTEPと締結(4月25日)
◆電子材料:三菱ガス化学がタイ子会社における半導体パッケージ用BT材料の生産能力増強工事を完了(4月25日)
◆フィルム:東レが従来比コスト1/5の超ハイバリアフィルムの創出を発表(4月25日)
◆リサイクル:BASFとヘンケルがヘンケルの消費財製品において再生可能な原材料に切り替え(4月25日)
◆エンジニアリング:大阪ガス、INPEX、日揮ホールディングスがインドネシアの国営石油会社とバイオメタン活用に向けた共同調査に関する契約を締結(4月25日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
・ダイセルがアセテート・トウ、酢酸セルロース類、エポキシ製品、カプロラクトン類、ケテン類および誘導品、アミン類、
 酢酸、無水酢酸及び酢酸エステル類、高沸点溶剤類(MMPG、MMPGAC、MB、MBA、他)、グリコールエーテル類、
 プラスチック加工品類を5月1日出荷分より値上げ
・クラレがポリビニルアルコール繊維であるビニロンとクラロンK-Ⅱを5月1日出荷分より値上げ
・信越ポリマーがコンパウンド製品を5月9日出荷分より値上げ
・昭和電工がクロロプレンゴムを5月16日出荷分より値上げ
・リケンテクノスが業務用ラップ類、小巻ラップ類を5月21日出荷分より値上げ
・信越ポリマーが業務用・営業用ラップ他関連商品を5月23日出荷分より値上げ
・信越ポリマーが塩ビ管・継手関連製品を5月23日出荷分より値上げ
・信越ポリマーが塩ビ波板関連製品を6月1日出荷分より値上げ
・日本製紙がリグニン製品を6月1日出荷分より値上げ
・サカタインクスがオフセットインキを6月1日出荷分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆クロールアルカリ:AGCがタイでクロール・アルカリ事業の能力を増強(5月6日)
 AGCは、クロール・アルカリ事業統合新社であるAGC Vinythai Public(2022年7月設立予定)のタイ2拠点における生産能力の増強を決定したと発表した。
 苛性ソーダおよび塩化ビニル樹脂は、上下水道などの都市インフラ整備や多様な工業製品に欠かせない素材であり、両製品の東南アジアにおける市場は、経済成長に伴う製造業やインフラ事業等の継続的な拡大を背景に、年4%程度の成長が見込まれている。AGCは、この旺盛な需要に対応するために本投資を決定した。稼働開始は2025年第1四半期を予定している。
 本増強により、東南アジア地域におけるクロール・アルカリ製品の年間生産能力は、苛性ソーダ164万トン(現在142万トン)、塩化ビニルモノマー(VCM)170万トン(現在130万トン)、塩化ビニル樹脂(PVC)160万トン(現在120万トン)に拡大するとしている。

◆樹脂成型:住友ベークライトが熱硬化性成形材料で国内初の大型射出部品成形を実現(4月28日)
 住友ベークライトは、「射出成形の大型部品に対応した熱硬化性成形材料」および「熱硬化性樹脂流動―構造連成解析技術」を構築し、日精樹脂工業製280トン射出成形機により、国内初の熱硬化性大型成形部品(成形品重量~1.5kg)を射出成形にて実現したことを発表した。
 本技術は、これまで同社で培ってきた自動車部品用の高強度材料、「高寸法精度材料シリーズSiON」やめっき複合化技術「PM-Plamecシリーズ」、耐衝撃性に特徴がある「射出成形対応の熱硬化性長繊維材シリーズ」に適用することが可能となる。
 同社は、熱硬化性樹脂の特徴である耐熱性、耐燃性、絶縁性などの特性が求められるものの、大型であるがため樹脂化が難しかった電装部品、モーター周辺やEV用バッテリー周辺部品と言った製品に展開を進め、将来的に年間20億円以上の売り上げを見込んでいるとしている。

◆フィルム:ダイセルがグンゼから電子部品事業部フィルム部門を譲受(4月27日)
 ダイセルは、グンゼの電子部品事業部フィルム部門(亀岡工場)を譲り受けることについて事業譲渡契約を締結したと発表した。
 ダイセルは、中期戦略において機能フィルム事業を次世代育成事業と位置づけ、今後成長が見込まれる市場での事業拡大を目指している。今回の事業譲受で、ダイセルにとって新たなコーティング技術やノウハウを獲得し、高機能フィルム製品の開発・供給体制を強化していく。また、機能フィルム事業の拡大だけでなく、将来的には亀岡工場のクリーン設備を活用することで電子部品分野やライフサイエンス分野での事業拡大を目指す。
 事業譲受実行日は、2022年10月1日の予定としている。

◆電池材料:日本ゼオンがタイでリチウムイオン2次電池材料の生産能力増強を決定(4月27日)
 日本ゼオンは、タイのZeon Chemicals Asia(以下、ZCA社)内に新たな生産設備を建設し、リチウムイオン2次電池材料の生産能力増強を決定したと発表した。
 日本ゼオンは、「容量」「生産性」「充放電レート」「安全性」「寿命」といった電池の5大性能向上に貢献する高付加価値品の市場投入を目指し、材料開発に注力している。今回は、昨今の電気自動車(EV)の急速な普及に伴う国内外からの需要の高まりに応えるべく、新たに海外拠点での生産を決定した。
 新たな生産拠点は、タイのZCA社内に建設し、電池材料事業の主力製品である電池バインダーを2024年に生産開始する計画としている。

◆エンジニアリング:日揮ホールディングスと東洋エンジニアリングが燃料アンモニアプラントのEPC事業に関するアライアンス契約を締結(4月27日)
 日揮ホールディングスと東洋エンジニアリングは、燃料アンモニア製造プラント及びアンモニア受入基地の構想段階(事業化調査)やFEED(基本設計)からEPC(設計・調達・建設)プロジェクト受注・遂行に関するアライアンス契約を締結したことを発表した。
 燃料アンモニアは、日本政府が2020年10月に掲げた「2050年カーボンニュートラル宣言」の実現に向け、発電や船舶などに用いる脱炭素燃料として期待されており、日本政府は、2030年時点で年間300万トン、2050年時点で3,000万トンに拡大させる導入目標を掲げている。
 両社は今後、日本連合として日本政府・企業が今後中心的な役割を担うと考えられる燃料アンモニア事業に対して、海外企業向けも含め世界各地の燃料アンモニア製造関連設備の企画・検討・設計・建設に関し、営業活動および案件遂行を共同で推進していくとしている。

◆電子材料:太陽ホールディングスが電子機器用部材事業向けに研究開発棟建設を決定(4月26日)
 太陽ホールディングスは、半導体などの電子部品・デバイス向け部材の需要拡大に対応するため、埼玉県嵐山町に新たに開発棟を建設することを決定したと発表した。
 デジタル社会への移行による技術革新に伴い、今後も半導体をはじめとする電子部品・デバイス向け部材の需要拡大が予想されている。本施設は、電子機器用部材事業における研究開発拠点として、技術開発力をさらに強化することで、市場の求める機能を備えた製品をタイムリーに提供していくことを目的としている。
 新開発棟は、2022年11月に起工し、2024年1月に竣工の予定としている。

◆エンジニアリング:INPEXと日揮ホールディングスがタイにおけるCCSプロジェクト開発に向けた協業覚書をPTTEPと締結(4月25日)
 INPEXと日揮ホールディングスは、タイ国内の石油ガス上下流産業や、二酸化炭素(CO2)の排出削減が難しいとされる重化学工業や発電所などでのCO2回収・貯留(以下、CCS)ソリューションの開発可能性を探ることを目的とした「タイ・カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージ・イニシアティブ(以下、本イニシアティブ)」に関する覚書を、タイの国営資源開発会社PTTエクスプロレーション・アンド・プロダクションと締結したと発表した。
 CCSは、発電所や工場等の事業活動により排出されるCO2を大気放散前に回収し、船舶やパイプラインを用いて輸送した後、枯渇した石油やガスの貯留層などの地下層に貯留することで、適切にCO2を保管・管理する技術である。
 INPEX、日揮HDおよびPTTEPは、今後タイにおけるCO2排出の大きな産業を対象とする経済性の高いCCSソリューションを構築すべく、CCS関連の技術および実施方法に加え、施設や政策の特定と評価を行っていくとしている。

◆電子材料:三菱ガス化学がタイ子会社における半導体パッケージ用BT材料の生産能力増強工事を完了(4月25日)
 三菱ガス化学は、BT積層材料の生産子会社であるMGCエレクトロテクノ(以下、ET)のタイ子会社であるMGC ELECTROTECHNO THAILAND(以下、ETT)における半導体パッケージ用BT材料の生産能力増強工事を完了したと発表した。
 ETでは、マザー工場として新製品の量産化、先端・高性能・少量多品種の生産を、ETTでは大量少品種の生産を担当しており、2013年から2拠点体制にてBT積層材料の供給体制を構築してきた。
 電子業界全体では広く市場が成長し、5Gの普及拡大、DX、IoT、メタバース、自動車向け等様々な用途に半導体需要の伸びが期待されている。
5Gやデータセンター向けに代表される先端分野の高性能半導体パッケージ材料では、特に高い信頼性や低反り特性、電気特性が要求されている。これらの需要に応え、新規ビジネスを積極的に獲得し事業拡大を推進するため、ETTに製造設備を追加導入し高性能製品の生産能力を増強したとしている。

◆フィルム:東レが従来比コスト1/5の超ハイバリアフィルムの創出を発表(4月25日)
 東レは、独自の膜設計および膜形成技術の追求により、従来対比で大幅な低コスト化を実現する超ハイバリアフィルムを創出したと発表した。
 昨今、IoT技術の急速な発展やカーボンニュートラル実現に向けた世界的な潮流から、フレキシブルデバイスや有機薄膜太陽電池等の需要が拡大すると予測されている。これら用途に使用される有機デバイスや化合物は水分に弱く、封止・保護する必要があるが、従来封止はいずれも成膜速度が遅く高コストであるため、用途拡大が課題となっていた。
 今回、同社が開発した超ハイバリア・蒸着フィルムは、成膜速度が一般的なスパッタ法対比100倍以上となり、コストも1/5以下に抑えられるほか、透明性や柔軟性にも優れている。
 同社は今後、フレキシブルデバイスをはじめ、高いバリア性が求められる様々な用途への展開に向け、2023年の実用化を目指すとしている。

◆リサイクル:BASFとヘンケルがヘンケルの消費財製品において再生可能な原材料に切り替え(4月25日)
 BASF(本社:ドイツ)とヘンケル社(本社:ドイツ)は、ヘンケルの消費財製品において再生可能な原材料に切り換えることを発表した。
 両社は共同で、2021年にヘンケルの洗浄・洗剤ブランドLoveNatureの原料を再生可能な原料へ置き換える試験運用を成功させたことを受け、今後4年間で、ヘンケルの欧州ランドリー&ホームケア事業およびビューティーケア事業のほとんどの製品において、化石炭素由来原料の再生可能な原料への切り替えに取り組む。
 この協力により、材料として使用される年間約11万トンの化石由来原料は、BASFの認証バイオマスバランス・アプローチを用いた再生可能な原料で代替される。その結果、ヘンケルは合計で約20万トンの二酸化炭素排出を削減することができるとしている。

◆エンジニアリング:大阪ガス、INPEX、日揮ホールディングスがインドネシアの国営石油会社とバイオメタン活用に向けた共同調査に関する契約を締結(4月25日)
 大阪ガス、INPEX、日揮ホールディングスは、インドネシア国営石油会社プルタミナとインドネシアにおけるパームオイルの搾油工程で生じる廃液(Palm Oil Mill Effluent、以下、POME)由来のバイオメタン活用に向けた共同調査に関する契約を締結したと発表した。
 本事業では、インドネシアのスマトラ島およびカリマンタン島で製造したPOME由来のバイオメタンをジャワ島などのインドネシア国内需要家に供給することを想定し、その実現可能性を調査する。バイオメタンの供給を通じて、インドネシアで増加する天然ガス需要に応えるとともに、化石燃料からバイオメタンへの燃料転換による需要家の事業活動に伴う直接的なCO2排出量を削減することを目標としている。
 また、現状大気放散されているメタンガスを有効活用することによるカーボンクレジットやバイオメタン認証などの制度活用も検討する。更には、バイオメタンを液化したバイオLNGを船舶燃料として供給する事業、バイオLNGを日本などに輸出する事業の検討を実施するとしている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
 5月契約価格は、1,180$/t(前月比▲15$/t)、国内価格換算想定値は157.4円/kg
・ダイセルがアセテート・トウ、酢酸セルロース類、エポキシ製品、カプロラクトン類、ケテン類および誘導品、アミン類、
 酢酸、無水酢酸及び酢酸エステル類、高沸点溶剤類(MMPG、MMPGAC、MB、MBA、他)、グリコールエーテル類、
 プラスチック加工品類(機能フィルム製品含む)を5月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・クラレがポリビニルアルコール(PVA)繊維であるビニロンとクラロンK-Ⅱを5月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20%
・信越ポリマーがコンパウンド製品を5月9日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、硬質コンパウンド:32円/kg以上
 軟質/電線コンパウンド(フタル酸系可塑剤):44円/kg以上
 軟質/電線コンパウンド(ポリエステル系可塑剤):45円/kg以上
 軟質/電線コンパウンド(トリメリット酸系可塑剤:48円/kg以上
 難燃軟質/電線コンパウンド(フタル酸系可塑剤):56円/kg以上
 難燃軟質/電線コンパウンド(ポリエステル系可剤):56円/kg以上
 難燃軟質/電線コンパウンド(トリメリット酸系可塑剤):59円/kg以上
・昭和電工がクロロプレンゴムを5月16日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、60円/kg以上
・リケンテクノスが業務用ラップ類、小巻ラップ類(塩ビ製、PO製等)を5月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、25%以上
・信越ポリマーが業務用・営業用ラップ他関連商品を5月23日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20%以上
・信越ポリマーが塩ビ管・継手関連製品を5月23日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、塩ビ管類:20%以上、継手及び関連製品:10%以上
・信越ポリマーが塩ビ波板関連製品を6月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%~20%
・日本製紙がリグニン製品を6月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20%以上(石炭、チップ等の原燃料サーチャージとして)
・サカタインクスがオフセットインキを6月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、オフ輪インキ:50円/㎏以上、枚葉インキ:60円/㎏以上
 新聞インキ:60円/㎏以上、UVインキ/コーティング剤:100円/㎏以上
 ※中間色/特色インキおよびその他製品については個別に案内

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