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2021年8月26日号

2021.08.26 発行

HEADLINE

◆食品原料:三菱ケミカルがシュガーエステルの製造能力を増強(8月20日)

◆塩ビ製品:リケンテクノスのタイ関係会社が生産設備を増強(8月19日)

◆バイオ誘導品:ENEOS、日本触媒、三菱商事がバイオ原料を使用したエチレン誘導品の供給に向けた共同調査を開始(8月19日)

◆リサイクル:豊田合成が中期の廃棄物低減目標を設定(8月19日)

◆電子部品:ダイセルがプリンテッドエレクトロニクスを活用した「共創サービス」を開始(8月19日)

◆粘着剤:綜研化学が中国で粘着剤の生産設備を増強(8月17日)

◆リサイクル:住友金属鉱山がコバルト回収を含めた二次電池リサイクル技術の実証実験に成功(8月16日)

◆塗料:帝人フロンティアが遮熱塗料「Solfrio」の販売を開始(8月16日)

◆価格改定

・クラレがポリビニルアルコール樹脂を8月23日出荷分より値上げ

・信越ポリマーが塩ビコンパウンドを8月23日出荷分より値上げ

・クラレがEVOH製品(エチレン・ビニルアルコール共重合体)を9月1日出荷分より値上げ

・宇部興産がナイロン66樹脂製品を9月1日出荷分より値上げ

・DICマテリアルが不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂を9月1日出荷分より値上げ

・日本触媒がベンゾグアナミンを9月1日出荷分より値上げ

・昭和電工がクロロプレンゴムを9月10日出荷分より値上げ

・東ソーがクロロプレンゴムを9月16日納入分より値上げ

・信越ポリマーが塩ビ管・継手関連製品を9月21日出荷分より値上げ

WEEKLY NEWS

◆食品原料:三菱ケミカルがシュガーエステルの製造能力を増強(8月20日)

三菱ケミカルは、福岡事業所において、シュガーエステルの新たな製造工場を建設することを決定したと発表した。

シュガーエステルは、ショ糖と植物油脂由来の脂肪酸を主原料とした乳化剤であり、水分と油分を均一に混合させる機能を有し、食品の加工や流通保管時の品質維持に役立つ製品である。飲料、乳製品、菓子類などの加工食品をはじめとした幅広い分野で使用されている。近年、国内食品メーカー向けの安定した需要に加え、中国を中心とした海外需要が著しく伸張しており、今後も成長が期待されている。

三菱ケミカルは現在、三重事業所においてシュガーエステルを製造しているが、増加する需要の対応とサプライチェーンの強化を図る為、福岡事業所に新系列を設置することとした。新設の製造能力は2,000トン/年であり、2023年夏に稼働する予定としている。

 

◆塩ビ製品:リケンテクノスのタイ関係会社が生産設備を増強(8月19日)

リケンテクノスは、関係会社であるRIKEN (THAILAND) の生産設備を増設すると発表した。

現在、RIKEN (THAILAND)は、主にワイヤーハーネスを中心とした自動車部材用の塩化ビニルコンパウンドなどを製造している。2020年の販売実績は、新型コロナウイルス感染症の影響で伸び悩んだものの、2021年以降は年率で+3%以上伸びていくと予想されており、旺盛な需要に応えるため増設を決定した。

投資金額は約15億円で、2023年夏に本格稼働の予定としている。

 

◆バイオ誘導品:ENEOS、日本触媒、三菱商事がバイオ原料を使用したエチレン誘導品の供給に向けた共同調査を開始(8月19日)

ENEOS、日本触媒、三菱商事は、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、国内初のバイオ原料を使用したエチレン誘導品(バイオ誘導品)の製造・販売を2024年度に開始することを目指し、共同調査を行うことに合意したことを発表した。

石油製品を原料としたエチレンの製造・販売を行うENEOSと、このエチレンを主原料としたエチレン誘導品である酸化エチレンや酸化エチレン誘導品、エチレングリコールの製造・販売を行う日本触媒、化学原料・製品の安定供給およびバイオ原料・環境負荷低減素材の事業開発・マーケティングに注力する三菱商事の3社は、国内初のバイオ誘導品のサプライチェーン構築による事業化を通じて、低・脱炭素、循環型社会実現への貢献を目指す。

本共同調査では、3社にてグローバルな原料調達力や、既存のエチレン・エチレン誘導品の製造能力と販売チャネル、および川崎コンビナートの供給物流インフラを活用し、バイオ誘導品の製造・販売の実現性について、市場ニーズを調査の上、より具体的な評価を行うとしている。

 

◆リサイクル:豊田合成が中期の廃棄物低減目標を設定(8月19日)

豊田合成は、カーボンニュートラルに向けた活動の一環として、廃棄物を2030年までに50%低減(2012年度比)する中期目標を新たに設定したことを発表た。

同社の森町工場(静岡県)では、2021年4月に各種ウェザストリップ製品のリサイクル工程を専用棟に集約し、生産時に発生する廃棄ゴムを原材料に戻して再利用する取り組みを強化している。同工程では、独自技術を活かし、ゴムに弾性を持たせるための分子結合を切断して、再び原材料として使用できる状態に戻す「脱硫再生」や、製品の強度を高めるために組み込んだ金属を細かく破砕、除去する「金属分離」などを行っている。

今後、これらの技術をグループの工場などでも活用し、廃棄物の低減を進めていくとしている。

 

◆電子部品:ダイセルがプリンテッドエレクトロニクスを活用した「共創サービス」を開始(8月19日)

ダイセルは、顧客(デバイスメーカー)とともにテレビやスマホなど、各種デバイスの電子部品を創り上げる「共創サービス」を始めたと発表した。

同サービスは、デバイス開発における様々な課題を持つ顧客へ、同社が金属インクでの印刷による電気回路作成を提案し、顧客とともに課題解決を行いながら開発を進めていくサービスで、開発期間を従来の 1/3 以下と大幅に短縮することが期待できる。

デバイスメーカーが初期検討を行う場合、試作に用いる印刷装置選定や材料物性に応じた印刷条件調整の期間として通常6カ月以上を要するが、同サービスでは同社が初期のデバイス試作を行うため、この期間を1~2カ月程度まで短縮できる。さらに初期検討時の設備導入におけるコスト面でのリスク負担を回避できるため、従来よりもプリンテッドエレクトロニクスの適用を容易に検討することができる。

また、同サービスは、インク材料(銀ナノ粒子インク「Picosil」)のみを提供するのではなく、デバイスメーカーと共同で課題を可視化し、同社が保有する印刷パターン形成に関する技術や材料使用方法のノウハウを提供するとしている。

 

◆粘着剤:綜研化学が中国で粘着剤の生産設備を増強(8月17日)

綜研化学は、中国市場における液晶ディスプレイ関連用途向け粘着剤の需要拡大に対応するため、南京にある連結子会社の綜研高新材料(SKN)の生産能力を増強すると発表した。

現状、SKNでは反応設備2基が稼働しているが、今回の増強投資では、現在工事中の反応設備2基に加えて、更に1基増設することで、生産能力を現状の約3倍とする予定である。

今回の投資金額は64百万元(約11億円)、2021年9月に着工し、2023年4月に完了予定としている。

 

◆リサイクル:住友金属鉱山がコバルト回収を含めた二次電池リサイクル技術の実証実験に成功(8月16日)

住友金属鉱山は、使用済みのリチウムイオン電池(以下、LIB)等の二次電池からニッケルおよびコバルトを回収し高純度化することにより、LIB用正極材の原料として再利用できることを実証し、加えて世界初となる独自のリチウム回収技術により、使用済みの二次電池から銅・ニッケル・コバルト・リチウムを再資源化する能力を備えた新リサイクルプロセスを確立したと発表した。

同社は持続可能な循環型社会の形成を目指し、使用済みの二次電池やその製造過程で発生するスクラップに含まれる金属を電池材料として再資源化する水平リサイクルの実用化に取り組んでいた。

今回のプロセスが事業化されれば、国内において持続可能な循環型社会の形成がより一層進み、世界的な資源枯渇に対応する資源循環への貢献が期待できるとしている。

 

◆塗料:帝人フロンティアが遮熱塗料「Solfrio」の販売を開始(8月16日)

帝人フロンティアは、真球状特殊ファインセラミックスを用いることにより、高い遮熱性を有し、平滑できれいな塗装面を実現する遮熱塗料「Solfrio(ソルフリオ)」の販売を開始したと発表した。

今回販売を開始する遮熱塗料「Solfrio」は、高い遮熱効果と凹凸の少ない塗装面を実現し、塗装面にキズがつきにくく、高い耐久性を有していて幅広い素材に対応可能であることを特徴としている。

今後は、屋根や外壁、エアコン室外機、分電盤などの屋外設備向けに販売を開始し、その後、屋外スポーツ施設・器具やコンテナ、などの幅広い用途に展開していく予定であり、2021年度に50百万円、2024年度に300百万円の売上を目指すとしている。

 

◆価格改定

・クラレがポリビニルアルコール樹脂を8月23日出荷分より値上げ

値上げ幅は、日本:30円/kg以上、欧州:0.25ユーロ/kg以上、アジアパシフィック、北米・南米、中東・アフリカ:0.30US$/kg以上

・信越ポリマーが塩ビコンパウンドを8月23日出荷分より値上げ

値上げ幅は、硬質コンパウンド:17円/kg以上、軟質・電線コンパウンド(フタル酸系可塑剤):18円/kg以上、軟質・電線コンパウンド(特殊可塑剤):22円/kg以上

・クラレがEVOH製品(エチレン・ビニルアルコール共重合体)を9月1日出荷分より値上げ

標準銘柄の値上げ幅は、日本:50円/kg、欧州:0.42ユーロ/kg、アジアパシフィック、北米・南米、中東・アフリカ:0.50US$/kg

特殊銘柄の値上げ幅は、日本:70円/kg、欧州:0.60ユーロ/kg、アジアパシフィック、北米・南米、中東・アフリカ:0.70US$/kg

・宇部興産がナイロン66樹脂製品を9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、50円/kg

・DICマテリアルが不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂を9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、不飽和ポリエステル樹脂:35円/kg以上、ビニルエステル樹脂:45円/kg以上

・日本触媒がベンゾグアナミンを9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、100円/kg以上

・昭和電工がクロロプレンゴムを9月10日出荷分より値上げ

値上げ幅は、42円/kg以上

・東ソーがクロロプレンゴムを9月16日納入分より値上げ

値上げ幅は、40円/kg以上

・信越ポリマーが塩ビ管・継手関連製品を9月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、塩ビ管類:15%以上、継手及び関連製品:8%以上

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