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2021年7月21日号

2021.07.21 発行

HEADLINE

 

◆複合材料:三菱ケミカルが高い成形加工性を有するセラミックマトリックスコンポジット材料を開発(7月15日)

◆不織布:東レが日本国内におけるポリエステル長繊維不織布を増産(7月15日)

◆エンジニアリング:千代田化工建設がインドネシアにおいて新規銅製錬所のEPC業務を受注(7月15日)

◆炭素繊維:DIC、セーレン、福井県工業技術センターが新型炭素繊維強化プリプレグシートのサンプル提供を開始 (7月15日)

◆ウレタン原料:東ソーがコロネートLの販売停止を決定(7月15日)

◆フィルター:旭化成メディカルがウイルス除去フィルターに使用する中空糸の生産能力を倍増(7月15日)

◆電子材料:東レが高周波ミリ波帯における誘電損失を低減した高性能PBT樹脂を開発(7月13日)

◆炭素繊維:帝人がベトナム炭素繊維品工場の商業生産の開始を発表(7月12日)

◆価格改定

・DICが可塑剤を7月26日出荷分より値上げ

・大倉工業が合成樹脂製品を8月25日出荷分より値上げ

・住友ベークライトが医薬品包装用フィルム・シート製品を9月1日出荷分より値上げ

・AGCが国内建築用ガラス関連製品を10月1日納品分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆複合材料:三菱ケミカルが高い成形加工性を有するセラミックマトリックスコンポジット材料を開発(7月15日)

三菱ケミカルは、軽量性や剛性と成形加工性を兼ね備えたセラミックマトリックスコンポジット(CMC:Ceramic Matrix Composite)材料を開発したと発表した。

炭素繊維と金属材料を組み合わせた三菱ケミカルのCMC 材料は、高剛性、高耐熱性、高熱伝導性、軽量性、耐摩 耗性、低発塵性といった特長を有し、モビリティのブレーキ材料や産業機械部品として使用されていたが、今回の開発品は、これらCMC材料の特長を有したまま、高い成形加工性と、それに伴う低コスト化を実現した。

三菱ケミカルは既に複数の顧客へのサンプルワークを進めており、今後は従来のものに加え、産業機械等のブレーキ材料、耐熱部材など新たな用途の開拓を目指すとしている。

 

◆不織布:東レが日本国内におけるポリエステル長繊維不織布を増産(7月15日)

東レは、集塵用フィルターや建材などに使われるポリエスレル長繊維不織布「アクスター」について、滋賀事業場での増産を決定したと発表した。

工業用集塵フィルター用途は、中国・新興国市場を中心とする環境規制強化に伴い、より集塵効果の向上や圧力損失の低減につながる高性能フィルター素材への要求が高まっている。また建材用途では、近年の激しい天候の変化を受け、長期耐久性や品質安定性を求める声が大きく、高性能素材のニーズが高まっている。

ポリエステル長繊維不織布「アクスター」事業では、環境規制強化に伴う工業用フィルター需要の拡大に対応した高性能フィルター素材の開発に取り組み、剛性と均一性に優れた次世代商品の開発に成功した。

東レは、これを機に「アクスター」の生産体制を拡充し、主力用途である工業用集塵フィルターや、建材用途において、東レ独自の高付加価値素材による事業拡大を目指すとしている。

 

◆エンジニアリング:千代田化工建設がインドネシアにおいて新規銅製錬所のEPC業務を受注(7月15日)

千代田化工建設は、インドネシア子会社のPT.Chiyoda International Indonesia社(CII社)が、PT Freeport Indonesia(PTFI社)より、インドネシア東ジャワ州における新規銅製錬所の設計・調達・建設(EPC)業務を受注したと発表した。

新規銅製錬所の設備構成は、溶錬工場、電解工場、硫酸工場、排水処理設備、及び付帯設備となっている。

本案件は、PTFI社がインドネシアパプア州に所有する世界最大級の金・銅鉱山であるグラスベルグ鉱山から生産される銅鉱石を処理し、電気銅を生産するプラントに係るEPC業務である。

千代田化工建設グループでは、今後も国内外において金属資源分野に積極的に取り組んでいくとしている。

 

◆炭素繊維:DIC、セーレン、福井県工業技術センターが新型炭素繊維強化プリプレグシートのサンプル提供を開始 (7月15日)

DIC、セーレン、福井県工業技術センターは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択テーマである「自動車搭載炭素繊維複合材料用高速硬化プリプレグの実用化開発(2018年7月~2021年6月の3年間)」を実施し、世界最速硬化・常温保管を実現した「速硬化炭素繊維強化プリプレグシート」を開発、サンプルの提供を2021年7月から開始することを発表した。

炭素繊維強化プリプレグシートは、炭素繊維の束を広げて樹脂を含浸させたシート状の中間材料である。本開発では、DICが強みを持つ高分子設計テクノロジーを生かした「高速硬化樹脂」の設計技術と、福井県工業技術センターが保有する繊維束を高速に薄く広げる「空気開繊技術」、セーレンが保有する樹脂成膜・塗工技術を生かした「高精度含浸技術」を組み合わせることで、最短30秒という世界最速レベルの硬化時間のプリプレグシートを実現している。

また、本開発品は一般的なエポキシ系のプリプレグシートと異なり常温保管が可能で、シート保管の設備および管理の負担も軽減することができるとしている。

 

◆ウレタン原料:東ソーがコロネートLの販売停止を決定(7月15日)

東ソーは、コロネートLの販売停止を決定したと発表した。

同社は、1962年のTDI(トルエンジイソシアネート)事業開始よりTDI系汎用硬化剤の代表的なグレードとして主に粘接着剤や塗料用途向けに販売しているが、主要原料の調達が不可能となったため、コロネートLとコロネートL関連製品を2022年3月末(予定)に販売停止することを決定したとしている。

 

◆フィルター:旭化成メディカルがウイルス除去フィルターに使用する中空糸の生産能力を倍増(7月15日)

旭化成メディカルは、ウイルス除去フィルター「プラノバBioEX」の需要急増に対応して、供給体制を強化するため、プラノバ大分工場において同製品に使用する中空糸の生産能力を倍増すると発表した。

新型コロナウイルスのパンデミック下において、製薬会社における抗コロナ製剤の開発および商業生産化へのニーズが急速に高まり、生物学的製剤の生産に必要なウイルス除去フィルターの需要も急増している。この状況を踏まえ、大分市に所在する「プラノバBioEX」の紡糸工場を増強し、2022年度第3四半期から商業生産を開始する予定である。

なお、「プラノバ」の生産に関しては、2019年に延岡市にて竣工したプラノバ紡糸工場の垂直立ち上げをはじめとした、増員増産体制の強化施策が順調に進んでいるとしている。

 

◆電子材料:東レが高周波ミリ波帯における誘電損失を低減した高性能PBT樹脂を開発(7月13日)

東レは、PBT樹脂が有する寸法安定性や成形加工性を維持しながら、高周波ミリ波帯における誘電損失を従来比約40%低減した高性能PBT樹脂を開発したと発表した。

PBT樹脂は、寸法安定性、強度等の優れた性能バランスと成形加工の良さから、自動車部品、電気・電子部品など様々な用途に使用されているが、PBT樹脂自体の誘導損失の大きさや、耐熱性・機械物性の低下が課題であった。

東レが開発した新型PBT樹脂は、ポリマー重合技術で実現した新規ポリマー構造により、高周波領域でのポリマーの分子運動を抑制することで、高周波ミリ波帯(79GHz)における誘電損失が従来比約40%低減となる誘電正接0.006を実現した。本開発品により、5G通信用材料、ADAS、自動運転、ITS分野の部品設計への応用や、製品の小型化や軽量化、性能向上などが期待されるとしている。

 

◆炭素繊維:帝人がベトナム炭素繊維品工場の商業生産の開始を発表(7月12日)

帝人は、ベトナムに新設したプリプレグを中心とする炭素繊維製品の工場で商業生産を開始すると発表した。

炭素繊維製品は、スポーツや釣りなどの分野で高いパフォーマンスを発揮するため、これまで関連用品の主要部材として使用されてきた。また、最近は新型コロナの影響で密を避けるアクティビティが関心を集めており、需要が急拡大している。

中でも東南アジア地域は、スポーツ用途をはじめとした炭素繊維製品の供給を担う需要地として市場が拡大している。これに対し、同社は新規顧客の獲得や用途開拓の推進などを可能とするため、ベトナム・ハナム省に工場並びに運営会社を設立し、商業生産を開始することとした。

新工場では、まずアクティビティ用途向けプリプレグを中心とする炭素繊維製品の生産を担い、市場拡大が期待される東南アジアなどの地域に向けて販売活動を展開していく。将来的には一般産業用途や航空機用途に向けた生産も視野に入れて事業展開していき、炭素繊維事業のプレゼンス向上を目指していくとしている。

 

◆価格改定

・DICが可塑剤を7月26日出荷分より値上げ

値上げ幅は、ポリエステル系可塑剤:25円/kg以上

エポキシ化大豆油(ESBO):30円/kg

その他エポキシ系可塑剤:35円/kg以上

アジピン酸系可塑剤:22円/kg以上

トリメリット酸系可塑剤:23円/kg以上

特殊可塑剤:25円/kg以上

・大倉工業が合成樹脂製品を8月25日出荷分より値上げ

値上げ幅は、原反製品:2.0銭/CC以上

二次加工製品:10%以上

・住友ベークライトが医薬品包装用フィルム・シート製品を9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、スミライトVSS・VSL:各5%、スミライトFCL:2%

・AGCが国内建築用ガラス関連製品を10月1日納品分より値上げ

値上げ幅は、フロートガラスおよびミラー:15~20%

網入板ガラスおよび型板ガラス:30%

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