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2021年6月10日号

2021.06.10 発行

HEADLINE

 

◆複合材料:三菱ガス化学がプリプレグ製品による米国複合材料市場の開拓を発表(6月4日)

◆研究開発:住友化学が千葉地区に研究棟を新設(6月3日)

◆研究開発:BASFが新しい六呂見R&Dセンターに投資、開発と生産の連携を強化(6月2日)

◆リサイクル:BASFと三井化学が日本国内におけるケミカルリサイクルの推進に向けた協業検討を開始(6月1日)

◆樹脂:三菱ガス化学が四日市工場におけるポリアセタール生産を停止(6月1日)

◆ガラス:セントラル硝子が国内建築ガラス事業における子会社の一部事業の譲渡と拠点の閉鎖を発表(6月1日)

◆製薬:シオノギファーマと千代田化工建設が合弁会社の設立検討に向けた基本契約を締結(5月31日)

◆樹脂:プライムポリマーがポリプロピレン製造設備を新設(5月31日)

◆価格改定

・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定

・積水化学工業がポリビニルアセタール樹脂製品を6月1日より値上げ

・積水化学工業が機能性微粒子アドバンセルを6月1日より値上げ

・新第一塩ビが塩化ビニル樹脂を6月25日出荷分より値上げ

・DICがPPS樹脂製品を6月10日出荷分より値上げ

・積水フーラーが接着剤製品を6月14日出荷分より値上げ

・デンカがABS樹脂、デンカIP、透明樹脂、クリアレンを6月15日納入分より値上げ

・DICがポリスチレン製品およびスチレン系製品を7月1日納入分より値上げ

・信越化学工業が塩化ビニル樹脂を7月1日納入分より値上げ

・住友ベークライトが食品包装用多層フィルム・シート及び産業用各種複合

フィルムを7月納入分より値上げ

・旭有機材がフェノール樹脂製品、RCS製品等を7月出荷分より値上げ

・アイカ工業が化粧ボードを7月21日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆複合材料:三菱ガス化学がプリプレグ製品による米国複合材料市場の開拓を発表(6月4日)

三菱ガス化学は、熱硬化性樹脂プリプレグ製品の投入を通じて米国を中心とした先端複合材料市場を開拓することを発表した。

今回開発した熱硬化性樹脂プリプレグ製品は、常温保管が可能でプリプレグ厚み方向の気体透過率に優れるほか、航空宇宙や都市部エアモビリティ用途等で要求される力学特性・誘電特性も有する。これらの特徴により、輸送、保管工程および硬化工程における工数・コスト削減が可能としている。

本製品の投入と同時に主要な市場である米国において、同社子会社であるMITSUBISHI GAS CHEMICAL AMERICA, INCに「NEXX Technologies Advanced   Materials Business Unit」を設置し、市場開拓を行うとしている。

 

◆研究開発:住友化学が千葉地区に研究棟を新設(6月3日)

住友化学は、千葉地区(袖ケ浦市)に、環境負荷低減技術や新素材開発の拠点として、新たな研究棟の建設を発表した。

住友化学は重要課題(マテリアリティ)の一つに環境負荷低減への貢献を掲げており、今回決定した新研究棟建設を含む一連の体制強化は、千葉地区の研究エリアを環境負荷低減技術や新素材の研究開発拠点へと変革することを目的としている。

新研究棟は2024年3月の稼働開始を予定しており、併せて実施する既存施設の統廃合や、他地区から新研究棟への関連するリソースの一部移管を含め千葉地区の研究開発体制を強化するとしている。

 

◆研究開発:BASFが新しい六呂見R&Dセンターに投資、開発と生産の連携を強化(6月2日)

BASF(本社:ドイツ)の日本法人、BASFジャパンは、国内におけるイノベーション効率を高めるために、ディスパージョン及びレジン用途の研究開発センターを尼崎から四日市に移転し、六呂見R&Dセンターを開設したことを発表した。

この新しいR&Dセンターは、ビジネスやサプライチェーンのマネージメントチームも拠点を置く、ディスパージョン&レジン事業部の工場に隣接し、新しい体制の下、部門間のコラボレーションの強化をはかる。

尼崎研究開発センターは、スイスのスペシャリティケミカルメーカーCiba社を統合し、2010年からBASF社が事業運営している。六呂見工場に隣接する新しい六呂見R&Dセンターは、2021年6月始動の予定としている。

 

◆リサイクル:BASFと三井化学が日本国内におけるケミカルリサイクルの推進に向けた協業検討を開始(6月1日)

BASFジャパンと三井化学は、日本におけるケミカルリサイクルの推進に向けた協業検討を開始したと発表した。

両社はバリューチェーン横断的な連携を通じて日本国内においてプラスチック廃棄物のリサイクル課題に応えるケミカルリサイクルを事業化することを目指し、共同ビジネスモデルを含めあらゆる可能性を検討していく。

BASFはサステナビリティを経営の根幹に据えており、「ChemCyclingプロジェクト」では、プラスチック廃棄物を、化学品製造の原料として使用可能な熱分解油に変換する革新的なプロセスをもつ技術パートナーと協働している。一方、三井化学は化学企業として気候変動とプラスチック問題を一体の課題として捉え、リサイクル技術・システムの開発とバイオマス製品ラインナップの拡充により循環経済の実現を目指している。

BASFと三井化学は、今後、各関係省庁・業界団体とも、日本におけるケミカルリサイクルの社会実装に向けた協議を加速するとしている。

 

◆樹脂:三菱ガス化学が四日市工場におけるポリアセタール生産を停止(6月1日)

三菱ガス化学は、2023年9月末を目途として、四日市工場におけるポリアセタール(以下、POM)の生産(年間2万トン)を停止すると発表した。

POMは、耐摩擦性・耐クリープ性・耐疲労性・耐薬品性に優れたエンジニアリングプラスチックスで、自動車、電気・電子、精密機器等の部品の材料として広く使用されている。

同社グループは、四日市工場のほか、タイ・韓国・中国に生産拠点を有し、「ユピタール」などのブランドでPOMを世界中に供給している。四日市工場では、プラント規模が小さく設備の老朽化が進む中で、厳しい採算を余儀なくされており、今回、タイ拠点に生産を集約することで、同社グループとしてより競争力のある供給体制でPOM事業を展開する。

現在、四日市工場品を使用している顧客に対しては、タイ品に切替える。また、タイ拠点においては、旺盛なPOM需要に対応するため、今後の増産を検討する予定としている。

 

◆ガラス:セントラル硝子が国内建築ガラス事業における子会社の一部事業の譲渡と拠点の閉鎖を発表(6月1日)

セントラル硝子な国内建築ガラス事業における子会社の一部事業の譲渡と拠点を閉鎖することを発表した。

同社の子会社であり特約店への販売業務、またゼネコン、工務店、ハウスビルダー等への販売業務(直販部門)を担っているセントラル硝子販売(CGS)と、建築加工ガラスの生産業務を担っているセントラル硝子プラントサービス(CGPS)において、一部事業の譲渡と拠点の閉鎖を行った。

2021年6月1日付にて、中部地区のCGSの直販部門および、静岡のCGPSのガラス切断加工拠点を事業譲渡した。また、九州地区においては、CGPSの加工ガラス生産拠点を2021年5月31日に閉鎖を行い、更に同地区のCGSの直販部門の拠点についても、10月末を目処に順次閉鎖することを決定している。なお、中部地区、九州地区におけるCGSの特約店への販売業務については、事業を継続するとしている。

 

◆製薬:シオノギファーマと千代田化工建設が合弁会社の設立検討に向けた基本契約を締結(5月31日)

シオノギファーマと千代田化工建設は、医薬品原薬・中間体の連続生産技術の開発ならびに同技術を用いた受託開発製造事業の事業化を目的とした合弁会社の設立検討に向けた基本契約を締結したことを発表した。

今回の基本契約の締結により、高付加価値な連続生産技術の実現に向けた取り組みをさらに加速・発展させ、実用化に向けて協議を進めていく。

また、シオノギファーマと千代田化工建設に加えて、藤本化学製品も合弁会社の設立に向けた協議について参画の意向を表明しており、連続生産プロセスの開発や抗菌剤国内安定供給などの分野で藤本化学製品と連携することで、早期に本技術を確立させることを想定している。

同時に、横河電機とも原薬・中間体の連続生産に係る技術開発について協議を進めている。その他、各種機器メーカーとのモジュール装置開発におけるアライアンスや、東京大学などのアカデミアとの共同研究等も進めていくことで、技術開発を推進していくとしている。

 

◆樹脂:プライムポリマーがポリプロピレン製造設備を新設(5月31日)

プライムポリマーは、ビルド&スクラップによる生産体制再構築の一環として市原工場(千葉県)にポリプロピレン製造設備の新設を決定したことを発表した。

ポリプロピレンは、食品容器や家電、自動車、医療、二次電池等、幅広い用途で使用される生活基盤素材である。

新製造設備では、これまでの設備で実現できなかった高機能ポリプロピレンを生産でき、これにより、自動車材用途等での軽量化、薄肉化ニーズへの高度な対応が可能となる。また、リサイクルに貢献する素材の提供等を通じて、マテリアルリサイクルの推進を図る。

新製造設備の生産能力は20万t/年、2024年11月に営業運転を開始する予定としている。

 

◆価格改定

・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定

6月契約価格は、970$/t(前月比▲25$/t)、国内価格換算想定値は111.8円/kg

・積水化学工業がポリビニルアセタール樹脂製品を6月1日より値上げ

値上げ幅は、10%~30%

・積水化学工業が機能性微粒子アドバンセルを6月1日より値上げ

値上げ幅は、0.3 USD/kg~0.5USD/kg

・新第一塩ビが塩化ビニル樹脂を6月25日出荷分より値上げ

値上げ幅は、汎用品:12円以上/㎏、ペースト:12円以上/㎏

・DICがPPS樹脂製品を6月10日出荷分より値上げ

値上げ幅は、PPSコンパウンド(強化タイプ):50円/kg

PPSコンパウンド(非強化タイプ):80円/kg

PPSニートポリマー:80円/kg

・積水フーラーが接着剤製品を6月14日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10%以上

・デンカがABS樹脂、デンカIP、透明樹脂、クリアレンを6月15日納入分より値上げ

値上げ幅は、25円/kg

・DICがポリスチレン製品およびスチレン系製品を7月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、27円/kg以上

・信越化学工業が塩化ビニル樹脂を7月1日納入分より値上げ

値上げは幅は、10円以上/㎏

・住友ベークライトが食品包装用多層フィルム・シート及び産業用各種複合フィルムを7月納入分より値上げ

値上げ幅は、10%以上

・旭有機材がフェノール樹脂製品、RCS製品等を7月出荷分より値上げ

値上げ幅は、固形フェノール樹脂製品:55円/kg

液状フェノール樹脂製品:40~50円/kg

RCS(レジンコーテッドサンド)製品:1.5円/kg

トリエチルアミン:40円/kg

・アイカ工業が化粧ボードを7月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、現行設計価格の10~25%(平均)

注)上記改定幅の範囲に収まらない商品も一部あり

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