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2021年5月27日号

2021.05.27 発行

HEADLINE

 

◆電子材料:大阪有機化学工業が半導体関連材料の新規設備の建設を発表(5月21日)

◆バイオプラ:三井化学がバイオマスナフサによるバイオマスプラスチック製造を開始(5月20日)

◆炭素繊維:帝人がPPS使用のテープ状炭素繊維プリプレグを開発(5月19日)

◆炭素繊維:東レが放熱性に優れる炭素繊維複合材料を創出(5月19日)

◆インキ:DICが耐アルコール性・耐油性に優れた表刷りバイオマスグラビアインキおよび高機能な抗菌ニスの販売を開始(5月19日)

◆電子材料:日本製鋼所と三菱ケミカルが窒化ガリウム(GaN)基板の製造設備を竣工(5月18日)

◆化粧品原料:信越化学工業がパーソナルケア用の新規揮発性シリコーンオイルを開発(5月17日)

◆価格改定

・JNCがオキソ誘導品を5月21日出荷分より値上げ

・BASFがプラスチック添加剤を5月21日より値上げ

・デンカがポリビニルアルコールを5月24日出荷分より値上げ

・住友化学がMMA(メタクリル酸メチル)モノマーを5月26日出荷分より値上げ

・T&K TOKAがグラビアインキ及び関連製品を6月1日出荷分より値上げ

・T&K TOKAが金属用塗料・インキ及び関連製品を6月1日出荷分より値上げ

・カネカが塩化ビニル樹脂を6月15日出荷分より値上げ

WEEKLY NEWS

 

◆電子材料:大阪有機化学工業が半導体関連材料の新規設備の建設を発表(5月21日)

大阪有機化学工業は、金沢工場(石川県)に半導体関連材料の新規設備の建設を決定したと発表した。

今回の新規設備建設は、引き続き増加が見込まれるフォトレジスト市場の需要に対し、十分な供給能力を確保することに加え、高品質化の要望に対し、今後とも応えていくことを目的としている。

新規設備の投資額は約45億円、操業開始は2023年4月の予定としている。

 

◆バイオプラ:三井化学がバイオマスナフサによるバイオマスプラスチック製造を開始(5月20日)

三井化学は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、フィンランドの世界有数のバイオマス燃料の製造会社であるNeste社及び豊田通商とバイオマスナフサの調達に関する売買契約を締結したと発表した。

2021年度3Qから4Qにかけて大阪工場のエチレンプラント(クラッカー)に日本で初めてバイオマスナフサを原料として投入する。同時に、マスバランス方式によるバイオマスナフサを原料としたフェノールなどのバイオマス化学品やポリオレフィンをはじめとしたバイオマスプラスチックの製造・マーケティングを開始する。

三井化学は今後、Neste、豊田通商と協力しながら、日本における国産バイオマスプラスチックの新市場創出を推進するとしている。

 

◆炭素繊維:帝人がPPS使用のテープ状炭素繊維プリプレグを開発(5月19日)

帝人グループのテイジン・カーボン・ヨーロッパ社 (TCE)は、一方向性の炭素繊維プリプレグ「テナックスTPUD」(ThermoPlastic UniDirectional)の新製品として、母材にポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を使用したテープ状の炭素繊維プリプレグを開発したと発表した。

「テナックスTPUD」は、耐薬品性、耐熱性、リサイクル性、低吸水性、寸法安定性、高温下での耐クリープ性、及び短時間成形や室温での貯蔵、出荷を可能にするなどの特性を備えながら、PEEK樹脂やPAEK樹脂を用いたものよりも低い温度での成形が可能という特長を有している。

帝人はこれまでPEEK樹脂及びPAEK樹脂を母材としたテープ状の炭素繊維プリプレグを展開してきたが、今回、母材にPPS樹脂を使用した「テナックスTPUD」を開発し、ラインアップに加えることにより、更に幅広い分野への展開が可能になるとしている。

 

◆炭素繊維:東レが放熱性に優れる炭素繊維複合材料を創出(5月19日)

東レは、炭素繊維複合材料(以下、CFRP)の放熱性を金属同等まで高める高熱伝導化技術を創出したと発表した。

CFRPは軽量で高強度、高剛性という特徴を有しているが、熱伝導性はアルミ合金などの金属に比べ劣っているため、熱伝導性に優れたグラファイトシートを表面や内部に配置することで放熱性を改善するアプローチが取られていた。しかし、グラファイトシートは脆性材料であるため、破断や飛散、損傷しやすく、CFRPの品位、品質が損なわれてしまうことが課題となっていた。

東レは、独自技術により開発、実用化している高剛性多孔質CFRPを支持体とし、グラファイトシートを保護した熱伝導層を開発した。この熱伝導層にCFRPプリプレグを積層することで、CFRPの特長を損なうことなく、金属以上の熱伝導性を発現させることに成功した。

この技術を用いたCFRPは、軽量性に加え、放熱性が求められる次世代モビリティ用途、モバイル電子機器用途、ウェアラブル端末用途への適用が期待できるとしている。

 

◆インキ:DICが耐アルコール性・耐油性に優れた表刷りバイオマスグラビアインキおよび高機能な抗菌ニスの販売を開始(5月19日)

DICは、子会社のDICグラフィックスが耐アルコール性や耐油性に優れた表刷りバイオマスグラビアインキ「グロッサBM」を開発したと発表した。さらに、インキに抗菌性を付与する高機能な抗菌ニスを開発し、両製品の販売を開始したことを発表した。

これまで、食品包装フィルムに印刷されたインキがテーブルクロスなどに付着するといった事象があり、同社はバターやマーガリンなどの油類や、アルコール除菌剤などのアルコール成分がインキの付着を促す要因の一つと推定し、印刷インキの耐性を高める研究を進めてきた。また、アルコール耐性が高く、耐熱・耐油性にも優れた抗菌ニスの研究も同時に進め、両製品の開発に成功した。

DICは今後、上記製品について日本国内での販売を拡大し2025年には販売数量1,000トン/年を目指すとしている。

 

◆電子材料:日本製鋼所と三菱ケミカルが窒化ガリウム(GaN)基板の製造設備を竣工(5月18日)

日本製鋼所と三菱ケミカルは、共同で窒化ガリウム(以下GaN)単結晶基板の量産に向けた実証設備を日本製鋼所M&E室蘭製作所構内に竣工したことを発表した。

GaNは、高効率・高耐久性により超高効率デバイスの実現を可能にする素材であり、大幅な消費電力の削減によりCO2排出量も削減できることから、環境負荷の低減が期待されている。想定される用途としては、さらなる省エネを実現するレーザ、高効率照明、新世代ディスプレイをはじめとした光源のほか、動作周波数がシリコン系基板に比べて高いことから実現が期待される5G・ポスト5G向けデバイス、さらにはシリコン系基盤に比べ大電流動作が可能な高耐圧パワー半導体などが挙げられる。

両社は今後2021年度にかけて4インチのGaN単結晶基板の量産に向けた実証実験を行い、2022年度初頭からの市場供給開始を目指す。また、この実証実験を踏まえ、近年需要が増加するパワーデバイス用途に適用可能な6インチ基板の開発にも取り組んでいくとしている。

 

◆化粧品原料:信越化学工業がパーソナルケア用の新規揮発性シリコーンオイルを開発(5月17日)

信越化学工業は、新しいタイプの揮発性シリコーンオイル「KF-4422」を開発したと発表した。

揮発性シリコーンオイルは、パーソナルケア用品に使用されている。同製品は、各種パーソナルケア用品の使用感を改善するとともに、シリコーン系皮膜形成剤との併用によって高い耐水性を付与することも可能である。

新たに開発した新製品の「KF-4422」は、ジメチルシリコーンオイル(化粧品表示名称:ジメチコン)の分子構造のメチル基の一部をエチル基に置換した高純度の揮発性シリコーンオイルである。揮発性を有するため、シリコーン特有の軽くさらっとした使用感が得られ、揮発速度は、従来品のKF-995とKF-96L-2CSの間に位置する。また、従来品と比較して、炭化水素油や紫外線吸収剤などとの相溶性に優れているのが特長としている。

 

◆価格改定

・JNCがオキソ誘導品を5月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、25円/kg以上

対象製品は、ノルマルブチルアルデヒド(NBA)、イソブチルアルデヒド

オクタノール(OA)、ノルマルブタノール(NBO)、イソブタノール

CS-12、CS-16、オクチル酸、イソ酪酸イソブチル、酢酸ブチル、

酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル(IPAC)

・BASFがプラスチック添加剤を5月21日より値上げ

値上げ幅は、最大20%

なお、有効な契約がある場合はその内容が優先される

・デンカがポリビニルアルコールを5月24日出荷分より値上げ

値上げ幅は、35円/kg

・住友化学がMMA(メタクリル酸メチル)モノマーを5月26日出荷分より値上げ

値上げ幅は、28円/kg

・T&K TOKAがグラビアインキ及び関連製品を6月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、白インキ:50円/kg、色インキ70円/kg

メジウム・ニス・添加剤、他:50円/kg

・T&K TOKAが金属用塗料・インキ及び関連製品を6月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、平均10%

・カネカが塩化ビニル樹脂を6月15日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10円/kg以上

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