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2021年1月21日号

2021.01.21 発行

HEADLINE

 

◆ガラス:AGCとセントラル硝子が国内建築用ガラス事業統合に係る協議の中止を発表(1月14日)

◆石油製品:ENEOSが根岸製油所における一部装置を廃止(1月14日)

◆セルロース:旭化成が水島製造所における結晶セルロースの第2工場を建設(1月13日)

◆電子材料:日本電気硝子が工学デバイス用パッケージ向けの「シール材付きリッド」を開発、製品化(1月13日)

◆化粧品原料:三洋化成工業が独自開発の化粧原料により日焼け止め製剤の機能を向上(1月13日)

◆電子材料:昭和電工がハードディスク用アルミニウム基板の能力増強を決定(1月12日)

◆蓄熱:日本触媒、北大、産総研が高速かつ高密度な蓄熱デバイスの開発を推進(1月12日)

◆価格改定

・クラレが・水添スチレン系エラストマー、TUポリマーのグローバル価格を2月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆ガラス:AGCとセントラル硝子が国内建築用ガラス事業統合に係る協議の中止を発表(1月14日)

AGCとセントラル硝子は、国内建築用ガラス事業の事業統合を目指し基本合意書を締結の上、協議を進めてきたが、両社取締役会において本協議を中止することを決定したと発表した。

両社は、2020年12月末の事業統合完了を目指し、両社の間で詳細な検討と協議を進めてきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより交渉作業に時間を要したことから、事業統合の完了目標時期を2021年10月~12月とすることを公表していた。しかし、事業統合にあたっての条件について両社の間で見解が異なり、合意が困難との認識に至ったことから、本協議を中止するとしている。

AGCは国内建築用ガラス事業の収益性向上および事業基盤強化、セントラル硝子は事業構造改善に努めるとしている。

 

◆石油製品:ENEOSが根岸製油所における一部装置を廃止(1月14日)

ENEOSは、根岸製油所(神奈川県、原油処理能力:270千バレル/日)の原油処理装置の一部および潤滑油製造装置を2022年10月を目途に廃止し、石油製品の生産・供給 体制の再構築を行うと発表した。

廃止する主な装置は、2系列ある常圧蒸留装置(トッパー)のうち、第1トッパー(120千バレル/日)と、その系列の二次装置である減圧蒸留装置や接触分解装置など、また、潤滑油製造装置(ベースオイル生産能力:270千KL/年)である。第1トッパーの廃止により、根岸製油所の原油処理能力は、150千バレル/日に、グループ合計では約1,750千バレル/日になるとしている。

 

◆セルロース:旭化成が水島製造所における結晶セルロースの第2工場を建設(1月13日)

旭化成は、マテリアル領域における添加剤事業の強化拡大を図るため、水島製造所内に結晶セルロース「セオラス」の第2工場を建設することを決定した。

結晶セルロース「セオラス」の主用途である医薬品錠剤向け需要は、今後も国内外で堅調に推移すると予想しており、将来的な供給能力の拡充が必要と考えている。中でも、同社独自の高機能グレードである『KGグレード』、『UFグレード』は国内外で高い評価を獲得しており、その需要も大きく伸長していることから、供給力の強化が求められていた。

本件における設備投資額は130億円で、竣工は2023年春を予定、主に国内外の製薬会社、健康食品製造会社などへ販売する予定としている。

 

◆電子材料:日本電気硝子が工学デバイス用パッケージ向けの「シール材付きリッド」を開発、製品化(1月13日)

日本電気硝子は、信頼性の高い LED、LD、センサーのパッケージを実現するため、リッド(ふた)とキャビティ(箱)との封着後に、リッドとはんだとの熱収縮の差により発生する応力を低減させる下地膜の開発に成功し、金錫(AuSn)はんだを一体化した「シール材付きリッド」のサンプル供給を開始したと発表した。

LEDやLD、センサーの素子は一般的に大気中の水分に弱く、リッドとキャビティを封着する材料には、長期間の高温・高湿度の環境や紫外線に晒されても劣化しない高い信頼性が求められることから、金錫はんだが最も適している。しかし、リッドとはんだとの熱収縮差により封着後に発生する応力のためリッドが破損しやすく、歩留まり低下や長期信頼性低下が大きな問題となっていた。

今回日本電気硝子が開発した下地膜は、その独自の構造により応力を80%低減させることに成功し、リッドの破損を大幅に抑制することが可能となった。

日本電気硝子は今回開発した下地膜を使った「シール材付きリッド」を市場に供給することにより、特にハイエンド領域のデバイスの開発・量産化の実現に貢献するとしている。

 

◆化粧品原料:三洋化成工業が独自開発の化粧原料により日焼け止め製剤の機能を向上(1月13日)

三洋化成工業は、独自に開発したスキンケア化粧品原料『アルファピュール HSG』(開発品、以下、アルファピュール)が、日焼け止め製剤の機能を向上させることを見出したと発表した。

アルファピュールは、角質のバリア機能を高める新感覚のαゲルを形成する原料として、2019年に開発された。同製品によって得られるαゲルは、安定性が高くなめらかな触感を与えるという従来にはない優れた特長を有している。

アルファピュールを日焼け止め製剤に用いた場合、従来の界面活性剤を用いた乳化タイプの日焼け止め製剤に対し、約2倍の紫外線防止効果および、紫外線吸収剤の経皮吸収を3割程度抑制できることが分かった。紫外線防御剤の量を増やさなくても高い紫外線防御効果が得られるため、伸びが良く、心地よい使用感との両立が可能となる。

アルファピュールは、日焼け止め製剤だけでなくスキンケア化粧品原料として、顧客のニーズに合わせた様々な処方に適用できるとしている。

 

◆電子材料:昭和電工がハードディスク用アルミニウム基板の能力増強を決定(1月12日)

昭和電工は、ハードディスク(HD)事業強化のため、連結子会社である昭和電工HD山形において、HDメディア用のアルミニウム基板生産設備を増強し、供給能力拡大を図るとともに、サプライチェーンを分散・強化することを決定したことを発表した。

第5世代移動通信(5G)のサービス開始などに伴いデータセンター向けハードディスクドライブ(HDD)の需要が大きく拡大しているが、HDDのキーパーツであるHDメディアに使用するアルミニウム基板は、需要拡大に応じた安定的な供給能力確保が課題となっている。また、現在同社はアルミニウム基板をマレーシア、台湾および国内の3か所で生産しているが、その供給能力の多くがマレーシアに集中しているため、より安定したサプライチェーンを確保する必要があった。今回、これらの解決のため、国内拠点である昭和電工HD山形においてアルミニウム基板の設備を増強し、供給能力拡大と更なるサプライチェーンの分散・強化を図ることとした。

量産開始は2022年初頭を予定しており、今回の設備増強により同社グループにおける生産能力は現状から3割向上するとしている。

 

◆蓄熱:日本触媒、北大、産総研が高速かつ高密度な蓄熱デバイスの開発を推進(1月12日)

日本触媒、北海道大学、産総研は、NEDOエネルギー・環境新技術先導研究プログラムにおいて「合金系潜熱蓄熱マイクロカプセルを基盤とした高速かつ高密度な蓄熱技術の研究開発」事業を受託したことを発表した。

受託した事業は、合金系潜熱蓄熱マイクロカプセル(h-MEPCM)を日本触媒の触媒製造技術を用いて成型体に加工、北海道大学でこの成型体を用いたプロトタイプモジュールの諸物性を評価する。さらに、そのデータをもとに産総研にてシミュレーションモデルの構築ならびに応用モジュールの作成を行う計画である。

h-MEPCMは、金属の核をセラミックス(アルミナ)の殻で封じた粒子径30ミクロン前後の粒子であり、核の金属が600℃付近で溶解することにより潜熱として熱を蓄えるが、2000℃以上の融点を持つアルミナの殻を持つため、潜熱蓄熱体であるにもかかわらず 、外見上は固体のまま使用することが可能であり、固体顕熱蓄熱体のハンドリング性と潜熱蓄熱体の高い蓄熱密度を両立している。

今後は高温産業炉の省エネ技術であるリジェネバーナーでの利用や電炉排熱の再利用、コジェネレーションの熱電需給調整、EVの暖房用蓄熱等の省エネ用途、また再エネルギーとの組み合わせでは24時間安定発電も可能な集光型太陽熱発電(CSP)、石炭火力の燃焼器を蓄熱体で置き換えた蓄熱発電等の再生可能エネルギーの安定利用への展開を想定し開発を進めていくとしている。

 

◆価格改定

・クラレが・水添スチレン系エラストマー、TUポリマーのグローバル価格を2月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、0.22US$/kg

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