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2020年11月5日号

2020.11.05 発行

HEADLINE

 

◆CO2回収:千代田化工建設が東芝エネルギーシステムズ向けCO2分離回収実証設備の運転開始を発表(10月31日)

◆ガラス:AGCとセントラル硝子が国内建築用ガラス事業統合の完了時期を発表(10月29日)

◆顔料:DICがBASFの顔料事業に関する株式及び資産の取得時期を変更(10月28日)

◆バイオマス:日本製紙と大成ロテックの「クラフトリグニンのアスファルト利用に関する共同研究」がNEDOのプログラムに採択(10月28日)

◆メディカル:AGCがBiologics社の遺伝子・細胞治療CDMOのサービス拡大を発表(10月28日)

◆石油製品:ENEOSが石油製品の生産・供給体制を再構築(10月27日)

◆リサイクル:DICのパッケージ素材の研究開発がNEDOの委託事業に採択、実証を開始(10月27日)

◆複合材料:帝人が仏サフランと高機能複合材料に関する供給契約を締結(10月27日)

◆コークス:三菱ケミカルがコークス事業の構造改革の実施を発表(10月26日)

◆価格改定

・クラレが水添スチレン系エラストマー「セプトン」、「ハイブラー』、TUポリマーを12月1日出荷分よりグローバルで値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆CO2回収:千代田化工建設が東芝エネルギーシステムズ向けCO2分離回収実証設備の運転開始を発表(10月31日)

千代田化工建設は、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)から2016年度に受注したCO2分離回収実証設備のEPC業務を完了し、東芝ESSのグループ会社であるシグマパワー有明の三川発電所(福岡県、発電出力5万kw)から排出されるCO2を分離回収する大規模な実証設備の運転が開始されたことを発表した。

三川発電所はパーム椰子殻を主燃料としたバイオマス発電を行っており、今回稼働する設備はバイオマス発電所から排出されるCO2を分離回収(500トン/日以上)する世界初の設備である。

本設備は新設のみならず既存の火力発電にも導入可能な技術であり、本実証事業を通じ、国内外におけるCCS(Carbon Capture and Storage)導入の早期実現による地球温暖化防止に寄与するとしている。

 

◆ガラス:AGCとセントラル硝子が国内建築用ガラス事業統合の完了時期を発表(10月29日)

AGCとセントラル硝子は、国内建築用ガラス事業統合の完了について、2021年10月1日~12月31日を目標時期とすることを発表した。

両社の2019年12月の発表では、2020年12月末を目標に事業統合の完了を目指すとしていた。両社の間で事業統合に向けた協議を進めているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより交渉作業に時間を要している。このため事業統合の完了目標時期を2021年10月1日~12月31日にするとしている。

 

◆顔料:DICがBASFの顔料事業に関する株式及び資産の取得時期を変更(10月28日)

DICは、2019年8月に発表したBASFの顔料事業である「BASF Colors & Effects」の株式及び資産の取得について、2020年末までに予定していたクロージングが、2021年第1四半期中の実行となる見込みとなったことを発表した。

DICでは、2020年末までのクロージングに向けBASFと必要な作業を進めてきたが、当初のスケジュールよりも時間を要しており作業が継続していることから、BASFと協議のうえ、日程の変更を決定したとしている。

 

◆バイオマス:日本製紙と大成ロテックの「クラフトリグニンのアスファルト利用に関する共同研究」がNEDOのプログラムに採択(10月28日)

日本製紙と大成ロテックは、共同で研究する「クラフトリグニンを使用したバイオアスファルト混合物の開発」が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の戦略的省エネルギー技術革新プログラムに採択されたことを発表した。

本事業では、日本製紙が持つリグニンを有効活用する技術を応用し、木材由来のクラフトリグニンをアスファルト舗装の原料の一部に利用した、バイオアスファルト混合物の開発に取り組む。委託研究期間は2年間である。

石油アスファルトの使用量を低減したバイオアスファルト混合物を使用することにより、原材料のバイオマス化に加え、石油アスファルト道路舗装へ至る工程全体として化石エネルギー利用量の抑制が期待される。

今後、日本製紙はクラフトリグニンをアスファルト利用に適した品質とするための改質を検討し、大成ロテックではバイオアスファルトの製造方法の検討、舗装施工の品質管理及び供用性評価などを行う予定としている。

 

◆メディカル:AGCがBiologics社の遺伝子・細胞治療CDMOのサービス拡大を発表(10月28日)

AGCは、100%子会社化したMolecular Medicine(イタリア)の社名をAGC Biologicsに変更し、同社のグローバルネットワークに遺伝子・細胞治療CDMO(製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行)を組み入れ、本格的にサービスを拡大すると発表した。

遺伝子・細胞治療は、遺伝子または遺伝子を導入したヒト細胞等を人体に投与する治療法であり、現在注目されている最先端医療の一つである。

AGC Biologicsは、遺伝子・細胞治療の開発・製造を行うバイオ医薬品分野の企業で、細胞加工・ベクター製造等のプラットフォーム技術を有し、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)対応の遺伝子・細胞治療CDMOサービスを提供している。

AGCは、今後の日米拠点における製造拠点の設置も視野に、遺伝子・細胞治療CDMOサービス分野におけるグローバル一体運営を推し進めるとしている。

 

◆石油製品:ENEOSが石油製品の生産・供給体制を再構築(10月27日)

ENEOSは、パラキシレンをはじめとする石油化学製品等の生産を行っている知多製造所について、2021年10月を目途に製造機能を停止することを決定したと発表した。

同社では安全・安定操業および安定供給を前提に製油所・製造所の最適な生産・供給体制の構築に関する検討を重ねており、これまでに「室蘭製造所の事業所化」、「川崎製油所と川崎製造所の組織一体化」、「大阪製油所の事業所化」を実行し、2020年12月に「千葉製油所を中国石油国際事業日本と合弁で運営する輸出型製油所」とすることを決定しているが、これらに加え、知多製造所の製造機能停止が必要であるとの結論に至った。

知多製造所の装置構成は、接触改質装置:23,500バレル/日、芳香族回収装置:21,000バレル/日、パラキシレン製造装置:400,000トン/年、トルエン不均化装置:8,800バレル/日、シクロヘキサン製造装置:220,000トン/年である。

なお、出光興産との間で基本覚書を締結し、知多製造所の製造機能を停止した後のパラキシレンをはじめとする石油化学製品の製造設備の一部について、同社への譲渡を協議することに合意したとしている。

 

◆リサイクル:DICのパッケージ素材の研究開発がNEDOの委託事業に採択、実証を開始(10月27日)

DICは、NEDOが公募した「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発プロジェクト」における「材料再生プロセス開発」に採択され、8月より実証を開始したと発表した。

この研究プロジェクトでは、6つの研究機関とDICを含む12社が共同で、廃ラスチックを新品プラスチックと同等の物性に再生し、再利用するマテリアルリサイクルの技術開発を行うものである。実施期間は5年間を予定している。

DICは、この研究プロジェクトにおいて「材料再生プロセス開発」へ参加し、インキや接着剤などのパッケージング素材がプラスチックのマテリアルリサイクル特性に及ぼす影響について基礎的な研究を行う。さらにこの研究で得た知見をもとに、環境負荷の少ないインキや接着剤などの製品開発を目指した研究を行っていくとしている。

 

◆複合材料:帝人が仏サフランと高機能複合材料に関する供給契約を締結(10月27日)

帝人は、フランスの航空・宇宙および防衛関連の複合企業体であるサフラン社との間で、航空機の部品に使用される高機能複合材料の供給に関する契約を締結したことを発表した。

帝人はこれまで、25年にわたりサフラン社に高機能素材の供給を行ってきたが、今回の契約締結により、次世代航空機用の高機能素材の供給をさらに強化するとともに、高機能複合材料の供給を開始する。サフラン社との協力を通じ、航空機市場における生産コスト改善や環境負荷低減に貢献する技術開発に取り組む。

なお、本契約の締結後、帝人がサフラン社に供給する最初の材料の一部は、帝人が2019年に買収した高耐熱熱硬化プリプレグを製造開発するレネゲード社において製造する。帝人は欧米のグループ会社との連携を図ることで炭素繊維製品の用途開発を進め、2030年近辺までに航空機用途で年間900百万米ドル超の売上を目指すとしている。

 

◆コークス:三菱ケミカルがコークス事業の構造改革の実施を発表(10月26日)

三菱ケミカルは、鉄鋼業界の構造変化に伴い香川事業所における高炉向けコークス事業について最適な生産および販売体制に向けて構造改革を実施することを発表した。

具体的には、競争力優位な生産体制への集約として、2021年3月末までに香川事業所で有するコークス炉323門を250門に縮小し、最適な運転体制に移行する。

また、輸出販売体制強化のため、現在1ラインのみの輸出出荷設備を2ラインへと増強し、2022年3月末に稼働する予定である。

今回の構造改革により、事業のグローバル展開を推進することで競争力を強化していくとしている。

 

◆価格改定

・クラレが水添スチレン系エラストマー「セプトン」、「ハイブラー』、TUポリマーを12月1日出荷分よりグローバルで値上げ

値上げ幅は、0.22US$/kg

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