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2020年10月22日号

2020.10.22 発行

HEADLINE

 

◆電池材料:昭和電工がリチウムイオン電池のセパレーター用セラミック耐熱層用バインダーの展開を本格化(10月16日)

◆ゴム製品:住友理工がインド北西部の自動車用ホース新工場で生産を開始(10月16日)

◆ウイルス対策:クラボウが抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術を活用した医療・介護従事者向け防護ガウンの販売を開始(10月16日)

◆電子材料:信越化学が半導体用フォトレジストの設備投資を実施(10月15日)

◆水処理関連:三菱ケミカルが高分子凝集剤の販売事業を譲渡(10月13日)

◆潤滑油関連:BASFが中国・金山で合成エステル系基油の生産能力を約2倍に増強(10月12日)

◆高吸水性樹脂:日本触媒が超速乾性を有する新規高吸水性樹脂の製法を開発(10月12日)

◆価格改定

・デンカがデンカサーモシートBOPS(二軸延伸ポリスチレンシート)を11月1日出荷分より値上げ

・デンカが食品包材用スチレン系シートを11月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆電池材料:昭和電工がリチウムイオン電池のセパレーター用セラミック耐熱層用バインダーの展開を本格化(10月16日)

昭和電工は、リチウムイオン電池(以下、LIB)のセパレーターのセラミック耐熱層用バインダー用に最適化したポリ-N-ビニルアセトアミド(以下、PNVA)「GE191シリーズ」の展開を本格化することを発表した。

PNVAは、水素結合を多く有する設計で、200℃の高温処理でも劣化しない耐熱性や、金属酸化物粒子をより均一に分散・安定させる特長を有している。

GE191シリーズを添加したセラミック耐熱層をセパレーターに塗工すると、同品自体の高耐熱性に加えてアルミナやベーマイトなど耐熱層の無機粒子と水素結合により強固に結着することで、異常発熱時でもセパレーターの形状が保持され、電極同士が接触、短絡する危険性を回避することが可能となる。

また、GE191シリーズは水との親和性が高く、増粘性(レオロジー特性)も高いため、セラミック粒子が均一に分散して低剪断時でも高粘性を確保し、剪断速度に応じて粘度が下がる性質(チキソ性)に優れる。そのため、同品をバインダーに使用することでセラミック耐熱層の保管性(沈降防止)が向上し、セパレーターや電極への均一な塗工や工程改善に効果があり、ロス削減によるコストダウンに貢献できるとしている。

 

◆ゴム製品:住友理工がインド北西部の自動車用ホース新工場で生産を開始(10月16日)

住友理工は、インドで事業展開する自動車用ホース製造・販売連結子会社、Tokai Imperial Rubber India Pvt. Ltd.(TIR)のグジャラート工場が完成し、生産を開始したと発表した。

新工場は自動車産業の集積地である同国北西部に建設し、10月より生産を開始。インド国内に展開する日系自動車メーカー向けに、燃料系やブレーキ系などのゴムホースを製造する。従業員数は2029年度に230名を見込んでいる。

住友理工では、新工場完成により、従来のハリヤナ州、ラジャスタン州ニムラナ(いずれも首都・ニューデリー近郊)に加えた3地区体制となり、サプライチェーンの多元化・分散化による生産・供給におけるリスク回避と、高付加価値製品の安定的供給を確立するとしている。

 

◆ウイルス対策:クラボウが抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術を活用した医療・介護従事者向け防護ガウンの販売を開始(10月16日)

クラボウの繊維事業部は、抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」を活用した新たな製品として、洗濯して繰り返し使用することができ、医療・介護従事者の安心・安全・快適にも貢献できる「クレンゼ防護ガウン」を開発し、2020年11月から販売を開始することを発表した。

同社繊維事業部では、これまで問題となっていた使い捨て防護ガウンの過剰な使用量を抑制するため、感染症以外の疾病・ケガなどの診療や介護現場など感染リスクがそれほど高くない現場向けに、繰り返し使用でき、着用者にとって快適な「クレンゼ防護ガウン」を開発し、販売することとした。また、同様の現場で様々な用途に活用できるよう同品に使用している生地の販売も同時に開始するとしている。

 

◆電子材料:信越化学が半導体用フォトレジストの設備投資を実施(10月15日)

信越化学は、フォトレジスト事業の日本と台湾の製造拠点において、合計300億円の設備投資を実施すると発表した。

台湾では、2019年7月に信越電子材料(台湾)でフォトレジスト材料の生産を開始している。信越電子材料(台湾)では、2019年夏に第一期工事を終了しているが、既に新たな工場棟の建設を進めており、今回生産設備をさらに増強し、2021年2月までに工事を完了する予定である。

一方、直江津工場でも、新たに建屋を建設し、能力増強を進め、2022年2月まで工事が完了する予定としている。

 

◆水処理関連:三菱ケミカルが高分子凝集剤の販売事業を譲渡(10月13日)

三菱ケミカルは、高分子凝集剤の販売事業をMTアクアポリマー及びハイモに譲渡すると発表した。

MTアクアポリマーへの譲渡対象品目は、アニオン系、カチオン系、両性系及びそのブレンド品からなる高分子凝集剤及び有機凝結剤である。同社は今回譲渡する製品と同種の製品の製造販売を手掛ける国内有数の高分子凝集剤メーカーである。

ハイモへの譲渡対象品は、N-ビニルホルムアミド、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン系及びそのブレンドからなる高分子凝集剤及び有機凝結剤等である。同社は今回譲渡する製品に関して共同研究開発した経緯を有するなど、当該製品の取扱いに長けた水処理薬剤メーカーである。

販売事業の譲渡後、三菱ケミカルは両社から高分子凝集剤の製造を受託することとなる。譲渡時期は両社とも2021年3月31日の予定としている。

 

◆潤滑油関連:BASFが中国・金山で合成エステル系基油の生産能力を約2倍に増強(10月12日)

BASFは、中国の金山で、合成エステル系基油の生産能力を約2倍に増強すると発表した。

合成エステル系基油は、高性能な潤滑剤のフォーミュレーションにおいて欠かすことのできない成分で、サステナビリティの面でもメリットがある。適用分野としては、環境に配慮した冷凍機油、空調、自動車、工業用潤滑油などがあげられる。

今回の投資は、アジア太平洋地域における高性能潤滑油に対する需要の高まりに対応するものである。BASFは、増産体制の確立を、2022年下期までに完了する予定としている。

 

◆高吸水性樹脂:日本触媒が超速乾性を有する新規高吸水性樹脂の製法を開発(10月12日)

日本触媒は、新規高吸水性樹脂の製法を開発し、従来できなかった画期的な超速乾性吸収性能を有する高吸水性樹脂(SAP)を開発したことを発表した。

新規製法により製造したSAPは、従来品と比較して超速乾性を持ち、液保持性は3倍向上している。同SAPを利用した衛生材料は速乾性を持ち、吸液後すぐに吸収体表面がサラサラになる。また液保持性・加圧下吸収性能に優れるため、身体の動きがあっても一度吸収した液を漏らさず確実に保持することができる。これらの特徴により、今後さらなる成長が期待される大人向け衛生材料などの高付加価値化に貢献できるとしている。

同社は現在年産15,000トンのプラントを姫路製造所内に建設中であり、2021年6月より生産および販売を開始する予定である。従来にない新機能を活かして衛生材料以外の用途への市場創出も図るとしている。

 

◆価格改定

・デンカがデンカサーモシートBOPS(二軸延伸ポリスチレンシート)を11月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10円/kg以上

・デンカが食品包材用スチレン系シートを11月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10円/kg以上

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