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2026年3月12日

2026.03.12 発行

HEADLINE

◆半導体材料:JX金属が茨城事業所における高純度CVD・ALD材料の量産ライン立ち上げを完了(3月6日)
◆塩ビ:信越化学工業の米国子会社シンテック社が塩ビ・苛性ソーダの一貫生産能力強化へ34億ドルを投資(3月5日)
◆複合材料:東洋紡エムシー、ユウホウ、東洋紡せんいが不連続×連続繊維の熱可塑性ハイブリッド複合材料を開発(3月5日)
◆レアメタル回収:リケンテクノスが島根大学と共同でPVCを用いた希土類金属回収技術の可能性を検討(3月3日)
◆繊維:東レが高級感のある新ポリエステル長繊維「AURLIST」を開発(3月3日)
◆顔料:DICの子会社のサンケミカル社が米国拠点でキナクリドン顔料の生産能力を拡大 (3月2日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの3月の契約価格を改定
・日本ゼオンが合成ラテックスを3月10日納入分より値上げ
・ポリプラ・エボニックがPA12などを4月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆半導体材料:JX金属が茨城事業所における高純度CVD・ALD材料の量産ライン立ち上げを完了(3月6日)
 JX金属は、次世代半導体向けCVD・ALD材料の需要立ち上がりに対応すべく、茨城事業所(日立地区)において生産設備導入を進めていた量産ラインの立上げが完了し、顧客への出荷を開始していることを発表した。
 生成AIの進化やデータセンターの増設を背景に、ロジック半導体や3D-NAND、HBMなどの需要が拡大している。これらの半導体製品では配線の微細化・多層化が進み、微細構造への成膜を可能とするCVD・ALD材料へのニーズが高まっている。このニーズの高まりに対し、同社の子会社である東邦チタニウム茅ヶ崎工場内において、3D-NAND向けCVD・ALD材料であるモリブデン化合物の製造を行っていたが、加えて、同社茨城事業所で立ち上げた量産ラインでも、同製品の製造を開始した。
 今後は同事業所で同製品以外のCVD・ALD材料の開発・製造も視野に入れるとしている。

◆塩ビ:信越化学工業の米国子会社シンテック社が塩ビ・苛性ソーダの一貫生産能力強化へ34億ドルを投資(3月5日)
 信越化学工業の米国子会社であるシンテック社は、ルイジアナ州プラケマインに所有する工業用地にて、塩化ビニル樹脂(塩ビ)の原料から一貫生産する能力を、さらに強化する投資を実施すると発表した。
 今回の投資では、塩ビの主原料を担うエチレン工場と、電解・塩化ビニルモノマー工場を新設する。増強される生産能力は、エチレン625千トン/年、塩化ビニルモノマー500千トン/年、苛性ソーダ310千トン/年で、投資金額は34億ドルを見込んでいる。なお、工場増強は2030年末までの完工を予定している。
 塩ビは今後5年間、世界需要が毎年平均で750千トンを超えて拡大し、苛性ソーダも毎年平均で1,300千トンを超える需要拡大が見込まれる。シンテック社は、世界最大の生産能力と原料調達での優位性を活かし、米国のみならず世界中の顧客との関係をさらに拡大し強固なものにするとしている。

◆複合材料:東洋紡エムシー、ユウホウ、東洋紡せんいが不連続×連続繊維の熱可塑性ハイブリッド複合材料を開発(3月5日)
 東洋紡エムシーは、子会社のユウホウ及び東洋紡せんいと共同で、各社が有する連続繊維複合材料と不連続繊維複合材料を組み合わせた「熱可塑性ハイブリッド複合材料」を開発したと発表した。
 開発品は、一体成形での3次元構造付与を可能とするリブ成形ができ、繊維強化プラスチックの新たな用途展開を可能にする。
 同社は、熱可塑性スタンパブルシート「クイックフォーム」(ガラス繊維×熱可塑性樹脂)、ユウホウは、炭素繊維不織布「疾風‐HAYATE‐」(炭素繊維×熱可塑性繊維)、東洋紡せんいは、熱可塑性ガラス繊維複合糸「GfCyarn」(ガラス繊維×熱可塑性繊維)と熱可塑性炭素繊維複合糸「CfCyarn」(炭素繊維×熱可塑性繊維)を展開している。「クイックフォーム」と「疾風‐HAYATE‐」は不連続繊維を用いた複合材料で、「GfCyarn」と「CfCyarn」は連続繊維を用いた複合糸である。一般的に、不連続繊維を用いた複合材料は、賦形性は高いものの弾性率に課題があり、一方、連続繊維を用いた複合材料は高弾性率を発現するが複雑形状の成形が難しいという課題があった。
 そこで、これらの製品を組み合わせることで高い弾性率と賦形性を両立した製品開発に成功した。開発品は、従来品に比べ、曲げ弾性率に優れ、自動車、土木・建築用途などでの展開を想定するとしている。

◆レアメタル回収:リケンテクノスが島根大学と共同でPVCを用いた希土類金属回収技術の可能性を検討(3月3日)
 リケンテクノスは、島根大学と共同でポリ塩化ビニル(以下、PVC)を用いた湿式メカノケミカル処理によるNd(ネオジム)磁石からの希土類金属回収の技術開発を進めていると発表した。
 PVCは分解時に腐食性ガスや炭化水素残渣が発生するため、その有効活用に課題があるが、島根大学が開発した湿式メカノケミカル処理による固体廃棄物から特定資源を選択的に回収する技術に着目し、PVCを活用した資源回収技術の共同研究を進めている。
 島根大学が開発した技術では、電気自動車やスマートフォン等に用いられるNd磁石からNdやDy(ジスプロシウム)といった希土類金属を選択的かつ高純度でシュウ酸塩として回収することが可能である。一方で、この技術はNd磁石の溶解反応を促進するために強酸の使用が必要となり、使用後に発生する廃酸の処理が課題となっている。
 本研究では、PVCが加熱や機械的なエネルギーを加えることで分解し、塩化水素を発生する特性に着目し、そのPVC分解反応と湿式メカノケミカル処理を組み合わせることで、新たに強酸を加えることなくNd磁石からの希土類金属の分離・回収が可能とした。この手法により、廃酸の発生量を抑制しながら、Nd磁石からの希土類金属回収に有効であることが確認できたとしている。

◆繊維:東レが高級感のある新ポリエステル長繊維「AURLIST」を開発(3月3日)
 東レは、高級感のある光沢感と膨らみ感・微起毛感を表現できる新感覚ポリエステル長繊維AURLISTを開発したことを発表した。
 主に婦人衣料用途(トップス、ボトム、ドレス等)での展開を予定しており、2026年度売上130百万円、2030年度売上200百万円を目指す。
 AURLISTは、同社独自の複合紡糸技術NANODESIGNにより、シルクの約10分の1まで繊維径を小さくした、収縮率の異なる極細扇型断面を形成することで、マイクロファイバーが生み出す上質な風合いと膨らみ、複雑な乱反射が生み出す上品な光沢と微起毛感を実現させる。これにより、AURLISTは従来のポリエステル長繊維では得にくかった表情を演出しながら、ポリエステル長繊維のイージーケア特性を併せ持つためファッションの可能性を広げる。
 東レはAURLISTを、同社独自の最先端技術によるポリマー技術や革新的な複合紡糸技術によって生産される超高付加価値品として位置付ける、ハイエンドファイバーシリーズとして展開するとしている。

◆顔料:DICの子会社のサンケミカル社が米国拠点でキナクリドン顔料の生産能力を拡大 (3月2日)
 DICの子会社であるサンケミカル社は、米国デラウェア州ニューポートの拠点に約1,000万米ドルを投資し、キナクリドン顔料の生産能力を拡大することを発表した。
 キナクリドン顔料は、鮮明な色相と優れた耐候性を備えた中高級顔料であり、自動車塗装やインク、プラスチック着色などの分野で広く活用されている。
 今回のプロジェクトでは、サンケミカル社独自の製造プロセスと重点的な設備更新を組み合わせることで、生産能力の最適化を図る。また、プラントの安全性を向上させるとともに、高品質なキナクリドン顔料の継続的な供給を確保するものとしている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの3月の契約価格を改定
 3月契約価格は、795$/t(前月比±15$/t)
 国内価格換算想定値は129.3円/kg
・日本ゼオンが合成ラテックスを3月10日納入分より値上げ
 値上げ幅は、アクリレート系ラテックス、NBR系ラテックス、SBR系ラテックス:17円/wet ㎏
・ポリプラ・エボニックがPA12などを4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、PA12、 PA612、透明樹脂:200円/㎏、
 共重合PA:300~500円/㎏
 ゴム添加剤:200円/㎏
 PEEK:10%

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