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2026年2月5日

2026.02.10 発行

HEADLINE

◆バイオマス:住友ベークライトがバイオマスPFA樹脂を用いた航空機内装材向け難燃性プリプレグ開発(1月30日)
◆非鉄金属:三菱マテリアルがサブミクロン銅粒子を用いた焼結型銅接合材料を新たに開発(1月30日)
◆電池材料:出光興産が固体電解質大型パイロット装置の最終投資決定および建設開始(1月29日)
◆圧電ポリマー:東レが世界初200℃以上の耐熱性を有する圧電ポリマーを開発(1月28日)
◆ナノ粒子:積水化成品工業が新規架橋ナノ粒子を開発(1月28日)
◆水素:旭化成が製造する水素を用いた日揮HDのグリーンアンモニア実証プラントが始動(1月28日)
◆エチレン:旭化成、三井化学、三菱ケミカルが西日本エチレン設備のグリーン化と集約を決定(1月27日)
◆CFRP:東レが炭素繊維複合材料(CFRP)における高速・高信頼性接合の実現を発表(1月27日)
◆価格改定
・タキロンシーアイがFM プレート製品全般を4月21日出荷分より値上げ
・トクヤマが次亜塩素酸ソーダを2月16日出荷分より値上げ
    
  

WEEKLY NEWS

◆バイオマス:住友ベークライトがバイオマスPFA樹脂を用いた航空機内装材向け難燃性プリプレグ開発(1月30日)
 住友ベークライトは、航空機産業が目標とする2050年CO2ネットゼロ達成に向けた取り組みに貢献するため、非可食バイオマス由来のPFA (PolyFurfuryl Alcohol) を使用した、難燃性に優れたプリプレグを開発したことを発表した。
 本プリプレグは、従来の石油由来フェノール樹脂と同等の機械強度を有し、航空機内装品に求められる高い難燃性・低煙性・低毒性 (FST)基準を満たしている。また、14 CFR Part 25に準拠したOSUヒートリリース試験においても、石油由来フェノール樹脂と同等レベルの性能を確認している。
 さらに、PFAの重合からプリプレグ化までを一貫して開発することで、既存品と比較してCFP(カーボンフットプリント)を43%削減するとともに、従来のフェノール樹脂と同等の機械強度を実現した。
 同品は、現在試作段階にあり、一部の航空機メーカーへのサンプル提供を開始している。今後は顧客評価を進め、2028年の量産開始を目指すとしている。

◆非鉄金属:三菱マテリアルがサブミクロン銅粒子を用いた焼結型銅接合材料を新たに開発(1月30日)
 三菱マテリアルは、独自の銅粉製造技術により、一般的な銅粉よりも低温で焼結接合が可能なサブミクロン銅粒子(粒径100~200nm)を用いた『焼結型銅接合材料』として、用途に応じて選べる銅ペーストと銅シートの2タイプの材料を新たに開発したことを発表した。
 車載・鉄道向けインバーターに代表される高出力パワーモジュールでは、半導体素子の高温動作や大電流化に伴い、接合部に高い耐熱性、放熱性、長期信頼性が求められている。従来は、銀を主原料とする加圧型の焼結接合材料が広く用いられてるが、材料コストの上昇や加圧接合工程における位置ずれの発生などの課題を抱えていた。
 今回、同社は粒径100〜200nmで金属不純物量が極めて少なく、かつ独自の粒子表面被覆設計により高い焼結性を有するサブミクロン銅粒子を創製した。本粒子を用いることで、従来の銀系焼結材に代わる低温接合(接合温度200~250℃)・大面積対応・高信頼性を兼ね備えた銅接合材料として銅ペーストと銅シートの2タイプを開発した。
 銅ペースト、銅シートいずれも用途に応じて順次サンプルワークを開始する予定としている。

◆電池材料:出光興産が固体電解質大型パイロット装置の最終投資決定および建設開始(1月29日)
 出光興産は、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)の材料となる固体電解質を製造する大型パイロット装置について、最終投資決定を行い、建設を開始したことを発表した。
 同社はトヨタと協業し、2027~2028年に全固体電池を搭載した電気自動車(BEV)の実用化を目指しており、本装置で製造される固体電解質は、トヨタが開発するBEV向け全固体電池で使用される予定となっている。
 現在は、稼働中の2基の小型実証設備において、固体電解質の量産技術開発とサンプルの製造を実施している。第1プラントでは主にトヨタ向けの固体電解質を、第2プラントでは異なる種類の固体電解質を開発しており、第1プラントで得られた実証結果を踏まえ、事業化に向けた次期フェーズである大型パイロット装置の建設を決定した。生産能力は年間数百トンを見込んでいる。
 同社は、固体電解質の性能向上・量産技術の開発を一層加速させるとともに、原料から製品に至る一貫したバリューチェーンの構築を着実に進め、全固体電池の社会実装を目指すとしている。

◆圧電ポリマー:東レが世界初200℃以上の耐熱性を有する圧電ポリマーを開発(1月28日)
 東レは、200℃以上でも圧電性能を発揮する新しい圧電ポリマー材料を開発したことを発表した。
 圧電材料とは、外部から力(応力や振動)を加えると電圧を発生する材料で、マイクや歪みセンサーなどに使用されている。現在は主に、PVDFやPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が用いられているが使用温度や形状に制限が生じていた。
 近年、モビリティ、ロボット、産業機械、航空・宇宙機などの様々な分野において、振動検出・監視センサーのニーズが広がっており、これらの分野では、広範囲にわたる振動を正確に把握する大面積での搭載や、100℃を超える高温環境での圧電性能が求められている。
 本材料は、東レが培ってきた技術を駆使して開発した、高い圧電特性を備えた新規ポリマー材料であり、分極構造が200℃以上でも維持されるため、従来では対応できなかった高温環境下で安定した検出を実現する。また、ワニスやフィルム、不織布などの形状で提供でき、複雑形状や大面積のセンサーにも適用可能である。さらに、本材料は、鉛やフッ素を含有しないため、RoHSやPFAS規制にも適合可能な材料である。
 今後は、2028年頃の実用化を目指し、顧客向けサンプル提供・評価を進め、用途開拓・拡大に取り組んでいくとしている。

◆ナノ粒子:積水化成品工業が新規架橋ナノ粒子を開発(1月28日)
 積水化成品工業は、、高機能性フィルムやその中間材料としての透明性を損なうことなく屈折率を制御できるナノサイズの架橋粒子を新たに開発したことを発表した。
 近年、光学ディスプレイフィルムや光通信部材などの領域では、薄膜化の要求特性が高まっていることから、透明性を維持しつつ、希望の屈折率に調整したいというニーズに応える機能性微粒子が求められている。同社はこのニーズを受け、幅広い屈折率制御範囲を有し、多様なコーティング分散媒体に使用できる架橋ナノ粒子を開発した。
 開発した架橋ナノ粒子は、中空形状や無機系シリカ微粒子に比べ、屈折率を制御できる範囲が広いため、使用する各種材料の透明性を損なうことなく、光学特性の調整などの機能付与ができる。また、分散制御技術の駆使によって各種有機溶剤に対しても優れた分散安定性を示す。
 今後は、本製品の市場投入を通じて高透明材料分野での事業拡大を図るとともに、付加価値創出が求められる先端材料分野への展開を目指し、さらなる微粒子の高機能化に取り組んでいくとしている。

◆水素:旭化成が製造する水素を用いた日揮HDのグリーンアンモニア実証プラントが始動(1月28日)
 旭化成は、旭化成が日揮ホールディングスと共同で採択された新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOのグリーンイノベーション基金事業「大規模アルカリ水電解水素製造システムの開発およびグリーンケミカルプラントの実証」プロジェクトの一環として、日揮HDのグリーンアンモニア製造技術の実証プラントで2026年1月にアンモニアの生産を開始したと発表した。
 旭化成は隣接する福島水素エネルギー研究フィールドで2020年より10MW級大型アルカリ水電解システムを稼働させ、本実証プラントへ供給する水素を製造している。供給された水素はグリーンアンモニアの原料となり、本実証を通じて将来的な大規模化・商業化に向けた技術的知見の獲得を目指す。旭化成は再エネ変動に対応した水電解システムの運転ノウハウを活用し、日揮HDは合成プラントの設計・建設を主導し2026年度にかけて実証運転を実施する。
 両社は、得られるデータや知見を活用し、商業規模プラントに向けた技術高度化および事業性検証を進めていくとしている。

◆エチレン:旭化成、三井化学、三菱ケミカルが西日本エチレン設備のグリーン化と集約を決定(1月27日)
 旭化成、三井化学、三菱ケミカルは、経済産業省が所管する「令和7年度 排出削減が困難な産業におけるHtA支援事業」に採択されたことを受け、西日本に各社が保有する全2基のエチレン製造設備について、新たに3社で共同事業体を設立の上、2030年度を目途に三菱ケミカル旭化成エチレン(以下、AMEC)水島工場のエチレン製造設備を停止し、大阪石油化学(以下、OPC)の設備へ集約することで合意し、基本契約を締結したと発表した。
 今後、HtA支援事業を活用し、旭化成が開発中のバイオエタノール由来グリーン基礎化学品製造技術「Revolefin」を用いた初期生産設備を、旭化成水島製造所に設置する。併せて、AMEC水島工場の停止に伴う設備対応および、集約拠点であるOPC泉北工業所の設備整備を進める。
 エチレン製造設備から製造される基礎化学品は、生活用品、自動車、半導体など支える重要な基盤であり、3社は、今回のHtA支援事業を通じて、競争力のある基礎化学品のグリーン化を加速させ、西日本におけるエチレン製造設備のグリーン化と生産体制最適化を推進するとしている。

◆CFRP:東レが炭素繊維複合材料(CFRP)における高速・高信頼性接合の実現を発表(1月27日)
 東レ、炭素繊維複合材料(以下、CFRP)からなる航空機模擬構造体の接合時間を従来の1/3以下に短縮する、高速接合技術を実証したこと発表した。
 航空機などの分野において、優れた材料特性および長年の使用実績から、構造部材には熱硬化性CFRPが広く適用されている。近年、小型部品や複雑な形状の部材の需要増加に伴い、高レート生産に好適かつ形状自由度の高い、熱可塑性CFRPの適用が広がりつつある。今後は、これら2つの材料を適材適所で組み合わせることで、性能と生産性を両立した機体の開発が期待されている。一方、熱硬化性CFRPと熱可塑性CFRPの接合で従来用いられてきた接着剤接合やボルトファスナー接合では、接着の信頼性や煩雑な工程が課題となっており、信頼性の高い高速接合技術が求められている。
 今回、東レは、CFRP用の中間基材(プリプレグ)の製造およびCFRP成形加工の知見を活用し、熱硬化性CFRPと熱可塑性CFRPの新規熱溶着接合技術を開発した。本技術により、従来の接着剤接合を上回る接合強度を実現するとともに、航空機模擬構造体の接合時間を、従来の接着剤接合とボルトファスナー接合の1/3以下に短縮することに成功した。今後は、航空機関連メーカーとの連携による、社会実装に向けた取り組みを加速するとしている。

◆価格改定
・タキロンシーアイがFM プレート製品全般を4月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、現行価格の20%以上
・トクヤマが次亜塩素酸ソーダを2月16日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、1㎏あたり13円以上

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