2026.02.12 発行
◆バイオマス:ソニーら14社がバイオマス原料プラスチックのグローバルサプライチェーンを構築(2月6日)
◆CR:住友化学と米国の大手技術ライセンサーのルーマスがPMMA-CR技術の商業ライセンス提供を開始(2月5日)
◆太陽電池:伊勢化学工業が稀産金属とペロブスカイト太陽電池材料に関する基本合意書を締結(2月5日)
◆電池材料:出光興産がリチウムイオン電池用天然グラファイト系負極材の供給網構築に向けグラフィネックス、丸紅、
NSCと協業契約を締結(2月4日)
◆生産停止:三菱ガス化学が四日市工場の工業用過酸化水素の生産停止を決定(2月4日)
◆半導体パッケージ:イデビンが高機能ICパッケージ基板向け設備投資計画を発表(2月3日)
◆事業撤退:三菱ケミカルグループがコークスおよび炭素材事業の撤退を発表(2月2日)
◆価格改定
・住友ベークライトがエポキシ樹脂銅張積層板を3月2日出荷分より値上げ
・ENEOSがベンゼンの2月の契約価格を改定
・東亞合成が硫安工業用を3月1日出荷分より値上げ
◆バイオマス:ソニーら14社がバイオマス原料プラスチックのグローバルサプライチェーンを構築(2月6日)
ソニー、三菱商事、ADEKA、CHIMEI、ENEOS、Formosa Chemicals & Fibre、Hanwha Impact、出光興産、三井化学、Neste、Qingdao Haier New Material Development、SK Geo Centric、東レ、Toray Advanced Materials Koreaは、世界で初めて、ソニーのオーディオ・ビジュアル製品などの高機能製品に使用可能なリニューアブルプラスチックを製造するグローバルサプライチェーンを、5つの国・地域にわたる14社で共同構築したことを発表した。
オーディオ・ビジュアル製品などの高機能製品は、使用されるプラスチックの種類が多岐にわたるため、サプライチェーンが複雑で、原料から製品化までの流れ全てを可視化し、一元管理することは困難であった。加えて、高い難燃性や光学特性などが求められる部品は、マテリアルリサイクルによって製造された再生プラスチックへの全面的な置き換えが難しく、化石資源由来のバージンプラスチックを削減するための現実的な方策がないことが課題であった。
今回、これらの課題を解決するため、サプライチェーンを可視化し、複数の種類のプラスチックについて、バイオマス原料を出発点とするサプライチェーンを新たに構築した。これにより、従来と同等の品質を維持したリニューアブルプラスチックを製造できるようになる。本サプライチェーンで製造する各種プラスチック素材は、ソニーが今後グローバル展開する製品に採用する予定としている。
◆CR:住友化学と米国の大手技術ライセンサーのルーマスがPMMA-CR技術の商業ライセンス提供を開始(2月5日)
住友化学は、米国の大手技術ライセンサーであるルーマス・テクノロジー社(以下、ルーマス)とアクリル樹脂(PMMA)の高効率ケミカルリサイクル技術(PMMA-CR技術)について、商業スケールでのライセンス提供を開始したと発表した。
両社は2024年に協業契約を締結し、住友化学愛媛工場の実証設備での技術検証を経て、スケールアップを含む商業化の評価を進めてきた。その結果、商業化に必要な要件を満たす技術を確立したと判断し、世界各地へのライセンス供与を可能とした。
PMMA-CR技術は、アクリル樹脂を熱分解し、原料となるMMAモノマーに高効率で再生する技術である。同技術で再生したモノマーは、化石資源を原料とした材料と同等の品質で、従来品と比べて製品ライフサイクル全体のGHG排出量を約50%削減できる見込みである。
両社は今後、ルーマスのグローバルネットワークを活用し、PMMA-CR技術のライセンス提供を通じてアクリル樹脂の資源循環を推進し、世界各地での社会実装を目指すとしている。
◆太陽電池:伊勢化学工業が稀産金属とペロブスカイト太陽電池材料に関する基本合意書を締結(2月5日)
伊勢化学工業は、稀産金属とヨウ素系ペロブスカイト太陽電池材料の開発・製造・販売に関する基本合意書を締結したと発表した。
伊勢化学工業は日本におけるヨウ素生産量トップシェアの企業であり、稀産金属は先端産業の高純度化合物製造において長年の実績があるほか、既にペロブスカイト太陽電池向け材料の製造を行っている。また、子会社のKI Chemicalが、秋田県に工場を新設し、ヨウ素系ペロブスカイト太陽電池材料の増産を計画しており、2027年までにペロブスカイト太陽電池1GWに相当する規模のヨウ化鉛生産工場の設立を予定している。
両社は、基本合意書を締結したことにより、ペロブスカイト太陽電池向けの安定したヨウ素原料の確保から、ヨウ素系原材料の製造及び販売まで一貫した体制を確立するとしている。
また両社は、2040年の次世代型太陽電池生産目標に向け、数GW/年に対してもヨウ化鉛を十分に供給できるよう、既にヨウ素原料及び工場用地の確保しており、今後はペロブスカイト太陽電池向けヨウ素系材料のサプライチェーン強化に努めていくとしている。
◆電池材料:出光興産がリチウムイオン電池用天然グラファイト系負極材の供給網構築に向けグラフィネックス、丸紅、NSCと協業契約を締結(2月4日)
出光興産は、グラフィネックス、丸紅、NSCの3社と、日豪間における天然グラファイト系負極材の供給網構築に向けた協業契約を締結したことを発表した。
4社はこの協業を通じて、日本の電池産業が直面する調達リスクの軽減や、アジア地域における電池材料供給網の強靭化に貢献する。
世界的にEVや再生可能エネルギーの蓄電池システムの需要が拡大する中で、現在主流の蓄電池であるリチウムイオン電池の主要構成部材の負極材の需要も増加している。特に、日本国内で負極材に用いられる天然グラファイトの多くは海外依存度が高く、安定的な調達が課題となっている。
出光興産は本協業を通じ、グラフィネックスが保有する豪州クイーンズランド州の高品位グラファイト資源を活用し、日豪間で資源開発から負極材製造・市場供給まで一貫した天然グラファイト系負極材の新たな供給網構築を目指す。今後は、4社で天然グラファイト系負極材の製造拠点の候補地検討などの事業化に向けた具体的な協議を進めていくとしている。
◆生産停止:三菱ガス化学が四日市工場の工業用過酸化水素の生産停止を決定(2月4日)
三菱ガス化学は、2027年9月をめどとして、四日市工場(三重県)における工業用過酸化水素(以下、工薬過水)の生産を停止することを発表した。
過酸化水素は、無害な水と酸素に分解される環境に配慮した化学品として、紙パルプや繊維の漂白剤、各種工業薬品の酸化剤などの幅広い用途で利用されている。また、その誘導品である超純過酸化水素(超純過水)は半導体製造プロセスにおける洗浄剤として広く利用されている。
同社グループは現在、四日市工場のほか、国内では鹿島工場(茨城県)、共同過酸化水素(茨城県)および新酸素化学(北海道)、海外では中国、台湾、インドネシアに工薬過水の生産拠点を有し、国内外へ工薬過水を安定的に供給しているが、国内拠点を再編し、より競争力のある体制で事業を継続するため、四日市工場での生産停止を決定した。四日市工場では1963年以来63年にわたって工薬過水を生産してきたが、設備の老朽化が進んでいることから、安定供給を継続するうえでは生産拠点を再編することが合理的と判断した。
なお、生産停止以降も、四日市工場の工薬過水出荷設備は西日本地区向けの出荷拠点として稼働を継続し、同工場での超純過水生産も継続するとしている。
◆半導体パッケージ:イデビンが高機能ICパッケージ基板向け設備投資計画を発表(2月3日)
イデビンは、取締役会において、2026年度から2028年度の3ヶ年で電子事業へ総額約5,000億円規模の投資計画を決議したことを発表した。
その最初のフェーズとして、高性能サーバー向けを中心とした高機能ICパッケージ基板の生産能力増強を図る目的で、既設の河間事業場工場棟(Cell6)を中心に、追加の設備投資を実施する。
河間事業場及びその他海外を含む既存工場に対する設備投資額は約2,200億円を予定しており、2027年度より順次稼働し、量産開始を計画している。本投資により、2027年度以降の高機能ICパッケージ基板需要に対応可能な生産能力に増強する予定である。
河間事業場工場棟は2023年度に竣工し、量産稼働は大野事業場を先行して進めてきたが、顧客と方向性を合意し、改めて量産稼働に向けた設備投資を進める。また現在、旺盛な顧客需要に対応するため、大野事業場のキャパシティの更なる拡大など、様々な方策を検討しており、社内決議次第、情報開示を実施するとしている。
◆事業撤退:三菱ケミカルグループがコークスおよび炭素材事業の撤退を発表(2月2日)
三菱ケミカルグループは、連結子会社である三菱ケミカルの炭素事業において、コークス及び炭素材(ニードルコークス、ピッチコークス)から事業撤退することを、執行役会議において決議したことを発表した。
事業撤退の背景としては、中国における過剰生産やインドネシアでの大規模な新規設備稼働に起因する世界的な供給過剰により、海外コークス市況は低迷が長期化していることがあげられる。この構造的な問題は解消される見通しが立っておらず、中長期的な成長を実現することは困難であると判断し、コークスの生産を停止することを決定した。
撤退対象製品は、香川事業所で生産されているコークス及び炭素材(ニードルコークス、ピッチコークス)であり、香川事業所で生産しているピッチ系炭素繊維及びそれを用いた関連製品、負極材は、今回の撤退の対象ではない。なお、対象事業の売上高(2025年3月期実績)は、115,790百万円である。
事業撤退のスケジュールに関しては、2027年度下期に生産を停止し、生産停止後に順次販売を終了する予定としている。
◆価格改定
・住友ベークライトがエポキシ樹脂銅張積層板を3月2日出荷分より値上げ
値上げ幅は、アルミベースの銅張積層板(スミライトELC):15~25%
樹脂付き銅箔(スミライトBLA-4371)、プリプレグ(スミライトEl)、
フェノール樹脂積層板(スミライトPL):10%
・ENEOSがベンゼンの2月の契約価格を改定
2月契約価格は、780$/t(前月比+105$/t)
国内価格換算想定値は125.4円/kg
・東亞合成が硫安工業用を3月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、硫安工業用(フレコン):15円/㎏以上
硫安工業用(20㎏ポリ袋):20円/㎏以上