2026.02.02 発行
◆フィルム:東レが世界初となる160℃耐熱のポリプロピレン離型フィルムを開発(1月23日)
◆尿素:東洋エンジニアリングがナイジェリアで計画中の世界最大級の尿素プラントに自社の尿素ライセンスを採用
(1月22日)
◆バイオフィルム:積水化学工業が平膜型MABR(膜曝気型バイオフィルム法)の技術確立にめどが立ったことを発表
(1月21日)
◆ケミカルリサイクル:出光興産がCRJ市原事業所の油化ケミカルリサイクル設備の完工を発表(1月19日)
◆バイオ医薬品:東レがバイオ医薬品製造に適用可能な高効率分離膜モジュールの販売を開始(1月19日)
◆絶縁材料:住友ベークライトが業界最薄クラスの高電圧対応絶縁シートを開発 (1月19日)
◆価格改定
・サンエー化研が軽包装部門、産業資材部門、機能性材料部門の各種製品を4月1日出荷分より値上げ
◆フィルム:東レが世界初となる160℃耐熱のポリプロピレン離型フィルムを開発(1月23日)
東レは、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムとしては、世界初となるエンプラに迫る耐熱性の新タイプとなる「トレファン」を開発し、サンプル出荷を開始したことを発表した。
近年、電子デバイスや軽量モビリティの材料開発が進展し、その製造・加工工程が多様化する中で、OPPフィルムは高温プロセス対応を求められてきた。
新規高耐熱「トレファン」は、優れた熱寸法安定性と離型性に加え、離型コートレスで吸湿性が低いため、電子デバイス向け高機能樹脂製品の製造用支持体、熱ラミネート用離型フィルムなどの工程中の熱シワや離型成分による僅かな汚染も許容されないファイン用途や、電池部材に代表されるドライルーム内加工や真空加工設備(蒸着、スパッタ)内の加工といったフィルム含有水分を忌避する用途など、幅広い用途への適用が可能である。
今後は、顧客の用途に合わせて、さらなる技術検討を進めていくとしている。
◆尿素:東洋エンジニアリングがナイジェリアで計画中の世界最大級の尿素プラントに自社の尿素ライセンスを採用(1月22日)
東洋エンジニアリングは、独自技術である尿素合成および造粒ライセンスが、ナイジェリア連邦共和国の化学肥料製造会社であるBUA Chemicalsが計画する世界最大規模(日産 4,000トン× 2系列)の尿素プラントに採用されたことを発表した。
本件は、現在FEED(基本設計)段階にあり、将来的なライセンス供与を前提として、同社は尿素合成および造粒ライセンサーとしてPDP(Process Design Package)を提供する。
人口増加に伴う食糧増産に向けて、肥料の需要は今後も拡大することが予想され、アフリカを含む世界各地で多くの肥料プラント建設が計画されている。同社はこれまでに全世界で110件以上の自社尿素技術の供与およびプラント建設実績があり、こうした実績が評価され、今回のライセンス採用に至った。
本プロジェクトでは同社の尿素合成技術ACES21と大粒尿素造粒技術を適用し、低コストでのプラント建設、運転条件の最適化を実現するとしている。
◆バイオフィルム:積水化学工業が平膜型MABR(膜曝気型バイオフィルム法)の技術確立にめどが立ったことを発表(1月21日)
積水化学工業は、膜を介して酸素を供給することで安定した生物処理を可能にする「平膜型MABR(膜曝気型バイオフィルム法)」について、排水処理の技術確立にめどが立ったため、顧客への提案を本格化したことを発表した。
現在、下水処理場や民間の排水処理施設で採用されている活性汚泥法には、電力コストがかかる、余剰汚泥の処理が必要、維持管理が困難といった課題があり、同社はこれまで、より効率的な生物処理技術として平膜型MABR開発を進めてきた。
MABRは膜を介して酸素を供給する生物膜法の新技術で、低駆動圧力で高効率な水処理を実現する環境貢献型水処理方法である。同社のMABRは平膜構造にすることで、高い酸素透過度と強度の両立を可能にした。これにより、エネルギー消費量を最大75%削減、発生汚泥量を最大65%低減できる(いずれも同社実験データによる参考値、標準活性汚泥法比)。また、省スペースで排水処理能力の増強が可能である。
今後は顧客への提案を本格化し、2026年春に上市する予定としている。
◆ケミカルリサイクル:出光興産がCRJ市原事業所の油化ケミカルリサイクル設備の完工を発表(1月19日)
出光興産は、子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン(CRJ)が、千葉事業所の隣接地で建設を進めてきた「市原事業所」が完成したと発表した。また、同事業所内に使用済みプラスチックを再資源化する油化ケミカルリサイクル設備や前処理設備などが完工したことを併せて発表した。
同社のケミカルリサイクル事業では、触媒を用いた接触分解システムによる独自の油化技術を採用している。この技術を活用した油化ケミカルリサイクル設備において、回収した使用済みプラスチックから軽質原油に相当するCR油(ケミカルリサイクル油)を生産する。生産したCR油は、同社グループ製油所・事業所の石油精製装置および石油化学装置において原料として使用し、マスバランス方式を適用した「ケミカルリサイクル化学品」などへ再資源化する。
同事業所の使用済みプラスチック処理能力は年間2万トンで、2026年4月の商業運転を開始する予定としている。
◆バイオ医薬品:東レがバイオ医薬品製造に適用可能な高効率分離膜モジュールの販売を開始(1月19日)
東レは、バイオ医薬品の精製工程に適用可能な高効率分離膜モジュールの販売を開始したと発表した。
近年、バイオ医薬品市場は高成長を続けている一方で、バイオ医薬品は高額な医療費が課題であり、製造コスト低減や安定供給体制の確立が社会的な要請となっている。特に、遺伝子治療薬の製造では、培養細胞を破砕することで多くの不純物が発生するため、精製膜の目詰まりによる生産設備稼働率の低下や医薬品の回収ロス等の問題が指摘されている。また、バイオ医薬品製造用の部素材は海外メーカー製が多く、供給リスクや長納期化、コスト増など医療安全保障の観点から国産化が望まれている。
同社の分離膜モジュールは、独自の細繊度不織布を用いた前処理膜と、空糸を用いた清澄化膜を組み合わせることで、目詰まりしにくく、圧力上昇を
抑えながらろ過液量を増大できる設計で、他社市販従来品比4倍以上のろ過液量と大幅な小型化を実現させた。
2026年度中の本格販売を予定しており、医薬品メーカーや医薬品開発・製造受託機関の要望に合わせて膜面積ラインナップを拡充し、幅広い提案を行っていくとしている。
◆絶縁材料:住友ベークライトが業界最薄クラスの高電圧対応絶縁シートを開発 (1月19日)
住友ベークライトは、業界最薄クラスとなる厚さ0.2mmで、800Vの高電圧に対応する耐トラッキング性を備えた絶縁用難燃ポリカーボネートシートを開発したと発表した。
近年、EVの普及などでモビリティの電力需要が拡大する中、800V級の高電圧システムへの移行が進んでいる。こうした高電圧化の流れに伴い、電装機器における高出力化による発熱が課題となり、小型化や軽量化のニーズが一層高まっている。これまで、安全性と薄肉化の両立が業界の課題であった。
本開発品は、PFASフリー・ノンハロゲン難燃処方により環境配慮に対応しながら、耐熱性を高め、より厳しい高温・高電圧環境での使用を可能にしている。また、打ち抜き、曲げ、真空成形など様々な加工方法に対応しており、薄肉化による小型軽量化に加え、組立性の向上にも寄与する。主な用途は、電動車用のオンボードチャージャー (OBC)、駆動用インバータ、DC/DCコンバータ、リチウムイオン電池 (LiB) の絶縁部品や産業機器の高電圧電源装置の絶縁部品、高電圧化に対応する周辺機器の絶縁用途などである。
今後は、サンプル提供を通じて顧客評価を進め、年間売上10億円を目標に、開発と市場展開を加速するとしている。
◆価格改定
・サンエー化研が軽包装部門、産業資材部門、機能性材料部門の各種製品を4月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、軽包装部門の全品種:5~10%、産業資材部門の布粘着テープ用機材・各種フィルムセパレーター:5%、紙粘着テープ用機材・特殊テープ用機材・セパレーター・シリコン特殊粘着テープ:10%、機能性材料部門のサニテクトタイプ、PACタイプ、SATタイプ他全品種:10~15%