2025.08.07 発行
次週(8月14日号)は、お盆期間と重なる為、メールマガジンの配信はお休みさせて頂きます。
次回は8月21日の配信を予定しております。
◆樹脂:DICが千葉工場にエポキシ樹脂プラントの新設を決定(8月1日)
◆建材:出光興産と東亜道路工業が相互でポリマー改質アスファルトの製造委託を開始(8月1日)
◆フィルム:三菱ケミカルがジェイフィルムの株式を丸の内キャピタルに譲渡(8月1日)
◆水素:富士電機と三菱ガス化学が水素燃料電池システムの共同実証に向けた検討を開始(8月1日)
◆電池材料:旭化成と豊田通商がリチウムイオン電池用セパレータのキャパシティライト契約を締結(7月31日)
◆電池材料:第一工業製薬が四日市工場に負極用水系複合接着剤の製造設備投資を決定(7月29日)
◆フィルター:ウイルス除去フィルター「プラノバ」の新紡糸工場の建設決定(7月29日)
◆電子材料:古河電気工業が低誘電材料「Smart Cellular Board」の新ラインアップSCB-PPSを開発(7月29日)
◆医薬品製造:ENEOSが高性能ニッケル触媒用配位子を開発し北興化学にライセンス供与(7月29日)
◆水素:エア・ウォーターが合弁会社エア・ウォーターK&Oを設立し低炭素水素製造拠点を新設(7月28日)
◆アクリル酸:BASFが湛江フェアブント拠点におけるアクリル酸生産設備の建設工事を完了(7月28日)
◆価格改定
・東洋インキが段ボール、紙袋用フレキソインキを8月20日出荷分より値上げ
・東ソーが塩化カルシウム液を9月1日出荷分より値上げ
・関西ペイント販売が塗料およびシンナー製品を9月20日出荷分より値上げ
◆樹脂:DICが千葉工場にエポキシ樹脂プラントの新設を決定(8月1日)
DICは、千葉工場にエポキシ樹脂プラントを新設することを発表した。
同社はエポキシ樹脂を原料から製品まで一貫して分子設計する開発体制と、長年培ってきた量産化ノウハウを強みに、エレクトロニクス分野において最先端の樹脂を提供してきた。なかでも、通信技術の高速大容量化によって、高耐熱化・寸法安定性の向上・伝送損失の低減が求められる半導体用途において、同社のエポキシ樹脂は不可欠な素材となっており、半導体需要の拡大に伴い安定供給の重要性が高まっている。
一方で、同社の千葉工場におけるエポキシ樹脂の既存生産プラントだけでは将来的な需要増加に対して供給能力が不足するという課題を抱えている。この課題を踏まえ、同工場の既存プラントの隣接地に新規プラントを建設することで、エポキシ樹脂の中長期的な生産能力の確保や新規生産プロセスの導入による世界トップレベルの品質や生産性向上を実現し、競争力の強化を図る。
なお、今回の投資決定は、経済安全保障推進法に基づく「供給確保計画」として経済産業省から認定されたものであり、最大助成額30億円の支援を受けて、半導体用エポキシ樹脂の生産能力を約59%増強する。供給開始は2029年7月の予定としている。
◆建材:出光興産と東亜道路工業が相互でポリマー改質アスファルトの製造委託を開始(8月1日)
出光興産と東亜道路工業は、中部・近畿・中国エリアでポリマー改質アスファルト規格品(以下、ポリマー改質アスファルト)の製造委託(OEM)を相互で行う提携を開始することを発表した。
運転手の長時間労働に対する規制やドライバー不足を背景とし、物流の効率化が求められている。そこで両社は道路舗装の基盤材料であるアスファルトの物流において、本提携を通じて互いのポリマー改質アスファルトを製造し、自社の製品を近隣の納入先へ運送することで、物流の効率化を図る。具体的には、出光興産の山口県の拠点で東亜道路工業のポリマー改質アスファルト(Ⅱ型およびH型)を、東亜道路工業の大阪府および愛知県の拠点で出光興産のポリマー改質アスファルト(Ⅲ型、Ⅲ型WおよびH型)を製造し、納入時には自社の顧客により近い拠点から製品を運送する。
両社は本提携を通じ、物流の効率化と製品の安定供給につなげるとしている。
◆フィルム:三菱ケミカルがジェイフィルムの株式を丸の内キャピタルに譲渡(8月1日)
三菱ケミカルは、完全子会社であるジェイフィルムの全株式を、丸の内キャピタルが管理・運営する丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合の特別目的会社に譲渡することを発表した。
ジェイフィルムは1955年の設立以来プラスチックフィルムおよびラミネート製品を中心とした包装資材の製造・販売に取り組んできた。これまで蓄積したフィルム加工のノウハウやラミネート技術が評価され、国内の食品包装を中心に幅広く採用されている。
三菱ケミカルは、ジェイフィルムの持続的な発展には、ベストオーナーのもとで競争力の強化を図ることが最善だと判断し、同社が保有するジェイフィルムの全株式を丸の内キャピタルへ譲渡することを決定した。株式譲渡は2025年12月29日に完了する予定としている。
◆水素:富士電機と三菱ガス化学が水素燃料電池システムの共同実証に向けた検討を開始(8月1日)
富士電機と三菱ガス化学は、燃料電池と、メタノールを原料とする水素生成器を統合した発電システムの共同実証に向けた検討を開始すると発表した。
水素と酸素を化学反応させて電気を発生させる水素燃料電池は、CO2を排出しないクリーンな発電方式として期待されている。しかし、燃料である水素の貯蔵や輸送に関する技術の確立やコスト面での制約が課題となっている。水素キャリアの一つであるメタノールは、常温常圧下で液体であるため貯蔵・輸送が容易で、既存インフラの活用が可能であることから、メタノールを用いて消費地で水素を生成する手法が有力な選択肢として期待されている。
今回、両社の技術と知見を融合し、メタノールから水素を生成し発電するまでを効率的かつ低コストに行う「メタノール改質型水素燃料電池システム」の商用化に向けた実証(2026年度中に開始予定)の検討を始める。本システムでは、グリーンメタノールを利用することで、メタノール改質時に水素と共に発生するCO2をオフセットすることが可能である。これによりクリーンエネルギーとして、データセンターや工場などにおける停電時のバックアップ電源やピークカットのための発電システム等、効果的な用途への適用に向けた市場開拓と創出を推し進めるとしている。
◆電池材料:旭化成と豊田通商がリチウムイオン電池用セパレータのキャパシティライト契約を締結(7月31日)
旭化成は、同社の連結子会社であるAsahi Kasei Battery Separator America(以下、AKBSA」)と、豊田通商の子会社であるToyota Tsusho America(以下、TAI)が、車載用リチウムイオン電池向けにAKBSAが供給するLIB用セパレータ「ハイポア」のキャパシティライト契約を締結したと発表した。
本契約は、TAI向けにAKBSAの「ハイポア」のキャパシティ(生産供給能力)の一部を確保し、優先的に提供することを取り決めたものであり、2027年中頃から契約に基づき、AKBSAは現在新設中の米国ノースカロライナ州シャーロット工場のセパレータ塗工設備からTAI向けに「ハイポア」を供給する予定である。
旭化成は、本契約を通じ、市場の変動リスクを軽減しつつ、リソースを効率的に活用しながら、安定的な供給を維持する。また、豊田通商は、シャーロット工場で製造されたLIB用セパレータを北米の車載用LIBメーカーへ安定的に供給することで、車載用電池サプライチェーンの構築を推進するとしている。
◆電池材料:第一工業製薬が四日市工場に負極用水系複合接着剤の製造設備投資を決定(7月29日)
第一工業製薬は、リチウムイオン二次電池のさらなる需要増加に対応するため、四日市工場霞地区に負極用水系複合接着剤(バインダー)「エレクセル CRシリーズ」の新たな製造設備投資を決定したことを発表した。
エレクセルCRシリーズは、高容量化と長寿命化を実現するリチウムイオン二次電池用の水系複合接着剤である。シリコン系負極材料の充放電時に生じる膨張・収縮による性能低下を防ぎ、シリコン系活物質100%配合系に適用可能である。その性能が評価され、現在、大手電池メーカーに採用されている。
今回の設備投資計画は、2025年5月に滋賀工場で実施した増強投資に続くものであり、投資額は約30億円、2027年度の稼働開始を予定している。これにより、製造能力の強化と安定供給体制の確立を図るとしている。
◆フィルター:ウイルス除去フィルター「プラノバ」の新紡糸工場の建設決定(7月29日)
旭化成ライフサイエンスは、ウイルス除去フィルター「プラノバ」の将来的な需要拡大への対応を目的として、宮崎県延岡市に新たな紡糸工場を建設することを発表した。
プラノバは、バイオ医薬品や血漿分画製剤といった生物学的製剤の製薬プロセスに用いられており、ウイルス除去性能とタンパク質透過性に優れたセルロース製中空糸型フィルターとして、国内外で高い評価を受けている。同社は2021年に次世代セルロース膜「プラノバS20N」、2024年に高い透水性を特徴とした「プラノバFG1」を発売している。
現在、製薬会社における新薬の開発および商業生産化へのニーズが急速に高まっており、生物学的製剤の生産に必要なウイルス除去フィルターの需要も増加傾向にある。こうした状況を受け、同社は2024年5月に、宮崎県延岡市にて「プラノバ」の新組立工場を竣工し、供給能力の強化を図ってきたが、今後のさらなる需要増に備え、今回の新紡糸工場建設を決定した。本工場では、「プラノバS20N」「プラノバ15N、20N、35N、75N」の製造を2030年1月より開始する予定としている。
◆電子材料:古河電気工業が低誘電材料「Smart Cellular Board」の新ラインアップSCB-PPSを開発(7月29日)
古河電気工業は、低誘電材料「Smart Cellular Board(以下、SCB)」の新ラインアップとして、従来のSCBが強みとする低い比誘電率(Dk)、誘電正接(Df)、軽量性に加え、高い耐熱性と難燃性を兼ね備えたSCB-PPSを開発したことを発表した。
SCB-PPSは、PPSが本来持つはんだ耐熱レベルの耐熱性と難燃性を備えており、PPSリジッド品との従来比で比誘電率(Dk)と誘電正接(Df)を約40%、密度を約70%低減した。これにより、基地局のアンテナ基板やレドーム等の高出力機器付近や屋外設置といった高温環境でも安全に使用できるとともに、5Gや6Gに用いられる高周波での誘電損失がさらに少なくなり、設置場所の制約がある基地局の構造負荷の軽減にも寄与する。また、加工工程で受ける熱に耐えられることから、フレキシブルプリント基板などにも使用できる。
同社は本品のサンプル提供を2025年8月に開始する予定としている。
◆医薬品製造:ENEOSが高性能ニッケル触媒用配位子を開発し北興化学にライセンス供与(7月29日)
ENEOSは、福岡大学と連携し、ニッケル触媒カップリング反応向けの高性能な配位子「トリイソブチレン(TIB)骨格を有するアルキルホスフィン」(TIBホスフィン配位子)を新たに開発したことを発表した。
今回、同社は、「遠隔位に2つのtert-ブチル基を有する1級アルキル基をリン原子に結合させた」ホスフィン配位子が、ニッケル触媒カップリング反応活性を向上させるという世界初の触媒設計とすることで、石油化学由来で安価に調達できるTIB骨格を有したホスフィン配位子の合成・単離に成功した。このTIBホスフィン配位子は空気中で安定である上、パラジウムより調達が容易なニッケル触媒を用いたカップリング反応にて、反応原料の組み合わせによっては従来より高い収率を達成することができた。
ENEOSは、この成果を医薬品製造等に役立てるべく、国内最大手のホスフィン化合物メーカーである北興化学工業にライセンス供与する契約を締結した。北興化学工業は、9月よりTIBホスフィン配位子の少量サンプル販売を開始する予定としている。
◆水素:エア・ウォーターが合弁会社エア・ウォーターK&Oを設立し低炭素水素製造拠点を新設(7月28日)
エア・ウォーターは、同社グループのエア・ウォーター・グリーンデザインと、K&Oエナジーの子会社である関東天然瓦斯開発が合弁会社エア・ウォーターK&Oを設立し、千葉県茂原市に低炭素水素の製造拠点を新設することを発表した。
エア・ウォーターK&Oでは、関東天然瓦斯開発が採取・供給している千葉県産の天然ガスを水素の原料とし、天然ガス改質型水素ガス製造装置「VHR」とCO2回収装置を新設し、2027年度の操業開始を目指す。千葉県産の天然ガスとクリーン電力を使用し、水素製造時に発生するCO2を回収することにより、低炭素水素製造を実現する。今後、増加が見込まれる水素需要に対応するとともに、CO2排出量の削減に貢献し、また回収したCO2をドライアイスの原料として活用することで、需給がひっ迫する炭酸ガス・ドライアイスの安定供給につなげるとしている。
◆アクリル酸:BASFが湛江フェアブント拠点におけるアクリル酸生産設備の建設工事を完了(7月28日)
BASF(本社:ドイツ) は、湛江のフェアブント拠点(統合生産拠点)において、精製アクリル酸(GAA)およびアクリル酸ブチル(BA)の工場を含むアクリル酸生産設備の第一段階の建設工事が完了したことを発表した。
アクリル酸は、高吸水性樹脂を製造するための重要な原料である。アクリル酸エステルの一種であるアクリル酸ブチルは、接着剤や建築用塗料、工業用塗料の製造に広く使用されている。
同工事の完成により、アクリル酸バリューチェーンにおける同社の生産能力はさらに強化される。また、高品質で競争力のある製品を、より短いリードタイムで確実に供給し、中国およびアジア全域で急速に拡大するアクリル酸の需要に対応することが可能になる。
湛江のフェアブント拠点のアクリル酸生産設備は、2025年までに稼働を開始する予定で、アクリル酸ブチル(BA)の年間生産能力は約40万トンである。同拠点は、BASFが単独で運営し、ドイツのルートヴィッヒスハーフェン、ベルギーのアントワープに次ぐ、世界第3位の規模のフェアブント拠点になるとしている。
◆価格改定
・東洋インキが段ボール、紙袋用フレキソインキを8月20日出荷分より値上げ
値上げ幅は、色インキ:60円以上
メジウム、OPニス:60円以上
添加剤、洗浄剤:60円以上
上記以外の特殊品や調色品に関しては別途担当者よりご案内
・東ソーが塩化カルシウム液を9月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、15円/kg以上(固形換算)
・関西ペイント販売が塗料およびシンナー製品を9月20日出荷分より値上げ
値上げ幅は、5~20%相当