2025.08.28 発行
◆電子材料:旭化成が感光性絶縁材料(感光性ポリイミド)製品「パイメル」の生産能力の増強を発表(8月22日)
◆ファインケミカル:増田化学工業がファインケミカル生産設備を増強(8月22日)
◆電子材料:三井金属が薄型基板内蔵キャパシタ材料「FaradFlex」の生産体制の追加増強を発表(8月21日)
◆電子材料:三井金属が高周波基板用電解銅箔「VSP」の生産体制の追加増強を発表(8月20日)
◆電子材料:ノリタケがGaNウエハー用研磨パッドの開発に成功(8月20日)
◆サスティナブル:住友化学がエタノールからプロピレンを直接製造する独自プロセスのスケールアップを達成(8月20日)
◆インク:DICグラフィックスが環境対応型の次世代グラビアインキ「フィナートBM EX」を発売(8月20日)
◆CO2回収:住友化学とJFEエンジニアリング、ごみ焼却処理施設で国内初のCO2膜分離回収実証試験に着手(8月19日)
◆コーティング剤:DICがインドネシアにサステナブルで食品接触可能なコーティング剤の生産設備を新設(8月19日)
◆紙用塗工剤:ハリマ化成グループがバイオマス系紙用透明化剤を開発(8月19日)
◆価格改定
・クラレが耐熱性ポリアミド樹脂を9月1日出荷分より値上げ
・UBEがナイロン製品を10月1日出荷分より値上げ
◆電子材料:旭化成が感光性絶縁材料(感光性ポリイミド)製品「パイメル」の生産能力の増強を発表(8月22日)
旭化成は、感光性絶縁材料「パイメル」の将来的な需要拡大への対応を目的として、生産能力増強の設備投資を決定したと発表した。
近年、先端半導体の高度化・高集積化に伴い、半導体保護膜・層間絶縁膜市場は持続的な成長を遂げている。
中でも急速な技術革新が進む生成AIなどの先端半導体向け層間絶縁膜市場は、足元では年平均8%で成長しており、2030年ごろまではその勢いが続くと見込まれている。同社では、これらの需要に対応する体制を整えるため、2024年12月に、静岡県富士市にて同品の新工場を竣工し、供給能力の強化を図ってきた。今後も増大する需要に応えるため、さらなる生産能力の増強を目的として本計画を決定した。
今回の投資金額は約160億円であり、2028年度上期に商業運転を開始する予定である。生産量は2024年度比で2030年時点は2倍になる予定としている。
◆ファインケミカル:増田化学工業がファインケミカル生産設備を増強(8月22日)
四国化成ホールディングスのグループ会社で化学品の製造を行う増田化学工業は工場敷地内に生産設備「MC-5」を新設することを発表した。
新たな生産設備は、2026年に着工、2027年4月の生産開始を目指している。新設後、1~3年目は1系列稼働とし、4年目以降は、2系列稼働を計画している。投資総額は約22億円の予定としている。
◆電子材料:三井金属が薄型基板内蔵キャパシタ材料「FaradFlex」の生産体制の追加増強を発表(8月21日)
三井金属は、マレーシア工場および上尾事業所にて製造している薄型基板内蔵キャパシタ材料「FaradFlex」の生産能力増強を完了し、さらに2026年3月までに、両拠点で生産能力を現在の約1.6倍まで増強することを発表した。
同社の FaradFlexは、各種情報通信機器の高速化・大容量化に向けて課題である通信ノイズを低減する材料として、高性能のルーター・サーバー機器やスーパーコンピュータ向けの高多層基板、スマートフォンに内蔵されるMEMSマイクロフォンなどに使用されている。足元はAIインフラ関連、スマートフォンおよびワイヤレスヘッドセットなどへの同社品の採用率の上昇に伴って需要が急増している。今後も市場の成長が見込まれていることから、FaradFlexの生産拠点であるマレーシア工場および上尾事業所の両拠点で生産能力を増強することとした。
現在、マレーシア工場と上尾事業所の2拠点体制における合算生産能力は、2022年から約2.2倍に増強が完了しているが、引き続き生産設備の増設や現有設備でのさらなる生産性改善を進める事で、2026年3月までに約1.6倍(2022年比較で約3.5倍)の生産体制に増強する計画としている。
◆電子材料:三井金属が高周波基板用電解銅箔「VSP」の生産体制の追加増強を発表(8月20日)
三井金属は、現在台湾工場およびマレーシア工場にて製造している高周波基板用銅箔「VSP」の生産体制について、両工場で生産能力を追加増強することを発表した。
同社の高周波基板用電解銅箔「VSP」は、高周波数帯におけるプリント基板の伝送損失低減に寄与することから、サーバー、ルーター、スイッチ等の高性能通信インフラ機器に採用されている。足元は、AIインフラ関連、特にHVLP5グレード品が開発から量産フェーズに移行するなど、同社のVSPの需要が当初の計画以上に加速度的に増加しており、今後も更なる拡大が期待されている。
このような状況を受け、2025年1月に公表した420t/月体制から580t/月体制の増強に加え、台湾工場にて現有設備でのさらなる生産性改善を進めた結果、両工場合算で 420t/月から620t/月への増強を完了した。
また、今後は両工場において現有設備の転用等による追加増強を段階的に図り、2026年3 月までに生産能力720t/月、9月までに840t/月体制へ増強するとしている。
◆電子材料:ノリタケがGaNウエハー用研磨パッドの開発に成功(8月20日)
ノリタケは、高速通信向けなどに用いられる窒化ガリウム (GaN) ウエハー用の研磨パッドを開発したと発表した。
高速通信では、高い周波数の電波が使用されている。そのため、基地局やデータセンターで用いられる通信デバイスでは、高周波に対して高速で安定した動作が求められており、より高い周波数で動作でき、高電圧・大電流にも耐えられるGaN半導体の使用拡大に向けた研究が進んでいる。
通信デバイスの製造工程では、半導体ウエハー上に微細な回路を形成するために、研磨パッドを用いてウエハー表面を研磨し平坦化する必要がある。しかし、GaNは研磨加工が難しく、加工時間が長いという課題がある。GaNウエハーを短時間で研磨するために、強酸性領域での研磨が求められているが、半導体分野で広く用いられている研磨パッドでは、強酸性領域での使用に耐えられず劣化する。また、研磨剤スラリーは使用後に産業廃棄物となるため、低減が必要である。
ノリタケは、有機物と無機物を複合する独自技術で、強酸性領域に耐えられる研磨パッドを開発した。本開発品は、GaNウエハー研磨の加工時間短縮と、寿命延長を達成し、産業廃棄物の低減にも貢献するとしている。
◆サスティナブル:住友化学がエタノールからプロピレンを直接製造する独自プロセスのスケールアップを達成(8月20日)
住友化学は、エタノールからプロピレンを直接製造する新規プロセスのパイロット設備を千葉工場袖ケ浦地区に新設し、稼働を開始したことを発表した。
プロピレンは、現在、日本ではナフサを原料として製造され、基幹化学品として幅広い用途に用いられている。エタノールはバイオマスから製造することができ、近年では可燃ごみから大量生産する技術の確立が見込まれるなど、化石資源に代わる原料として期待が高まっている。
同社が開発中の同プロセスは、エタノールを原料としてプロピレンを直接製造することが特長である。エチレン等を経由せず、一工程で目的物とするプロピレンを製造するため、低コスト化が見込める。また水素を副生する利点も有しており、バイオエタノールを原料とする場合は、バイオ由来の水素を得ることができる。
今後同社は、同プロセスで得られたプロピレンを用いたポリプロピレンのマーケティング活動を幅広く行い、30年代前半の事業化および他社への技術ライセンス供与を目指すとしている。
◆インク:DICグラフィックスが環境対応型の次世代グラビアインキ「フィナートBM EX」を発売(8月20日)
DICの子会社であるDICグラフィックスは、食品包装向けの環境対応型グラビアインキ「フィナートBM EX」を2025年8月より発売することを発表した。
食品包装材に求められる安全性や環境対応の基準は年々厳しさを増しており、インキにも高性能と脱炭素などの持続可能性が求められている。同品は、従来品の「フィナートBM」と同じく植物由来原料使用によるバイオマス度10%を実現しながら、ラミネート強度や印刷濃度の性能を大幅に向上させた。さらに、特殊原料の使用を極力避けた配合設計により、従来品と比べて原材料供給リスクを抑えた製品となっている。現在のカラーバリエーションは、プロセス4色、白、メジューム、その他11色になるが、今後、金・銀系のメタリックカラーの展開も予定しており、高級パッケージ市場への対応を視野に入れている。
同社は、本製品をバイオマス原料使用による温室効果ガス排出低減効果は維持しながらラミネート強度や印刷濃度などの性能向上を実現させる次世代インキとして位置づけ、食品包装業界における新たなスタンダードを目指すとしている。
◆CO2回収:住友化学とJFEエンジニアリング、ごみ焼却処理施設で国内初のCO2膜分離回収実証試験に着手(8月19日)
住友化学とJFEエンジニアリングは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託している「グリーンイノベーション基金事業/CO2の分離回収等技術開発」において、独自の膜技術を用いたCO2分離回収の実証試験を共同で行うことを発表した。
カーボンニュートラル実現に向けて、発電や産業設備の排ガスからCO2を分離回収する技術の必要性が高まる一方、ごみ焼却処理施設や小規模工場では設備の小型化・低コスト化が課題となっている。住友化学は2022年5月よりOOYOO(ウーユー)と共同で低圧・低濃度CO2の低コスト分離回収技術を開発し、実機サイズの分離膜エレメントおよびモジュールの製造に成功してきた。
今回の実証試験では、住友化学がCO2分離膜モジュールの組み立て加工や基礎設計を行い、10%以下の低濃度CO2を含むごみ燃焼排ガスから低エネルギーでCO2を分離回収できるシステムを提供する。一方、JFEエンジニアリングは、CO2分離回収プロセスの詳細設計に加え、CO2分離回収システムを組み込むことが可能なCO2分離回収試験設備の設計・据付・運用を行う。本設備を川崎市浮島処理センターに導入し、26年3月から運転を開始するとしている。
◆コーティング剤:DICがインドネシアにサステナブルで食品接触可能なコーティング剤の生産設備を新設(8月19日)
DICは、インドネシアの子会社であるPT.DICグラフィックスの工場内に、食品接触可能な機能性コーティング剤の生産設備を新設したことを発表した。
世界的にサーキュラーエコノミーへの移行が進む中、プラスチックの使用量の削減や再利用可能な素材への転換が求められている。従来の食品包装材では、耐水性や耐油性を持たせるためにラミネート加工されたプラスチックが使用されていたが、リサイクルが困難であった。同社の機能性コーティング剤は、基材に塗布することで必要な機能を付与でき、リサイクル適性に優れたパッケージの単一素材化を実現する。これにより、リサイクル性の高いパッケージの開発と生産が可能になる。
本設備は食品衛生管理に関する国際規格「HACCP(ハサップ)」に則った設計を採用している。また、インドネシアのハラル認証に対応し、食品や医薬品などの製品の品質と安全性を確保するための基準である「GMP基準」も準拠している。本設備は今後の需要拡大が期待されるサステナブルパッケージへの対応を目的としており、中国を含むアジア諸国およびオセアニアの市場に向け、2030年までに年間1,000トンの生産を目指すとしている。
◆紙用塗工剤:ハリマ化成グループがバイオマス系紙用透明化剤を開発(8月19日)
ハリマ化成グループがバイオマス系紙用透明化剤を開発したことを発表した。
近年、環境意識の高まりから、包装材料分野ではプラスチックをバイオマス素材に置き換える動きが進んでいるが、紙は不透明であるため包装材として用途が限られていた。従来はプラスチックフィルムを貼り付ける方法が一般的であったが、工程が増えリサイクルも困難であり、また既存の透明化剤は石油由来でサステナビリティへの課題が残っていた。
この透明化剤は松由来のロジンからできており、紙に塗工することで塗工部を透明にするという特殊な機能を持っている。また、石化製品と同等の透明度や強度を持ちながらリサイクル性に優れ、機能性の高い紙包装材を実現する。プラスチックフィルム代替となる紙製品市場は、食品包装や容器を中心に拡大しており、国内では2027年に35億円に達すると予測されている。
新開発の透明化剤は食品用途にも対応可能で、包装材市場に新たな可能性をもたらす。今後は市場投入に向けて顧客探索を行い、社会実装を目指すとしている。
◆価格改定
・クラレが耐熱性ポリアミド樹脂を9月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、国内向け:200円/kg、海外向け:1.50米ドル/kg
・UBEがナイロン製品を10月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、ナイロン6:150円/kg、ナイロン66:200円/kg、ナイロン12:400円/kg