2025.08.21 発行
◆非鉄金属:JX金属が低品位銅鉱石活用技術の適用拡大に向けた丸紅との共同営業活動の開始を発表(8月8日)
◆高吸水性樹脂:日本触媒のインドネシア子会社が高吸水性樹脂(SAP)の製造設備の増設起工式を開催(8月8日)
◆LNG:千代田化工建設が西部ガスのひびきLNG基地能力増強に係るプラント設備のEPC業務を受注(8月8日)
◆セルロース:トヨタ紡織、日本製紙らの「低コスト・高耐衝撃セルロース構造材料の研究開発」がNEDO先導研究プログラム
に採択(8月7日)
◆LNG:日揮グローバルが米国フルア・コーポレーションと共同でカナダのLNG Canada社向けLNG Canada第2期拡張計画の
基本設計のアップデート役務を受注(8月6日)
◆電子材料:東京応化工業が韓国子会社における平澤工場の新設を決定(8月6日)
◆液化ガス:エア・ウォーターがインド・チェンナイの液化ガス製造プラントの稼働開始を発表(8月6日)
◆医薬品:住友化学の子会社が再生・細胞医薬CDMOの生産能力を増強(8月5日)
◆カーボン:ブリヂストンがメキシコのカーボンブラック事業をキャボットに譲渡(8月5日)
◆バイオガス:旭化成がバイオガス精製システムの技術ライセンスパートナー探索を本格的に開始(8月5日)
◆非鉄金属:三菱マテリアルが小名浜製錬所での銅精鉱処理縮小を発表(8月4日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの8月の契約価格を改定
・東ソーがクロロプレンゴムを9月19日出荷分より値上げ
◆非鉄金属:JX金属が低品位銅鉱石活用技術の適用拡大に向けた丸紅との共同営業活動の開始を発表(8月8日)
JX金属は、丸紅と同社が独自に開発した低品位の銅鉱石から銅を回収する技術「JXヨウ素法」について、共同で営業活動を開始することを発表した。
銅は脱炭素化の進展に伴い今後さらに需要が拡大していくことが見込まれているが、既存銅鉱山においては鉱石中の銅の低品位化が進行し、安定供給への懸念が高まっている。また、新規銅鉱山の開発が進められているが、奥地化・高地化に加え、環境保全の観点から、持続可能な形での開発が求められており、年単位の開発期間がさらに長期化する傾向にある等、供給面での課題が顕在化しつつある。
JX金属は、従来技術に比較的簡便な追加設備のみで、未利用資源とされている低品位の初生硫化鉱から銅を回収できる「JXヨウ素法」の特許および操業ノウハウを保有している。本技術は、銅の安定供給のみならず、鉱山の山命延長、一層の競争力強化、より効率的・長期的な事業運営の可能性にもつながるものである。
本共同営業では、丸紅が有するクロスボーダーなネットワークを活用し、銅の最大生産国であるチリ国をはじめとする各国の鉱山会社に対して、ライセンス供与や導入サポートによる適用拡大を進めていくとしている。
◆高吸水性樹脂:日本触媒のインドネシア子会社が高吸水性樹脂(SAP)の製造設備の増設起工式を開催(8月8日)
日本触媒は、インドネシア子会社であるNIPPON SHOKUBAI INDONESIA(以下、NSI)が、インドネシアのバンテン州チレゴン市にて高吸水性樹脂(以下、SAP)製造設備増設の起工式を行なったことを発表した。
主に紙おむつに使用されるSAPは、日本触媒グループのコア事業のひとつである。その需要は堅調に推移しており、特にアジア圏内での需要が旺盛である。日本触媒グループは、日本、米国、欧州、中国、インドネシアにSAPの生産拠点を有し、グローバルな供給網を構築しているが、今回、NSIにおける既存のアクリル酸(SAP原料)生産能力を活用し、SAP生産能力をさらに増強することを決定した。
NSIのSAPの生産能力は、既存の生産能力9万トン/年から5万トン/年引き上げ14万トンとなる。今回の設備投資額は約110百万米ドル、2027年7月に商業運転を開始する予定としている。
◆LNG:千代田化工建設が西部ガスのひびきLNG基地能力増強に係るプラント設備のEPC業務を受注(8月8日)
千代田化工建設は、西部ガスより、ひびきLNG基地能力増強に係るプラント設備のEPC業務を受注したことを発表した。
本件は、カーボンニュートラルを背景とした低・脱炭素社会への実現に向けて、西部ガスが現在2基のLNGタンクを有するひびきLNG基地に、タンク1基の新たな増設とそれに伴うプラント能力を増強するものである。
同社は本プロジェクトにおいて、プラント設備のEPC業務を遂行し、2029年度上期の完工に向けて取り組んでいくとしている。
◆セルロース:トヨタ紡織、日本製紙らの「低コスト・高耐衝撃セルロース構造材料の研究開発」がNEDO先導研究プログラムに採択(8月7日)
トヨタ紡織、日本製紙、京都大学、京都市産業技術研究所は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先導研究プログラムに、「低コスト・高耐衝撃セルロース構造材料の研究開発」が採択されたことを受け、共同研究を本格的にスタートしたことを発表した。
この研究は、木材などから得られる植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)を活用した低コスト、高耐衝撃、軽量・高剛性かつカーボンニュートラルな構造材料の実用化を目指すものである。
CNFは大気中のCO2を吸収・固定し、軽量かつ高剛性という特性を備えることから地球環境に優しい素材として注目されている。一方で、製造コストの高さや耐衝撃特性、部品製造時の成形加工性における課題があり、自動車部品を含めた構造部材への実用化が遅れている。
本プロジェクトでは、自動車部品メーカーであるトヨタ紡織がリーダーとなり、日本製紙、京都大学、京都市産業技術研究所と連携し、開発を進めていく。
今後、戦略的に研究開発を推進することにより、早期社会実装、次期大型国家プロジェクトへの発展を目指すとしている。
◆LNG:日揮グローバルが米国フルア・コーポレーションと共同でカナダのLNG Canada社向けLNG Canada第2期拡張計画の基本設計のアップデート役務を受注(8月6日)
日揮ホールディングスは、海外EPC事業会社である日揮グローバルが米国フルア・コーポレーションと共同で、カナダのLNG Canada社向けLNG Canada拡張プロジェクトの基本設計のアップデート役務及び設計・調達・建設工事に係る見積役務を受注したことを発表した。
本プロジェクトは、年産約1,400万トン(700万トン×2系列)のLNG生産能力を有するLNG Canadaプロジェクトの隣接地に液化設備等を増設し、生産能力を倍増させるものである。
日揮ホールディングスは、環境負荷の少ないLNGプラントの建設を通して、エネルギートランジションの実現に向けて取り組んでいくとしている。
◆電子材料:東京応化工業が韓国子会社における平澤工場の新設を決定(8月6日)
東京応化工業は、連結子会社である韓国のTOK尖端材料(以下、TOKAM)において、同地域において2番目の拠点となる平澤工場を韓国京畿道平澤市の工場用地に建設することを発表した。
同社は韓国におけるフォトレジストの研究開発・製造・販売拠点として、2012年にTOKAMを設立した。以来、TOKAMは韓国における同社グループ製品の採用拡大をけん引してきたが、さらなる需要の拡大に応えるため、新たな工場用地の取得を決定した。
当該工場では韓国における高純度化学薬品の安定した供給体制の構築に向けて、第1期として高純度化学薬品の製造棟を新設する。新製造棟では最先端半導体製造に求められる高い清浄度を有したクリーンルームエリアを備え、より高品質な製品の製造を実現する。投資金額は約120億円であり、稼働開始は2027年下期を予定している。
同社は今後、韓国における需要を見極めながらエレクトロニクス機能材料の供給能力増強投資も検討していくとしている。
◆液化ガス:エア・ウォーターがインド・チェンナイの液化ガス製造プラントの稼働開始を発表(8月6日)
エア・ウォーターは、同社グループ会社であるAir Water India(エア・ウォーター・インディア)がインド南部チェンナイ工場内に建設を進めていた液化ガス製造プラントが完成し、稼働を開始したことを発表した。
今回プラントを新設した南部エリアは、自動車関連産業の一大集積地であり、日系企業が多数進出していることに加えて、近年では電気自動車や電子部品関連の工場も数多く立地している。
エア・ウォーター・インディアでは、これまで主にベッラーリ工場(カルナータカ州)で製造する産業ガスをチェンナイ含む南部エリアの顧客に供給してきたが、年々高まるガス需要に対応するためチェンナイ工場内に液化ガス製造プラントを新設した。同工場の製造品目は、液化酸素、液化窒素、液化アルゴンであり、製造能力は、6,900Nm3/h(230トン/日)である。今後、サプライチェーン強化により、チェンナイ周辺の製造業向け産業ガスや医療ガス需要を獲得していく。
同社では、インドでのプラント建設やオペレーションに関わる技術力を強化し、2027年度に現在の約1.5倍となる売上収益300億円を目指すとしている。
◆医薬品:住友化学の子会社が再生・細胞医薬CDMOの生産能力を増強(8月5日)
住友化学は、子会社で再生・細胞医薬分野の製法開発、製造などのCDMO事業を行うS-RACMOにおいて、第3棟の再生・細胞医薬製造施設「CRAFT」(以下、本施設)を竣工したことを発表した。
本件は、旺盛な顧客需要により製造能力がひっ迫するなか、生産能力を高めるための設備投資の一環として実施した。今回の増設により生産能力は従来比約2倍となる。今後、さらなる事業拡大に向け、第4棟の新設等も予定している。
また、S-RACMOは、本施設を使用する製造受託案件の引合いを複数獲得していることから、新たに約150億円を投資し、既存施設の設備増強や第4棟の新設などを行う計画である。
さらに、S-RACMOは、住友化学の子会社であるRACTHERAがパーキンソン病を対象として開発を進める「非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞」の製造も担う。上記投資計画の一環として本製品の製造体制の強化も行う。
住友化学は、当面の成長ドライバーと位置づけるアグロ関連およびICT関連に続く次の成長領域として、アドバンストメディカルソリューション部門の育成に中長期的な視点で取り組んでおり、S-RACMOが担う再生・細胞医薬CDMO事業をその中核の一つと位置付けていくとしている。
◆カーボン:ブリヂストンがメキシコのカーボンブラック事業をキャボットに譲渡(8月5日)
ブリヂストンは、カーボンブラックの製造・販売を行うグループ会社Mexico Carbon Manufacturing(以下、MXCB)を、Cabot(以下、キャボット)へ譲渡する契約を締結したことを発表した。
ブリヂストンはプレミアムタイヤ事業において材料開発から原材料調達、生産、物流、販売に至るバリューチェーン全体の生産性と創造性の向上を進めている。今回のMXCBの事業譲渡は、この取り組みの一環である。カーボンブラック内製事業については、専門知見やネットワークを持つパートナー企業との連携が活きる領域において事業再構築を進めている。
キャボットとは長期的にパートナー関係を築いており、今回の譲渡によりキャボットの供給体制や技術をさらに活用し、事業環境の変化に対応しながら競争力の強化を目指す。あわせて、持続可能なサプライチェーンの構築を推進し、社会価値および顧客価値の向上を図る。
なお、プレミアムタイヤやモータースポーツタイヤ、サステナビリティ分野など、独自のノウハウが不可欠な領域においては、グループ会社の旭カーボンが担うとしている。
◆バイオガス:旭化成がバイオガス精製システムの技術ライセンスパートナー探索を本格的に開始(8月5日)
旭化成は、岡山県の児島下水処理場で、バイオガス精製システムの実証試験において、実ガス環境下での初期評価の結果、メタンの高純度・高回収率の両立に成功し、本技術のグローバル展開に向けたライセンスパートナーの探索を開始することを発表した。
再生可能エネルギーの導入が世界的に加速しており、その中でもバイオメタンは、既存の天然ガスインフラを活用できる持続可能なエネルギー源として注目されている。同社はCO2を選択的に吸着するゼオライトの開発に成功しており、この技術基盤を基に、バイオガスからCO2を効率的に除去し、バイオメタンを高純度かつ高回収率で精製する本システムを開発した。本システムは、再生可能エネルギーであるバイオメタンの利活用拡大に貢献するとともに、カーボンニュートラル社会の実現にも資するソリューションである。
今後は、欧州やインドをはじめとする地域ニーズに応じた早期の社会実装につなげていく。その実現に向け、まずは実証において、より長時間の連続運転における性能検証とデータ蓄積を継続する。加えて、新たなパートナー企業や自治体との提携による商用スケールでの実証へと進め、2027年の上市を目指すとしている。
◆非鉄金属:三菱マテリアルが小名浜製錬所での銅精鉱処理縮小を発表(8月4日)
三菱マテリアルは、連結子会社である小名浜製錬の小名浜製錬所(福島県)において、銅精鉱処理を縮小する方向で検討を開始したことを発表した。
銅製錬事業を取り巻く外部環境については、鉱山会社から銅精鉱を購入する際の条件(TC/RC)が著しく悪化しており、製錬事業収益の低下が見込まれている。同社は、収益性の維持・向上のため、リサイクル原料比率を高め、TC/RCの影響を受けにくい原料構成へのシフトを加速させる必要があると判断した。小名浜製錬所では、10月から11月にかけて実施予定の定期修繕工事後より、生産設備を一部停止し、銅精鉱処理を縮小する具体的な検討を進めている。銅精鉱処理は縮小する一方、E-Scrap(廃電子基板)類の処理量は維持し、リサイクル原料比率を高めて収益力の向上を目指す。
なお、同社の直島製錬所では、2024年に投資計画の見直しを行い、銅精鉱の処理能力の増加を抑えつつ、E-Scrap類の処理能力を増強する方針のもと、生産設備の更新・拡張を計画的に進めているとしている。
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの8月の契約価格を改定
7月契約価格は、770$/t(前月比+10$/t)
国内価格換算想定値は120.8円/kg
・東ソーがクロロプレンゴムを9月19日出荷分より値上げ
値上げ幅は、国内:120円/kg以上、輸出:800$/トン以上