2025.05.15 発行
◆SAF:コスモ石油マーケティングが東京都「国産SAF利用促進事業」の第1号に採択(5月9日)
◆電子材料:富士フイルムとタタ・エレクトロニクス社がインドでの半導体材料エコシステム構築に向けた協力に合意(5月7日)
◆産学連携:三井金属が東北大学と未来創造材料共創研究所を設置(5月7日)
◆SAF:コスモエネルギーグループが国産SAFを関空発JAL便に初供給(5月7日)
◆CO2対策:出光興産がCO2除去(CDR)に特化した海外ファンドに出資(4月28日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの5月の契約価格を改定
・東洋紡が工業用フィルム製品を6月1日納入分より値上げ
◆SAF:コスモ石油マーケティングが東京都「国産SAF利用促進事業」の第1号に採択(5月9日)
コスモ石油マーケティングは、国内初の大規模生産による国産SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の羽田空港における供給について、東京都の国産SAF利用促進事業に採択されたことを発表した。
本事業は、航空燃料の脱炭素化のみならず、東京都の国際的な競争力向上、SAFの安定的な供給や市場の発展に寄与するため、国産SAFと海外産SAFとの価格差を補助する「国産SAF利用促進事業」として東京都が全国で初めて開始したものである。
対象となるSAFは、2021年にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「国産廃食用油を原料とするSAF製造サプライチェーンモデルの構築」助成事業として採択され取り組んできたものであり、コスモ石油、日揮ホールディングス、レボインターナショナルの3社により設立された合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが製造し、2025年度よりコスモエネルギーグループを通じて羽田空港に就航するエアラインに供給する。
羽田空港へ就航する航空会社において国産SAFのさらなる利用拡大が促進されるものと期待されており、同社グループは今後も航空輸送におけるSAF利用を推進し、資源循環とサステナブル社会の実現に貢献するとしている。
◆電子材料:富士フイルムとタタ・エレクトロニクス社がインドでの半導体材料エコシステム構築に向けた協力に合意(5月7日)
富士フイルムは、Tata Electronics Private Limitedとインドでの半導体材料の生産体制およびサプライチェーンの構築に向けた提携に関する基本合意書(MOU)を締結したことを発表した。
インドは、半導体のほぼすべてを輸入に依存しているが、現在インド政府は、経済的・戦略的な重要課題として半導体の国産化を進めている。タタ・エレクトロニクス社は、インドのグジャラート州ドレラに半導体前工程製造工場を、アッサム州ジャギロードに半導体後工程製造工場を建設中である。富士フイルムは、前工程から後工程まで幅広い半導体材料を持つことを強みとしており、タタ・エレクトロニクス社の半導体製造プロセスにおいて、ニーズに合った材料の開発と提供を加速することで、同社の半導体製造立上げを支援していく。
富士フイルムは今後、インドでの半導体材料工場の設立や原材料の調達も検討し、インド半導体関連市場の需要を取り込むことで半導体材料事業の成長をさらに加速させるとともに、同国における強固な半導体材料エコシステムの構築に寄与するとしている。
◆産学連携:三井金属が東北大学と未来創造材料共創研究所を設置(5月7日)
三井金属と東北大学は、東北大学片平キャンパス内に『三井金属×東北大学 未来創造材料共創研究所』を設置したことを発表した。
東北大学と三井金属は、共同研究などを通じて連携している。『三井金属×東北大学共創研究所』を設置して連携を深めることで、三井金属は重点を置くエレクトロニクス、環境・エネルギー、ライフサイエンス分野で社会課題解決に貢献する新規事業の創出と人材育成を推進するとしている。
◆SAF:コスモエネルギーグループが国産SAFを関空発JAL便に初供給(5月7日)
コスモ石油とコスモ石油マーケティングは、廃食用油を原料とした国内初の大規模生産による国産SAF(Sustainable Aviation Fuel)を、関西国際空港にて日本航空(JAL)の旅客便(JL891便、関西発上海〈浦東〉行)に初めて供給したと発表した。
関西国際空港での旅客便へのSAF供給は今回が初となる。今回供給されたSAFは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業として2021年から取り組まれた「国産廃食用油を原料とするSAF製造サプライチェーンモデルの構築」事業の一環で、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが製造したものである。SAFFAIRE SKY ENERGYは、コスモ石油、日揮ホールディングス、レボインターナショナルの3社により設立され、2025年度よりコスモエネルギーグループを通じて航空各社に供給する。
このSAFは、持続可能な製品の国際認証である「ISCC CORSIA認証」と「ISCC EU認証」を取得しており、環境価値が証明されているとしている。
◆CO2対策:出光興産がCO2除去(CDR)に特化した海外ファンドに出資(4月28日)
出光興産は、CO2除去(Carbon Dioxide Removal、以下「CDR」)に関する事業に取り組むスタートアップ企業への投資に特化したファンド「Carbon Removal Partners -Systemic Ventures I SCSp」に出資すると発表した。
同ファンドは、CDRに関する高い専門性を有するスイスのPartner/Chairman:Max Zeller(以下、CRP社)が組成・運用するファンドである。出光興産は出資に加え、CRP社とのパートナーシップを構築することで、多様な技術やプロジェクト、さらにはカーボンクレジット創出に関する実務的な知見を獲得し、CDRの社会実装を進める。
CDRの手法は、「自然由来型」(植林や土壌炭素の貯留)と「技術主導型」(直接空気回収・貯留、バイオマス由来のCO2除去、風化促進など)に大別される。出光興産が出資するファンドは、自然由来型の要素も取り入れつつ、技術主導型の CDR アプローチに重点を置いた包括的な投資戦略を採用している。
出光興産は、海外のスタートアップや関連機関との連携を強化しながら国内外の多様なパートナーと協働することで、CO2除去に向けた取り組みを戦略的に推進するとしている。
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの5月の契約価格を改定
5月契約価格は、740$/t(前月比▲95$/t)
国内価格換算想定値は111.1円/kg
・東洋紡が工業用フィルム製品を6月1日納入分より値上げ
値上げ幅は、3.0%以上