2025.11.27 発行
◆半導体:住友化学が半導体用プロセスケミカル企業の買収合意を発表(11月20日)
◆塗料:artienceグループがインドにおけるリキッドインキの生産能力を1.5倍に拡大(11月20日)
◆フィルム:TOPPANが太陽光発電パネル向け「ダブルビューフィルム」を開発(11月19日)
◆ナノ材料:日東紡、NanoFrontier、東北大学が 「ナノ材料でイノベーションを加速する共創研究所」の設置を発表
(11月19日)
◆非鉄金属:三菱マテリアルが高強度・高耐熱無酸素銅「MOFC-HR異形条」を開発(11月18日)
◆PFAS関連:ノリタケがファインバブルを用いたPFAS除去装置を開発(11月18日)
◆バイオガス:古河電気工業が鹿追町およびエア・ウォーターとバイオガスプラント整備に向けた基本合意書を締結
(11月17日)
◆価格改定
・クラレが活性炭ならびに関連製品全般を12月1日出荷分より値上げ
・レゾナックが不飽和ポリエステル樹脂「リゴラックBMC」を12月15日納入分より値上げ
◆半導体:住友化学が半導体用プロセスケミカル企業の買収合意を発表(11月20日)
住友化学は、台湾の半導体用プロセスケミカル企業であるAsia Union Electronic Chemical Corporation社(以下、AUECC社)の全株式を取得することについて合意したことを発表した。
AUECC社は、半導体用プロセスケミカルの開発・製造・販売を行っており、台湾・高雄市および米国・ネバダ州に製造拠点を有している。半導体用プロセスケミカルの幅広い製品ラインアップ、高度な品質管理体制に加えて、半導体用プロセスケミカルの原料調達、製造からパッケージング、グローバル物流までの一貫した製品供給体制を強みとしている。
今回の買収により、住友化学は半導体用プロセスケミカル事業において台湾初の製造拠点を、また米国ではテキサスに次ぐ第二の製造拠点を取得し、さらなる事業拡大を目指す。
本買収により、住友化学は、半導体用プロセスケミカルのグローバルな供給体制を拡充するとともに、AUECC社のグローバル販売・調達ネットワーク、幅広い製品ラインアップや供給形態を活用することで、2030年度に24年度比約2倍の売上高実現を目指すとしている。
◆塗料:artienceグループがインドにおけるリキッドインキの生産能力を1.5倍に拡大(11月20日)
artienceグループのTOYO INK INDIAは、成長を続けるインドのパッケージ市場に対応するため、グジャラート工場内におけるリキッドインキ生産設備の増強を決定したと発表した。2028年中の稼働を予定しており、これにより同社のリキッドインキ総生産能力は約1.5倍となる。
世界最大の人口大国であるインドは、中間所得層の増加や食生活の変化などにより今後もパッケージ市場の拡大が予測され、それに伴いリキッドインキ需要も高まることが見込まれている。
インドにおけるリキッドインキ事業は2011年の輸入販売から始まり、2013年にはデリー工場、2021年にはグジャラート工場にて生産を開始した。しかし、現在の設備では生産能力の逼迫が予想されるため、グジャラート工場の設備増強を決定した。
今後TOYO INK INDIAは、国内需要を取り込むとともに、環境対応製品などのサステナブル製品群を展開することで、インド市場でのリーディングカンパニーを目指すとしている。
◆フィルム:TOPPANが太陽光発電パネル向け「ダブルビューフィルム」を開発(11月19日)
TOPPANは、太陽光発電パネルの表面加飾に使用できる太陽光発電向け透過加飾フィルム「ダブルビューフィルム」を開発したことを発表した。
太陽光パネルは、近年さまざまな場所への設置が進んでいる。その一方で、景観への影響や、建物などの外観を損なうといった課題がある。また、パネル表面が光を反射することによる眩しさが、懸念されている。
これらの課題に対し同社は、「ダブルビューフィルム」のもつ意匠性や光透過性を活用し、新たな太陽光発電向け「ダブルビューフィルム」を開発した。今回開発した「ダブルビューフィルム」は、光を透過する独自の機能をもつフィルムであり、意匠性、光透過性、耐久性、防眩性などを主な特徴としている。
透過加飾フィルム「ダブルビューフィルム」は、オフィスやホテル、マンションエントランスなどの建装材内装用途を中心に展開してきたが、今後は、建築内装用途だけでなくモビリティや家具・家電、産業資材などの幅広い業界に展開していく方針である。太陽光発電パネル向け「ダブルビューフィルム」は2026年度中の量産化を目指すとしている。
◆ナノ材料:日東紡、NanoFrontier、東北大学が 「ナノ材料でイノベーションを加速する共創研究所」の設置を発表(11月19日)
日東紡は、東北大学および東北大学発のスタートアップであるNanoFrontierと共同で「ナノ材料でイノベーションを加速する共創研究所」を設置したことを発表した。
ナノ材料は、環境モニタリング、次世代蓄電池、熱マネジメント、水素エネルギー、ドラッグデリバリーなど横断分野で基盤技術として重要性が高まっている。一方で、産学連携は個別テーマごとの共同研究に分散し、契約手続きの負担や人材・知見の継続的往還の不足が課題となっていた。
こうした課題に対し、東北大学は大学内に常設の共創プラットフォームを設け、企業人材が特任教員として参画できる枠組みを整え、複数部局・複数教員との協働を平時から可能にし、横断チームでの迅速な 研究推進を図る。
あわせて、日東紡は、電子材料事業、メディカル事業、複合材事業などの事業を展開しており、素材・検査薬の研究開発基盤を活かし、本共創研究所における材料設計・評価・量産設計の高度化に貢献する。
技術面では、NanoFrontierの独自のナノ材料連続精製技術を活用する。同技術は、ナノ粒子径の精密制御とスケール生産を可能にし、特定有害物質の現場即時検出などへの応用展開を進めていくとしている。
◆非鉄金属:三菱マテリアルが高強度・高耐熱無酸素銅「MOFC-HR異形条」を開発(11月18日)
三菱マテリアルは、高性能無酸素銅MOFCシリーズの一つであ「MOFC-HR (Heat Resistance)」について、新たに異形条タイプを開発したと発表した。
自動車の電動化や再エネ普及により、電気機器部材には大電流に対応するため、高電導性や高放熱性が求められている。優れた導電率と熱伝導率を有する無酸素銅はその用途が広がっているが、大電流通電により材料温度の上昇を伴うケースや製造時に熱処理を必要とする場合には、無酸素銅では強度や耐熱性が不足する課題があった。
「MOFC-HR」は、高品質な無酸素銅製造技術と材料設計技術により、高い導電率と熱伝導率を維持しつつ、強度と耐熱性を高めた無酸素銅である。
今回開発した「MOFC-HR異形条」は、同シリーズの異形条タイプであり、リードフレームや端子・コネクタの放熱部と接点部とを同一素材で製作、同時成型が可能になる。製造管理工数や組立工数の削減に寄与し、厚さ・幅は顧客仕様に応じて製造可能である。
電気特性と機械特性の両立により高導電性銅合金の高性能化や銅使用量削減が期待され、部品の小型・軽量化やコスト低減にもつながるとしている。
◆PFAS関連:ノリタケがファインバブルを用いたPFAS除去装置を開発(11月18日)
ノリタケは、ファインバブルを用いて、PFASを99%以上除去することが可能な装置を開発したことを発表した。
PFASは、食品包装、調理器具、消火剤など幅広い用途で使用されてきた。中でも代表的な物質であるPFOSおよびPFOAは、特に多く利用されてきたが、自然界では殆ど分解されず長期間残留することから、人体や生態系への影響が懸念されている。
PFAS(PFOS、PFOA)を除去する主な手法としては、活性炭を用いて吸着させる方法があるが、この方法では、吸着後の活性炭を焼却し、PFAS (PFOS、PFOA) を熱分解する必要があり、活性炭を再利用することができなかった。
今回、ノリタケが開発したPFAS除去装置は、セラミック技術を用いたファインバブル発生器とセラミックフィルターで構成されており、PFAS (PFOS、PFOA)含有水にファインバブルを発生させることでPFAS (PFOS、PFOA)を吸着し、セラミックフィルターで除去する。
同開発品は、高濃度PFASを99%以上除去可能であることや部材の再生利用が可能であることを特徴としている。また、PFAS除去後の熱分解プロセスで発生するCO2排出量の大幅な低減にも貢献するとしている。
◆バイオガス:古河電気工業が鹿追町およびエア・ウォーターとバイオガスプラント整備に向けた基本合意書を締結(11月17日)
古河電気工業は、北海道鹿追町およびエア・ウォーターと、第三バイオガスプラント整備検討に向けた基本合意書を締結したと発表した。
同社は、鹿追町における未活用資源の積極的な活用と、自社技術を活かしたグリーンLPガス製造構想を結び付け、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のGI基金事業「CO2等を用いた燃料製造技術開発事業プロジェクト(化石燃料によらないグリーンLPガス合成技術の開発)」に採択された実証用プラントの建設を進めている。また、鹿追町とエア・ウォーター北海道はこれまで、水素ステーション運営を通じて連携を深めており、新たな原料調達の可能性について議論を重ねてきた。
今回、古河電気工業、鹿追町、エア・ウォーターの3者は、鹿追町における未活用資源の活用を目的とした新規バイオガスプラントの整備検討に向けた基本合意書を締結し、三者連携による協議を開始することで合意した。本合意に基づき、鹿追町内の未活用資源に加え、周辺地域における多様なバイオ資源利用も視野に入れ、地域資源循環型エネルギー供給モデルの実現を目指すとしている。
◆価格改定
・クラレが活性炭ならびに関連製品全般を12月1日出荷分より値上げ
対象製品:ヤシ殻系活性炭ならびにその関連製品(浄水器用の成型体、成型体用ファイン活性炭、添着活性炭、活性炭繊維など)。その他活性炭の一部。
値上げ幅は、20%~40%
・レゾナックが不飽和ポリエステル樹脂「リゴラックBMC」を12月15日納入分より値上げ
値上げ幅は、55円/kg以上