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2024年2月29日

2024.02.29 発行

HEADLINE

◆電子材料:トクヤマがベトナムに半導体用多結晶シリコンの製造・販売を目的とした子会社を設立(2月22日)
◆有機:三菱ケミカルが黒崎工場におけるビスフェノールAの生産を終了(2月21日)
◆リサイクル:住友大阪セメントが共同で「廃石膏ボードを利用した土壌改質材」の開発に成功(2月21日)
◆リサイクル:エア・ウォーター・マテリアルが三和油化工業と資源リサイクルの合弁会社を設立(2月20日)
◆無機:トクヤマが窒化ケイ素製ベアリングボールの開発拠点を柳井市(山口県)に開設(2月20日)
◆二次電池:日本電気硝子が全固体ナトリウムイオン二次電池のサンプル出荷を開始(2月20日)
◆水素関連:出光興産、ENEOS、北海道電力が北海道でグリーン水素サプライチェーン構築に向けた検討を開始(2月20日)
◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを3月 1日納入分より値上げ
・日本ポリプロがポリプロピレンを3月 1日納入分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆電子材料:トクヤマがベトナムに半導体用多結晶シリコンの製造・販売を目的とした子会社を設立(2月22日)
 トクヤマは、半導体用多結晶シリコンの製造・販売を目的とした子会社をベトナムに設立することを発表した。
 同社は、将来の半導体市場拡大に伴う多結晶シリコンの需要増加を見据え、マレーシアにおいて計画している半導体用多結晶シリコンの半製品の生産能力増強に対応して製品化を担う会社として、ベトナムに同社100%子会社を設立し、半導体用多結晶シリコン半製品を製品化、販売する。
 同子会社の事業開始日は2027年4月、資本金は35億円の予定としている。

◆有機:三菱ケミカルが黒崎工場におけるビスフェノールAの生産を終了(2月21日)
 三菱ケミカルグループは、三菱ケミカル黒崎工場(福岡県)におけるビスフェノールAの生産を終了することを決定したと発表した。
 近年、中国を中心とした大規模な設備新増設による同地域の大幅な供給過多により、ビスフェノールAの輸出市場が縮小しており、今後もこうした状況が続くことが想定されている。
 そのため、同グループではさらなる事業競争力の強化と供給体制の最適化を図るため、年産能力12万tの黒崎工場での生産を2024年3月末に終了することとした。
 今後は原料であるフェノールから一貫製造している茨城事業所に生産拠点を集約し、引き続き同製品の安定供給に努めるとしている。

◆リサイクル:住友大阪セメントが共同で「廃石膏ボードを利用した土壌改質材」の開発に成功(2月21日)
 住友大阪セメントは、福岡大学、中央環境開発と共に、廃石膏ボードを利用した土壌改質材の開発に成功し、社会実装に向けた製造拠点の整備を開始したことを発表した。
 国内の解体系廃材の廃石膏ボードについては、リサイクル処理技術が十分に確立していないことから、再資源化されずに最終処分される割合が高く、廃石膏ボードの再利用方法の開発が社会的な急務となっている。
 今回開発した廃石膏ボード由来の土壌改質材は、製造段階でのCO2発生量が少ないことに加え、①単位添加量あたりの強度発現性に優れる、②高い再泥化耐性、③従来の中性改質材と同等性能を得るための必要量が1/5と圧倒的に少ない、④中性改質ならではの特長として植生・緑化が可能という4つの特長を併せ持ち、製造・施工・使用段階までの全てのプロセスを含めて、従来比85%ものCO2排出量削減が達成可能である。
 三者は現在、この改質剤の製造拠点整備を進めており、2024年には市場への供給を開始、初年度売上高5億円/年を見込むとしている。

◆リサイクル:エア・ウォーター・マテリアルが三和油化工業と資源リサイクルの合弁会社を設立(2月20日)
 エア・ウォーター・マテリアル(以下、AWマテリアル)は、溶剤リサイクル(原料収集量)の国内トップ企業である三和油化工業と合弁会社を設立することを発表した。
 九州地区は、半導体関連企業の工場建設や設備投資が急速に行われており、それらの稼働に伴い多くの化学材料が使用され、また多量の産業廃棄物が発生すると予測されている。
 三和油化工業は、半導体・電子材料業界に向けて、独自の再資源化技術を保有し、高純度化学品の販売とともに使用済み薬液の再資源化を展開している。
 一方、AWマテリアルは、高純度化学薬品、基礎化学薬品、産業ガス等を販売する専門商社であり、九州地区において販売網・コミュニティを保有している。
 両社の協業により、半導体材料の資源リサイクルを行う合弁会社を2024年6月に設立し、約60億円を投じて九州地区に新工場を建設することで当該地区の需要を取り込む。海外からの輸入依存度が高い化学材料を国内で資源循環していく取り組みを通じて、サステナブル社会の実現に貢献するとしている。

◆無機:トクヤマが窒化ケイ素製ベアリングボールの開発拠点を柳井市(山口県)に開設(2月20日)
 トクヤマは、自動車、工作機械、電子機器など高精度な回転機器の軸受けに使用される窒化ケイ素製のベアリングボールの開発拠点を山口県柳井市の先進技術事業化センター内に開設すると発表した。
 通常、ベアリング(軸受け)ボールにはスチール(鋼球)が使用されるが、窒化ケイ素製ベアリングボールは軽量で優れた硬度や電気の通しにくさなどの特性があるため、特にインバーターからのリーク電流に起因する電食不良対策として注目されている。また、摩擦熱やエネルギー損失を低減することができるため、エネルギー効率の向上や機械の寿命延長に貢献することが期待され、EV車などのインバーターを使用する電気機器に搭載されていく可能性がある。
 一方で、窒化ケイ素製ベアリングボールは、スチールに比べて価格が数十倍高いことが市場拡大の妨げとなっている。そこで同社は、低エネルギーで製造した窒化ケイ素粉末をベースに、独自のプロセスで成形から研磨までを行い、より安価な窒化ケイ素製ベアリングボールを提供することを目標に開発を進めていくとしている。

◆二次電池:日本電気硝子が全固体ナトリウムイオン二次電池のサンプル出荷を開始(2月20日)
 日本電気硝子は、全固体ナトリウムイオン二次電池(以下、NIB)のサンプル出荷を開始したことを発表した。
 同社が手掛けるNIBは、正極、負極、固体電解質のすべてが安定した酸化物により構成され、これらが同社独自の結晶化ガラス技術により強固に一体化した電池である。過酷な環境下(-40℃~200℃)で作動し、発火や有毒ガス発生のリスクがなく、また資源確保への懸念を要しない材料(ナトリウム)用いた新的な全固体電池である。
 今回サンプル出荷する製品は、3V 200mAhが標準となる。さらに高容量なモデルなど、個別の要望にも対応する。
今回のサンプル出荷を経て、2024年内に販売を開始する予定としている。

◆水素関連:出光興産、ENEOS、北海道電力が北海道でグリーン水素サプライチェーン構築に向けた検討を開始(2月20日)
 出光興産、ENEOS、北海道電力は、北海道における国産グリーン水素サプライチェーン構築事業の実現に向けた検討を行うことに合意し、覚書を締結したことを発表した。
 本検討は、2030年までに北海道苫小牧西部エリアにおいて、国内最大となる約1万トン/年以上のグリーン水素を製造できる水電解プラント(100MW以上)を建設し、豊富な再生可能エネルギー(以下、再エネ)を活用して製造したグリーン水素を、出光興産や地域の工場などにパイプラインで供給するサプライチェーンの構築を目指すものである。
 北海道は、洋上風力など再エネのポテンシャルが高い一方で、電力需要が比較的小規模かつ本州との電力融通量に制限があるため、再エネの導入・拡大にあたり、余剰電力の有効活用や再エネ電源の出力変動に対応する調整力確保が課題となっている。これに対し、水電解プラントを調整力として活用することで、北海道における将来的な余剰電力の有効活用や電力市場への調整力供出を行い、さらなる再エネの導入・拡大を図っていく。
 当該エリアにおける化石燃料から水素への転換需要は、各工場のプロセス利用、発電利用、熱利用およびモビリティ利用として合計7万トン/年程度が見込まれており、当該エリアの脱炭素化に貢献できるとしている。

◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを3月 1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、6円/kg以上
・日本ポリプロがポリプロピレンを3月 1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、10円/kg以上

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