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2024年1月11日

2024.01.11 発行

HEADLINE

◆自動車部品:豊田合成がインドのエアバッグ開発拠点を拡張(12月28日)
◆CO2回収:KHネオケムが千葉工場のCO2回収装置へ投資(12月27日)
◆CNT:日本ゼオンと名古屋大学、フレンドマイクローブが共同で微生物を用いた世界初のカーボンナノチューブの分解
 方法を開発(12月26日)
◆燃料電池:Honda、トクヤマ、三菱商事が副生水素と車両からのリユースを想定した定置用燃料電池電源の活用により、
 データセンターの脱炭素化を図る共同実証を実施(12月25日)
◆化粧品原料:サンケミカル社、化粧品・パーソナルケア用途に天然色素SunPURO Naturalsの新製品を2つ発表
 (12月25日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
  
  

WEEKLY NEWS

◆自動車部品:豊田合成がインドのエアバッグ開発拠点を拡張(12月28日)
 豊田合成は、自動車市場として成長著しいインドにおいて安全製品の需要拡大への対応を通じ事業拡大を図るため、既存の技術・営業事務所を移転・拡張し、ハリヤナ州マネサールに豊田合成ミンダインディアの開発拠点として「豊田合成テクニカルセンターインディア」を開設したことを発表した。
 同社は、自動車生産が伸びるインドを重点市場と位置付け、最適な開発・生産体制を整えている。近年は車の安全意識の向上を背景に、交通事故の際に乗員を保護するエアバッグの搭載が拡大していることから、技術開発機能の強化によりカーメーカーの製品開発ニーズへの対応の迅速化を図っていく。
 豊田合成テクニカルセンターインディアでは、エアバッグの評価設備を導入すると共に、2028年12月には、技術者数を現在(34名)の約2倍である66名に増員する計画としている。

◆CO2回収:KHネオケムが千葉工場のCO2回収装置へ投資(12月27日)
 KHネオケムは、千葉工場の製造工程で発生するCO2の回収装置を新設する投資を決定したことを発表した。
 同社は、2050年にカーボンニュートラルを目指すことを宣言しており、そのマイルストーンとして、GHG 排出量を2030年に2017年度比30%削減することを目標としている。
 同社のコア技術であるオキソ反応は、CO2を原料として使用しているが、今回の設備投資により、自社の製造工程から発生するCO2を原料として再利用することが可能になる。装置の回収能力は、千葉工場で使用しているCO2の最大約5割に相当し、カーボンニュートラルの実現に貢献するとともに、原料の安定調達やプラントの安定稼働にも寄与する。なお、本設備の完工は2025年1月の予定としている

◆CNT:日本ゼオンと名古屋大学、フレンドマイクローブが共同で微生物を用いた世界初のカーボンナノチューブの分解方法を開発(12月26日)
 日本ゼオンは、名古屋大学大学院工学研究科、名古屋大学発ベンチャーのフレンドマイクローブとの共同研究により、カーボンナノチューブ(以下、CNT)を微生物により効率的に分解する世界で初となる新手法を開発したと発表した。
 日本ゼオン、名古屋大学、フレンドマイクローブはCNT、特に単層カーボンノチューブ(以下、SWCNT)の生物学的分解に焦点を当て、2019年より共同で研究開発を進めてきた。これまで、フェントン反応を用いたCNT分解の報告はされていたが、今回はその知見を活かし、Shewanella属の細菌を利用したSWCNTの効率的な生物学的分解法を開発した。Shewanella属の細菌は、無酸素条件下で鉄(Ⅲ)を鉄(Ⅱ)に還元し、有酸素条件下で酸素を過酸化水素に還元することでフェントン反応を効率的に誘導する能力がある。今回は、これをCNTの分解に応用した。
 この結果は、Shewanella属によるフェントン反応が、幅広い条件下でのCNT分解に応用可能であることを示唆しており、CNTの新しい処理方法として期待が集まっている。これまで、炭素から成る無機物のCNTは環境中で生分解されないと考えられてきたが、今回の結果はその考えを覆すものとなるとともに、CNTの環境リスク軽減に活路が見出されたことで産業利用が加速することが期待されるとしている。

◆燃料電池:Honda、トクヤマ、三菱商事が副生水素と車両からのリユースを想定した定置用燃料電池電源の活用により、データセンターの脱炭素化を図る共同実証を実施(12月25日)
 本田技研工業(Honda)、トクヤマ、三菱商事は、2023年6月にNEDOの「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/地域モデル構築技術開発」事業として採択され、検討を進めてきた「副生水素と車両からのリユースを想定した定置用燃料電池電源のデータセンター向け実証」の実施を決定したと発表した。
 本実証は、山口県周南市において、トクヤマが食塩電解事業で製造する副生水素を活用し、Hondaが燃料電池車からのリユースを想定して開発する定置用燃料電池電源から、三菱商事が運用する分散型データセンターに電力供給を行う。
 実証内容は、「燃料電池の特性を活かしたデータセンター向け主電源・バックアップ電源としての活用可能性及び需給調整市場向けの活用可能性の検証」、「燃料電池と水素供給を組み合わせたビジネスモデルの経済性・事業性の検証」を行う。実証期間は、2023年度~2025年度としている。

◆化粧品原料:サンケミカル社、化粧品・パーソナルケア用途に天然色素SunPURO Naturalsの新製品を2つ発表(12月25日)
 DICの子会社であるサンケミカル社は、化粧品やパーソナルケア処方において自然由来の色材を求める美容業界のニーズに対応し、SunPURO Naturalsの新製品2つ(SunPURO Natural Carotene O N70-2317、SunPURO Natural   Carotene BTO N70-2527)を発表した。
 SunPURO Natural Carotene O N70-2317は、養殖ドナリエラ・サリナ藻類(dunaliella salina algae)から抽出したβカロテンであり、黄色からオレンジまでビビッドな発色をもたらす天然色素である。抗酸化作用を有し、メイクアップ化粧品とスキンケア製品に使用できる色素である。
 SunPURO Natural Carotene BTO N70-2527は、βカロテンをバイオ発酵させたオレンジ‐レッドの天然色素である。バイオ発酵プロセスにより、環境負荷を最小限に抑えながら、収量向上を実現した。
 サンケミカル社はサステナビリティを戦略の柱とし、環境への影響を抑えたナチュラルなソリューションの提供に努めており、化粧品業界に向けて、カラフルでナチュラルなソリューションを紹介していくとしている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
 1月契約価格は、910$/t(前月比+20$/t)
 国内価格換算想定値は134.5円/kg

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