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2023年10月19日

2023.10.19 発行

HEADLINE

◆メディカル:ダイセルが新会社「ダイセルメディカル」を設立(10月13日)
◆化粧品原料:BASFが中国に新設した Uvinul A Plus生産工場が順調に稼働を開始(10月13日)
◆フィルム:住友ベークライトが旭化成パックスのフィルム事業を譲受(10月13日)
◆電池:出光興産とトヨタ自動車がバッテリーEV用全固体電池の量産実現に向けた協業を開始(10月12日)
◆バイオマス:BASFが旭化成のロイカにバイオマスバランス・アプローチによるテトラヒドロフランを供給(10月11日)
◆炭素:デンカがアセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社設立および生産プラント建設投資の決定を発表
 (10月10日)
◆高分子:BASFがドイツで中分子ポリイソブテンの生産能力を拡大(10月10日)
◆水素:日東紡が福島工場における水素燃焼テストの開始を発表(10月10日)
◆価格改定
・ダイセルが溶剤類を10月16日出荷分より値上げ
・東レがポリエステル合繊糸・綿(わた)・不織布を11月出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆メディカル:ダイセルが新会社「ダイセルメディカル」を設立(10月13日)
 ダイセルは、医療事業に特化した新会社「ダイセルメディカル」を設立したと発表した。
 同社は、2023年4月1日付でライフサイエンスSBUを設置し、同社グループのライフサイエンス関連や医療関連の事業を統合、推進してきた。
 今後、ライフサイエンスSBUにおける医療機器を中心とした事業の拡大を加速するため、ダイセルメディカルを設立して、より高度で専門的な人材を集約し、国内外の顧客のニーズに応えていくとしている。

◆化粧品原料:BASFが中国に新設した Uvinul A Plus生産工場が順調に稼働を開始(10月13日)
 BASFは、中国・金山(ジンシャン)にある生産拠点で、新たにUvinul(ユビール) A Plusの生産を本格的に開始したと発表した。
 Uvinul A Plusは、現在市場で入手可能な数少ない光安定性の高いUVA防御剤のひとつで、太陽光線による有害なUVAをカットし、フリーラジカルや皮膚ダメージから保護する。油溶性の顆粒状で製剤への適応性に優れ、防腐剤を含まず、低濃度でも高い効果を発揮する。同製品は、長期的なサンケアとアンチエイジング効果のあるスキンケアに最適である。
 アジアでは、すでに台湾の高雄にあるケア・ケミカルズの生産拠点で幅広いポートフォリオのUV防御剤を製造している。今回の投資により、同社はアジア太平洋地域における最新のUV防御剤のポートフォリオの生産拠点をさらに拡大するとしている。

◆フィルム:住友ベークライトが旭化成パックスのフィルム事業を譲受(10月13日)
 住友ベークライトは、旭化成の100%子会社である旭化成パックスのフィルム事業を承継し、新設分割により設立される新会社の株式を90%譲り受けることで合意したと発表した。
 旭化成パックスは、コンバーター事業を推進し、住友ベークライトの協力企業として医薬品包装用フィルム加工の一部を担っている。一方、住友ベークライトは、クオリティオブライフ領域を一つの柱として事業を展開しており、その中で医薬品・産業・食品の機能性包装フィルムを取り扱うフィルム・シート事業を推進している。
 住友ベークライトは本譲受を通じて、旭化成パックスの保有する加工技術を取り込み、医薬品用包装フィルムの安定供給とサービスを向上する。本譲受により設立される新会社の名称は「SBバックス株式会社」、営業開始は2024年4月の予定としている。

◆電池:出光興産とトヨタ自動車がバッテリーEV用全固体電池の量産実現に向けた協業を開始(10月12日)
 出光興産とトヨタ自動車は、バッテリーEV(以下、BEV)用の有力な次世代電池である全固体電池の量産化に向けて、固体電解質の量産技術開発や生産性向上、サプライチェーン構築に両社で取り組むことに合意したことを発表した。
 BEVの進化を支える次世代電池について、選択肢の1つである全固体電池の要素技術研究・開発に出光は2001年から、トヨタは2006年から取り組んできた。今回の協業は、BEV向けに高容量・高出力を発揮しやすいとされている硫化物系の固体電解質が対象である。この硫化物固体電解質は、柔らかく他の材料と密着しやすいため、電池の量産がしやすいという特徴がある。
 両社の材料開発技術と、出光の材料製造技術、トヨタが電動車開発で培った電池加工・組立技術を融合することで、両社は2027~28 年の全固体電池実用化を確実なものとし、その後の本格量産を目指すとしている。

◆バイオマス:BASFが旭化成のロイカにバイオマスバランス・アプローチによるテトラヒドロフランを供給(10月11日)
 BASFは、旭化成のロイカ事業部に、バイオマスバランス・アプローチによるテトラヒドロフラン(THF BMB)を供給することを発表した。
 旭化成は、BASFのTHF BMBを使用して、ロイカブランドのもと、サステナブルなマスバランスグレードのプレミアムストレッチファイバーを生産する。ロイカはMB(マスバランスアプローチ)ストレッチファイバーを同社の多くの製品にオプションとして供給していく予定であり、すでに複数のアパレルメーカーと協議を開始している。
 BASFのTHF BMBは、既存製品と比較して製品カーボンフットプリントが大幅に削減されていることが評価されている。旭化成は、BASFのTHF BMBの使用や同社独自のマスバランス方式と再生可能エネルギーの導入により、CO2排出量を既存製品よりもトータルで約50%削減することを目指すとしている。

◆炭素:デンカがアセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社設立および生産プラント建設投資の決定を発表(10月10日)
 デンカは、タイのSiam Cementの完全子会社であるSCG Chemicals(以下、SCGC社)との共同出資により、アセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社を設立するとともに、タイ・ラヨン県にアセチレンブラック生産プラントの建設を行うことを決定したと発表した。
 カーボンブラックの一種である同社のアセチレンブラックは、独自の熱分解合成技術により金属、硫黄等の不純物が極めて少ない純度の高さに加え、優れた導電性を有している。xEVのリチウムイオンバッテリー、洋上風力発電の高圧送電線ケーブル用途で使用され、今後も同用途での需要の伸長が見込まれている。
 合弁会社の設立は2023年中を予定している。生産工場は2026年上期に完工、同年下期の稼働開始、投資金額は400百万USドルを予定している。
 デンカのアセチレンブラックは現在、国内外計3拠点で製造されている。今回のタイでの製造拠点の新設ならびに年間11,000トンの生産能力を有するプラントの建設により、当該製品供給のさらなる安定を図るとしている。

◆高分子:BASFがドイツで中分子ポリイソブテンの生産能力を拡大(10月10日)
 BASFは、ドイツのルートヴィッヒスハーフェン拠点においてOPPANOL(オパノール)Bの製品名で販売されている中分子ポリイソブテンの生産能力を25%拡大すると発表した。
 中分子ポリイソブテンは、自動車、建設、エレクトロニクス、食品・包装業界など、様々な業種の製品に必要不可欠なコンポーネントである。用途としては、表面保護フィルム、窓枠用シーラント、電池用バインダー材料、また食品包装材などが挙げられる。
 BASFは2025年前半までに、生産能力の拡大を完了する予定としている。

◆水素:日東紡が福島工場における水素燃焼テストの開始を発表(10月10日)
 日東紡は、グラスファイバー事業部門の福島工場の都市ガス-酸素燃焼方式のガラス溶融炉で、燃焼エネルギーを水素-酸素に転換する実証実験を開始することを発表した。
 本実験では、ガラス溶融炉の都市ガス燃焼バーナーの一部を水素燃焼バーナーへ換装し、水素をセルフローダーから供給して、水素-酸素の燃焼エネルギーを都市ガス燃焼エネルギーと併用する形で導入し、ガラス溶融を行う。短期間の燃焼実験によりデータ採取を行い、更なる大規模な水素燃焼テストに向けて各種検証を進める計画である。テストでは10%相当の置換から開始し、将来的に全水素-酸素燃焼を目指す。
 今後は、グリーン水素をはじめとした次世代エネルギーを活用したグラスファイバー製造プロセス構築の検討を進めていくとしている。

◆価格改定
・ダイセルが溶剤類を10月16日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、酢酸エチル:25円/kg、酢酸ブチル:25円/kg
 酢酸ノルマルプロピル:15円/kg、ノルマルプロパノール:15円/kg
・東レがポリエステル合繊糸・綿(わた)・不織布を11月出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20~40円/kg

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