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2022年9月22日号

2022.09.22 発行

HEADLINE

◆電子材料:石原産業と富士チタンが村田製作所とチタン酸バリウム製造のための合弁会社設立に向けた基本合意書を締結
 (9月16日)
◆3Dプリンター:AGCセラミックスが中国に3Dプリンター用造形材事業の合弁会社を設立(9月16日)
◆電子材料:セントラル硝子が高性能半導体向けフッ素混合ガスを台湾で生産(9月15日)
◆シート:大日本印刷が包材や産業資材等に使える紙製ハイバリアモノマテリアルシートを開発(9月15日)
◆繊維:ユニチカが6G向け「磁性ナノワイヤー」を開発(9月15日)
◆樹脂:プライムポリマーがポリプロピレン新製造設備の起工式を開催(9月15日)
◆食品原料:DICが米国および中国子会社の屋外藻類培養工場への環境投資を増強(9月14日)
◆粘着剤:アイカ工業とアイカアドテック社がバイオマス度50%のホットメルト粘着剤を開発(9月14日)
◆水処理関連:東レがインドに新たな水処理研究拠点を開設(9月13日)
◆電池材料:日本触媒が湖南福邦(中国)へ資本参画することに合意(9月12日)
◆価格改定
・石原産業が酸化チタンのアジアパシフィック地域向け輸出価格を10月1日出荷分より値上げ
・信越化学工業がクロロメタン製品を10月1日出荷分より値上げ
・デンカが電子包材用シート・電子包材フィルムを10月1日出荷分より値上げ
・日本軽金属がアルミニウム板製品の加工賃を10月1日出荷分より値上げ
・ニチバンが各種粘着テープを10月3日より値上げ
・日本製紙が壁紙原紙を11月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆電子材料:石原産業と富士チタンが村田製作所とチタン酸バリウム製造のための合弁会社設立に向けた基本合意書を締結(9月16日)
 石原産業および子会社の富士チタン工業は、村田製作所との3社で、積層セラミックコンデンサなどに使われるチタン酸バリウムの製造を行う合弁会社の設立に向けた基本合意書を締結したことを発表した。
 富士チタンは積層セラミックコンデンサの材料であるチタン酸バリウムを製造し、村田製作所などの電子部品メーカーに供給している。急速なIT機器の発展や自動車の電装化を背景として、積層セラミックコンデンサの需要は今後も拡大が見込まれており、これに伴い、積層セラミックコンデンサの材料であるチタン酸バリウムの重要性が増している。
 今回、チタン酸バリウムの生産能力の向上を目的とし、合弁会社設立に向けた基本合意書を締結した。石原産業は、今後、合弁契約の締結を目指して協議及び検討を進めていく。合弁会社の設立は、2023年春頃の予定としている。

◆3Dプリンター:AGCセラミックスが中国に3Dプリンター用造形材事業の合弁会社を設立(9月16日)
 AGCの100%子会社であるAGCセラミックス社は、愛司凱科技、ローランド ディー.ジー、景徳鎮昌南新区中熙投資パートナー企業と、3Dプリンター用造形材BRIGHTORB等の中国での販売拡大に向け、合弁会社を中国の景徳鎮市に設立したことを発表した。
 景徳鎮市は、中国江西省北部に位置し、世界でも有数の窯業・陶芸の生産地である。複雑かつ繊細な形状の陶芸品の多くは職人による伝統的手工業によって製作されるため、工業化が課題であるほか、伝統技能の習得に膨大な時間を要することから、後継者不足の問題が深刻化している。
 同合弁会社は、景徳鎮市での新たな陶芸製法として、デジタル技術である3Dプリンティングを取入れることで、これらの課題の解決を目指す。セラミックス材料を出力するバインダージェット方式3Dプリンター、周辺機器の販売、セラミックス材料および補助材料の販売、受託造形サービス、教育および出力体験サービスを展開する。
 同合弁会社の資本金は2,850,000米ドル、事業開始は2022年8月、売上目標は2026年に約60億円としている。

◆電子材料:セントラル硝子が高性能半導体向けフッ素混合ガスを台湾で生産(9月15日)
 セントラル硝子は、宇部工場で生産し、台湾で販売している半導体製造用高純度フッ素混合ガス(以下、フッ素混合ガス)を台湾に設立した台湾中央硝子で、生産・供給する体制に移行することを決定したと発表した。
 デジタル・トランスフォーメーションの進展により、需要が拡大する高性能半導体は、台湾での開発・製造が活発になっており、使用されるフッ素混合ガスの需要も高まっている。既に、台湾南部サイエンスパーク内で用地の借地権の取得が内定し、製造サイトの設置について本格的な検討を進めている。また、同サイトには、半導体産業向け製品の開発機能を持たせることも検討し、台湾顧客との関係が更に強固になるものと考えている。
 開設時期は2024年完成の予定としている。

◆シート:大日本印刷が包材や産業資材等に使える紙製ハイバリアモノマテリアルシートを開発(9月15日)
 大日本印刷は、紙の単一素材(モノマテリアル)で構成することでリサイクル性を高めつつ、酸素や水蒸気等への高いバリア性を持つ環境配慮型のパッケージ用シート「紙製ハイバリアモノマテリアルシート」を開発したと発表した。
 近年ESG投資などが加速していることを受け、同社は、「DNP環境配慮パッケージングGREEN PACKAGING」のラインアップ拡充に努めている。その一環として、バリア性を高めるコート膜(ハイバリア膜)にアルミニウム等の金属材料を使用せず、紙の単一素材(モノマテリアル)で構成することで、リサイクル性を高めた紙製ハイバリアモノマテリアルシートを開発した。
 このハイバリア膜は、透明材料の薄膜層で構成されており、薄くて導電性がなく、電波の透過に全く影響を及ぼさないため、RFID等の利用も可能である。また、パッケージ用途では、紙を重量比80%以上使用するとともに熱で溶着させ封止することが可能なヒートシール層も有する。
 今後、食品・化粧品・医療品等の包装資材や、より幅広い業界の各種産業資材として、現在の開発段階から製品化に向けた検証を進め、実用化を目指すとしている。

◆繊維:ユニチカが6G向け「磁性ナノワイヤー」を開発(9月15日)
 ユニチカは、強磁性を有する超微細繊維「磁性ナノワイヤー」を開発したと発表した。
 次世代無線通信として期待される6Gは現在、2030年の商用利用に向けて国内外で開発が進められている。しかし6Gでは、これまでほとんど利用されていなかったテラヘルツの電波で無線通信を行うため、新たな電磁ノイズ対策が必要であるという課題があった。
 ユニチカが新たに開発した「磁性ナノワイヤー」は、鉄やニッケルの金属を微細な繊維として加工した材料である。なかでも、約100nmの細さの繊維に加工した「磁性ナノワイヤー」は、樹脂材料等に添加することで、従来の製品にはない幅広い周波数帯の電磁ノイズを遮蔽することが可能になる。特に、6Gの実証実験が進んでいるテラヘルツ帯の電磁ノイズ対策としては、厚さ1mm未満の薄いシートでも10~50dB遮蔽する十分な性能が確認されている。これらの性能から、「磁性ナノワイヤー」は、将来的には高集積、小型薄型化が必要な6G対応のアンテナ、レーダー等への製品への採用が期待されている。
 今後は、社内外での様々な取り組みを通じ、実用化に向けた研究開発を進めていくとしている。

◆樹脂:プライムポリマーがポリプロピレン新製造設備の起工式を開催(9月15日)
 プライムポリマーは市原工場(千葉県)において、ポリプロピレン新製造設備の起工式を行ったことを発表した。
 ポリプロピレンは、食品容器や自動車、家電、医療、二次電池等、幅広い用途で使用さている。フードロス削減や医療機会の増加、EVの航続距離延長等、社会ニーズの変化に伴い、ポリプロピレンに求められる役割は今後も拡大していくとみられている。
 新製造設備では、これまでの設備で実現できなかった高機能ポリプロピレンを生産でき、これにより、自動車材用途等での軽量化、薄肉化ニーズへの高度な対応が可能となる。また、リサイクルに貢献する素材の提供等を通じて、マテリアルリサイクルの推進を図る。
 新製造設備の生産能力は20万t/年、営業運転開始は2024年11月の予定としている。

◆食品原料:DICが米国および中国子会社の屋外藻類培養工場への環境投資を増強(9月14日)
 DICは、食用藍藻類「スピルリナ 」や食品用天然系青色素「リナブルー」を製造する米国子会社アースライズ・ニュートリショナルズ社および中国子会社海南DIC微藻の屋外藻類培養工場において、約12億円の環境投資を実施すると発表した。
 これまで取り組んできた環境投資と併せ、今回の追加投資により2023年1月までに両工場から外部への排水ゼロを実現する。
 また、今回の環境投資に加え、同社が出資する複数の先進的なバイオベンチャーとの協業を通じ、藻類や菌類の多様な培養法を取り込み、幅広い分野に応用するバイオ製品の拡充を目指すとしている。

◆粘着剤:アイカ工業とアイカアドテック社がバイオマス度50%のホットメルト粘着剤を開発(9月14日)
 アイカ工業とマレーシアのグループ会社アイカアドテック社は、バイオマス度50%のホットメルト粘着剤「アイカメルト H-531B」を共同で開発したと発表した。
 ホットメルト粘接着剤は、有機溶剤を原料に使用しておらず、短時間で固化し乾燥工程を必要としないことから、環境意識の高まりと共に、改めて注目が集まっている。耐熱性や止水性に優れることから、自動車の内装やヘッドランプ、紙おむつなどの衛生材、梱包・封緘用途等で使用されている。
 開発品は、バイオマス原料を50%と高い比率で含みながら従来品と同等の性能を有する環境配慮型の粘着剤である。なお、食糧供給と競合しない非可食性のバイオマス原料を使用している。
 同社は2022年10月より封筒封緘や粘着ラベル、段ボール等のメーカーを対象にサンプルワークを開始し、同年12月に発売する予定である。年間の販売目標は1億円としている。

◆水処理関連:東レがインドに新たな水処理研究拠点を開設(9月13日)
 東レは、インド工科大学マドラス校リサーチパーク内に新たな水処理研究拠点を開設したと発表した。
 インドでは、全土の約50%が干ばつに直面し、各地で貯水池や地下水の枯渇が発生し、約6億人が深刻な水ストレスにさらされている。人口増加や経済発展を背景に、2030年までに水の需要は供給量の2倍に達し、問題はさらに深刻化することが予想されている。
 今回の水処理研究拠点の新設を足がかりに、同事業の実証を通して現地ニーズに応える水処理技術・製品の開発力を強化し、急拡大するインド水処理需要に対応していくとしている。

◆電池材料:日本触媒が湖南福邦(中国)へ資本参画することに合意(9月12日)
 日本触媒は、リチウムイオン電池(LIB)の最大市場である中国において、同社のリチウム塩;LiFSI (リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、商品名:イオネル)の事業拡大に向け、LiFSI事業へ進出すべく製造設備立ち上げを進めている深圳新宙邦科技(以下、Capchem)の子会社である湖南福邦新材へ資本参画することに合意したことを発表した。
 LiFSIを電気自動車(EV)向けLIBの電解質に使用することで、低温から高温まで広い温度範囲で、電池のサイクル特性、レート特性、保存安定性の向上に効果を発揮することから、電解質として添加剤用に限らず主剤として採用され、アジア・欧州を中心に需要が拡大している。
 日本触媒は、LIB最大需要地である中国において、大口顧客の獲得とコスト競争力を持つ製販体制を早期に確立するため、Capchem、豊田通商と協業を行い、電解質市場におけるイオネル事業成長の急加速を図っていく。
 湖南福邦は、2022年下期に入り1号機(生産能力1,200t/年)の生産を開始しており、今後、急拡大する市場の需要増に応えるため段階的に増強を図りながら、2025年には1万2千t/年の生産能力保有を目指す計画としている。

◆価格改定
・石原産業が酸化チタンのアジアパシフィック地域向け輸出価格を10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、US$200/トン
・信越化学工業がクロロメタン製品を10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、メチルクロライド:20円/kg以上、メチレンクロライド及びクロロホルム:30円/kg以上
・デンカが電子包材用シート・電子包材フィルムを10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、CLCシート(全グレード):26円/kg、ECシート(全グレード):26円/kg、
 ALSカバーテープ(全グレード):2.5円/㎡
・日本軽金属がアルミニウム板製品の加工賃を10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%程度
・ニチバンが各種粘着テープを10月3日より値上げ
 値上げ幅は、10~20%
・日本製紙が壁紙原紙を11月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上

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