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2022年7月14日号

2022.07.14 発行

HEADLINE

◆樹脂:三菱ケミカルグループがビスフェノールA型固体系エポキシ樹脂の一部製品の製造・販売終了を発表(7月8日)
◆リサイクル:DICとSAPがブロックチェーンを使用した廃プラスチックのトレーサビリティシステム構築の実証実験を開始(7月8日)
◆CO2回収:エア・ウォーター、戸田工業、埼玉大学が共同提案した「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択(7月7日)
◆有機:UBEが米国DMC・EMCプラント建設の基本設計を開始(7月6日)
◆リサイクル:資生堂、積水化学、住友化学がプラスチック製化粧品容器の新たな循環モデル構築に向けた取り組みを開始(7月6日)
◆電子材料:信越化学が台湾ITRIとミニLEDディスプレイ封止材を共同開発(7月6日)
◆電子材料:JSRが高密着・高分散材料を開発(7月5日)
◆無機:UBEが高純度硝酸の工場増設を決定(7月4日)
◆化粧品:ヘンケルが資生堂のアジア太平洋地域におけるプロフェッショナルヘアビジネスの買収完了を発表(7月4日)
◆価格改定
・積水化学工業が粘着テープを7月11日出荷分より値上げ
・エア・ウォーターが産業・医療ガスを7月15日出荷分より値上げ
・DICがグラビア・フレキソインキ、接着剤、製缶用塗料・インキ製品を7月20日出荷分より値上げ
・カネカが押出法ポリスチレンフォームを7月21日出荷分より値上げ
・信越化学工業が苛性ソーダを7月21日出荷分より値上げ
・クレハが液体苛性ソーダを8月1日出荷分より値上げ
・東ソーが液体苛性ソーダを8月1日出荷分より値上げ
・三ツ星ベルトが伝動ベルト、金属製品、搬送製品を9月1日受注分より値上げ
・三ツ星ベルトが樹脂製品を9月1日出荷分より値上げ
・AGCが国内の建築用ガラス関連製品を10月1日納品分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆樹脂:三菱ケミカルグループがビスフェノールA型固体系エポキシ樹脂の一部製品の製造・販売終了を発表(7月8日)
 三菱ケミカルグループは、ビスフェノールA型固体系エポキシ樹脂の一部製品について、三重事業所における製造を2024年3月末を目途に停止し、販売を終了すると発表した。なお、それ以外の固形系エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂、特殊エポキシ樹脂などの製造・販売は継続する。
 同社グループのエポキシ樹脂は塗料や接着剤など幅広い用途で使用されているが、ビスフェノールA型固体系エポキシ樹脂の一部製品については、取り巻く厳しい事業環境や製造設備の老朽化を背景に、製造・販売の継続は困難と判断した。
 一方で、半導体封止材・電子材料向け特殊エポキシ樹脂については、三重事業所に加えて2023年4月を目途に福岡事業所に生産拠点を新設する予定としている。

◆リサイクル:DICとSAPがブロックチェーンを使用した廃プラスチックのトレーサビリティシステム構築の実証実験を開始(7月8日)
 DICは、プラスチックの資源循環を促進するため、SAPと連携しブロックチェーン(分散型台帳)を使用した廃プラスチックのトレーサビリティ(生産流通履歴の追跡)システム構築の実証実験を開始したことを発表した。
 今回の実証実験は、SAPのGreenTokenシステムを利用して、生産の初期段階からサプライチェーンに沿って原材料を追跡し、リサイクル原料の製造工程や検査工程、物性情報や品質情報などを可視化することを目指す。これにより、顧客が再生プラスチックを使用する際、その製品にどの程度のリサイクル原料が含有しているか提示することが可能となる。
 同システムではデジタルツイン技術(現実の空間を仮想世界で再現する技術)を活用し、原材料の出自に関連する固有の属性や、カーボンフットプリント、市場回収品の出自、サステナビリティ認証データなどの情報をトークンに記録する。トークンを発行することで、リサイクル原料が他の原材料と混合して新たな製品を生産した場合でも、そのリサイクル原料を追跡することが可能になるとしている。

◆CO2回収:エア・ウォーター、戸田工業、埼玉大学が共同提案した「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択(7月7日)
 エア・ウォーター、戸田工業、埼玉大学は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業の「CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」に共同提案した「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」が採択されたことを発表した。
 本事業では、戸田工業と埼玉大学が開発する新規CO2固体回収材「Na-Fe系酸化物」を使用し、工場のボイラ等から排出される高温・低圧・低濃度のCO2を効率よく分離回収するプロセスを確立する。また、エア・ウォーターのガス製造・エンジニアリング技術を用いて、中小規模のCO2回収装置の開発に取り組む。本事業におけるCO2回収コストは2,000円台/ton-CO2を目指す。
 本事業の期間は2022年度~2026年度(5年間)、事業規模は17億円(うち、14.5億円が基金からの拠出)としている。

◆有機:UBEが米国DMC・EMCプラント建設の基本設計を開始(7月6日)
 UBEは、米国でのジメチルカーボネート(以下「DMC」)及びエチルメチルカーボネート(以下「EMC」)の事業化検討について、建設予定地としてルイジアナ州を候補として基本設計に着手すると発表した。
 DMC・EMCはリチウムイオン電池の電解液溶剤の主要成分であり、DMCは半導体製造プロセスの現像液などの用途でも使用されている。また、今後も電気自動車の普及やデジタル化の進展に伴い需要拡大が見込まれている。
 米国にDMC・EMCプラントを建設することで、安定供給を実現するとともに、将来はC1ケミカルチェーンとしてポリカーボネートジオール(PCD)や水系ポリウレタンディスパージョン(PUD)など環境貢献型製品への川下展開を行い、事業規模拡大を計画している。
 本プラントの生産能力はDMC年産10万トン、及びDMCから誘導されるEMC年産4万トンの計画で2023年度上期に最終投資決定、2025年度下期に稼働開始を予定している。

◆リサイクル:資生堂、積水化学、住友化学がプラスチック製化粧品容器の新たな循環モデル構築に向けた取り組みを開始(7月6日)
 資生堂、積水化学、住友化学は、3社協業によりプラスチック製化粧品容器を回収し、分別することなく資源化、原料化を経て、容器として再生する一連の循環モデル構築に向けた取り組みを開始したと発表した。
 化粧品容器は分別が難しく、プラスチック資源として循環利用する際の課題となっている。そこで、3社はプラスチック製化粧品容器の回収から再生までの新たな仕組みを構築することとした。
 資生堂は、店頭を通じたプラスチック製化粧品容器の回収スキームの構築と、化粧品容器への再生ポリオレフィンの活用に取り組む。積水化学は、使用済みプラスチックなどの可燃性ごみを分別することなくガス化し、微生物の力でエタノールに変換するBRエタノール技術を用いて、プラスチックの原料であるエタノールへの資源化を行う。住友化学は、資源化したエタノールを原料にエチレンを製造する技術を用いて、従来の化石資源を原料とした製品と同等の品質を持つ再生ポリオレフィンを提供するとしている。

◆電子材料:信越化学が台湾ITRIとミニLEDディスプレイ封止材を共同開発(7月6日)
 信越化学工業は、台湾の工業技術研究院(以下:ITRI)とミニLEDディスプレイ向け封止材を共同開発したと発表した。
 同社が開発し、提供した封止材の主な特長としては、①LED照明向けの封止材と同等の高透明性、耐光性、②大面積の成型性、③異種基材との高接着性、応力緩和があげられる。
 一方、ITRIはピクセルピッチ0.25mm及び0.75mmのミニLEDディスプレイを新たに開発した。本製品が、ITRIが開発した多種のミニLEDディスプレイに適応可能であることを確認したため、今後、市場向けにサンプル出荷を開始する予定としている。

◆電子材料:JSRが高密着・高分散材料を開発(7月5日)
 JSRは、無機・有機素材などの異種材料の界面制御が可能な新材料(開発名:HAGシリーズ)を開発したと発表した。
 第5世代(5G)・第6世代(6G)移動通信システムや自動運転の本格化などを背景に、通信・モビリティ・エレクトロニクス分野などにおいて、高温や振動など過酷な環境下での高速通信の実現に向けた低誘電基板材料など様々なアプリケーション、デバイスが開発されており、異種界面制御の重要度は高まっている。
 開発品は、極性基の少ない低密着性基材との密着性を確保することができる。また、耐熱、放熱、熱線膨張などの物性制御を目的として添加される無機や有機フィラーなどを高密度、均一分散可能であり、物性のトレードオフを改良するための添加材料としての使用も想定されるとしている。

◆無機:UBEが高純度硝酸の工場増設を決定(7月4日)
 UBEは、宇部ケミカル工場(山口県)内に高純度硝酸の工場を増設することを発表した。
 近年、半導体の洗浄やエッチング工程に使われる高純度硝酸の市場は成長を続けており、今後も情報通信技術の著しい進展と、それに伴う旺盛な半導体需要が見込まれることから今回の工場増設を決定した。
 2024年初頭に試運転を開始し、生産能力は現在よりも50%増加する予定としている。

◆化粧品:ヘンケルが資生堂のアジア太平洋地域におけるプロフェッショナルヘアビジネスの買収完了を発表(7月4日)
 ヘンケルは、資生堂のアジア太平洋地域におけるプロフェッショナルヘアビジネスの買収を完了したことを発表した。
 この買収には、ヘンケルが使用許諾を得た「SHISEIDO PROFESSIONAL」ブランド傘下の、「サブリミック(SUBLIMIC)」や「プリミエンス(PRIMIENCE)」といった主要プロフェッショナルヘアブランドの取得を含む。買収したビジネスの2021年度の売上高は1億ユーロを超え、社員数は500人前後である。
 ヘンケルのプロフェッショナルヘアビジネスは10億ユーロを超える売上があり、2023年初頭までにランドリー&ホームケアとビューティーケア ビジネスユニットの統合により設立される「コンシューマーブランドビジネスユニット」の一部となる予定としている。

◆価格改定
・積水化学工業が粘着テープを7月11日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、クラフトテープ群全般、養生テープ群全般:10%以上
 OPPテープ群全般、両面テープ群全般、プロテクトテープ群全般:15%以上
・エア・ウォーターが産業・医療ガスを7月15日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10~30%以上
・DICがグラビア・フレキソインキ、接着剤、製缶用塗料・インキ製品を7月20日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、グラビア、フレキソインキ全般:70~120円/kg
 接着剤:50~80円/kg、硬化剤:70~180円/kg、クリヤー:80~100円/kg
 ホワイトコーチング:100~120円/kg、金属インキ:70~100円/kg
・カネカが押出法ポリスチレンフォームを7月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20%
・信越化学工業が苛性ソーダを7月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30円/kg以上
・クレハが液体苛性ソーダを8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30円以上/kg(固形換算)
・東ソーが液体苛性ソーダを8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30円/kg以上(固形換算)
・三ツ星ベルトが伝動ベルト、金属製品、搬送製品を9月1日受注分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・三ツ星ベルトが樹脂製品を9月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・AGCが国内の建築用ガラス関連製品を10月1日納品分より値上げ
 値上げ幅は、フロートガラス:約40%、型板ガラス及び網入型板ガラス:約35%
 網入磨き板ガラス:約30%、ミラー:約20%、建築用加工ガラスの内、主要製品:25~30%

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