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2022年3月3日号

2022.03.03 発行

HEADLINE

◆DX:三菱ガス化学が日立製作所との協創を通じ半導体材料などの新素材開発をDX化(2月25日)
◆電子材料:セントラル硝子の「高品質8インチ SiC単結晶・ウェハの製造技術開発」がNEDOの公募プロジェクトに採択(2月25日)
◆リサイクル:帝人がリサイクル炭素繊維の商業化に向けて富士加飾と業務提携(2月24日)
◆電池材料:住友金属鉱山と住友大阪セメントがリン酸鉄リチウム電池材料事業譲渡契約を締結(2月22日)
◆エンジニアリング:東洋エンジニアリングがエチレン分解炉の電化調査をNEDOの委託事業として実施(2月22日)
◆合成ゴム:日本ゼオンと横浜ゴムが実施する「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発」がNEDOのプロジェクトに採択(2月21日)
◆樹脂原料:大日精化工業の子会社の「多官能型環状カーボネート化合物の大量生産工程確率及び用途開発」事業がNEDOのプロジェクトに採択(2月21日)
◆水素製造:住友化学とマイクロ波化学が高効率な水素製造プロセスの共同開発に着手(2月21日)
◆価格改定
・ユニチカが産業資材用合成繊維(長繊維、短繊維)を3月1日出荷分より値上げ
・昭和電工が不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂を3月11日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがOPS・PET熱収縮フィルムを3月22日出荷分より値上げ
・ユニチカが工業用フィルム製品を4月1日出荷分より値上げ
・ユニチカが包装用フィルム製品を4月1日出荷分より値上げ
・東洋インキが平版インキ(油性・UV)等を4月1日出荷分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆DX:三菱ガス化学が日立製作所との協創を通じ半導体材料などの新素材開発をDX化(2月25日)
 三菱ガス化学と日立製作所は、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)など先進のデジタルソリューションを活用し、半導体材料において目標性能を満たす新素材探索の精度を約50%程度向上するほか、新素材探索に必要な実験時間を30~50%短縮したと発表した。
 三菱ガス化学では、日立製作所の「材料開発ソリューション」を活用することにより、1)最適組成探索のための仮想実験による実験回数削減や実験精度向上、2)電子顕微鏡画像と材料品質の関係性の定量化による材料品質安定化、3)研究計画・実験データ・研究プロセスの統一的な蓄積・利活用による研究者間の情報共有の円滑化、などを実現した。
 両社では、研究開発や生産のデジタル化を通じ、気候変動問題解決に貢献し、2050年度カーボンニュートラルの達成に貢献するとしている。

◆電子材料:セントラル硝子の「高品質8インチ SiC単結晶・ウェハの製造技術開発」がNEDOの公募プロジェクトに採択(2月25日)
 セントラル硝子は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募プロジェクト「グリーンイノベーション基金事業/次世代デジタルインフラの構築」において、同社の応募テーマ「高品質8インチ SiC単結晶・ウェハの製造技術開発」が採択されたことを発表した。本プロジェクトの期間は、2022年度~2029年度の8年間である。
 同社は、これまで溶液法による高品質、且つコスト競争力のあるSiC単結晶の製造研究を行っている。本公募への参画を機会に、世界トップレベルの高品質8インチウェハの量産化を実現し、その社会実装を通じてカーボンニュートラル社会の構築に貢献するとしている。

◆リサイクル:帝人がリサイクル炭素繊維の商業化に向けて富士加飾と業務提携(2月24日)
 帝人は、リサイクル炭素繊維の商業化に向けて、富士加飾との業務提携に合意したと発表した。
 使用済みCFRP炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRP)は、埋立や焼却処分されることが多く、環境負荷が大きいことから、炭素繊維を再利用するための技術確立が急務となっている。
 富士加飾は、使用済みCFRPから高品質な炭素繊維を取り出す精密熱分解法という独自の特許技術を保有しており、新しい原料から炭素繊維を生産する場合に比べて、CO2排出量を1/10程度に抑えることができる。同社は、環境省の補助事業のもとで商業プラントの稼働を開始し、用途開発の加速を検討していた。
 今後、両社はリサイクル炭素繊維を使用した製品の生産・供給体制を早期に構築し、商業化に向けた取り組みを積極的に推進していくとしている。

◆電池材料:住友金属鉱山と住友大阪セメントがリン酸鉄リチウム電池材料事業譲渡契約を締結(2月22日)
 住友金属鉱山と住友大阪セメントは、住友大阪セメントのリン酸鉄リチウム(LFP)電池材料事業(新規技術研究所 電池材料研究グループ、子会社SOC Vietnamを含む)を住友金属鉱山へ譲渡することで合意し、事業譲渡契約を締結したと発表した。
 LFP電池材料は、電気自動車、定置式蓄電池への採用などにより今後も需要が拡大すると予測される中で、既に複数のニッケル系正極材製品をラインナップし、増産体制を進めている住友金属鉱山が本事業を営む方がより事業成長機会があると考え、本事業を譲渡することとした。
 事業譲渡の実行は、必要な許認可を取得することを前提に2022年5月1日の予定としている。

◆エンジニアリング:東洋エンジニアリングがエチレン分解炉の電化調査をNEDOの委託事業として実施(2月22日)
 東洋エンジニアリングは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した「エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業(実証要件適合性等調査)」の公募において、「エチレン分解炉からのCO2排出ゼロを実現するための分解炉電化技術実証研究(タイ)/実証要件適合性等調査」が採択され、委託事業として実施することを発表した。
 本調査ではエチレン分解炉の電化技術の開発とその事業化を目的に、タイにおいて実施を計画している実証研究に関し、NEDO事業としての適合性や事業性、実証後の普及可能性等の調査や評価を行う。
 各種石油化学製品の主要基材であるエチレンの製造プロセスでは、化石燃料を燃焼させて必要な熱を得る分解炉から大量のCO2を排出している。エチレン分解炉の電化は、そのCO2排出量を理論上ゼロにできるものであり、同社は、電化された分解炉の実用化を目指して開発を進めている。
 今後、同社は電化された分解炉の技術実証と社会実装に向けて取り組んでいくとしている。

◆合成ゴム:日本ゼオンと横浜ゴムが実施する「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発」がNEDOのプロジェクトに採択(2月21日)
 日本ゼオンと横浜ゴムは、両社が実施する「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」として採択されたことを発表した。
 現在、日本における使用済タイヤの多くは、サーマルリカバリー(熱回収) により燃料として有効利用されている。また、今後も世界的なタイヤ需要の増加に伴い、石油由来の合成ゴム等の原材料の使用量も増加することが見込まれている。
 本実証事業では、使用済タイヤやバイオマスなどの再生可能炭素資源から、炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品であるブタジエン、イソプレンを高い収率で製造する、2つの高度な技術を確立し、2030年代に社会実装することを目指すとしている。

◆樹脂原料:大日精化工業の子会社の「多官能型環状カーボネート化合物の 大量生産工程確率及び用途開発」事業がNEDOのプロジェクトに採択(2月21日)
 大日精化工業は、ポリマー&コーティング事業を担う子会社が応募した「多官能型環状カーボネート化合物の大量生産工程確率および用途開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「CO2 等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に助成事業として採択されたことを発表した。
 浮間合成は、「二酸化炭素を原材料とするポリウレタン樹脂(HPU)の開発」を行っており、本事業はその中間材料となる環状カーボネート化合物の大量生産手法の確立を目的としている。
 大日精化工業では、HPU及び環状カーボネートについても用途開発を進めており、事業完了後には、二酸化炭素を使用した新規素材の普及を進めるとしている。

◆水素製造:住友化学とマイクロ波化学が高効率な水素製造プロセスの共同開発に着手(2月21日)
 住友化学は、マイクロ波化学と共同でメタンをマイクロ波により熱分解し、水素を製造するプロセスの共同開発に着手したと発表した。
 水素の製造方法のうち、メタンの熱分解による製法は、製造時にカーボンブラックやカーボンナノチューブなど利用価値の高い固体炭素が得られることが利点である。一方で、メタンの熱分解反応を進めるには膨大な熱を与える必要があるため、製造にかかるエネルギーをいかに低減するかが課題となっている。
 電磁波の一種であるマイクロ波は、分子や原子の振動により反応器内の目的物を中から直接かつ選択的に加熱することができるため、水素の製造に必要なエネルギーおよびCO2排出量の低減、ならびに製造設備の大型化が可能である。
 今回の共同開発では、住友化学が有する触媒および化学プロセスの設計技術と、マイクロ波化学が持つマイクロ波プラットフォーム技術を融合させ、26年度までに省エネルギーかつ高効率な水素製造プロセスの確立を目指しており、マイクロ波化学でラボスケールでの実験を開始している。2030年代前半に商業生産の開始を予定しており、生産能力は年間数万トンを目指すとしている。

◆価格改定
・ユニチカが産業資材用合成繊維(長繊維、短繊維)を3月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ポリエステル:40円/kg、ナイロン:50円/kg
・昭和電工が不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂を3月11日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、不飽和ポリエステル樹脂:33円/Kg以上、不飽和ポリエステル樹脂BMC:25円/Kg以上、
 不飽和ポリエステル樹脂SMC:30円/Kg以上、ビニルエステル樹脂:40円/Kg以上
・タキロンシーアイがOPS・PET熱収縮フィルムを3月22日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、40円/kg
・ユニチカが工業用フィルム製品を4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、約10%
・ユニチカが包装用フィルム製品を4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ナイロンフィルム、複層ナイロンバリアフィルム、ナイロンバリアフィルム:300円/連(15μm換算)
 ポリエステルフィルム、ポリエステルバリアフィルム:200円/連(12μm換算)
 ※連=500㎡
・東洋インキが平版インキ(油性・UV)等を4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、オフセット輪転インキ:50円/kg以上、
 オフセット枚葉インキ(一般):60円/kg以上、
 オフセット枚葉インキ(水なし印刷):200円/kg以上、
 オフセット枚葉インキ(調色、中間色、特殊、フォーム、添加剤):300円/kg以上、
 オフセット新聞インキ:20円/kg以上、
 UV硬化型インキ(一般・高感度・補助剤):120円/kg以上、
 UV硬化型インキ(フォーム印刷用):200円/kg以上、
 UV洗剤:150円/kg以上、
 特定容器充填製品(2.2㎏、4㎏カートリッジ):上記改定額+100円/kg以上
 

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