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2022年11月24日号

2022.11.24 発行

HEADLINE

◆エンジニアリング:日揮グローバルと仏テクニップエナジーがナイジェリアでFLNGプラントの基本設計役務を受注
(11月18日)
◆エンジニアリング:日揮ホールディングスの米国現地法人が世界最大級の大型エチレン製造プラントを受注(11月17日)
◆研磨剤:荒川化学工業が精密研磨剤の生産能力を増強(11月17日)
◆機能性材料:荒川化学工業がファインケミカル製品の生産設備の新設を決定(11月17日)
◆化粧品原料:資生堂がタンパク質繊維を用いた化粧品原料をSpiberと共同開発(11月17日)
◆樹脂:リケンテクノスが環境対応型のACS樹脂を新たに開発(11月16日)
◆炭素繊維:三井化学とマイクロ波化学がマイクロ波を活用した革新的なCF製造技術に関する実証設備の導入を決定
(11月11日)
◆DX:三井化学が研究開発DXを加速する「デジタルサイエンスラボ」を開設(11月15日)
◆価格改定
・住友化学が硝酸アンモニウム(硝安)を12月1日出荷分より値上げ
・トクヤマがクロロメタン類を12月1日出荷分より値上げ
・トクヤマがプリフィード(結晶性層状珪酸ナトリウム)を12月1日出荷分より値上げ
・DICが共押出多層フィルムを12月1日納入分より値上げ
・東洋アルミがパウダー・ペースト製品を1月1日納入分より値上げ
・日本製紙クレシアがフェイシャルティシュー、トイレットロール、ペーパータオルなどの家庭紙製品を2月1日出荷分より
 値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆エンジニアリング:日揮グローバルと仏テクニップエナジーがナイジェリアでFLNGプラントの基本設計役務を受注
 (11月18日)
 日揮ホールディングスは、海外EPC事業会社である日揮グローバルがフランスのテクニップエナジーとコンソーシアムを形成し、ナイジェリアにおいてUTM FLNG社が計画しているFLNGプラント(浮体式LNG生産施設)に係る基本設計役務を受注したことを発表した。
 本プロジェクトは、エクソンモービルおよびナイジェリア国営石油公社が所有するガス田(ヨホ鉱区)の天然ガスを原料として、洋上でLNGを生産するプロジェクトであり、ナイジェリアの民間会社UTM FLNG社が計画したものである。
 基本設計役務の遂行においては、日揮グローバルが主にトップサイド(LNG生産設備)の設計を担当し、テクニップエナジー社が船体ならびに係留システムの設計を担当する。基本設計終了後、設計・調達・建設(EPC)が計画されており、実現すればナイジェリアでは初のFLNGプラントとなる見込みである。
 本計画におけるFloating LNGプラントは、年産120万トンのLNGならびにLPG/コンデンセート等を生産するものであり、本基本設計役務の納期は2023年12月予定としている。

◆エンジニアリング:日揮ホールディングスの米国現地法人が世界最大級の大型エチレン製造プラントを受注(11月17日)
 日揮ホールディングスは、米国現地法人であるJGCアメリカ社が米国の建設会社であるキウィット社と共同で、米国シェブロンフィリップス・ケミカル社とカタール国営石油会社が米国テキサス州で計画している石油化学コンプレックスの中核となる世界最大級の大型エチレン製造プラント建設プロジェクトを受注し、顧客による最終投資決定が行われたことを発表した。
 シェブロンフィリップス・ケミカル社とカタール国営石油会社が共同で計画している石油化学コンプレックスは、シェールガスを原料にエチレンおよび高密度ポリエチレン(HDPE: High Density Polyethylene)を製造するものである。
 今回、JGCアメリカ社およびキウィット社のジョイントベンチャーが受注したのは、世界最大級の年産200万トンのエチレン製造プラントのEPC役務で、今後の世界的なポリマー製品(エチレンを原料とするポリエチレン等)の需要の高まりを見据えたものとしている。

◆研磨剤:荒川化学工業が精密研磨剤の生産能力を増強(11月17日)
 荒川化学工業は、ファイン・エレクトロニクス事業の精密研磨剤のさらなる拡販を目指し、連結子会社である山口精研工業において、精密研磨剤の生産能力を増強することを発表した。
 DXに代表されるデジタル化の進展などにより、全世界のデータ生成量はますます増加し、データセンターへの積極的な投資が継続する見通しであるなか、HDDの高容量化、ニアライン需要の拡大などにより、精密研磨剤は今後も需要の増加が見込まれている。
 山口精研工業は、HDD用アルミ基板やSAWデバイス用基板の製造工程における精密研磨に使用される研磨剤の開発、製造及び販売を行っている。今回、山口精研工業(愛知県)に第2工場を建設し新たな生産設備を導入・生産能力を増強する。
 今回の投資金額は約11億円で、完工は2023年10月の予定としている。

◆機能性材料:荒川化学工業がファインケミカル製品の生産設備の新設を決定(11月17日)
 荒川化学工業は、水島工場(岡山県)にファインケミカル製品の新たな生産設備の新設を決定したことを発表した。
 同社のファイン・エレクトロニクス事業では、子会社である高圧化学工業とともに精密合成技術とクリーン設備を駆使したファインケミカル製品を電子材料分野などに向けて提供してきた。
 ファインケミカル製品は、デジタル化の進展などによる通信高速大容量化にともない、半導体関連市場などで使用される先端材料の高品質かつ高機能化ニーズに対応する製品として、今後も需要の増加が見込まれている。
 今回の投資金額は約20億円で、2024年11月に完工の予定としている。

◆化粧品原料:資生堂がタンパク質繊維を用いた化粧品原料をSpiberと共同開発(11月17日)
 資生堂は、Spiberが開発した、植物由来のバイオマスを原材料とし、生分解性を有する構造タンパク質「Brewed Protein繊維」を基に、製品への活用を見据えた化粧品原料の共同開発を行ったことを発表した。
 Brewed Protein繊維は、サトウキビやトウモロコシ由来の糖類など植物由来のバイオマスを主原料に、微生物による発酵プロセスで生産される構造タンパク質繊維で、生分解性が確認されている。これまで衣料品の原材料として多く活用されてきたが、今回、化粧品原料としての安全性、安定性、機能性、使い心地など様々な観点から検討を重ね、Brewed Protein繊維の特徴を維持しながら、マスカラへの配合を実現した。
 本素材は、環境へ配慮しながら、しなやかで美しいまつ毛を演出するマスカラファイバーとして資生堂の製品に配合するほか、今後の製品開発に広く活用を検討していくとしている。

◆樹脂:リケンテクノスが環境対応型のACS樹脂を新たに開発(11月16日)
 リケンテクノスは、硬質で高耐候性と難燃性を有するACS樹脂の錫フリー化を実現し、環境対応型グレードを新たにラインナップに加えたと発表した。
 ACS樹脂は難燃樹脂の中でも優れた耐候性を有しており、白系色調でも使用できるほか、電気特性も優れている。難燃かつ高耐候な硬質樹脂であることから、住宅や工業用メーター取り付け盤、スマートメーター筐体、火災報知器など多くの実績を有している。
 一方で、同樹脂は添加剤の一部に有機錫化合物を使用していることから、各社のグリーン調達基準に適合しないことがあった。そのような背景から、同社ではACS樹脂の優れた性能は保持したまま錫フリー化を実現し、環境対応型ACS樹脂を開発した。
 今後、電材業界をはじめ、幅広い業界への展開を視野に入れたサンプルワークを進めていくとしている。

◆炭素繊維:三井化学とマイクロ波化学がマイクロ波を活用した革新的なCF製造技術に関する実証設備の導入を決定
 (11月11日)
 三井化学とマイクロ波化学は、環境負荷の低い革新的な炭素繊維(CF)製造に関する基盤技術について、三井化学名古屋工場内に実証設備を新設すると発表した。
 マイクロ波化学ではCF製造工程中で最もエネルギー消費の大きい耐炎化プロセスに加え、炭化プロセスの工程を一貫してマイクロ波によって焼成する革新的なCF焼成技術を有している。
 同技術では、対象を内部から加熱できるマイクロ波の特性を生かすことで、無駄な加熱を徹底的に排除し、従来法と比較して加熱処理時間が大幅に短縮されることから、エネルギー消費量が約50%削減できると見込まれている。同実証設備導入においては、マイクロ波化学が有する同技術による焼成ラインの機器一式を三井化学に供給し、三井化学が同技術を含めたCF製造全体のプロセスを構築する。
 設備投資規模は約20億円で、2023年12月の完工を予定としており、完工以降は両社共同で量産技術確立の検討を進める予定としている。

◆DX:三井化学が研究開発DXを加速する「デジタルサイエンスラボ」を開設(11月15日)
 三井化学は、計算科学、データサイエンス、ハイパフォーマンスコンピューティングを融合したデジタルサイエンスによる研究開発DX(デジタルトランスフォーメーション)を更に加速させるため、同社袖ヶ浦センター内に、研究新棟「デジタルサイエンスラボ」を開設することを決定したと発表した。
 同ラボには、同社の研究開発部門および生産・技術部門のデジタルサイエンスの専門家、エキスパート人材を集結させ、研究者と交流することでシナジーを発揮させ研究開発DXを加速させる。社外の方も参加できるプロジェクトルームを設置し、最先端デジタルコミュニケーションツールを導入することで、遠隔地とのリモートによるシームレスな共創を実現し、オープンイノベーションを促進する。
 今回の投資額は約50億円で、2024年10月完工、同月中に供用を開始する予定としている。

◆価格改定
・住友化学が硝酸アンモニウム(硝安)を12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、25円/kg
・トクヤマがクロロメタン類を12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ローリー:35円/kg以上、ドラム・缶:42/kg円以上
・トクヤマがプリフィード(結晶性層状珪酸ナトリウム)を12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、80円/kg以上
・DICが共押出多層フィルムを12月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、1連(500㎡)あたり200円(厚み20μm換算)
・東洋アルミがパウダー・ペースト製品を1月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、5%
・日本製紙クレシアがフェイシャルティシュー、トイレットロール、ペーパータオルなどの家庭紙製品を2月1日出荷分より
 値上げ
 値上げ幅は、15%以上

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