メールマガジン

2021年9月16日号

2021.09.16 発行

HEADLINE

◆水素関連:ENEOSがペトロナスグループとCO2フリー水素サプライチェーン構築に向けた協業検討を開始(9月10日)
◆農薬:三井化学アグロがMeiji Seikaファルマの農薬事業を取得(9月10日)
◆リサイクル:住友化学がリサイクルプラスチックブランド「Meguri」を立ち上げ(9月8日)
◆樹脂:三菱ケミカルがエポキシ樹脂固体製造設備の生産再開の見通しを発表(9月7日)
◆成形材料:リケンテクノスがベトナムで塩化ビニル成形材料の生産設備を増強(9月7日)
◆植物原料:三菱ケミカルと大和製罐が共同で生分解性リッドを開発(9月7日)
◆電池材料:BASFと寧波杉杉が中国で電池材料の合弁会社を設立(9月6日)
◆価格改定
・デンカがアクリル系特殊エラストマーを9月21日出荷分より値上げ
・旭有機材がパイプ類、継手類及び関連製品を10月1日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイが管工機材製品を10月1日出荷分より値上げ
・東洋紡が包装用フィルムを10月1日出荷分より値上げ

WEEKLY NEWS

◆水素関連:ENEOSがペトロナスグループとCO2フリー水素サプライチェーン構築に向けた協業検討を開始(9月10日)
ENEOSは、マレーシアの国営石油会社ペトロナスの子会社とCO2フリー水素のサプライチェーン構築に向けた協業検討について覚書を締結したと発表した。
今回の協議検討は、マレーシアで生産された水素を効率的な貯蔵・輸送形態の一つである有機ハイドライド・メチルシクロヘキサン(以下MCH)に変換し、ENEOSの製油所へ輸送するといったサプライチェーン全体について両社で検討する。また、ENEOSは製油所でのMCHを利用した水素の製造・利用、近隣の火力発電所や製鉄所などへの水素供給に関する検討を行う。
今回の検討では、ペトロナスの石油化学工場における未利用の副生水素の利用を予定している。同社の工場は数万トン規模の豊富な副生水素の製造能力を有し、安定的かつ競争力のある供給源を確保できる。併せて、将来的な規模拡大を念頭に、再生可能エネルギー由来のグリーン水素や、化石燃料から水素を製造する際に排出されるCO2をCCSなどにより回収・貯留することで、CO2排出量を実質ゼロとするブルー水素の製造可能性についても検討する。また、両社はマレーシア国外での水素製造プロジェクトの可能性についても検討するとしている。

◆農薬:三井化学アグロがMeiji Seikaファルマの農薬事業を取得(9月10日)
三井化学の100%子会社の三井化学アグロは、Meiji Seikaファルマの農薬事業を取得することに合意したと発表した。
本件により、対象事業が保有する原体ポートフォリオ、国内外の顧客基盤、創薬・製剤技術および天然物に関する技術を融合していくことで、国内市場におけるプレゼンス向上、および今後成長が見込まれる海外農薬市場への展開加速が可能となる。また、三井化学アグロは、継続的な新規原体創出と市場ニーズに応えるマーケットイン型の製剤開発の強化を図ることができ、同社長期経営計画の実現及び三井化学アグロの成長戦略を加速させることができるとしている。
今後は、Meiji Seikaファルマが新設会社を設立し、同社の農薬事業および同事業に係る子会社の全株式を吸収分割によって新設会社に承継させ、そのうえで、新設会社の発行する全株式を三井化学アグロが取得し、完全子会社化する。当面は、取得した新設会社を三井化学アグロの子会社として運営し、将来的にはシナジーの創出による更なる事業成長を目指して、三井化学アグロと新設会社を合併する予定としている。

◆リサイクル:住友化学がリサイクルプラスチックブランド「Meguri」を立ち上げ(9月8日)
住友化学は、リサイクル技術を活用して得られるプラスチック製品について、新ブランド「Meguri(メグリ)」を立ち上げることを発表した。
「Meguri」は、ケミカルリサイクルまたはマテリアルリサイクル技術によって生産したポリエチレンやポリプロピレン、アクリル樹脂などのさまざまなプラスチック製品を対象としたブランドである。愛媛工場に建設予定のケミカルリサイクル実証設備から得られる再生アクリル樹脂や、積水化学工業と共同で開発中の、ごみを原料とするポリエチレン、廃棄されたプラスチックを再資源化する自動車部材向けのポリプロピレンコンパウンドなども「Meguri」として展開するとしている。

◆樹脂:三菱ケミカルがエポキシ樹脂固体製造設備の生産再開の見通しを発表(9月7日)
三菱ケミカルは、製造設備の一部損傷により製造を停止している三重事業所内のエポキシ樹脂固体製造設備の生産再開の見通しを発表した。
同設備については、復旧計画の策定を進めており、2022年1月初旬より順次生産を再開する見通しとしている。

◆成形材料:リケンテクノスがベトナムで塩化ビニル成形材料の生産設備を増強(9月7日)
リケンテクノスは、関連会社のRIKEN VIETNAMの塩化ビニル成形材料の生産能力を増強すると発表した。
RIKEN VIETNAMは、ワイヤーハーネス等の自動車部材に使用される塩化ビニルコンパウンドなどを製造している。今後の塩化ビニル成形材料の需要増加に対応するため増強を決定した。
本件の投資金額は約15億円、2023年夏に本格稼働の予定としている。

◆植物原料:三菱ケミカルと大和製罐が共同で生分解性リッドを開発(9月7日)
三菱ケミカルは、同社の生分解性かつ植物原料由来の樹脂コンパウンド「FORZEAS」を使用し、大和製罐と共同で生分解性リッド(紙コップ等のフタ)を開発したと発表した。
リッドは、ホットドリンクにも対応できる耐熱性や、飲み口のヒンジが切れないような柔軟性などが要求される製品であり、両社で素材の材料設計やリッドの形状設計の見直しを行い、要求性能を満たすリッドを開発した。また、「FORZEAS」は素材そのものが耐熱性を有しているため、既存のPSリッド成形機での成形が可能であるという特徴も有している。
今回開発した生分解性リッドは、三菱ケミカルの生分解性樹脂「BioPBS」を内側にラミネート加工した紙コップと組み合わせることにより、紙コップ容器とフタを分別することなく、コンポスト設備で一緒に分解することが可能になるとしている。

◆電池材料:BASFと寧波杉杉が中国で電池材料の合弁会社を設立(9月6日)
BASF(本社:ドイツ)と寧波杉杉(本社:中国、以下、杉杉)は、中国で電池材料の合弁会社「BASF Shanshan Battery Materials」を設立したと発表した。
新会社の出資比率は、BASFが51%、杉杉が49%である。同社は現在、中国の湖南省と寧夏省に4つの拠点を構え、1,600人以上の従業員を有しており、原材料、正極材前駆体(PCAM)、正極材(CAM)、電池リサイクルなど、電池材料のバリューチェーンを有している。
今後も急速な成長を遂げる電気自動車(EV)市場に注力し、世界の家電製品やエネルギー貯蔵分野へも継続的に製品・サービスを提供していく。2022年までに正極材(CAM)の年間生産量9万トンを目指すとしている。

◆価格改定
・デンカがアクリル系特殊エラストマーを9月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、国内:100 円/kg、輸出:1,000ドル/トン
・旭有機材がパイプ類、継手類及び関連製品を10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・タキロンシーアイが管工機材製品を10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、5%以上
・東洋紡が包装用フィルムを10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、二軸延伸ポリエステルフィルム(PET):200円/連(12μm換算)、二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)400円/連(15μm換算)、透明蒸着フィルム(PETベース):200円/連(12μm換算)、透明蒸着フィルム(ONYベース):400円/連(15μm換算) ※連=500m2

TOPへ戻る