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2021年4月1日号

2021.04.01 発行

HEADLINE

 

◆エタノール:三菱ケミカルが合成エタノールの生産・販売終了および発酵エタノールの蒸留の受託を開始(3月26日)

◆CO2回収:三菱マテリアルが九州で工場から排出される二酸化炭素回収・利用の実証試験を開始(3月26日)

◆香料:日本ゼオンがリーフアルコールの能力増強を決定(3月25日)

◆複合樹脂:BASFがUltramid Advancedにカーボン繊維強化された新グレードを追加(3月25日)

◆不織布:東洋紡が岩国事業所に高機能不織布の開発・製造拠点を新設するための調印式を実施(3月23日)

◆価格改定

・宇部興産がナイロン66樹脂を4月1日出荷分より値上げ

・住友化学がエチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョンを4月1日納入分より値上げ

・三洋化成工業がポリウレタン原料のポリプロピレングリコール(PPG)とポリマーポリオール(POP)を4月1日出荷分より値上げ

・日本触媒が高吸水性樹脂を4月1日出荷分より値上げ

・日本触媒がアクリル酸ブチルとアクリル酸2エチルヘキシルを4月1日出荷分より値上げ

・DICマテリアルが不飽和ポリエステル樹脂とビニルエステル樹脂を4月1日出荷分より値上げ

・DICが有機顔料製品(アゾ顔料の一部)を4月1日出荷分より値上げ

・クラレが活性炭及び関連製品の国内・海外向け価格を4月1日出荷分より値上げ

・クラレが人工皮革「クラリーノ」を4月1日出荷分より値上げ

・DICが可塑剤を4月10日出荷分より値上げ

・タキロンシーアイがポリカーボネートプレートを4月21日出荷分より値上げ

・クラレ、クラレトレーディングがメタクリル樹脂押出板とキャスト板を6月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆エタノール:三菱ケミカルが合成エタノールの生産・販売終了および発酵エタノールの蒸留の受託を開始(3月26日)

三菱ケミカルは、三重事業所の合成エタノール製造設備について、2022年2月を目途に停止し同製品の生産・販売を終了することを発表した。併せて、日本アルコール販売より発酵エタノールの蒸留業務を2022年4月から受託することを発表した。

同社の合成エタノール事業をとりまく環境は生産設備の老朽化など厳しい状況が続いている。2022年2月に稼働停止予定の合成エタノール設備の生産能力は5万5千kl/年で、同設備の停止により、同社は合成エタノールの生産・販売を終了し、工業用エタノール事業から撤退することになる。

一方、感染症対策として消毒の用途に使用されるなど工業用エタノールの需要は堅調に推移していることから、三重事業所において既存の蒸留設備を使用し、発酵エタノールを販売する日本アルコール販売から蒸留業務を受託するとしている。

 

◆CO2回収:三菱マテリアルが九州で工場から排出される二酸化炭素回収・利用の実証試験を開始(3月26日)

三菱マテリアルは、同社のグループの工場から排出されるCO2を用いたCCU(Carbon capture and utilization)技術の開発を進めており、今回、同社の九州工場において、実証試験を開始すると発表した。

同社では、セメント焼成用キルンなどの高温加熱炉を用いた製造プロセスから排出されるCO2を分離・回収し、水素と化学反応させることにより、メタン等を合成する技術の開発を進めており、2021年7月より、九州工場において、その実証試験を開始する予定である。また、今後は得られたメタン等をセメント製造の熱エネルギーとして再利用するための技術開発にも取り組んでいる。

こうした取り組み等により、従来の省エネ対策や電化では削減が難しい、セメント焼成用キルンなどの高温加熱炉を用いた製造プロセスから排出されるCO2を回収、利用することにより、カーボンニュートラルな熱エネルギーによる石炭等の使用量の削減を図り、セメント工場からのCO2排出量の抑制を目指す。また、将来的には、メタン等以外の有価物への変換を含め、幅広い用途展開に向けた技術開発を進めていくとしている。

 

◆香料:日本ゼオンがリーフアルコールの能力増強を決定(3月25日)

日本ゼオンは、合成香料の主力製品であるリーフアルコールの生産能力を増強することを決定したと発表した。

リーフアルコールは「青葉アルコール」とも呼ばれ、新緑の若葉のような香りを持つ合成香料である。フレッシュ感を演出するグリーン系香料として、香水やシャンプーや石鹸などのフレグランス、また、清涼飲料や菓子などのフレーバーに幅広く使用されている。

同社は、リーフアルコールで世界ナンバーワンのシェアを有しているが、香料市場において汎用的に使用される香料として今後も安定的な成長が見込まれているため、今回の能力増強を決定した。

これにより、年間生産能力は、現行の1,200tから1,600tとなる見込みである。なお、起工は2021年夏、竣工は2022年秋の予定としている。

 

◆複合樹脂:BASFがUltramid Advancedにカーボン繊維強化された新グレードを追加(3月25日)

BASFは、カーボン繊維を20、30および40%強化したUltramid Advanced(ウルトラミッド アドバンスト)を新たに追加し、ポリフタルアミド(PPA)のポートフォリオを拡充すると発表した。

この新素材により、部品の超軽量化を実現し、また、導電性を備えていることから剛性と強度を失うことなく、安全にアルミニウムやマグネシウムとの代替が可能になる。さらに、既存のUltramid Advanced N(PA9T)の特長である、低吸水性による寸法安定性や、優れた耐薬品性と耐加水分解性、高強度かつ高弾性も有している。

カーボン繊維強化されたUltramid Advancedは、ボディ、シャーシ、パワートレイン、ポンプ、ファン、ギア、コンプレッサなどの自動車構成部品や、家庭用製品の超軽量部品などに使用可能としている。

 

◆不織布:東洋紡が岩国事業所に高機能不織布の開発・製造拠点を新設するための調印式を実施(3月23日)

東洋紡は、岩国事業所(山口県)に、マスクや医療用防護服の部材として使用される高機能ポリプロピレン不織布の開発・製造拠点を新設するため、岩国市役所にて建設協定に関する調印式を行ったことを発表した。

新型コロナウイルスの感染拡大当初、マスクや医療用防護服の需給が逼迫したことにより、部材として使用されるポリプロピレン製メルトブローン不織布やスパンボンド不織布の、国内における安定供給の重要性が指摘されてきた。同社は、ポリプロピレン不織布の製造拠点を岩国事業所内に新設することで、高機能不織布の安定供給を実現する。

今回の新設は、経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」を活用して建設される。設備投資額は約16億円、着工は2021年4月、生産開始は2022年7月の予定であり、生産能力は最大1,200トン/年の見込みとしている。

 

◆価格改定

・宇部興産がナイロン66樹脂を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、115円/㎏

・住友化学がエチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョンを4月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、28円/kg

・三洋化成工業がポリウレタン原料のポリプロピレングリコール(PPG)とポリマーポリオール(POP)を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、30円/kg以上

・日本触媒が高吸水性樹脂を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、15円/kg以上

・日本触媒がアクリル酸ブチルとアクリル酸2エチルヘキシルを4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、20円/kg以上

・DICマテリアルが不飽和ポリエステル樹脂とビニルエステル樹脂を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、不飽和ポリエステル樹脂:38円/kg以上

ビニルエステル樹脂:48円/kg以上

・DICが有機顔料製品(アゾ顔料の一部)を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、50~100 円/kg

・クラレが活性炭及び関連製品の国内・海外向け価格を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、ヤシ殻系活性炭及び関連製品:15%~20%

石炭系活性炭及び関連製品:10%~15%

・クラレが人工皮革「クラリーノ」を4月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10~25%

・DICが可塑剤を4月10日出荷分より値上げ

値上げ幅は、ポリエステル系可塑剤:34円/kg以上

エポキシ系可塑剤:28円/kg以上

アジピン酸系可塑剤:31円/kg以上

トリメリット酸系可塑剤(TOTM):33円/kg

その他特殊可塑剤:30円~100円/kg

・タキロンシーアイがポリカーボネートプレートを4月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は15%以上

・クラレ、クラレトレーディングがメタクリル樹脂押出板とキャスト板を6月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、20%

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