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2021年11月18日号

2021.11.18 発行

HEADLINE

◆CO2分離:日本ガイシが産業排ガス向けのCO2分離膜を開発(11月12日)
◆電子材料:大日本印刷が次世代半導体パッケージ部材の「インターポーザ」を開発(11月12日)
◆メディカル:AGC若狭化学が合成医農薬CDMO製造能力を増強(11月12日)
◆5G関連:AGCが屋内5Gエリア改善に向けたRIS反射板を開発(11月12日)
◆放熱材料:デクセリアルズが通信基地局や自動車などのICチップの放熱用途に好適な熱伝導シート シリコーンタイプを製品化(11月11日)
◆リサイクル:三菱ケミカルが漁網を再利用したナイロン糸の販売を開始(11月10日)
◆電子材料:住友ベークライトが半導体封止材の台湾子会社の生産能力を増強(11月8日)
◆複合材料:ユニチカがセルロースナノファイバー含有ナイロン6樹脂を開発(11月8日)
◆価格改定
・新第一塩ビが塩化ビニル樹脂を12月1日出荷分より値上げ
・住友化学がエチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョンを11月15日納入分より値上げ
・東洋紡が包装用フィルム製品を11月21日出荷分より値上げ
・プライムポリマーがポリエチレン、ポリプロピレンを11月22日納入分より値上げ
・住友化学がポリエチレン、ポリプロピレンを11月25日納入分より値上げ
・クラレが建築・自動車向け合わせガラス用中間膜PVBフィルムを12月1日出荷分より値上げ
・クラレがPVB樹脂を12月1日出荷分より値上げ
・東洋紡が自動車エアバッグ用の原糸及び基布を12月1日出荷分より値上げ
・帝人がポリエステル繊維を12月出荷分より値上げ
・大洋塩ビが塩化ビニル樹脂を12月1日納入分より値上げ
・東ソーがペースト塩ビ樹脂を12月1日納入分より値上げ
・東ソーが臭素および臭素誘導品を12月10日納入分より値上げ
・積水化学工業が低アウトガス離型フィルムを1月1日出荷分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆CO2分離:日本ガイシが産業排ガス向けのCO2分離膜を開発(11月12日)
日本ガイシは、産業排ガス向けのCO2分離膜を開発したことを発表した。
従来のCO2分離用DDR型ゼオライト膜は、分子の大きさの違いで分離するため、CO2より大きな分子であるメタンが主成分の原油随伴ガスや天然ガスでは、容易にCO2を分離することができる。一方で、産業排ガスの主成分はCO2と分子の大きさが近い窒素や酸素のため、従来のDDR型ゼオライト膜では高い精度で分離することが難しいという課題があった。新たに開発した産業排ガス向けのCO2分離膜は、分子の吸着性(親和性)の違いを利用してCO2を窒素や酸素から分けることで、分離精度の向上を図っている。
産業排ガスを模擬した試験で従来のCO2分離用DDR型ゼオライト膜の約5倍のCO2分離精度を達成している。同社では、さらなる分離性能向上の開発を進め、実証試験を経て2030年の実用化を目指すとしている。

◆電子材料:大日本印刷が次世代半導体パッケージ部材の「インターポーザ」を開発(11月12日)
大日本印刷(以下、DNP)は、次世代の半導体パッケージで重要な役割を果たす、複数の半導体チップと基板を電気的に接続する中継部材で高性能な「インターポーザ」を開発したと発表した。 
開発品は、配線の微細化によって顕在化する「配線層の劣化に伴う配線抵抗の上昇や配線間絶縁性の低下」といった課題を解決し、次世代の半導体パッケージに必要な高性能かつ微細な配線を実現する。
DNPは、この部材のさらなる機能開発と2024年の量産化に向けて、次世代半導体パッケージの評価技術・材料・基板・装置の開発を行うコンソーシアム「JOINT2」に参画した。JOINT2における開発と参画企業との協業により、「インターポーザ」の機能開発と量産化の取り組みを加速し、次世代半導体のパッケージング技術の開発を推進するとしている。 

◆メディカル:AGC若狭化学が合成医農薬CDMO製造能力を増強(11月12日)
AGCは、合成医農薬CDMO製造子会社であるAGC若狭化学・上中工場(福井県)の製造ライン増設を決定したと発表した。
近年、農薬市場における安全や環境に配慮した次世代型農薬への需要増や、医薬品市場における含フッ素医薬品への旺盛な需要を背景に、合成医農薬CDMOには最先端の技術力が求められている。AGCグループは、フッ素合成など多様な技術を保有しており、今回の能力増強により、AGCの千葉工場でのフッ素原料製造からAGC若狭化学での医農薬品原体製造までの一気通貫のサービスを強化する。これにより日本や海外の医農薬メーカーのニーズに、より幅広く対応可能となる。
増設するラインは、2024年第1四半期の稼働開始を予定しており、本増設により、同社の製造能力は現行の1.5倍になるとしている。

◆5G関連:AGCが屋内5Gエリア改善に向けたRIS反射板を開発(11月12日)
AGCは、5Gミリ波(28GHz)帯の屋内エリア改善に向け、屋内の壁や天井に設置することで電波反射方向が切替可能な「RIS反射板」を開発したことを発表した。
同開発品はCCL製造子会社であるAGC Multi Material America社(旧AGC Nelco America社)の低損失基板に、位相制御可能な設計を適用した非常に微細な周期構造の人工表面を付与することで、電気的に任意に反射角度を制御することが可能となっている。
同開発品はNTTおよびNTTドコモの2社で行われた共同実験において、エリア改善効果が確認されている。実験では、窓を介して室内に浸透してきた基地局からの電波が、反射制御技術を適用したRIS反射板を介して室内の様々な方向に反射した場合に、反射板を介さない状態に比べ28GHz帯の受信電力を最大で20dB程度改善することが確認されている。
同社は今後も次世代高速通信の発展に貢献する製品の開発・提案に取り組むとしている。

◆放熱材料:デクセリアルズが通信基地局や自動車などのICチップの放熱用途に好適な熱伝導シート シリコーンタイプを製品化(11月11日)
デクセリアルズは、高い熱伝導率と柔軟性を両立した熱伝導シート シリコーンタイプ「ZX11N」を製品化し、販売を開始したと発表した。
近年、通信基地局やデータセンターが処理する通信の量は飛躍的に増加し、ICチップが処理する情報量は増加している。大量の情報処理に対応する際、半導体であるICチップは自身の抵抗を持つため動作量に応じて熱が発生し、その熱対策が重要な課題となっている。
開発品は、11W/m・Kの高い熱伝導率と柔軟性を両立した製品である。本製品は、向きによって熱伝導率が異なる窒化ホウ素フィラーを整列させて配置し、熱伝導シートとして高い熱伝導率を実現した。また、使用するフィラーの量も少なくすることができるため、柔軟性も兼ね備えている。
さらに、窒化ホウ素フィラーは長期的に安定かつ、絶縁特性を有するため、熱伝導シート全体として高い信頼性と絶縁特性を保持する。通信基地局やデータセンターのICチップ、自動車の自動運転の情報処理を担うICチップの放熱用途などに提案を進めていくとしている。

◆リサイクル:三菱ケミカルが漁網を再利用したナイロン糸の販売を開始(11月10日)
三菱ケミカルは、国内で廃棄される漁網を再利用したナイロン樹脂を混合した新しいナイロン糸「KILAVIS RC(キラビスアールシー)」を開発し、量産体制を整えたと発表した。
KILAVIS RCは、廃漁網から再生したナイロン樹脂REAMIDE(リファインバース製)を三菱ケミカルのナイロン糸・キラビスに特殊紡糸技術を用いて混合した、新ナイロン糸である。
日本で発生した廃棄物を国内で再利用することで、製品のアップサイクルとCO2排出量削減に貢献するとしている。

◆電子材料:住友ベークライトが半導体封止材の台湾子会社の生産能力を増強(11月8日)
住友ベークライトは、半導体封止材の台湾子会社(台湾住友培科)に約33億円を投資し、生産能力を2倍に増強すると発表した。
最近の次世代無線通信網(5G、6G)、IoT、DX、車載搭載員数増加などによる旺盛な世界需要増に加え、台湾OSAT (Outsourced Semiconductor Assembly & Test)へのビジネス回帰もあり、台湾市場は長期的な成長が見込まれている。
同社では、既存ラインでの生産能力増強と来年初頭に立ち上がる中国子会社(蘇州住友電木)の新ラインからの生産で供給力アップを図るが、将来的な需要に対応できなくなることが予想されるため新規に生産ラインの導入を行い、生産能力を現在の2倍に拡大する。
新規生産ラインは、現工場敷地内に新建屋を増築し2022年3月着工開始、2023年半ばから生産を開始するとしている。

◆複合材料:ユニチカがセルロースナノファイバー含有ナイロン6樹脂を開発(11月8日)
ユニチカは、強い、安全、サステナブルをコンセプトに、各種の成形加工に対応可能な「セルロ―スナノファイバー(以下「CNF」)含有ナイロン6樹脂」を開発したと発表した。
CNFは、近年樹脂の強化フィラーとしての応用がプラスチックのバイオマス化ニーズの一端を担うものとして期待を集めている。その一方で、CNFによる樹脂の高強度化には新たな化学物質を反応させる変性処理が必要とされてきた。
同社が開発したCNF含有ナイロン6樹脂は、独自の重合技術の改良を経て、未変性のCNFが高濃度にナイロン6樹脂中に均一分散されており、ガラス繊維30%含有ナイロン6以上の剛性、低線膨張係数に加え、粉砕や再成形によるCNFの破断がなく、3回のリサイクル使用後においてもほとんど物性低下が見られないといった特徴を持つ。
同社は今後、自動車や電気機器など、剛性を必要としつつ樹脂化および石油由来材料削減ニーズのある分野での用途を想定し、実用化に向けた研究開発を進めるとしている。

◆価格改定
・新第一塩ビが塩化ビニル樹脂を12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、汎用品:50円/kg以上、ペースト:50円/kg以上
・住友化学がエチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョンを11月15日納入分より値上げ
 値上げ幅は、26円/kg
・東洋紡が包装用フィルム製品を11月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP):250円/連(20μm換算)、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP):250円/連(20μm換算)、リニアローデンシティ・ポリエチレンフィルム(LLDPE):250円/連(20μm換算)
 (連:500㎡)
・プライムポリマーがポリエチレン、ポリプロピレンを11月22日納入分より値上げ
 値上げ幅は、ポリエチレン、ポリプロピレン(エボリューを除く):15 円/kg以上
 エボリュー:21円/kg以上
・住友化学がポリエチレン、ポリプロピレンを11月25日納入分より値上げ
 値上げ幅は、25円/kg以上
・クラレが建築・自動車向け合わせガラス用中間膜PVBフィルムを12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・クラレがPVB樹脂を12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、日本:60円/kg以上、アジアパシフィック、北中南米、中東・アフリカ:600US$/トン以上、ヨーロッパ:500EUR/トン以上
・東洋紡が自動車エアバッグ用の原糸及び基布を12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%~20%(中国市場向けは15%~30%)
・帝人がポリエステル繊維を12月出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ポリエステル繊維および紡績糸:40円/㎏、テキスタイル:5%/m
・大洋塩ビが塩化ビニル樹脂を12月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、43円/kg以上
・東ソーがペースト塩ビ樹脂を12月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、43円/kg以上
・東ソーが臭素および臭素誘導品を12月10日納入分より値上げ
 値上げ幅は、臭素・臭化水素酸:25%、臭素系難燃剤:30%
・積水化学工業が低アウトガス離型フィルムを1月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上

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