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2021年10月14日号

2021.10.14 発行

HEADLINE

◆電子材料:デンカが5G通信向けセラミックスフィラー「デンカ溶融シリカ低誘電正接タイプ」を本格投入(10月8日)

◆CO2削減:鹿島建設、竹中工務店、デンカが脱炭素から「活炭素」へ次世代コンクリート技術の共同研究を開始(10月8日)

◆研究開発:ステラケミファが新たな研究開発棟建設に着工(10月8日)

◆印刷:日本製紙が液体用紙容器生産拠点で最新鋭フレキソ印刷コンバーターの稼働を開始(10月8日)

◆ウレタン原料:東ソーがトリレンジイソシアネートの生産及び販売を停止(10月8日)

◆電子部品: 凸版印刷がマイクロ流路チップの大量生産・低コスト化技術を開発(10月7日)

◆シート:ダイセルが二軸延伸ポリスチレンシート事業の終了を発表(9月7日)

◆電子部品:凸版印刷がプラスチックフリーの環境配慮型ICタグラベルの販売を開始(10月4日)

◆水素関連:三菱商事、セムコープ社(シンガポール)、千代田化工が水素バリューチェーン事業の共同開発に関する覚書を締結(10月4日)

◆価格改定

・昭和電工が次亜塩素酸ソーダを10月15日出荷分より値上げ

・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを10月21日納入分より値上げ

・DICがエポキシ系可塑剤を10月21日出荷分より値上げ

・東ソーが石油樹脂を10月25日出荷分より値上げ

・トクヤマがセメント及びセメント系固化材を12月1日出荷分より値上げ

・東ソーが重金属処理剤を1月1日出荷分より値上げ

 

WEEKLY NEWS

◆電子材料:デンカが5G通信向けセラミックスフィラー「デンカ溶融シリカ低誘電正接タイプ」を本格投入(10月8日)

デンカは、5G通信向けに伝送損失(電気信号や光信号などの信号劣化)を低減するセラミックス「デンカ溶融シリカ(DF)低誘電正接タイプ」を10月から本格的に市場投入したと発表した。

5G移動通信及びミリ波帯電磁波の利用は、スマートフォンのみならず、遠隔医療や防災、農業・製造現場の効率化など幅広い分野に導入が進んでいる。これに伴い、低伝送損失・低誘電正接の配線材料の開発が強く求められてきた。今回開発された製品は、「デンカ球状溶融シリカ(FB・SFP グレード)」をベースに、同社比で約40~50%の誘電正接低減を実現した。

デンカでは、本製品につき、高速・大容量の5G通信実現に寄与する材料として、主に通信用樹脂材料(樹脂基板・封止材など)向けに展開するとしている。

 

◆CO2削減:鹿島建設、竹中工務店、デンカが脱炭素から「活炭素」へ次世代コンクリート技術の共同研究を開始(10月8日)

鹿島建設、竹中工務店、デンカは、3社の技術を融合して、カーボンネガティブコンクリートを実現する技術を共同研究することに合意したとことを発表した。

今回の共同研究では、CO2排出量を大幅に削減するコンクリートをベースに、CO2を吸収するコンクリートやCO2を吸収したコンクリート素材を活用することで、より高いレベルで汎用性のあるカーボンネガティブコンクリートを実現し、本格的な普及を目指す。

今回の共同研究により、脱炭素から「活炭素」にステージを移し、建設分野の基盤材料として欠かせないコンクリートの新しい形、使用するほどCO2を削減できるようなコンクリートを未来に向けて創っていくとしている。

 

◆研究開発:ステラケミファが新たな研究開発棟建設に着工(10月8日)

ステラケミファは、三宝工場(堺市)の敷地内に新たな研究開発棟の建設に着工したと発表した。

ステラケミファは、これまで研究開発業務を三宝工場と泉工場(泉大津市)の2拠点で行ってきたが、これらの研究開発拠点を集約するべく、三宝工場の敷地内に研究開発棟を新設することを決定した。研究開発拠点の集約により、技術や情報の伝達・共有、研究機器や人材リソースの活用などの側面において、さらなる業務効率の向上が期待できる。また、生産技術開発を行うための機能も充実させる予定としており、研究開発から製品化に至る工程をスピードアップすることで、新製品の早期事業化を図る。

新施設は、2022年下期の竣工を予定しており、投資予定金額は約30億円としている。

 

◆印刷:日本製紙が液体用紙容器生産拠点で最新鋭フレキソ印刷コンバーターの稼働を開始(10月8日)

日本製紙は、同社の液体用紙容器を生産する子会社の日本製紙リキッドパッケージプロダクトの江川事業所において、最新鋭のフレキソ印刷コンバータを導入し、稼働を開始したと発表した。

同設備の導入により環境性能と高精細印刷を両立した安定供給体制(BCP)の強化を実現する。液体用紙製パッケージ事業は、プラスチック容器に代わる環境対応型容器として国内外市場で高いニーズが期待できる分野であり、今後一層力をいれていくとしている。

 

◆ウレタン原料:東ソーがトリレンジイソシアネートの生産及び販売を停止(10月8日)

東ソーは、トリレンジイソシアネート(TDI)およびTDI関連製品の生産と販売の停止を決定したことを発表した。

同社は1962年に旧日本ポリウレタン工業(2014年に東ソーと合併)南陽工場にてTDIの製造を開始し、事業展開を行ってきた。近年は事業環境が厳しさを増していることや、好転する可能性が見込めないことから、同事業の継続を断念し、2023年4月(予定)に生産を停止する。

生産停止する設備はTDI製造設備(年産25,000トン)であり、生産・販売停止する品目は、TDIモノマー、TDI誘導品(トリマー、接着剤、熱硬化樹脂等)としている。

 

◆電子部品: 凸版印刷がマイクロ流路チップの大量生産・低コスト化技術を開発(10月7日)

凸版印刷は、ガラス製マイクロ流路チップのフォトリソグラフィ工法による製造技術を開発したと発表した。

フォトリソグラフィは、半導体回路原版や液晶ディスプレイなどの微細加工に用いられている。この技術を用いたマイクロ流路チップの量産が実現すると、現在一般的なポリジメチルシロキサン(シリコーン樹脂の一種)を金属製の型に注入する射出成形技術で作られるチップと比べ、大量生産と低コスト化が可能になる。

この技術で製造されるマイクロ流路チップは、がん検診や臨床検査などでの高い需要が見込まれるリキッドバイオプシー(血液など少量の体液を採取して行う身体への負担が少ない診断技術)分野や体外診断薬分野での使用が見込まれる。

今回試作に成功したガラス製マイクロ流路チップの実用化に向けた実証実験をパートナー各社と行い、フォトリソグラフィ法による量産化技術を2022年3月を目途に確立、製品化に取り組むとしている。

 

◆シート:ダイセルが二軸延伸ポリスチレンシート事業の終了を発表(9月7日)

ダイセルとダイセルミライズは、二軸延伸ポリスチレンシート事業を2022年3月末に終了すると発表した。

同事業は、重合から成型加工までの垂直統合型事業として取り組んだポリスチレン事業の一環として1994年に開始したが、近年は需要の減少による市場の縮小が続き、回復の目途が立たない状況となっていた。

今後は、次世代育成事業と成長牽引事業に経営資源を配分するとしている。

 

◆電子部品:凸版印刷がプラスチックフリーの環境配慮型ICタグラベルの販売を開始(10月4日)

凸版印刷は、商品情報を管理できる低価格UHF帯ICタグ「SMARTICS-U」シリーズに、FSC認証紙をアンテナ基材にした環境配慮型ICタグラベルを追加し、2021年10月より販売を開始すると発表した。

UHF帯ICタグ「SMARTICS-U」シリーズは、流通・小売店舗を始め、製造業や施設管理など様々な業界に提供している。

今回シリーズに新たに追加した環境配慮型ICタグラベルの特徴として、同社従来品と比較して20%の薄型化、アンテナ基材に紙を利用することによるプラスチックフリー化、ラベルを剥がそうとするとラベルが破壊され通信不能となる偽造防止機能などが挙げられる。また、価格は従来のICタグラベルと比較して、約10%増となる見込みである。

本製品を始めとしたUHF帯ICタグラベル「SMARTICS-U」および関連サービスの販売により、2025年度に約30億円の売り上げを目指すとしている。

 

◆水素関連:三菱商事、セムコープ社(シンガポール)、千代田化工が水素バリューチェーン事業の共同開発に関する覚書を締結(10月4日)

三菱商事、セムコープ社(シンガポール)、千代田化工は、千代田化工の水素貯蔵・輸送技術(スペラ水素)の活用を前提としたシンガポールにおける水素バリューチェーン事業の実現に向けた戦略的な提携についての覚書を締結したと発表した。

今後、セムコープ社がシンガポールに有する発電施設における天然ガスとの水素混焼を通じた発電施設の脱炭素施策も視野に入れ、同社が有するエネルギー分野におけるノウハウに加えて、千代田化工の水素貯蔵・輸送技術、三菱商事の案件開発機能や幅広い産業を事業領域とするグローバルネットワークの強みを融合させ、シンガポール国外でカーボンフリーのクリーンな水素を調達し、同国内に供給するサプライチェーン構築を展開していくとしている。

 

◆価格改定

・昭和電工が次亜塩素酸ソーダを10月15日出荷分より値上げ

値上げ幅は、6円/kg以上

・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを10月21日納入分より値上げ

値上げ幅は、15 円/kg以上

・DICがエポキシ系可塑剤を10月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、エポキシ化大豆油(ESBO):30~35円/kg、エポキシ化亜麻仁油(ELSO):60~65円/kg、その他エポキシ系可塑剤:50円/kg以上

・東ソーが石油樹脂を10月25日出荷分より値上げ

値上げ幅は、40円/kg以上

・トクヤマがセメント及びセメント系固化材を12月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、2,200円/t以上

・東ソーが重金属処理剤を1月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、15円/kg以上

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