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2020年6月11日号

2020.06.11 発行

HEADLINE

 

◆ウイルス対策:村田製作所と帝人フロンティアが電気の力で抗菌性能を発揮する繊維を開発(6月4日)

◆ウイルス対策:ダイセルが抗ウイルス機能を付与したタッチパネル用保護フィルムを開発(6月4日)

◆インキ:DICがSensient Technologies社からジェットインキ事業子会社を買収(6月4日)

◆ウイルス対策:AGC BiologicsがNovavaxから新型コロナウイルス感染症ワクチン候補アジュバントの製造を受託(6月4日)

◆無機:トクヤマが先進技術事業化センターを開設(6月3日)

◆電子材料:JX金属が圧延銅箔・高機能銅合金条及び半導体用スパッタリングターゲットの増産に向けた設備導入を完了(6月3日)

◆5G関連:AGCが『窓を基地局化するガラスアンテナ』の5G対応の開発を完了(6月3日)

◆ウイルス対策:デンカがアビガンの原料の出荷を開始(6月2日)

◆バイオ医薬品:AGCが米国バイオ医薬品原薬製造工場を買収(6月2日)

◆産業ガス:東北エア・ウォーターが山形県の新プラントの営業運転を開始(6月1日)

◆価格改定

・JXTGエネルギーがベンゼンの契約価格を改定

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆ウイルス対策:村田製作所と帝人フロンティアが電気の力で抗菌性能を発揮する繊維を開発(6月4日)

村田製作所と帝人フロンティアは、世界初となる、力が加わることで電気エネルギーを生み出し抗菌性能を発揮する圧電繊維「PIECLEX(ピエクレックス)」を共同開発したことを発表した。また、この繊維の研究・開発および製造・販売を目的に、2020年4月1日には両社の合弁によりピエクレックスを設立したことを併せて発表した。

「PIECLEX」は、植物から抽出したデンプンを発酵させて乳酸を作り、結合させたPLAを原料としている。また、「PIECLEX」の繊維は、人の動きなどによって生じる繊維の伸縮により、電気を発生させて抗菌・消臭機能を発揮するため、薬剤や有機溶剤を使用せず、環境負荷低減に貢献するとしている。

「PIECLEX」は2020年度より生産・販売を開始し、スポーツウェアやインナーウエアなどの衣料製品をはじめ、フィルタや衛生材などの産業資材用途まで幅広く展開するとしており、2025年度には売上高100億円を目指すとしている。

 

◆ウイルス対策:ダイセルが抗ウイルス機能を付与したタッチパネル用保護フィルムを開発(6月4日)

ダイセルは、従来の抗菌機能に加え、抗ウイルス機能を有する新たなタッチパネル用保護フィルムを開発したと発表した。

本製品は、高い視認性やペーパーライクな書き心地の良さなどはそのままに、銀系化合物を配合することで、インフルエンザに代表されるエンベロープを有するウイルスならびに、ノロウイルスに代表されるエンベロープのないウイルスを大幅に減少させた。日常生活で触れる機会の多いスマートフォンをはじめ、医療・教育現場で使用するタブレット端末や、不特定多数が操作するタッチパネルのスイッチなどの保護フィルムとして使用することで、使用者のウイルスによる感染リスクを低減させることが可能となる。

ダイセルでは、本製品を2020年6月ごろに発売予定で、抗菌製品技術協議会(SIAA)の認定取得を目指すとしている。

 

◆インキ:DICがSensient Technologies社からジェットインキ事業子会社を買収(6月4日)

DICの100%子会社であるSun Chemical社は、Sensient Technologies社(米国)からジェットインキ事業を営む子会社Sensient Imaging Technologies(以下、「SIT社」)の全株式と事業関連資産を取得することを目的とした売買契約を締結したことを発表した

SIT社はテキスタイル用途のデジタル印刷に使われるジェットインキを主力製品として取り扱っており、同市場において高いプレゼンスを確立している。テキスタイル用途のデジタル印刷は従来の方式と比べて多品種少量生産に向くことに加え、環境負荷を低減することが可能であり、今後も高い成長が見込まれている。

今回の買収により、DICグループはこれまで取り扱っていなかったテキスタイル用ジェットインキを新たに製品ポートフォリオに加えることになる。2020年6月末までにすべての譲渡手続きが完了する予定としている。

 

◆ウイルス対策:AGC BiologicsがNovavaxから新型コロナウイルス感染症ワクチン候補アジュバントの製造を受託(6月4日)

AGCのCDMO事業子会社(製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社)であるAGC Biologicsが、米国のNovavax社から、新型コロナウイルス感染症ワクチン候補「NVX-CoV2373」のアジュバント(ワクチンによる効果を増強したり補助したりする目的で併用される物質)である「Matrix-M」の製造を受託したことを発表した。

「NVX-CoV2373」は、Novavax社のナノ粒子技術を使用して製造される新型コロナウイルス感染症ワクチン候補である。2020年7月に結果が見込まれる第1相臨床試験は、現在感染症流行対策イノベーション連合の支援のもとで実施されている。中でも「Matrix-M」は「NVX-CoV2373」の効果を高めるための、同社が占有するアジュバントである。

AGC Biologicsは、2020年から2021年にNovavax社が供給できるワクチン量の大幅増強に向け、「Matrix-M」の大量製造を可能とする、製造プロセス最適化の開発段階から貢献するとしている。

 

◆無機:トクヤマが先進技術事業化センターを開設(6月3日)

トクヤマは、窒化ケイ素をはじめとする先端材料の事業化を目的として、山口県に「先進技術事業化センター」を開設することを発表した。

「先進技術事業化センター」は、当面は環境対応自動車や再生可能エネルギーの発電設備などに搭載されるパワー半導体モジュール向け窒化ケイ素の事業化に取り組む。

本センターでは、製造設備を中心に2年にわたり約30億円を投資、2021年4月頃から、順次、試運転を開始し、2021年夏には実証試験に入る予定としている。

 

◆電子材料:JX金属が圧延銅箔・高機能銅合金条及び半導体用スパッタリングターゲットの増産に向けた設備導入を完了(6月3日)

JX金属は、圧延銅箔・高機能銅合金条(コルソン合金、チタン銅)および半導体用スパッタリングターゲットのそれぞれについて、増産のための設備導入を予定通り完了したと発表した。

今回増産する製品群は、スマートフォンなど最先端の電子機器の性能向上に欠かすことのできない高機能材料として需要が拡大している。同社では、需要拡大に対応するため、圧延銅箔および高機能銅合金条では、溶解鋳造から圧延機、焼鈍炉、表面粗化処理ライン等のプロセス全般について、また、半導体用スパッタリングターゲットでは、銅・銅合金用ターゲットのプロセスを中心に、いずれも2017年度比で生産能力を約30%増強するための設備導入を行った。

今後の需要動向を見極めつつ、これらの設備を順次稼働させ、生産量を増やしていくとしている。

 

◆5G関連:AGCが『窓を基地局化するガラスアンテナ』の5G対応の開発を完了(6月3日)

AGCは、NTTドコモと共同で、ドコモの5G周波数に対応する電波送受信が可能なガラスアンテナ 『WAVEATTOCH』の開発を完了したと発表した。

5G対応の『窓を基地局化するガラスアンテナ』の開発は世界初となる。今後ドコモの5Gネットワーク拡大に伴い、2020年内に都市部を中心に全国で展開される予定である。また、今後の需要増に対応するための量産工場の稼働を開始している。

AGCは、従来の指向性が高い高利得タイプに加え、より広い角度への電波発信が可能なワイドビームタイプも今年度中の開発完了を予定し、さらに柔軟なエリア設計を可能にするとしている。

 

◆ウイルス対策:デンカがアビガンの原料の出荷を開始(6月2日)

デンカは、新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」の原料となるマロン酸ジエチルを6月1日に青海工場より出荷開始したと発表した。

同社は、政府が緊急経済対策として決定した「アビガン錠」の備蓄量200万人分拡大に向け原料メーカーとして速やかに供給を行うとともに、簡易検査キットの一日も早い量産化を目指すとしている。

 

◆バイオ医薬品:AGCが米国バイオ医薬品原薬製造工場を買収(6月2日)

AGCは、AstraZeneca社が米国コロラド州ボルダーに保有するバイオ医薬品原薬製造工場を買収したと発表した。

今回買収されるコロラド工場は、総容量20,000Lの動物細胞用ステンレスバイオリアクター2基を備え、より大規模な商用案件に適した工場である。現プラントには同規模のバイオリアクター4基の追加設置が可能であり、敷地にも余裕が大きく、将来的な拡張を見込んでいる。今後も新規受託案件の増加や、既存受託案件の治験から商用段階への移行が数多く見込まれることから、日米欧で進めている設備増強に加えて本工場の買収を決定した。

同工場は停止した状態で譲り受けるもので、2021年4月からの本格的な受託製造開始を目指すとしている。

 

◆産業ガス:東北エア・ウォーターが山形県の新プラントの営業運転を開始(6月1日)

エア・ウォーターグループの東北エア・ウォーターが、山形県寒河江市で建設を進めていた高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」が完成し、営業運転を開始したと発表した。

本「VSU」プラントの製造能力は、液化酸素が600Nm3/h、液化窒素が1,400Nm3/hである。同工場はエア・ウォーターグループが全国に配備を進めている「VSU」の19号機であり、東北地方では3機目の自社製造拠点となる。

また、同敷地内には、シリンダー充填工場および東北エア・ウ ォーター山形支店を設け、製造から販売まで一貫した体制を整備し、さらなるサービスの向上を図っていくとしている。

 

◆価格改定

・JXTGエネルギーがベンゼンの契約価格を改定

6月契約価格は、415$/t(前月比+90$/t)、国内価格換算想定値は49.9円/kg

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